JPS602360Y2 - リバウンドストツパ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は径方向へのスペースが小さく、軸方向へのスペ
ースが大きい緩衝器の内部の如き空間内に設置するに好
適するリバウンドストッパに関するものである。

更に詳細には、硬質ウレタンやゴム等の筒状体の外周に
円周方向に長さを有し、径方向に貫通する開口部を複数
設け、該開口部を軸方向に離間し、円周方向に位相をズ
ラせて設け、更にこの開口部を有する部分と連続する部
分の外周に軸方向に離間させて複数の環状溝を形成する
如くし、制限されたスペース内で大変形のバネ特性を備
え、且つ初期バネレートは柔かく、中期乃至後期のバネ
レートを硬くその特性を非線形の二次曲線的に変化せし
め得る如くしたリバウンドストッパに関する。

車両の懸架装置として車高調節が可能なものは、油圧緩
衝器と圧気保持、給・排機構等で構成され、従って油圧
緩衝器と圧気部分との合皮されたバネ特性で減衰力が得
られ、このため油圧緩衝器自体のバネ特性は柔かく、車
両調整のため圧気の圧力が少ない場合にはリバウンド等
でピストンが緩衝器内部のロントガイド等に衝合する虞
れがある。

これを防止し、衝撃を緩和すべくゴム等の中実リング状
のリバウンドストッパをロンド周に囲繞する如く嵌装し
ているが、そのバネ特性は線形で、ストロークに応じた
、荷重に応じた好ましい特性が得られ難く、衝撃緩和性
能は最良とはいえない。

かかるリバウンドストッパは上記懸架装置を構成する緩
衝器以外の緩衝器にも用いられるが、同様の問題がある
。

本考案者はリバウンドストッパの以上の如き問題点を有
効に解決すべく本考案をなしたものである。

本考案の目的は、硬質ウレタンやゴム等の軸方向に長さ
を有する筒状体の外周に周方向に長さを有し、径方向に
貫通する開口部を複数設け、該開口部を軸方向に離間し
、円周方向に位相をズラせて設け、更にこの開口部を有
する部分と連続する部分の外周に軸方向に離間させて複
数の環状溝を形成するようにし、制限されたスペース内
で大変形のバネ特性を有し、開口部を有する部分の撓曲
で初期バネレートを柔かく設定し、この撓曲に続く環状
溝を有する部分の撓曲への移行で中期乃至後期のバネレ
ートを硬く設定し、バネ特性を非線形の二次曲線的に変
化せしめ得る如くし、車両の緩衝器等に用いて多大の利
点を有するリバウンドストッパを提供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述する
。

第１図はリバウンドストッパの半裁正面図を、第２図は
部分的側面図を、第３図は斜視図を示している。

ストッパ１の本体２は硬質ウレタンやゴム等の可撓弾性
体よりなる軸方向に長い筒状体をなし、軸方向の上部に
バネレートの柔かい易撓曲部３を形威する。

この部分は本体２の上端に近い部分の外周に円周方向に
略々半周に近い径方向への貫通開口部４，４を同一円周
上に二個対称的に設けてなる。

開口部４，４の両端部間は連結部５，５として本体の一
部として残り、この開口部４，４の下に軸方向に離間し
て且つ円周方向に１８０°位相をズラせて開口部４ａ、
４ａを同様に設け、この開口部４ａ、４ａの両端部間は
連結部５ａ、５ａを形威する。

そしてこの開口部４ａ、４ａの下に軸方向に離間し、且
つ円周方向に１８０°位相をズラせて開口部４ｂ、４ｂ
が同様に設けられ、これの両端部間は連結部５ｂ、５ｂ
を形威し、この開口部４ｂ、４ｂは最初の開口部４，４
と円周上に同位相で、軸方向に離間し、位相がズした開
口部４ａ、４ａを挟んで設けられることとなる。

即ち開口部は軸方向に離間して千鳥状に本実施例では三
段に亘り設けられる。

本体２の軸方向の中間部乃至下部の外周には、断面Ｖ型
の環状溝７・・・を軸方向に等ピッチで複数設け、該溝
７・・・は適宜深さを有して本体の肉をこの部分で除去
し、谷の部分で軸方向に等ピッチで薄肉部分７ａ・・・
が形威され、難撓曲部６を形成する。

