JP3140003B2 - 洗濯機の動力伝達装置 - Google Patents

洗濯機の動力伝達装置

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JP3140003B2
JP3140003B2 JP11051157A JP5115799A JP3140003B2 JP 3140003 B2 JP3140003 B2 JP 3140003B2 JP 11051157 A JP11051157 A JP 11051157A JP 5115799 A JP5115799 A JP 5115799A JP 3140003 B2 JP3140003 B2 JP 3140003B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、洗濯機の動力伝
達装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に従来の洗濯機は、図１〜図３に示
すように、洗濯機本体１の後側には洗濯兼脱水槽６の内
部に洗濯水を給水するための給水手段８が装着されてお
り、その一側下端には洗濯兼脱水槽６内の洗濯水を外部
へ排水するための排水手段９が装着されている。
【０００３】前記給水手段８の下端には、投入された洗
剤を給水供給により溶解させて洗濯水とともに外槽２お
よび洗濯兼脱水槽６の内部に供給するための洗剤溶解手
段１０が装着されている。
【０００４】さらに、洗濯機本体１内には、外槽２が装
着されており、該外槽２内に洗濯兼脱水槽６が装着され
ている。
【０００５】前記洗濯兼脱水槽６内の底面には、動力が
伝達されて左右に反転されつつ洗濯兼脱水槽６内の洗濯
水の流れを乱流化するとともに、洗濯物を物理的に付勢
して攪拌および洗濯を行う攪拌部材７が装着されてい
る。
【０００６】前記外槽２の中心には、前記攪拌部材７に
連結された洗濯軸１１と、該洗濯軸１１の外側に脱水の
際高速回転をする洗濯兼脱水槽６に連結された脱水軸１
２が挿入されており、前記洗濯軸１１と脱水軸１２との
間に分離されて回転可能に軸受１３ａが挿入されてい
る。
【０００７】さらに、前記外槽２の底面には、印加され
た電源により前記洗濯軸１１および脱水軸１２が回転さ
れるよう動力を発生させる動力発生手段３と、洗濯の際
該動力発生手段３から伝達された回転速度を減速するよ
う前記動力発生手段３の下端に設けられた減速手段４
と、洗濯の際に前記脱水軸１２に伝達される動力を断ち
切り、脱水の際に該脱水軸１２に伝達される動力を連結
させる動力切換手段５とから構成されている。
【０００８】ここで、前記動力発生手段３は、印加され
た電源により磁場を形成する固定子３１ａと、該固定子
３１ａに形成された磁場により回転する回転子３１ｂと
からなり正逆回転をするモータ３１と、前記回転子３１
ｂの内周面に圧入されて回転子３１ｂと一体に回転され
るモータ軸３２と、前記モータ３１およびモータ軸３２
をカバーする上部および下部ハウジング３３，３４とか
らなる。
【０００９】前記モータ軸３２は、その上側の内周面と
前記脱水軸１２の外周面との間にボールベアリング１４
と、その下側の内周面と洗濯軸１１の外周面との間にメ
タルベアリング１３ｂを設けてモータ軸３２の回転が直
接伝達されないように構成されるとともに、前記減速手
段４を構成する複数の遊星歯車４２に回転力を伝達する
よう遊星歯車４２と歯合されている。
【００１０】前記減速手段４は、内周面に歯形が形成さ
れた内接歯車４１と、該内接歯車４１の歯形と歯合され
て回転するよう内側に設けられた複数の遊星歯車４２
と、該遊星歯車４２の中心軸４２ａを連結しつつ遊星歯
車４２が同時に回転されるように遊星歯車４２の上下部
にそれぞれ設けられた上部および下部キャリア４３，４
４と、上記それぞれの部品の外側下端をカバーするカバ
ー４５とからなる。
