JPS6022184B2

JPS6022184B2 - シリンダヘツドガスケツトのシ−ル構造

Info

Publication number: JPS6022184B2
Application number: JP2490679A
Authority: JP
Inventors: 孝幸鈴木; 義郎尾朝; 強長橋; 幹正西郷
Original assignee: Hino Jidosha Kogyo KK
Current assignee: Hino Motors Ltd
Priority date: 1979-03-02
Filing date: 1979-03-02
Publication date: 1985-05-31
Also published as: JPS55117052A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は自動車のシリンダヘッド縦付部に挿入されるシ
リンダヘッドガスケツトのシール構造に関する。

シリンダヘツドとシリンダブロツクとの間に、軟し、厚
みのある材料からなるソフトガスケットを挟むシール構
造が広く用いられている。

しかし、このようなソフトガスケットによるシール構造
では、シール各部の面圧が不均一になりシリンダブロッ
クとシリングヘッドの間隔のバラッキが大きく、ガスシ
ールに悪影響を及ぼしていた。一方、圧縮率の低い耐久
性の大きいメタルシートをシリンダヘッドガスケットに
使用した場合には、シリングブロックとシリンダヘツド
間の間隔バラッキは小さくなるが、金属面同士の接触面
のなじみが悪く、また爆発によるシリンダヘッド面の微
小振動に対する追随性が悪いため、ガスシール性能が劣
り、ガス洩れを生じる不都合が生じ易かつた。

また、ガスケットのシリンダ孔端部に金属製○リングを
挟んだ金属性グロメツトを使用して、シリンダのガスシ
ールを行うシール構造が知られている。

この構造のものはヘッドが締めつけられたとき、圧力シ
ール部分が０１Ｊ．ング位置の一点に集中する。したが
って、ガスシールを満足させるために、シリンダラィナ
部に過大な荷重をかける必要があり、シリングヘッド、
シリングブロック並びにシリングラィナの変形を防ぐた
めに強度を上げる必要があり、重量増となる欠点があっ
た。本発明はこれを改良するもので、シリンダブロック
とシリンダヘッド間の緒付時の面圧バラツキを解消し、
シリンダラィナ・フランジ部のシール面圧を適正に保っ
てシール性能を向上させ、かつシリンダラィナの歪み等
を防止することができるシリンダヘッドガスケットのシ
ール構造を提供することを目的とする。本発明は、ガス
ケットベースシートと、このベースシートの円形のシリ
ンダ孔関口部に配置され内部に金属弾性体のコイルリン
グが挟み込まれた円形の金属グロメットとを備えたシリ
ンダヘツドガスケットのシール構造において、上部ベー
スシートが一枚以上の金属シートで形成され、上記金属
グロメットと上記ベースシートとが極めて接近して、か
つ機能的に分離されて配置された構造を特徴とする。

本発明の構造では、シリンダヘツドを締付けてゆくと、
金属弾性体のコイルリングを挟む金属グロメットがその
断面が偏平になるように潰されるが、このとき、その金
属グロメットの径を拡大する方向の逃げがベースシート
のシリンダ開口部に当接して、偏平になった金属グロメ
ットの平面形状が不定の形状になることなく、シリンダ
関口部の真円にそった真円形状になる。

したがって、その面圧分布が均一になる。次に図面に基
づいて実施例を説明する。

第１図は本発明実施例ガスケットのシール構造を示す断
面図である。

図において、１はベースシート、２はグロメット、３は
コイル状の圧縮リング、４はシリンダヘツド、５はシリ
ンダブロツク、６はシリンダライナ、７はシリンダライ
ナのフランジ部、８はシリンダライナのファイアガ−ド
部を示す。ガスケット本体であるベースシート１は、三
枚の金属シートが積層された金属シートガスケットであ
る。

グロメット２は、断面がＵ字形状に曲げられた金属製の
りングであり、その開□部をべ−スシート１のシリンダ
孔の端部に向けて配置されている。コイル状圧縮リング
３はリング状に形成された金属製コイルスプリングであ
る。

このコイル状圧縮リング３にはステンレス鋼のほか、各
種鋼材、黄鋼材、ニッケル合金、その他の金属弾性体が
用いられる。この圧縮リング３は上記グロメット２の内
部に挟み込まれている。圧縮リング３およびグロメツト
２はシリンダラィナ６のファイアガード部８とベースシ
ート１のシリンダ孔側端部との間のシリンダラィナのフ
ランジ部７の上に、ベースシート１とは独立に配置され
ている。

ここで独立とは、圧縮圧力を受ける際に、相互に干渉し
合わない（従来のように、圧縮リングとべ‐スシートが
一体になっていない）ことを言い、のり付けあるいはそ
の他の手段により両者が離れないようになっている構造
は除かれる。第２図は本発明実施例ガスケットのベース
シート１および圧縮リング３を内部に挟んだグロメット
２を拡大して示した図である。

