JPH0254116B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は洗濯兼脱水槽を備えたいわゆる一槽式
脱水洗濯機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 この種の一槽式脱水洗濯機は従来第１図に示す
ような構成であつた。図において、１は脱水洗濯
機の本体、２は本体１の上部後方に設置されたパ
ネル部で、タイムスイツチ等を内蔵している。３
は前記本体１内にサスペンシヨン４により防振支
持された外槽、５は外槽３の上部に設けられた衣
類投入口、６は前記外槽３内に回転自在に支持さ
れた洗濯兼脱水槽で、上部開口部周壁にバランス
ウエイト７を取付けている。またこの洗濯兼脱水
槽６の周壁には多数の水抜き孔８を、内周壁には
縦方向に復数個の撹拌用突起９を設けている。１
０は前記洗濯兼脱水槽６の軸で、この軸１０の内
側にはメタル１１、また外側にはボールベアリン
グ１２と１３、オイルシール１４と１５を圧入し
ている。１６は前記外槽３の外底部に取付けられ
たモータで、このモータ１６の動力は、モータプ
ーリ１７、Ｖベルト１８およびプーリ１９を介し
て、洗濯兼脱水槽６の内底部中央より突出してい
る撹拌体２０の軸２１に伝達される。前記撹拌体
２０は軸２１の下方にラチエツトホイール２２を
備えており、外槽３の底部に固定したアーム２３
の爪２４がラチエツトホイール２２と脱水の場合
は噛合せず、洗濯の場合は噛合する。２５は爪２
４をアーム２３に回動自在に取付けた軸、２６は
前記撹拌体２０の外周部に一体に成形された小さ
な翼である。２７は外槽３の底部に接続された排
水ホースで、排水口２８を前記本体１の側壁に取
付けている。

上記構成における問題点は、洗濯兼脱水槽自身
による回転運動がなく、撹拌体の回転運動のみに
より洗浄を行うため、布の損傷、洗いむらが多い
という点である。

発明の目的 本発明は洗濯兼脱水槽と撹拌体とを各々逆方向
回転させることにより洗浄を行なわせるもので、
布の損傷、洗いむらを少なくし、洗浄性能の優れ
た一槽式脱水洗濯機を提供するものである。

発明の構成 本発明の一槽式脱水洗濯機は、洗濯兼脱水槽と
撹拌体と、この洗濯兼脱水槽および撹拌体を回転
せしめるモータと遊星ギアからなる増速機構を備
え、前記洗濯兼脱水槽と撹拌体を増速機構を介し
て各々逆方向に回転させることにより、両者の相
対運動によつて洗浄性能を向上させたものであ
る。

実施例の説明 以下、添付図面に基づいて本発明の一実施例に
ついて説明する。第２図、第３図において、従来
例と同一のものには同じ符号で示し説明を省略す
る。第２図の２９はモータと遊星ギアからなる増
速機構を含む駆動機構で、詳細を第３図に示す。

第３図において、３０は洗濯兼脱水槽６を固定
する軸で、下端部を遊星ギアのインターナルギア
部３１に固定し、撹拌体２０の軸３２を前記遊星
ギアのサンギア部３３に固定している。洗濯兼脱
水槽６の軸３０の外側にはオイルシール３４とボ
ールベアリング３５、また内側にはオイルシール
３６を圧入している。３７はボールベアリング、
３８は圧縮バネで、これによりモータを構成する
回転子３９を下方部に付勢している。４０はモー
タを構成する固定子、４１は回転子３９の下方へ
の移動時の接触により制動を行うブレーキシユ
ー、４２はモータ駆動部のフレーム、４３は遊星
ギアのキヤリア部である。

上記構成において動作を説明すると、モータに
通電すると磁気吸引力により回転子３９は、固定
子４０側に吸引され回転する。いま、モータを回
転させると、モータの回転子３９の回転は、遊星
ギアのインターナルギア部３１に固定された洗濯
兼脱水槽の軸３０に伝達される。ここで、洗濯時
には爪２４がラチエツトホイール２２に噛合して
いる遊星ギアのキヤリア部４３が固定されてい
る。したがつてモータの回転子３９の回転は、増
速機として構成された遊星ギアの作用により増速
され撹拌体の軸３２に伝達され、軸３２に取付け
られた撹拌体２０は、洗濯兼脱水槽６の回転方向
と逆方向に回転し、洗濯兼脱水槽６の回転数より
も高い回転数で回転するよう構成されているた
め、洗濯兼脱水槽６と撹拌体２０との相対運動に
よつて布と布を効果的にすりあわせる動きが得ら
れ洗浄が行なえる。洗濯兼脱水槽６と撹拌体２０
は一定時間ごとに駆動が繰り返し行なわれること
によつて洗浄が終了するものである。なお脱水時
には、爪２４をラチエツトホイール３２から離す
ことによつて洗濯兼脱水槽６を連続して回転駆動
するものである。

発明の効果 上記実施例からあきらかなように、本発明の一
槽式脱水洗濯機は、撹拌体と洗濯兼脱水槽とを
各々逆方向に回転させることにより、布と布との
すりあわせで効果的に洗浄を行なうため、撹拌体
の回転のみにより洗浄を行なわせる従来のものよ
りも布の損傷、洗いむらを最小限に抑えながら洗
浄性能を高めることができるもので、その効果は
大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す一槽式脱水洗濯機の縦断
面図、第２図は本発明の一実施例を示す一槽式脱
水洗濯機の縦断面図、第３図は同一槽式脱水洗濯
機の駆動機構部の詳細を示す断面図である。 １……本体、３……外槽、３９……回転子、４
０……固定子、６……洗濯兼脱水槽、２０……撹
拌体、２９……駆動機構部、３０……洗濯兼脱水
槽の軸、３２……撹拌体の軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 本体内に弾性支持された外槽と、この外槽内
   に回転自在に支持された洗濯兼脱水槽と、この洗
   濯兼脱水槽内に設けた撹拌体と、この洗濯兼脱水
   槽および撹拌体を回転させるモータとを備え、モ
   ータの固定子を外槽に固着し、モータの回転子と
   洗濯兼脱水槽の軸とを遊星ギアのインターナルギ
   ア部に固着し、撹拌体の軸を遊星ギアのサンギア
   部に固定し、さらに、ラチツトホイルを設けた軸
   を遊星ギアのキヤリア部に固定し、洗濯時に前記
   ラチツトホイルの回転を固定し、前記モータを回
   転させることにより前記撹拌体と洗濯兼脱水槽と
   を各々逆方向に回転させるように構成した一槽式
   脱水洗濯機。 ２ 撹拌体の回転数を洗濯兼脱水槽の回転数より
   も高くなるように遊星ギアのギア比を設定してな
   る特許請求の範囲第１項記載の一槽式脱水洗濯
   機。