JPS6022621Y2 - ガスレ−ザ放電管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、改良された電極構造を有するガスレーザ放電
管に関するものである。

ガスレーザ装置では、放電管中の気体を直流グロー放電
、あるいは無声放電（高周波放電）させることによって
能動気体を励起させるが、直流グロー放電における電極
構造については、従来、電流をできるだけ流せるように
する工夫、つまり、放電管へ投入できる電力をできるだ
け増加するための工夫が、もっばら行なわれてきた。

反面、微小電流を流した場合の放電の安定性についての
配慮が不足腰従って、従来のレーザ装置には、弱いレー
ザ光を安定して出力することができないという欠点があ
った。

レーザは、単に強い光源というだけでなく、直線性、可
干渉性、集光性などの種々の特徴と有するものであり、
従って、弱いレーザ光を安定して出力することも極めて
重要である。

そこで本考案は、微小電流領域から大電流領域までの広
い範囲にわたって、安定した放電を可能にする電極構造
を備えたガスレーザ放電管を提供するものである。

以下、図面により詳細に説明する。

まず、第１図は、従来例の構成を示したもので、１はレ
ーザ放電管、２は陽極、３は陰極である。

この場合の陰極３は針状電極であり、微小電流を流すに
は適しているが、大電流を流そうとすると針状電極では
表面積が小さいため発熱し、場合によっては放電管を破
損してしまう。

これに対し、第２図に示した陰極４は、表面積を大きく
するために円筒状にしたものであるが、この形状では、
大電流を流すには適しているが、逆に微小電流を流そう
とすると、放電可能な領域が広いので、放電を起こす位
置が定まらず、放電が不安定になる。

さらに、第３図に示した陰極５は、第２図の陰極４の不
安定性を改善するために、円筒の一端（陽極側）に斜状
部５ａを設けたものであり、このような形状にすると、
微小電流領域では斜状部先端のみで放電が起こる。

しかしながら、この陰極５が使用され始めた当初はよい
が、長時間使用するに従って、電極表面がイオン衝突に
よって徐々に荒されていき、その結果、微小電流を流し
た場合の放電位置が不安定になる。

第４図は、本考案の一実施例を示したもので、陰極６が
、円筒の陽極側端部に斜状部６ａを有し、かつ、その斜
状部６ａの先端に針状部７を備えた形状となっている。

このよう構成すると、微小電流領域では電流を針状部７
の先端で受け、電流が増えるに従って放電領域が順次根
元の方まで拡がり、そして、大電流が流れる場合は斜状
電極全体で受けるようになる。

第４図のものは、針状部７の長さを長くしてあり、比較
的放電しにくい気体の場合に好適である。

針状部を短かくすると、電流を針状部で受けずに放電が
斜状部へとぶおそれがあるからである。

これに対し、第５図に示した他の実施例の陰極８は、比
較的放電し易い気体の場合に好適であり、針状部９の長
さを比較的短かくしである。

以上説明したように、本考案によれば、陰極に斜状部お
よび針状部を設けることにより、微小電流領域から大電
流領域まで安定した放電を行なわせることができ、その
結果、非常に低い出力から高い出力までのレーザ光を安
定して発射することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来例の構成図、第２図および第３図は、そ
れぞれ他の従来例の陰極構造を示す図ミ第４図および第
５図は、それぞれ本考案の実施例の陰極構造を示す図で
ある。 ６．８・・・・・・陰極、６ａ、８ａ・・・・・・斜状
部、７゜９・・・・・・針状部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 放電電極の陰極が、筒の陽極側端部に斜状部を有し、か
   つその斜状部の先端に針状部を有する構造からなること
   を特徴とするガスレーザ放電管。