JPS6022944Y2 - 電気洗濯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、所謂揉み洗い方式を採用した新規な電気洗
濯機に関するものである。

今までに、種々の電気洗濯機が数多く提案されてきたが
、その殆どはパルセータと呼ばれる攪拌翼車にて渦流を
発生させる渦流式のものであった。

しかしながら、この渦流式洗濯機にあっては、布の傷み
が激しく、また、洗濯物の絡み付きなどの本質的な欠点
がある。

一方、節水を含めた種々の面からの省資源対策が進めら
れているが、この渦流式を採用するかぎり、それには自
ずと限界がある。

この考案は、上記して渦流式の欠点に鑑みなされたもの
で、その目的は、渦流式に代えて揉み洗い方式を採用す
ることにより、布の傷みや絡み付き等がきわめて少なく
、併せて節水と洗浄能力の向上を図ることができる電気
洗濯機を提供することにある。

以下、この考案の実施例を添付図面を参照して詳細に説
明する。

この洗濯機は、第１図に示されているように、化粧パネ
ル等からなる外箱１を有し、この外箱１は仕切板２およ
びシールバッキング３により公知の如く下室４と上室５
とに区画されている。

その下室４内には、可逆回転型電動機６が適当数の支持
バネ７を介して支持されており、一方、上室５内には洗
濯槽８が収納されており、これは前記シールバッキング
３を挿通して上室５内に突出する電動機６の駆動軸９に
支持されている。

この場合、駆動軸９は、２重軸すなわち、内軸１０とこ
のまわりに配置された筒状の外軸１１とからなり、内軸
１０はスプリングピン１２を介して！動機６のクラッチ
胴１３に一体的に連結されているが、外軸１１は一方向
クラッチ、例えばスプリングクラッチ１４を介してクラ
ッチ胴１３に選択的に連結されるようになっている。

スプリングクラツチ１４は、第２図に示されているよう
に、外軸１１およびクラッチ胴１３の径よりもわずかに
径小に巻回されたコイルスプリングからなり、これは両
者の外周面に跨がるように嵌着されている。

ここで、第２図上方から見てスプリングクラッチ１４が
右方向巻きの状態で巻装されていると仮定すれば、この
スプリングクラッチ１４は電動機６の右回転時には外軸
１１とクラッチ胴１３とに巻付くように作用して両者を
連結するが、電動機６の左回転時にはわずかに巻戻され
るようになるため、外軸１１はクラッチ胴１３から解離
されることになる。

なお、１５は電動機６の駆動トルクに応じてオン、オフ
する公知のブレーキ装置、１６はそのまわに配設された
ブレーキドラムである。

洗濯槽８は、硬質合成樹脂からなる有底円筒状の外槽１
７と、この外槽内に装着された軟質ゴム等の弾性および
可撓性を有する材料からなる洗濯容器１８とを含み、外
槽１７はその底部においてカップリング１９を介して外
軸１１に連結支持されている。

洗濯容器１８は、外槽１７の開口周縁に懸装されるよう
に取付けられており、その周壁土部にはこれに沿って断
面Ｖ字状をなす折返し部２０が環状に形成されており、
また、底壁部には環状をなす複数の襞２１が同心的に形
成されている。

なお、この折返し部２０は所謂蛇腹状に形成されたもの
であればよく、また、襞２１は螺施状に形成されたもの
であってもよい。

そして、外槽１７と洗濯容器１８との間には、この洗濯
容器１８を外側から押圧して弾性変形させながら、その
外周壁に沿って転動する押圧手段２２が設けられている
。

この押圧手段２２は、実際には垂直回転軸線を有する円
筒状ローラ部材からなり、これは第１図で説明の便宜上
一方のみしか示されていないが、この実施例においては
第３図の如く左右対称的に設けられている。

これら１対のローラ部材２２．２２は、内軸１０の上端
に適当な軸受を介して回動アーム２３の両端部にそれぞ
れ自転可能に支持されているとともに、例えばベルト伝
動機構を介して電動機６により駆動されるようになって
いる。

すなわち、内軸１０には第１のプーリ２４が固定されて
おり、一方、ローラ部材２２はローラ軸２５を有し、こ
のローラ軸２５にはベルト２６を介して第１のプーリ２
４と作動的に連結される第２のプーリ２７と、外槽１７
の底壁部に設けられている環状のガイド歯車２８と噛合
う遊星歯車２９とが設けられている。

したがって、電動機６により内軸１０を回転させると、
その駆動力は第１、第２のプーリ２４，２７およびベル
ト２６を介してローラ軸２５に伝達され、これによりロ
ーラ部材２２は遊星歯車２９を介してガイド歯車２８に
案内されて自転しながら公転する。

この場合、洗濯容器１８内において洗濯物の極端な塊り
が偏在していると、このローラ部材２２の公転運動に伴
なって洗濯容器１８に無理な回転力が作用し、この容器
１８が円周方向に捩られてしまう虞れがある。

このため、この考案ではローラ部材２２を強制的に自転
させるようにしているのであるが、その不転速度は、 容器１８の外周長≧押圧ローラ部材２２の直径×π（円
周率）×自転数 なる関係式を満足するように定められている。

そして、実際には、ガイド歯車２８と遊星歯車２９との
ギヤ比等によって調整されるようになっている。

また、回動アーム２３の内軸１０に対する軸受ハウジン
グ３０にはスライダー３１が嵌装されていて、このスラ
イダー３１を介して洗濯容器１８の底部を支持する円盤
状の支持板３２が取付けられている。