【００１１】ここで、前記下部キャリア４４は、前記洗
濯軸１１と連動して回転されるよう下部キャリア４４の
中心が洗濯軸１１の下端とセレーション形式により結合
されている。
【００１２】前記動力切換手段５は、前記動力発生手段
３の上部および下部ハウジング３３，３４の一側に回転
可能に結合されて回転しつつ上部にカム５１ａが形成さ
れたカムレバー５１と、前記カム５１ａの回転によりヒ
ンジ５２ａを中心にシーソ運動をするクラッチレバー５
２と、前記モータ軸３２の上部面に一体に形成された下
部クラッチ５４と、前記クラッチレバー５２に一端が連
結され前記脱水軸１２の外周面にセレーション形式によ
り結合されて上下移動しつつ前記下部クラッチ５４とか
み合い動作により動力を断続する上部クラッチ５３と、
前記カムレバー５１の下側に直角になるように形成され
て前記カムレバー５１の回動により連動されて回動する
ギアレバー５５と、該ギアレバー５５の一側に歯合され
て連動回転されるとともに、内周面にガイド部が形成さ
れた第１のカム５６と、該第１のカム５６の回転にした
がって上下に移動されるよう第１のカム５６のガイド部
が挿入される傾斜されたガイド溝が形成された第２のカ
ム５７と、前記カムレバー５１の回動にしたがって洗濯
行程から脱水行程への切換え時に圧縮および引張られる
よう前記第２のカム５７の内周面および前記下部クラッ
チ５４の内周面にそれぞれ設けられたコイルスプリング
５８，５９とから構成されている。
【００１３】前記内接歯車４１の上面には、洗濯行程の
際前記第２のカム５７の下降挿入により内接歯車４１の
回転が拘束されるよう第２のカム５７の一側部が挿入さ
れる挿入溝４１ａが形成されている。
【００１４】上記のように構成された洗濯機は、まず、
洗濯の際には所望の洗濯条件を選択して電源を印加する
と、洗濯兼脱水槽６内に適正量の洗濯水が供給され、洗
濯水の供給が終了された後に外槽２の中心下端に設けら
れたモータ３１が作動するようになる。
【００１５】これにしたがって図２に示すように、モー
タ３１の作動につれられてモータ軸３２が高速回転する
ようになりつつ、前記モータ軸３２の下端に歯合された
複数の遊星歯車４２が回転するようになり、該遊星歯車
４２の中心軸４２ａに連結された下部キャリア４４が回
動するようになりつつ該下部キャリア４４の中心にセレ
ーション形式により結合された洗濯軸１１が回転するよ
うになる。
【００１６】この際、前記カムレバー５１の下側で連動
回動するギアレバー５５により、それにかみ合わされた
第１のカム５６が所定の半径で回動するようになり、こ
れにしたがって第１のカム５６のガイド部が第２のカム
５７のガイド溝を伝って移動されるとともに、前記第２
のカム５７の内側に圧縮されていたコイルスプリング５
８の弾発力により第２のカム５７が第１のカム５１のガ
イド部と摺接しつつ下側に移動されるようになり、これ
にしたがって、第２のカム５７の一側部が前記内接歯車
４１の挿入溝４１ａに嵌入されて内接歯車４１の回転を
拘束するようになる。
【００１７】したがって、第２のカム５７の拘束により
内接歯車４１が固定されて回転しないため、前記遊星歯
車４２と下部キャリア４４による減速が行われて前記洗
濯軸１１が減速された回転速度で回転するようになり、
これにしたがって洗濯軸１１に連結された攪拌部材７が
左右に反転されつつ洗濯を行うようになる。
【００１８】一方で、上記動作が行われるとともに、前
記カムレバー５１の作動によりカム５１ａが回転して前
記クラッチレバー５２がヒンジ５２ａを中心にシーソ運
動をするようになり、これにクラッチレバー５２の一側
に連結された上部クラッチ５３が上側に移動するように
なりつつ下部クラッチ５４とのかみ合い結合が解除され
てモータ３１の動力が脱水軸１２には伝達されないよう
になる。
【００１９】上記のように洗濯が行われた後、所定時間
