JPS6023484Y2 - 内燃機関のポ−トライナ付シリンダヘツド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は排気ガス温度を下げないで浄化装置に送るた
めにシリンダヘッドの排気ポートに耐熱性金属からなる
ポートライナを装着して両者間に断熱空気層を形成する
形式の内燃機関の排気ポート部分の改良に関するもので
ある。

従来の排気ポート部分の構造は第１図に示す様に、シリ
ンダヘッド１の排気ポート２内にポートライナ３を装着
して環状の断熱空気層４を形成させているのであるが、
ポートライナ３の外端は排気ポート２の外端シール面５
即ち排気マニホールド（図示せず）の取付面と同一位置
まで延長されている。

この場合、ポートライナ３の外端はシリンダヘッド１の
１部１ａによって部分的に支持されている（第２図参照
）。

上記従来のシリンダヘッド１のマニホールド取付面のシ
ールは、断熱空気層４が上記面まで達して開口している
ため、この空気層４の外側でする必要があり、マニホー
ルド取付面を大きくする必要がある。

即ち、第１図において、幅１の環状平面が排気マニホー
ルドとの密着気密有効端面となる。

この１を充分ならしめるためには、結局全幅りを大きく
設定する必要があり、従って、この部分の部分サイズが
大きくなり、シリンダヘッド１をコンパクトにし難い。

又、第１図のようであると、熱伸縮により密着個所ａに
はせん断力が作用し、場合によっては、極端な場合とし
て第３図のような相対ずれ１１が生じ得て、好ましくな
い。

又、シリンダヘッド１は一般にアルミ合金等で鋳造され
、ポートライナ３はステンレス鋼板等の耐熱性金属で構
成され、このポートライナ３をシリンダヘッド１の鋳造
時、鋳ぐるむものであるため、排気マニホールド取付面
の機械加工時、ポートライナ３とアルミを同時加工する
必要が起り、機械加工性に問題が多い。

更に、従来では、シリンダヘッド１によるポートライナ
３の保持面積が多く、排気ガスの保温効果に悪影響を与
えていた。

この考案は従来のシリンダヘッド部分の上記欠点に鑑み
、之れを改良除去したもので、即ち、前記従来のシリン
ダヘッドの排気ポートの外端シール面の全幅りを大きく
することなく、むしろ小さくして、しかも、排気マニホ
ールドとの密着気密有効端面幅１を大きくし得るように
構成したものであって、以下この考案の構成を図面に示
す実施例について説明すると次の通りである。

第４図において、１１はシリンダヘッド、１２はその排
気ポート、１３はポートライナ、１４は断熱空気層であ
る。

上記ポートライナ１３の外端は、第４図に示す様に、シ
リンダヘッド１１の排気ポート１２の外端シール面１５
よりも若干内方の位置までの長さとし、かつ、シリンダ
ヘッド１１の排気ポート１２の出口部分の内周をポート
ライナ１３の内周と一致する位置まで内周側に全周に亘
って突出させた構成とする。

そして、ポートライナ１３の外端には切欠凹所１６を設
け、これらの切欠凹所１６間に管軸方向に一体に延長さ
れた突片１３ａを複数個形威せしめる（第７図参照）。

各突片１３ａの先端は、第４図に示す様に、シリンダヘ
ッド１１の排気ポート１２の外端シール面１５、即ち、
マニホールド取付面より若干内方の位置でシリンダヘッ
ド１１に保持させである。

即ち、ポートライナ１３の外端は、シリンダヘッド１１
の排気ポート１２の外端シール面１５よりも若干内方の
位置としてあり、かつ、断熱空気層１４の端部は上記シ
ール面１５には開口させない構成としである。

これによって、この考案によるシール面１５は第５図に
示すように、断熱空気層１４の厚さ寸法５分を含めた広
い環状平面となり、第１図の従来例における全幅りを大
きくすることなしにシール面５の密着気密有効端面幅１
即ち、シール有効面積を大きくしたものである。

上記ポートライナ１３の外端を支持するために、シリン
ダヘッド１１の排気ポート１２の外端に形成された保持
部１１ａは、ポートライナ１３の内径と同径の環状周面
を形成し、前記各突片１３ａの先端を支持する部分は、
鋳ぐるみにより自然な段部が形成される（第４図参照）
。