はお、ローラ部材２２の直径および本数等は、洗濯容器
１８の内容積との関係において良好な洗浄効果が発揮さ
れるように任意に定めることができる。

符号３３は洗濯槽８の上部開口に取付けられたバランス
リングである。

次に、この洗濯機の動作について説明する。

まず、洗濯容器１８内に洗濯物を投入して注水するので
あるが、この場合、渦流式のように多量の水は必要なく
、洗濯物が浸される程度の水量でよい。

そして、図示しないスイッチを操作して電動機６を左回
転させると、前述したようにスプリングクラッチ１４は
解離状態となるため、内軸１０のみが回転する。

したがって、第１、第２のプーリ２４，２７およびベル
ト２６を介してローラ軸２５に回転駆動力が伝達され、
ローラ部材２２は遊星歯車２９を介してガイド歯車２８
に案内されて第３図のように洗濯容器１８の外周壁を弾
性変形させながら、容器１８の軸線のまわりを自転を伴
なって公転する。

このローラ部材２２の押圧力により、洗濯物は揉み洗い
もしくは押し洗い的に洗浄される。

この洗い方式によると、従来の渦流式に比べて布の傷み
や絡み付きが殆どなく、しかもむら落ち等がなく洗浄能
力の点においてもすぐれている。

また、渦流式では溶けにくいとされていた動植物性油脂
からなる粉石けんをも容易に溶解することができる。

この場合、洗濯容器１８内に洗濯物の大きな塊りが偏在
されていたとしても、ローラ部材２２は前記した関係式
から明らかなように、容器１８のまわりを公転する際、
容器１８の外周壁を引込むように自転しているため、容
器１８に無理な回転力が作用することはない。

脱水は、電動機６を逆回転させることにより行なわれる
。

すなわち、図示しないスイッチを操作して電動機６を右
回転させると、スプリングクラッチ１４は外軸１１およ
びクラッチ胴１３に巻付いて両者を連結する。

したがって、内軸１０と外軸１１はともに同方向、同速
度で回転駆動され、外槽１７、洗濯容器１８およびロー
ラ部材２２は一体的に高速度にて回転する。

この高速回転時の遠心力により、洗濯容器１８内の洗浄
水は、その上部開口周縁とバランスリング３２との間隙
から上室５内に排出され、仕切板２に設けられている排
水口３４から外部へ排出される。

そして、これらを数回程度繰返すことにより、この洗濯
容器１８内においてすすぎ洗いと脱水仕上けを行なうこ
とができる。

なお、この実施例では図示されていないが、洗濯容器１
８には適当な蓋が着脱自在に取付けられるようになって
いる。

上記した実施例の説明から明らかなように、この考案に
よれば、洗濯容器内において洗濯物を揉み洗いもしくは
押し洗ひ的に洗浄することができ、したがって、従来の
渦流式に比べて布の傷みや絡み付き等が殆どなく、しか
もむら落ち等のない高い洗浄能力が得られる。

この場合、押圧ローラは、洗濯容器のまわりを遊星歯車
により強制的な自転を与えられながら公転するようにな
っているため、この押圧ローラの回転運動に伴なって洗
濯容器に無理な回転力が作用する虞れがなく、これによ
り、洗濯容器の耐久性が高められている。

また、この洗い方式によれば、洗剤の溶解性においても
すぐれているため、渦流式では溶けにくいとされていた
各種粉石けんの使用も容易である。

一方、洗濯時およびすすぎ洗い時においても、渦流式の
ように多量の水を使う必要がなく、洗濯物を浸す程度の
水量で十分であり、大巾な節水を図ることができるとと
もに、洗濯槽の小形化が可能となり、全体をコンパクト
に設計することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による電気洗濯機の縦断面図、第２図
はスプリングクラッチを説明するための図面、第３図は
第１図の■−■に沿った横断面図である。 図中、１は外箱、６は電動機、８は洗濯槽、１７は外槽
、１８は洗濯容器、２０は折返し部、２１は襞、２２は
押圧手段（ローラ部材）、２８はガイド歯車、２９は遊
星歯車である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）軟質ゴム等の弾性かつ可視性を有する材料からな
   る洗濯容器と、この洗濯容器の外側からその外周壁を部
   分的に半径方向内側に押圧して弾性変形させながら該容
   器の軸線を中心として回転するように設けられた押圧ロ
   ーラと、電動機と、該電動機と上記押圧ローラとの間に
   あって上記押圧ローラのための公転軌道を形成する環状
   ガイド歯車該ガイド歯車に沿って転動する遊星歯車とを
   含む回転駆動力伝達手段とを有し、上記押圧ローラは、
   垂直回転軸をもち、該垂直回転軸を介して上記遊星歯車
   に連結されており、上記電動機の回転に伴ない、上記押
   圧ローラは上記遊星歯車を介して強制的に自転しながら
   上記環状ガイド歯車に案内されて公転運動することを特
   徴とする電気洗濯機。
2. （２）実用新案登録請求の範囲１において、上記押圧ロ
   ーラの上記遊星歯車を介しての自転速度は自転数≧（洗
   濯容器の外周長） ／（押圧ローラの径×？ｒ（円周率） の関係式を満足するように定められていることを特徴と
   する電気洗濯機。