ベースシート１の自由状態時の厚みをｔｏ、縦付時の厚
みをｔ′とする。圧縮リング３を内部に挟み込んだグロ
メット２の自由状態時の厚みをＴとする。第１図に示し
た本発明実施例ガスケットのシール構造において、シリ
ンダヘッド４が締め付けられると、圧縮リング３および
グロメット２は圧縮し、変形しその厚さＴを縮めていく
。

さらに縦付圧力を増すと、シリンダヘツド４およびシリ
ンダブロツク５の間のベースシート１が圧縮され、ほぼ
一定のベースシート厚さｔ′を残してシリンダヘツド４
が固定される。

この場合、圧緒リング３の圧縮率は工三こＸ・ｏｏで示
される。

第３図は本発明実施例ガスケットに使用されるコイル状
圧縮リングの適正圧縮率を表わす図である。

第３図において、縦軸は圧縮率（％）、横軸は圧縮リン
グ３の管径（帆）を示す。適正圧縮率は図の斜線で示す
範囲（２０％〜４０％）であり、この範囲より低い圧縮
率ではガス洩れが生じ、高い圧縮率では弾性限界を越え
、破壊のおそれがある。図において×印は破壊限界を示
す。本発明実施例ガスケットでは、圧縮リングの圧縮率
がこの適正圧縮率の範囲におさまるよう、リングの管径
・材質・ベースシートの厚み・材質等が決定されねばな
らない。

次に従来例ガスケットと本発明実施例ガスケットの性能
を比較した図を第４図、第５図および第７図に示す。

使用した試料は次のものである。従来例ガスケツト■
ソフトガスケツト（厚み１．３２肌）十シーリング■
三層メタルシート（厚み１．２５肌）十シーリング本発
明実施例ガスケ、ソトは圧縮リング（少１．８ピアノ線
）の変位量が次の５段階のものを使用した。

■ 圧縮リングの変位量０．３５凧 ■ 〃０，４肌 ■ 〃〇，４５側 ■ 〃０，５帆 ■ 〃０，５５肋第４図ａはシリンダヘッドを一定の締付力で締付けた場
合のシリンダヘツドとシリンダプロツクの間隙すなわち
トップクリアランスとシリンダラィナ突出量との関係を
示す図である。

機軸はラィナ突出量を示し、縦軸には各シリンダ・ボア
部のシリンダブロック上面からシリンダヘッド下面まで
の間隙量（トップクリアランス量）を示す。また、■は
本発明実施例ガスケット、■は従来例ガスケット（特に
ソフトガスケツト）を示す。第４図ａに示すように、本
発明実施例ガスケット■は、ラィナ突出量のバラツキに
対して、トップクリアランスの変化が小さいことを示し
ている。これに対し従来例ガスケツト■では、シリンダ
ラィナ突出量のバラッキに対して、トップクリアランス
の変化量が大きいことを示している。また、第４図ｂに
示すグラフは、本発明実施例ガスケットに使用されるコ
イル式圧縮リング■′と、従来のガスケットに使用され
ている金属リング■′について、圧縮荷重をかけた時の
変形量を比較したものである。第４図ｂに示すように、
コイル式圧縮リング■′は、一定荷重城に入ると変形量
は増減しても、荷重はほぼ一定値を保つ範囲があり、こ
れがラィナ突出量の変化を吸収して、トップクリアラン
スをほぼ一定に保つ要因になっている。この第４図ｂの
曲線■′に示すように、変形量の増大に対してほぼ平坦
な荷重を保ったのちに、その荷重が急速に上昇するが、
これは偏平に変形した金属グロメットがベースシートの
シリンダ閉口部に当接して、その変形が制限される状態
になったことを示す。これに対して、従来の金属リング
■′では、樹軍と変形量は比例して増減しているため、
ライナ突出量のバラツキがそのまま締付荷重の変化とな
り、トップクリアランスのバラツキとなって出てきてい
る。

第５図はシリング・ボア周囲のシリンダヘッドおよびシ
リンダブロックの変形量を表わす図である。

第５図において、縦軸はシリングヘッドとシリングブロ
ックとの間隔量すなわちガスケツト本体の厚みを示し、
機軸には、第６図に示すガスケット本体の排気側部１１
、ボア中心近傍１２および吸気側部１３の測定位置を示
す。この測定位置におけるガスケツト本体の厚み量のバ
ラッキにより、シリンダヘツドおよびシリンダブロツク
の変形量を間接的に知ることができる。第５図に示すよ
うに、本発明実施例ガスケット■は従来例ガスケット■
，■に比べ、厚みが均一でシリンダヘッドおよびシリン
ダブロツクの変形量が小さいことがわかる。