以上のストッパ１は筒体内を摺動するロッド等の軸体に
装着される。

即ち第５図はこれを示し、図示実施例は油圧緩衝器を示
している。

油圧緩衝器１０は内・外二重の筒体１１，１２よりなり
、底蓋１３上にはボトムバルブ１４を備え、内筒１１内
にはチェックバルブ等を有するピストン１５が嵌装され
、ピストン１５を下端に固着したピストンロッド１６は
上方に延出され、上端のロッドガイド１７、オイルシー
ル１８、上蓋１９を通って延出され、外筒１２が車輪側
に、ロッド１６上端部が車体側に各連結され、ロッド１
６上部の通路２０は圧気通路をなし、０７１１６周に図
示しない圧気チャンバを形威し、通路２０からの圧気の
導入、排出で緩衝器１０の軸方向長さを調節し、車高を
高低調節するように構成されている。

以上において、ロッド１６の中間部にフランジ状ブラケ
ット２１を形威し、この上からロッド外周を囲む如く既
述のリバウンドストッパ１を嵌合し、難撓曲部６の下端
をブラケット２１で支持し、易撓曲部３の上端部は軸方
向に離間してロッドガイド１７下端面と向い合う。

ピストン１５の伸び行程でこれが所定以上のストローク
である如きリバウンド時には、ストッパ１の上端部がロ
ントガイド１７に衝突し、ストッパ１は下がブラケット
２１で軸方向に拘束されているため軸方向に撓曲し、こ
の撓曲作用で衝撃を緩和する。

そのバネ特性は第４図のグラフで示される如くで、径方
向に貫通した開口部を軸方向に千鳥に設けた部分３は撓
曲し易く、ストッパ１への軸方向への荷重に対してバネ
レートは柔かく、第４図のＡに示される如く小さな荷重
でもたわみ量が大きくてストロークが進行し、部分３が
圧潰した後次段の部分の６が撓曲を開始する。

この部分６は円周上に肉抜き環状溝が設けられているだ
けのため、上記部分３に比し撓曲しにくくてバネレート
が高く、第４図のＢの如くたわみ量に対して荷重が大き
く、荷重に対してストロークが急激に減少する。

このように第４図のグラフで示される如く初期のバネレ
ートが柔かく、中期乃至後期のバネレートが硬いという
非線形バネ特性を有する二次曲線的なバネ特性が得られ
る。

以上で明らかな如く本考案によれば、初期のバネレート
が柔かく、中期乃至後期のバネレートが硬いストローク
に依存した非線形バネ特性を有する理想的なバネ特性の
リバウンドストッパを得ることができ、油圧緩衝器等の
リバウンドストッパとして最適で、衝撃緩和性能に優れ
るとともに、以上を硬質ウレタン、ゴム等の円筒部材に
開口部、環状溝を設けるだけで足り、構造簡単、製作容
易且つ安価に提供し得る等多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図はストッ
パの半裁正面図、第２図は半裁部分側面図、第３図は斜
視図、第４図は特性を示すグラフ、第５図は油圧緩衝器
に装着した状態を示す半裁縦断面図である。 尚図面中１はリバウンドストッパ、２は筒状体、４，４
ａ、４ｂは開口部、７・・・は環状溝である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可撓弾性体よりなる筒状体の外周に円周方向に適宜長さ
   を有し、径方向に貫通する開口部を軸方向に離間して複
   数設け、且つ軸方向に離間した各開口部を円周方向に位
   相をズラせて設けるとともに、該開口部を有する部分と
   連続する部分の外周に軸方向に離間させて複数の環状溝
   を形成してなり、筒体と該筒体内に摺動自在に嵌合する
   ピストンを備えたロッドとからなる油圧緩衝器の筒体と
   ロッド間の空間内であって、ロッドが突出する筒体端部
   に備えたロッドガイドとロッドに備えたフランジ状ブラ
   ケット間の空間内に収納されたリバウンドストッパ。