を経て洗濯が終了されると、洗濯水の排水が行われ数回
にわたってすすがれてから脱水行程が開始される。
【００２０】かように脱水行程が開始されると、図３に
示すように、前記カムレバー５１の作動によりカム５１
ａが回転しつつクラッチレバー５２がヒンジ５２ａを中
心にシーソ運動をするようになり、これにクラッチレバ
ー５２の一側に連結された上部クラッチ５３が下側に移
動するようになりつつ下部クラッチ５４とかみ合わされ
るようになり、これに前記上部クラッチ５３の内周面に
セレーション形式により結合された脱水軸１２にモータ
軸３２の回転が伝達されるようになる。
【００２１】したがって、モータ軸３２が高速回転する
ようになると、脱水軸１２が高速回転するようになり、
これにより脱水軸１２に連結された洗濯兼脱水槽６が高
速回転して脱水を行うようになる。
【００２２】一方で、上記のように、モータ３１が作動
してモータ軸３２が高速回転するようになると、モータ
軸３２の下端に歯合された複数の遊星歯車４２が回転す
るようになるが、この際、前記カムレバー５１の下側に
連動回動するギアレバー５５によりそれとかみ合わされ
た第１のカム５６が所定の半径で回動するようになり、
これにしたがって第１のカム５６のガイド部が第２のカ
ム５７のガイド溝を伝って移動するようになりつつ前記
第２のカム５７が内側面のコイルスプリング５８を圧縮
するとともに、第１のカム５１のガイド部と摺接しつつ
上側に移動するようになり、前記第２のカム５７が内接
歯車４１の嵌入溝４１ａから離脱するようになり、内接
歯車４１の固定が解除されて前記遊星歯車４２の回転に
したがって内接歯車４１がともに回転するようになる。
【００２３】したがって、内接歯車４１の固定が解除さ
れて回転するため、遊星歯車４２と下部キャリア４４に
よる洗濯軸１１の減速は行われず、減速手段４は空転す
るようになるが、空転にしたがって洗濯軸１１は所定時
間回転してから止まるようになり、モータ３１の動力が
伝達された脱水軸１２は回転してさらに連結された洗濯
兼脱水槽６が高速回転しつつ脱水を行うようになる。
【００２４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のごと
く構成された従来の洗濯機は、洗濯の際モータから伝達
された駆動力を減速手段を通じて減速して攪拌部材を左
右に反転させつつ洗濯を行うようになり、脱水の際には
動力切換手段により前記減速手段に動力が伝達されない
ように動力を断ち切って脱水軸に連結された洗濯兼脱水
槽を高速回転させて脱水を行うようになるが、かような
洗濯機は上記のようにモータの動力を切換える装置と速
度を減速する装置およびモータの動力を洗濯軸および脱
水軸に連結する装置とから構成されるため、構造が複雑
であることにより構成する部品点数が多いため、コスト
アップとなるばかりか、構成部品の複雑化に伴って駆動
騷音が発生し、洗濯機の全体の高さおよび全体の体積が
大きいという問題点があった。
【００２５】
【発明の目的】そこで、本発明は上記種々の問題点を解
決するためになされたものであつて、この発明の目的
は、洗濯機の動力伝達装置の構造を単純化せしめて構成
する部品の減少に伴うコストダウンおよび駆動騷音の低
減が図られるうえ、洗濯機全体の高さおよび体積が減少
されるようにされた洗濯機の動力伝達装置を提供するこ
とにある。
【００２６】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するためになされたこの発明による洗濯機の動力伝達装
置は、外槽の内部に洗濯兼脱水槽が設けられ、該洗濯兼
脱水槽の内側中央で洗濯物を攪拌させる攪拌部材の備え
られた洗濯機の動力伝達装置において、前記外槽の下部
に存在する駆動源を収容するとともに、該駆動源を支持
するよう前記外槽の下端面に締結部材で締結された上部
