JPS6022571Y2 - 小型トランスの巻線ボビン装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 トランスはボビンに一次巻線と二次巻線とを巻装し、該
ボビンを鉄心と結着して構成するが、音響用トランスの
ように高特性を要求されるものでは上記巻線の漏洩磁束
に基ずく悪影響を避ける意味から、一次巻線および二次
巻線のそれぞれを半分ずつ異なるボビンに巻装し且つ巻
線方向を異ならしめることにより相互の漏洩磁束を打ち
消し合うように構成する。

本考案はこの種トランスの新規な巻線ボビン装置を提供
するものである。

以下、図面に基づき本考案を詳細に説明すると、第８図
のように一次巻線用としての双ボビン体１が並列する一
対のボビン２ａ、２ｂを有してプラスチックにより一体
成形される。

この双ボビン体１においては各ボビン２ａ、２ｂはそれ
ぞれ巻胴部３を有し且つ両端に鍔部４，５が形成される
と共に、中心に空孔部６が貫設されており、並列するボ
ビン２ａ、２ｂの一端鍔部４，４の隣接側縁部同士が接
続壁７にて接続され、この接続壁７と各鍔部４，４との
境界に凹窪部８，８が刻入され、この凹窪部８，８によ
ってヒンジが形成されている。

従って双ボビン体１においては両ボビン２ａ、２ｂを並
列する姿勢と直列する姿勢とにわたり上記ヒンジ８，８
により回動させることができる。

又、第９図のように二次巻線用としての双ボビン体９が
プラスチックにより別個に一体形成される。

この双ボビン体９は一次巻線用の双ボビン体１と略同種
形状を有しているものであって、並列する一対のボビン
１０ａ、１０ｂがそれぞれ巻胴部１１を有し且つ両端に
鍔部１２，１３が形成されると共に、中心に空孔部１４
が貫設されており、並列するボビン１０ａ、１０ｂの一
端側鍔部１２，１２の隣接側縁部同士が一体に接続され
ると共に、両鍔部１２，１２の境界に凹窪部１５を設け
、この凹窪部１５によってヒンジが形成されている。

従って双ボビン体９において両ボビン１０ａ、１０ｂを
並列する姿勢と直列する姿勢とにわたり上記ヒンジ１５
により回動させることができる。

そして、この二次巻線用双ホビン体９においてはその空
孔部１４．１４の径が前記−次巻線用双ボビン体１のボ
ビン２ａ、２ｂを挿入することのできる大きさに構成さ
れる。

−次巻線用双ボビン体１はヒンジ８，８によって両ボビ
ン２ａ＊２ｂを直列する方向に開いた状態から、両ボビ
ン２ａ、２ｂの空孔部６，６に回転軸１６を挿嵌するよ
うにして巻線機に装備し、かかる状態から回転軸１６を
回転させ乍ら一次巻線１７ａ。

１７ｂを巻回させてゆく（第１図）。

又、二次巻線用双ボビン体９はヒンジ１５によって両ボ
ビン１０ａ、１０ｂを直列する方向に開いた状態から、
両ボビン１０ａ、１０ｂの空孔部１４．１４に回転軸１
８を挿嵌するようにして巻線機に装備し、かかる状態か
ら回転軸１８を回転させ乍ら二次巻線１９ａ、１９ｂを
巻回させてゆく（第３図）。

以上の如く巻線を施こしたのち両駅ボビン体１，９では
一次巻線１７ａ、１７ｂの端部同士および二次巻線１９
ａ、１９ｂの端部同士を結線し、それぞれの双ボビン体
１，９をボビン２ａ。

２ｂ、１０ａ、１０ｂが並列する第２図および第４図姿
勢に折畳み、−次巻線用双ボビン体１の各ボビン２ａ、
２ｂを二次巻線用双ボビン体９の空孔部１４，１４に第
５図および第６図のようにして挿嵌し、しかるのち両駅
ボビン体１，９に対して鉄心２０を組み込み第７図の如
き小型トランス２１を組立てる。

