JPS6023360Y2 - 抄紙機におけるヘッドボックスの整流装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は抄紙機におけるヘッドボックスの整流装置に関
するものである。

従来の抄紙機におけるヘッドボックスは、例えば第１図
に示すように、パルプ懸濁液からなる紙料は紙料供給管
（図示せず）からヘッダ１に供給され、ついで分配管２
を通って分配され、更に多孔板３を通ることにより整流
され均一化され、ついで分割板４を通過してパルプ繊維
が均一に分散され、スライスリップ５からワイヤ（図示
せず）上に噴出される。

上記ヘッドボックスにおける整流装置である多孔板３は
紙料の流れを均一化し、分割板４で仕切されたチャンネ
ル（流路）へ原料を送る。

そして、多孔板３を通過した紙料は、第２図に示すよう
に、多孔板の下流の無孔部分で死水域６が形成され、こ
の区域で不規則な渦流が発生する。

このため、ヘッドボックスの幅方向にわたり、紙料の濃
度むら及び速度むらが生じる。

これらはチャンネルを通過する間に次第に減衰するが、
完全には消滅しないので、上記紙料の濃度むら、速度む
らが抄紙機のワイヤ上でも紙料むらとして残存し、ひい
ては最終紙製品の強度、地合構成に悪影響を及ぼす。

上記の欠点を克服するために、第３図に示すような多孔
板３の出口側にスリット板７を設けた整流装置も公知で
ある。

即ち、多孔板の下流側にスリット板を設け、多孔板３を
通過した紙料はスリット板７で絞られるので、下流側で
ヘッドボックスの幅方向に紙料が拡散し、死水域６が減
少する。

しかしながら、上記装置においても、紙料の拡散はまだ
不十分であるので、紙料の濃度むらや速度むらが生じる
。

それ故、本考案の目的は、紙料機のヘッドボックスにお
いて、パルプ繊維の分散を向上させ、地合構成のよい高
品質の紙を製造することにある。

上記目的を遠戚するために、ヘッドボックスの整流装置
において、多孔板とスリット板との境界区域にヘッドボ
ックスの幅方向に連続した溝を設けるものである。

上記溝を設けることにより、多孔板を通ってスリット板
で絞られる紙料は、スリット板を通る前に予め溝で撹乱
されるので、スリット板の下流でヘッドボックスの幅方
向の拡散が十分行なわれ、スリットの下流では死水域は
消滅する。

従って、従来の整流装置で生じていた紙料の濃度むら及
び速度むらが生じなくなり、均一で高品質の紙が製造す
ることができる。

本考案の整流装置の第１実施例を詳述すれば、第４図に
示すように、多孔板８の下流側の面に、多孔板８の孔径
と同一寸法でヘッドボックスの幅方向に連続した溝９を
一体に機械加工し、多孔板８の出口にスリット板７を装
着し、スリット板７には分割板４を装着して単一のチャ
ンネル又は複数のチャンネルを構成する。

上記のように整流装置を構成することにより、その作用
を説明すれば、第５図に示すように、多孔板８を通過し
た紙両は溝９に入る。

ここでスリット板７の抵抗及びスリット板上流側の壁面
１０への紙料の流れの衝突により、紙料はヘッドボック
ス幅方向に拡散される。

その後、紙料はスリット板７に絞られるため、スリット
板に流入しようとする紙料流が撹乱腰スリット板を通っ
た後にヘッドボックス幅方向に拡散する。

したがって、スリット板を通った下流側出口１２には、
死水域は消滅し、十分拡散された紙料流かえられる。

この結果、紙料の濃度むら及び速度むらは除去され、出
来る紙は均一になり品質が向上するのである。

更に、本考案の整流装置の第２実施例として、第６図に
示すように、整流装置が多孔板１３とスリット板１４と
から構成される点は、第１実施例と同様であるが、スリ
ット板１４が２段になっており、上流側のスリット１５
は多孔板の孔径と同一寸法でヘッドボックス幅方向にわ
たってのびているが、下流側スリット１６の幅は上流側
スリットに比べて更に絞って狭くなっている。

上記のような構造をしている整流装置において、紙料の
流れは、第１実施例と同様に、多孔板１３と流れ、つい
で上流側スリット１５に入り、こ）で、上流側スリット
の抵抗と壁面への紙料流の衝突により、紙料流は撹乱さ
れ、下流側スリット１６に流入しながら衝突し、スリッ
ト出口でヘッドボックスの幅方向に拡散されるので、従
来の装置のような死水域は消滅し、紙料の濃度むら及び
速度むらが除去され、地合構成の均一な高品質の紙かえ
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のヘッドボックスの構造を示す一部断面概
略図、第２図イは第１図の多孔板付近の紙料流を示す整
流装置の一部断面拡大図、第２図口は第２図イのＡ−Ａ
線に沿った断面図、第３図イは従来の多孔板とスリット
板とを備えた整流装置における紙料流を示す一部断面拡
大図、第３図口は第３図イのＢ−Ｂ線に沿った断面図、
第４図イは本考案の第１実施例の整流装置の一部正面図
、第４図町よ第４図イの断面図、第４図ハは第４図口の
Ｃ−Ｃ線に沿った断面図、第５図イは整流装置の紙料流
を示す一部断面拡大図、第５図口は第５図イのＤ−Ｄ線
に沿った断面図、第６図は本考案の第２実施例の整流装
置の一部断面拡大図である。 １・・・・・・ヘッダ、２・・・・・・分配管、３・・
・・・・多孔板、４・・・・・・分割板、５・・・・・
・スライスリップ、６・曲・死水域、７・・・・・・ス
リット板、８・・・・・・多孔板、９・曲・溝、１０・
・・・・・スリット板の壁面、１１・・・・・・紙料流
、１２・・・・・・出口、１３・・・・・・多孔板、１
４・・曲スリット板、１５・・・・・・上流側スリット
、１６・曲・下流側スリット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多孔板と概多孔板の下流側に装着されたスリット板とか
   らなる抄紙機におけるヘッドボックスの整流装置におい
   て、前記多孔板とスリット板との境界区域であって、前
   記多孔板又はスリット板に、多孔板の孔径と同一寸法を
   有し且つヘッドボックスの幅方向に連続した溝を有する
   ことを特徴とする、抄紙機におけるヘッドボックスの整
   流装置。