および下部カバーフランジと、前記駆動源の回転子の内
周面に設けられて該回転子と一体に回転するよう設けら
れたモータ軸と、前記外槽とモータ軸の間に外槽内の水
が漏れないようにシーリングを行うとともに、モータ軸
が外槽と別途に回転されるようにするシーリング部材
と、該シーリング部材の下側で前記モータ軸の外周面に
内輪が圧入され、外輪は前記上部カバーフランジの内周
面に圧入されたボールベアリングを含むことを特徴とす
る。
【００２７】また、この発明による洗濯機の動力伝達装
置は、外槽の内部に洗濯兼脱水槽が設けられ、該洗濯兼
脱水槽の内側中央に駆動源から伝達された動力により左
右反転されるか、一方向へ回動する攪拌部材を備えられ
た洗濯機の動力伝達装置において、駆動源の動力が伝達
されて回転するモータ軸に歯合されてモータ軸の速度を
減速するように設けられた減速手段と、該減速手段の内
接歯車の外周面に、内側面に結合されその外側面に前記
攪拌部材の結合されたドラムと、前記減速手段の複数の
遊星歯車の中心軸の下部を支持するとともに、前記洗濯
兼脱水槽の底部に設けられる脱水槽フランジが締結部材
により固定された下部キャリアと、前記減速手段の軸の
上部に固定させた上部キャリアの内周面に複数形成され
た下部クラッチと、該下部クラッチの上側に設けられて
洗濯水の有無にしたがって上下降しつつ前記モータ軸と
前記上部キャリアの回転を断続する動力断続手段と、前
記上部キャリアの外周面と前記ドラムとの間および前記
モータ軸の外周面と前記脱水槽フランジとの間に挿設さ
れる摺動手段を含むことを特徴とする。
【００２８】
【発明の実施の形態】以下、この発明による一実施の形
態について添付図面に沿つて詳述する。
【００２９】この発明の第１実施形態による洗濯機の動
力伝達装置において、図４および図５に示すように、洗
濯機本体１内には外槽２が装着されている。
【００３０】前記外槽２の回転中心には、モータ軸１０
１が駆動源１０２の動力を伝達されて回転するようにな
っており、該駆動源１０２は電源が印加されて磁場を形
成する固定子１０２ａと、該固定子１０２ａで形成され
た磁場の影響により固定子１０２ａの内側で回転する回
転子１０２ｂとからなり、該回転子１０２ｂの内周面に
は前記モータ軸１０１が圧入されて連動回転するように
なっている。
【００３１】前記駆動源１０２の上下側には、駆動源１
０２をカバーする上部および下部カバーフランジ１０２
ｃ，１０２ｄが締結部材９９で締結されており、前記上
部カバーフランジ１０２ｃは前記外槽２の下端面に締結
部材９９を介して締結されている。
【００３２】前記外槽２の内側には、前記モータ軸１０
１の外周面との間に外槽２内の水が漏れないようにシー
リングを行うとともに、モータ軸１０１が外槽２と別途
に回転されるようにするシーリング部材２ａと、該シー
リング部材２ａの下側で前記モータ軸１０１の外周面に
内輪が圧入され、外輪は前記上部カバーフランジ１０２
ｃの内周面に圧入されたボールベアリング２ｂが設けら
れている。
【００３３】前記モータ軸１０１には、前記外槽２内の
洗濯兼脱水槽６の下端に取り付けられて該洗濯兼脱水槽
６と連動する脱水槽フランジ１０３が設けられており、
該脱水槽フランジ１０３の上部はモータ軸１０１から脱
水槽フランジ１０３が回転する際離脱されることを防止
するようナット１０４で締付けられている。
【００３４】前記脱水槽フランジ１０３の上面には、所
定間隔円周方向に形成された複数の突起からなる下部ク
ラッチ１１４が設けられており、前記下部クラッチ１１
４の上側で上下移動しつつ該下部クラッチ１１４の複数
の突起間に歯合される複数の突起からなる上部クラッチ
１１７が設けられており、該上部クラッチ１１７の上側
には浮き箱１１５が連結棒１１６に連結されて設けられ
ている。
【００３５】前記連結棒１１６は、モータ軸１０１の上
端に取り付けられた攪拌部材１１３を貫通して設けられ