以上の如く威せば、巻線機において各双ボビン体１，９
の両ボビン２ａと２ｂ。

１０ａと１０ｂに対する巻線１７ａ、１７ｂ、１９ａ、
１９ｂの巻回方向が同一であっても両ボビン２ａと２ｂ
、１０ａと１０ｂを並列するように第２図および第４図
の如く折畳めば、ボビン２ａと２ｂの巻線１７ａ、１７
ｂの巻回方向、およびボビン１０ａと１０ｂの巻線１９
ａ、１９ｂの巻回方向は自動的に逆方向となり、小型ト
ランス２１を組立てた際、巻線１７ａと１７ｂ、１９ａ
と１９ｂの漏洩磁束が打ち消し合される巻線構造となる
。

尚、第１図では一次巻線用双ボビン体１の両ポビン２ａ
、２ｂに対して巻線１７ａ、１７ｂを同時巻回している
状態で示しているが、一方のボビン２ａから他方のボビ
ン２ｂにかけて順番に巻回させてゆくようにすれば、ボ
ビン２ａ側の巻線１７ａとボビン２ｂ側の巻線１７ｂと
が連結されることになるので、あとから巻線１７ａ、１
７ｂの端部同士を結線する作業が不要となる。

これは二次巻線用双ボビン体９についても云えることで
ある。

以上詳述したように本考案においては、一次巻線用およ
び二次巻線用の双ボビン体を、それぞれ一対のボビンを
ヒンジ用肉薄部で接続した合成樹脂の一体成形品から構
成しているので、巻線の巻回作業は巻線機に双ボビン体
を両ボビンが直列となる姿勢で装着した状態から両ボビ
ンに対し一挙に行なえ、しかも巻線巻回後に双ボビン体
をヒンジに従って両ボビンが平行する如く折畳めば自動
的に両ボビンの巻線の巻回同方向が逆となって両ボビン
の巻線によって発生する漏洩磁束を打ち消し合う巻線構
造となる。

従って、ボビンの巻線作業が極めて簡便化する。

しかも−次巻線用双ボビン体と二次巻線用双ボビン体は
上記巻線後に両者のボビン並列姿勢から一方の双ボビン
体空孔部に他方双ボビン体のボビンを挿嵌するのみで両
駅ボビン体を一体化して巻線ボビン装置を組立てること
ができるので、ボビンの組立て作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、そのうち第１図
は一次巻線用双ボビン体に対する巻線巻回動作を示す説
明図、堂２図は巻線を巻回した一次巻線用双ボビン体の
外観斜視図、第３図は二次巻線用双ボビン体に対する巻
線巻回動作を示す説明図、第４図は巻線を巻回した二次
巻線用双ボビン体の外観斜視図、第５図は両駅ボビン体
の相対関係を示す斜視図、第６図は両駅ボビン体の嵌合
状態における横断面図、第７図は小型トランスの組立て
図、第８図は一次巻線用双ボビン体の平面図、第９図は
二次巻線用双ボビン体の平面図である。 １・・・・・・−次巻線用双ボビン体、２ａ、 ２ｂ
、 １０ａ、１０ｂ・・・・・・ボビン、３，１１・
・・・・・巻胴部、４．１４・・・・・・空孔部、８，
１５・・・・・・ヒンジ用肉薄部、９・・・・・・二次
巻線用双ボビン体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. それぞれ巻胴部および巻胴部中心に貫設した空孔部を有
   した一対の合成樹脂製ボビンから戒り且つ並列する此等
   ボビンの二端側隣接側縁部同士をヒンジ用肉薄部によっ
   て接続した一次巻線用双ボ“ビン体と、該−次線用双ボ
   ビン体と同種形状に構成された二次巻線用又ボビン体と
   からなり、一方の双ボビン体の空孔部に他方双ボビン体
   のボビンを挿嵌してなる小型トランスにおける巻線ボビ
   ン装置。