換言すると、第４図１１ａの部分においては、ポートラ
イナ１３の内面とシリンダヘッド１１の母材面とが滑ら
かに連続しているのである。

又、断熱空気層１４は、ポートライナ１３の各突片１３
ａの間の切欠凹所１６において、第４図及び第６図に示
す様に内周方向に開口連通ずる。

上記切欠凹所１６は第８図に示す様に、ポートライナ１
３の内側の排気ポート形成用中子１７ａ及び外側の断熱
空気層形成用中子１７ｂの成型時の連通部として利用さ
れ、更に、シリンダヘッド１１の鋳造後における断熱空
気層形成用Φ子１７ｂの中子砂の断熱空気層１４内から
の排出除去用口として利用される。

その結果、中子成型時におけるポートライナ１３の外周
の断熱空気層形成用中子１７ｂ部分への中子砂の吹込口
が特に不要であり、中子成型後の後処理も不要となる。

以上説明した様にこの考案はシリンダヘッドの排気ポー
トに耐熱性金属からなるポートライナを装着して両者間
に断熱空気層を形成する形式の内燃機関の排気ポートに
おて、ポートライナの外端をシリンダヘッドの排気ポー
トの外端シール面より若干内方までの長さとし、かつ、
シリンダヘッドの排気ポート出口部の内周をポートライ
ナの内周と一致する位置まで内周側に突出させて外端シ
ール面を断熱空気層の厚さ寸法を含めた広い環状平面と
し、上記ポートライナの外端に複数個の切欠凹所を設け
て、これら切欠凹所間に管軸方向に一体に延長された突
片を複数個形威し、これら各突片の先端をシリンダヘッ
ドの排気ポートの外端シール面即ち、マニホールド取付
面より若干内方の位置でシリンダヘッド主体に支持させ
たから、断熱空気層の厚み寸法部分をもマニホールド取
付シール面として利用することができ、シリンダヘッド
の排気ポート部分の外側寸法を従来通りとしたままでシ
ール有効面積の拡大を図ることができる効果がある。

また、これに付随して上記シール面の機械加工はポート
ライナと無関係に加工でき、しかも、ポートライナの保
持を複数個の突片の先端で行わせたため、シリンダヘッ
ドへの熱の伝達面積が少なくなり、排気ガスの保温効果
を大きくすることができる。

又、ポートライナの外端はシリンダヘッドに各突片部分
が鋳ぐるまれることによって支持されるため、保持作用
が確実となり、更に、各突片の間を利用してポートライ
ナ外周への中子砂の吹き込みが可能であり、かつ、中子
の後処理が不要であるからシリンダヘッドの生産性（鋳
造性）を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のポートライナ付シリンダヘッドの排気ポ
ート部分の縦断面図、第２図はその端面図、第３図は第
１図のポートライナの外端の挙動説明図、第４図は本考
案に係るポートライナ付シリンダヘッドの排気ポート部
分の縦断面図、第５図はその端面図、第６図は第４図Ａ
−Ａ線の断面図、第７図は本考案に係るポートライナの
外端の斜視図、第８図は本考案に係るポートライナとシ
リンダヘッドの排気ポート形成用中子の関係を示す説明
用断面図である。 １１・・・・・・シリンダヘッド、１２・・・・・・排
気ポート、１３・・・・・・ポートライナ、１３ａ・・
・・・・突片、１４・・・・・・断熱空気層、１５・・
・・・・シール面、１６・・・・・・切欠凹所。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダヘッドの排気ポートに耐熱性金属からなるポー
   トライナを装着して両者間に断熱空気層を形成する形式
   の内燃機関の排気ポートにおいて、ポートライナの外端
   をシリンダヘッドの排気ポートの外端シール面より若干
   内方までの長さとし、かつ、シリンダヘッドの排気ポー
   ト出口部の内周をポートライナの内周と一致する位置ま
   で内周側に突出させて外端シール面を断熱空気層の厚さ
   寸法分を含めた広い環状平面とし、上記ポートライナの
   外端に複数個の切欠凹所を設けて、これら切欠凹所間に
   管軸方向に一体に延長された突片を複数個形威し、これ
   ら各突片の先端をシリンダヘッドの排気ポートの外端シ
   ール面即ち、マニホールド取付面より若干内方の位置で
   シリンダヘッド主体に支持させたことを特徴とする内燃
   機関のポートライナ付シリンダヘッド。