ている。すなわち、前記上部クラッチ１１７の回転にし
たがって前記攪拌部材１１３が連動されるようになって
いる。
【００３６】前記攪拌部材１１３の中央上部には、前記
浮き箱１１５の上昇高さが一定に制限されるよう浮き箱
カバー１１８が設けられている。
【００３７】さらに、前記モータ軸１０１の外周面と前
記脱水槽フランジ１０３との間には相互に摺動するよう
スリーブ１１９が挿入されている。
【００３８】かように構成されたこの発明の第１実施形
態による洗濯機の動力伝達装置の動作を説明すると、前
記駆動源１０２に電源を印加して固定子１０２ａに形成
された磁場により回転子１０２ｂが回転され、該回転子
１０２ｂの内側中心に設けられたモータ軸１０１が回転
子１０２ｂと連動回転するようになる。
【００３９】まず、洗濯の際に前記洗濯兼脱水槽６内に
洗濯水が流入されると、その洗濯水により前記浮き箱１
１５が上昇するようになり、該浮き箱１１５の下部に形
成された上部クラッチ１１７が下部クラッチ１１４から
離脱される。すなわち、前記モータ軸１０１の上端に連
結された攪拌部材１１３の回転が洗濯兼脱水槽６に伝達
されないようになることにより、洗濯兼脱水槽６が停止
された状態で攪拌部材１１３が左右に反転されつつ洗濯
物を攪拌するようになる。
【００４０】前記駆動源１０２は、洗濯の際には脱水の
際に比べて低速に左右に反転されるよう作動し、脱水の
際には洗濯の際に比べて高速で一方向回転するよう作動
されるのはもとよりである。
【００４１】次に、脱水の際には、洗濯兼脱水槽６内の
水が排水されつつ浮き箱１１５が下降するようになり、
これにしたがって、上部クラッチ１１７が下降して下部
クラッチ１１４の複数の突起間にかみ合わされるように
なる。
【００４２】モータ軸１０１の回転にしたがって攪拌部
材１１３が回転し、該攪拌部材１１３の回転にしたがっ
て動力の連結された洗濯兼脱水槽６が回転しつつその内
部の洗濯物を脱水するようになる。
【００４３】次に、この発明による第２実施形態の構成
について説明すると、図６〜図８に示すように、駆動源
１０２の動力が伝達されて回転するモータ軸１０１の上
端には前記モータ軸１０１に歯合されてモータ軸１０１
の速度を減速する減速手段が設けられており、該減速手
段から減速された回転を攪拌部材１１３に伝達するよう
前記減速手段の内接歯車１０９と攪拌部材１１３の間に
ドラム１１１が設けられており、前記減速手段の遊星歯
車１０６の中心を支持する軸１０７の下部と前記洗濯兼
脱水槽６の底部に設けられる脱水槽フランジ１０３との
間には、該脱水槽フランジ１０３に締結部材９９により
固定された下部キャリア１０５が設けられており、前記
減速手段の軸１０７の上部に固定された上部キャリア１
１０の内周面には所定間隔に形成された複数の突起から
なる下部クラッチ１１４が設けられており、該下部クラ
ッチ１１４の上側には洗濯水の有無にしたがって上下降
しつつ前記モータ軸１０１と前記上部キャリア１１０の
回転を断続する動力断続手段が設けられており、該上部
キャリア１１０の外周面と該ドラム１１１との間および
前記モータ軸１０１の外周面と前記脱水槽フランジ１０
３との間には摺動手段が挿入されている。
【００４４】ここで、前記減速手段は、前記モータ軸１
０１に形成された太陽歯車１０８と、前記太陽歯車１０
８の外周面に歯合された複数の遊星歯車１０６と、該複
数の遊星歯車１０６の外周面に歯合された内接歯車１０
９と、前記複数の遊星歯車１０６の中心に枢支された軸
１０７が含まれている。
【００４５】前記動力断続手段は、前記攪拌部材１１３
の回転中心線上に設けられて洗濯水にしたがって浮力が
はたらきかけるよう所定量の空気の満たされた浮き箱１
１５と、該浮き箱１１５の下端に連結棒１１６で連結さ
れて前記モータ軸１０１の上端に延成された角形部１２
０の挿入される溝が形成され、前記下部クラッチ１１４
