JPS602248Y2 - 浮消波堤 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は浮消波堤に関する。

水産養殖あるいは港湾建設工事に使用される浮消波堤は
、波のエネルギーを吸収して消波を行なうものである。

第１図によりその構造を示すと、箱形底なしタンク本体
１内を波の入射方向Ａで三つの底なしタンク２ａｔ
２ｂｇ ２ｃに分割すると共に底なしタンク本体１の
前後壁体１ａ、１ｂ下部に浮力タンク３をそれぞれ設け
、更に中央タンク室２ｂの天井部には外気との連通穴（
図示せず）が設けられ、また前及び後タンク室２ａ、２
Ｃは互いに連通管４により連通されているものである。

上記のような構成によると、波の入射により、浮消波堤
内部の水柱が運動する。

この運動によって発散波が生ずるが、空気の流れを調節
することによって水柱の運動を調整でき、従って発散波
の波高を調整することができる。

一方、浮消波堤内部の水柱が固定された場合は入射波に
より散乱波が生じ、これは反射波と透過波になる。

浮消波堤ではこれら散乱波と空気制御により調整された
発散波が同時に起り、両者が干渉して消波される。

そして中央のタンク室２ｂが対称成分の消波を、前後の
タンク室２ａ、２ｃが反対称波の消波を受は持っている
。

しかしながら、従来上記の浮消波堤は鋼又は樹脂を使用
して作られており、特に鋼製の場合には、腐食が起り塗
装の塗り替えが必要であると共に寿命が短かい等の欠点
があった。

本考案は上記欠点を解消し得る浮消波堤を提供するもの
で、以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。

ところで、本考案のものと従来例の異なるところは、そ
の底なしタンク本体をコンクリート酸と威し、且つ浮力
タンクを鋼製にしたことにある。

即ち、第２図において、１１はプレストレスコンクリー
トにより作られた箱形底なしタンク本体で、２つの仕切
壁１２．１２により、波の入射方向Ｂで三分割されてい
る。

そして、中央のタンク室１３ｂが天井部には空気穴（図
示せず）が設けられ、また前及び後のタンク室１３ａ、
１３ｃは適当箇所に設けられた連通管１４により互いに
連通されている。

１５は底なしタンク本体１１の前後壁体１１ａ、１１ｂ
下部に固着された鋼製の浮力タンクである。

ところで、上記底なしタンク本体１１と浮力タンク１５
とは、第３図に示すように、底なしタンク本体１１側端
部には鋼製の仕口１６が設けられて、互いに溶接接合Ｃ
できるようにしている。

また、１７は係留チェーンである。なお、上記のように
底なしタンク本体１１をコンクリート製に、浮力タンク
１５を鋼製にすることにより、バランスの良い浮消波堤
を製作することができる。

以上のように、本考案の浮消波堤によれば、腐食の最も
激しいプラッシュゾーンはコンクリート部となり、また
電気防食が有効な没水部即ち浮力タンクに鋼を用いてい
るので、メンテナンスは従来のものに比べて大幅に軽減
でき、更にその寿命を従来のものに比べて２〜３倍にの
ばすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図は本考案の一実施例の
断面図、第３図は同要部拡大断面図である。 １１−・・底なしタンク本体、１３ａ、１３ｂ、１３ｃ
・・・タンク室、１５・・・浮力タンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底なしタンク本体と数置なしタンク本体下部に固着され
   た浮力タンクとからなる浮消波堤の上記底なしタンク本
   体をコンクリート酸と威し、且つ上記浮力タンクを鋼製
   にしたことを特徴とする浮消波堤。