これは、従釆例ガスケツト■，■では面圧分布が不均一
となり、特にシリングヘッドおよびシリンダブロック端
面から離れるポア中心部でその煩向が著しく現われるこ
とを示している。第７図はシリンダ・ボア変形量を示す
図である。

第７図はシリンダ舵．１，Ｎｏ．２およびＮｏ．３のそ
れぞれ同一方向について変形量を測定したものである。
縦軸はシリンダ上面からの測定位置を示し、横軸はシリ
ンダ・ボアの内怪変形量を示す。第７図に示すように、
本発明実施例ガスケット■〜■を使用の場合は、明らか
に従来例ガスケット■，■の場合よりその変形量が小さ
いことを示している。これは、本発明実施例ガスケット
■〜■が圧縮リングの弾性力を利用したシール礎造なの
で、従来より小さいシリンダヘツドの締付荷重で、ガス
ケットの均一な面圧分布が得られ、シリンダラィナ・フ
ランジ部のシール面圧が適正に保たれることにより、シ
リングブロックおよびシリンダライナに加わる圧力およ
び変形を小さくすることができるためと考えられる。

以上説明したように、本発明ガスケットのシール機造に
よれば、コイル状の圧縮リングがシリンダラィナおよび
シリンダヘッドの間で変形し、コイルの弾性力により抗
力が生じて、ガスケットのシリンダ孔端部のシールを行
うことができる。

また、このシール部分とは全く機能的に独立して、シリ
ンダプロックとシリンダラィナ間には、金属メタルから
なるベースシートが介在されているため、生産上のバラ
ッキ例えばラィナ突出量のバラッキを吸収することがで
き、各シリンダ間のトップクリアランスのバラツキを小
さくすることができるので、ガスシールの性能を向上さ
せることができる。また、シリンダヘッドの締付けは従
来より小さい緒付トルクで十分であり、かつシリンダラ
イナのフランジ部のシール面圧を適正な圧力に保つこと
ができるので、シリンダラィナの締付歪等の変形を防止
することができる。

さらに、シリンダヘッドが締付けられると、金属グロメ
ツトの変形がベースシートのシリンダ閉口部で制限され
、金属グロメットの形状の逃げ部分が一様な円形になっ
て、シール面圧が均一になる優れた効果がある。なお上
記実施例では、三層積層型の金属シートガスケットおよ
び断面Ｕ字形状のグロメツトについて説明したが、ガス
ケット本体は一枚の金属シートあるいは二枚以上の複数
枚の積層型金属シートガスケットであっても、同様の効
果を得ることができる。また、グロメツトについては断
面がＣ字形状のものであっても、上記実施例と同様の効
果を得ることができる。また、上記の金属シートガスケ
ットとグロメット部は、それぞれ機能的に独立していれ
ば良く、例えば製造過程で生産性を向上させるために、
両者がのり付けあるいはその他の方法で結合されていて
も良いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例ガスケットのシール構造を示す断
面図。第２図は同ガスケツトのベースシートおよび圧縮リング
を内部に挟んだグロメットを拡大して示した図。第３図
は同ガスケットに使用される圧縮リングの適正圧縮率を
示す図。第４図ａはガスケツトによるトップクリアラン
スのバラッキとシリンダライナ突出量との関係を示す図
。第４図ｂは圧縮リングの特性値を示す図。第５図は各
種ガスケツトによるシリンダ・ボア周囲のシリンダヘツ
ドおよびシリンダブロックの変形量を表わす図。第６図
は第５図の測定値の測定位置を示す図。第７図は各種ガ
スケットによるシリンダ・ボア変形量を示す図。ａはシ
リンダ地．１、ｂはシリンダＭ．２、ｃはシリンダＭ．
３についてそれぞれ示す。１……ベースシート、２……
グロメツト、３…・・・コイル状圧縮リング、４・…・
・シリンダヘッド、５……シリンダプロツク、６……シ
リンダライナ、７……シリンダラィナのフランジ部、８
……シリンダラィナのファイアガード部、１１……排気
脚部、１２・・・・・・ポア中心近傍、１３・・・・・
・吸気側部。第１図第２図第３図第４図第５図第６図図ト船

Claims

【特許請求の範囲】１ガスケツトベースシートと、このベースシートの円形のシリンダ孔開口部に配置さ
れ内部に金属弾性体のコイルリングが挟み込まれた円形
の金属グロメツトとを備えたシリンダヘツドガスケツ
トのシール構造において、上記ベースシートが一枚以
上の金属シートで形成され、上記金属グロメツトと上
記ベースシートとが極めて接近して、かつ機能的に分離
されて配置されたことを特徴とするシリンダヘツドガ
スケツトのシール構造。