とかみ合われるよう所定間隔をおいて形成された上部ク
ラッチ１１７とからなる。
【００４６】さらに、前記摺動手段は、前記上部キャリ
ア１１０の外周面と前記ドラム１１１の内周面との間に
挿入されるメタルベアリング１１２と、前記モータ軸１
０１と前記脱水槽フランジ１０３との間に挿入されたス
リーブ１１９とからなる。
【００４７】すなわち、前記内接歯車１０９の外周面に
は、前記ドラム１１１が圧入されており、該ドラム１１
１の上側内周面には前記上部キャリア１１０との間で相
互に別々に回転するようメタルベアリング１１２が挿入
されており、前記ドラム１１１の外周面には洗濯兼脱水
槽６内の洗濯水および洗濯物を攪拌せしめる攪拌部材１
１３が前記ドラム１１１の上部で締付けられるナット１
０４で固定されている。
【００４８】この発明の第２実施形態による洗濯機の動
力伝達装置の作用について説明すると、まず、洗濯の
際、駆動源１０２に電源を印加して前記モータ軸１０１
を回転させると、該モータ軸１０１の上端外周面に形成
された太陽歯車１０８が回転するようになり、該太陽歯
車１０８と歯合された複数の遊星歯車１０６が前記太陽
歯車１０８と反対方向に回転し、前記遊星歯車１０６の
外周に歯合された内接歯車１０５は前記遊星歯車１０６
と同一方向に減速された回転速で回転するようになる。
これとともに、前記内接歯車１０５の外周面で連動され
るドラム１１１が回転するようになり、そのドラム１１
１の外周に固定された攪拌部材１１３が前記モータ軸１
０１と相互に異なる方向に連動回転するようになる。
【００４９】さらに、前記複数の遊星歯車１０６の軸１
０７を上部および下部で連結する上部および下部キャリ
ア１１０，１０５は、モータ軸１０１より減速された回
転速で回転して前記下部キャリア１０５に締結部材９９
で締付けられている脱水槽フランジ１０３を回転させて
洗濯兼脱水槽６を回転させるようになる。
【００５０】すなわち、洗濯の際、前記洗濯兼脱水槽６
と攪拌部材１１３は相互に反対方向に回転して洗濯を行
うようになる。
【００５１】さらに、脱水の際には洗濯兼脱水槽６内に
洗濯水がないため、前記浮き箱１１５が下降してその下
端に形成された上部クラッチ１１７が上部キャリア１１
０に形成された下部クラッチ１１４とかみ合わされるよ
うになる。
【００５２】かような状態で、前記モータ軸１０１が高
速回転をすると、上部クラッチ１１７とクラッチングさ
れた上部キャリア１１０が高速回転するようになり、上
部キャリア１１０に連結された軸１０７により下部キャ
リア１０５が回転するようになって、脱水槽フランジ１
０３と洗濯兼脱水槽６が高速回転しつつ洗濯物を脱水す
るようになる。
【００５３】すなわち、脱水行程時には、太陽歯車１０
８、遊星歯車１０６および内接歯車１０９が歯合された
まま一体回転をするようになり、ドラム１１１と攪拌部
材１１３も同時に回転するようになる。
【００５４】さらに、この発明による第３実施形態の構
成は、図９および図１０に図示されている。
【００５５】図において、モータ軸１０１の上端に洗濯
水の有無に伴う浮力により昇降する十字形部材がその上
側へ連結棒１１６により浮き箱１１５が連結され、十字
形部材の上側外周面には太陽歯車１０８が形成されてお
り、該太陽歯車１０８の下端左右に伸長された部分には
上部クラッチ１１７が形成され、その下側に伸長された
部分には前記モータ軸１０１に挿入される角形部１２０
が形成されており、前記脱水槽フランジ１０３の前記上
部クラッチ１１７の下側には浮力により昇降しつつ相互
にかみ合われるよう下部クラッチ１１４が形成されてい
る。
【００５６】かように構成されたこの発明の第３実施形
態の動作について説明すると、洗濯の際には洗濯水の浮
力により前記浮き箱１１５が上昇し連結棒１１６の下端
に連結された十字形部材の上部クラッチ１１７が下部ク
ラッチ１１４から離脱され、十字形部材の下端に形成さ
れた角形部１２０がモータ軸１０１に挿入された状態に
なる。
【００５７】この際、電源を印加すると、駆動源１０２
からの動力を伝達されたモータ軸１０１が回転するよう
になり、十字形部材の太陽歯車１０８が回転しつつ複数
の遊星歯車１０６を回転させて、該複数の遊星歯車１０
６に挿入された軸１０７の上部キャリア１１０が減速さ
れて回転しつつそれに固定された攪拌部材１１３を回転
せしめ、複数の遊星歯車１０６により減速された回転速
の伝達された内接歯車１０９はその外側のドラム１１１
を回転させて脱水槽フランジ１０３と洗濯兼脱水槽６を
回転させるようになる。
【００５８】すなわち、前記攪拌部材１１３は、洗濯兼
脱水槽６と反対方向に回転するようになることにより洗
濯力を向上せしめるようになる。
【００５９】脱水の際には、洗濯物の排水にしたがって
前記浮き箱１１５および十字形部材が下降するようにな
ることにより、上部クラッチ１１７が下部クラッチ１１
４とかみ合わされるようになる。
【００６０】この状態でモータ軸１０１が回転すると、
脱水槽フランジ１０３と洗濯兼脱水槽６が高速回転を
し、前記脱水槽フランジ１０３上に固定されたドラム１
１１と上部キャリア１１０が同速で回転するようにな
り、これにしたがって攪拌部材１１３が回転するように
なる。
【００６１】すなわち、モータ軸１０１の減速は行われ
ずに減速装置の複数の歯車が相互に歯合された状態で回
転するようになる。
【００６２】
【発明の効果】上述のように、この発明による洗濯機の
動力伝達装置によれば、前記外槽の下端面に設けられた
上部および下部カバーフランジ内にある駆動源の回転子
の内周面に一体に回転するモータ軸を設け、該モータ軸
の上側に減速装置を設け、その上側にモータ軸の動力を
断続する断続手段を備えて構成することにより、脱水お
よび洗濯に伴う動力を伝達する部品が顕著に減少され、
さらに騷音を減衰でき、洗濯の際攪拌部材と洗濯兼脱水
槽の回転する方向が相互に反対となるように作動せしめ
ることにより、洗濯力が向上される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 従来による洗濯機を示す縦断面図である。
【図２】 従来による洗濯機の洗濯の際の動作状態を示
す縦断面図である。
【図３】 従来による洗濯機の脱水の際の動作状態を示
す縦断面図である。
【図４】 この発明の第１実施形態による洗濯機の洗濯
の際の動作状態を示す縦断面図である。
【図５】 この発明の第１実施形態による洗濯機の脱水
の際の動作状態を示す縦断面図である。
【図６】 この発明の第２実施形態による洗濯機の洗濯
の際の動作状態を示す縦断面図である。
【図７】 この発明の第２実施形態による洗濯機の脱水
の際の動作状態を示す縦断面図である。
【図８】 この発明の第２実施形態による洗濯機の動力
断続手段を示す分解斜視図である。
【図９】 この発明の第３実施形態による洗濯機の洗濯
の際の動作状態を示す縦断面図である。
【図１０】 この発明の第３実施形態による洗濯機の脱
水の際の動作状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
１ 洗濯機本体 ２ 外槽 ２ａ シーリング部材 ２ｂ ボールベアリング ６ 洗濯兼脱水槽 １０１ モータ軸 １０２ 駆動源 １０２ｃ 上部カバーフランジ １０２ｄ 下部カバーフランジ １０３ 脱水槽フランジ １０５ 下部キャリア １０６ 遊星歯車 １０７ 軸 １０８ 太陽歯車 １０９ 内接歯車 １１０ 上部キャリア １１１ ドラム １１２ メタルベアリング １１３ 攪拌部材 １１４ 下部クラッチ １１５ 浮き箱 １１６ 連結棒 １１７ 上部クラッチ １１８ 浮き箱カバー １１９ スリーブ １２０ 角形部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平７−88286（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−323093（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−127980（ＪＰ，Ａ) 特公 平２−54116（ＪＰ，Ｂ２) 実用新案登録3026912（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) D06F 37/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 外槽の内部に洗濯兼脱水槽が設けられ、
    該洗濯兼脱水槽の内側中央に駆動源から伝達された動力
    により左右反転されるか、一方向へ回動する撹拌部材の
    備えられた洗濯機の動力伝達装置において、 駆動源の動力が伝達されて回転するモータ軸に歯合され
    てモータ軸の速度を減速するように設けられた減速手段
    であって、しかも前記モータ軸に形成された太陽歯車
    と、該太陽歯車の外周面に歯合された複数の遊星歯車
    と、該複数の遊星歯車の外周面に歯合された内接歯車
    と、前記複数の遊星歯車の中心に枢支された軸と、を備
    えた減速手段と、 前記減速手段の内接歯車の外周面に内側面が結合されそ
    の外側面に前記撹拌部材の結合されたドラムと、 前記減速手段の複数の遊星歯車の中心軸の下部を支持す
    るとともに、前記洗濯兼脱水槽の底部に設けられる脱水
    槽フランジが締結部材により固定された下部キャリア
    と、 前記減速手段の複数の遊星歯車の中心軸の上部に固定さ
    せた上部キャリアの内周面に複数形成された下部クラッ
    チと、 前記下部クラッチの上側に設けられて洗濯水の有無にし
    たがって上下降しつつ前記モータ軸と前記上部キャリア
    の回転を断続する上部クラッチを有してなる動力断続手
    段と、 前記上部キャリアの外周面と前記ドラムとの間および前
    記モータ軸の外周面と前記脱水槽フランジとの間に挿設
    される摺動手段と、を備えることを特徴とする洗濯機の
    動力伝達装置。
  2. 【請求項２】 前記動力断続手段は、前記撹拌部材の回
    転中心線上に設けられて洗濯水にしたがって浮力がはた
    らきかけるよう所定量の空気の満たされた浮き箱と、 前記浮き箱の下端に連結棒で連結されて前記モータ軸の
    角形部が挿入される溝が形成され、前記下部クラッチと
    かみ合われるよう所定間隔をおいて形成された上部クラ
    ッチと、を備えることを特徴とする請求項１に記載の洗
    濯機の動力伝達装置。
  3. 【請求項３】 前記連結棒の下端には、十字形部材が連
    結され、該十字形部材はその上側に複数の遊星歯車の内
    側中心に歯合される太陽歯車と、 前記太陽歯車の下端に両側へ伸長されたアームの端部に
    形成された上部クラッチと、 その下側に前記モータ軸に挿入されて連動されるよう多
    角形にてなる角形部を備えることを特徴とする請求項２
    に記載の洗濯機の動力伝達装置。
  4. 【請求項４】 前記撹拌部材は、上部キャリアの上側外
    周面に結合されて連動されるようになることを特徴とす
    る請求項１に記載の洗濯機の動力伝達装置。
  5. 【請求項５】 前記摺動手段は、前記上部キャリアの外
    周面と前記ドラムの内周面との間に挿入されるメタルベ
    アリングと、 前記モータ軸と前記脱水槽フランジとの間に挿入された
    スリーブを備えることを特徴とする請求項１に記載の洗
    濯機の動力伝達装置。
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