JPS6021953B2 - アルカリ性肥料組成物およびその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は従来のその殆どが未利用であった各種産業廃棄
物を主原料とするアルカリ性肥料組成物およびその製造
方法に関するものである。

近年における高度経済成長のなかでの農業労働力の流出
は耕種の単純化、作業の機械化と共に、化学肥料と農薬
への依存度を高め、自給肥料或いは有機質の施用の極端
な減少をもたらしている。

このため±壕の酸性老朽化が加速されつつあり、現今に
おいては全国の水田の約３９％、畑の約６８％が何らか
の阻害要因をもつに至り、地方の低生産性化を招いてい
ると云われている。これを根本的に防ぐためには昔にか
えって自給肥料などの有機質の施用が必要であるが、取
敢えずは酸性土壌を中和させることが必要である。

そこで従釆からアルカリ性物質を肥料として用いること
が試みられているが、炭酸加理、苛性加理のような強ア
ルカリ性の加理は、取扱上危険性があることから肥料と
しては全く利用されておらず、僅かに弱アルカリ性であ
る重炭酸加理肥料が実用化されている程度である。本発
明は先に本発明者等により発明された電力、鉱工業など
における桂酸を主成分とする廃棄物、その他の肥料成分
を含む廃棄物を利用した多効果の桂燐酸化成肥料の製造
法の応用により、強アルカリ性の加理を使用した取扱い
危険がなく、しかも緩効形のアルカリ性肥料を容易に得
られることを明らかにしてなされたものである。

次に本発明を詳細に説明する。石炭発電プラント、鉱工
業においては、大量の石炭灰、鉱蓬のようなシリカ、ア
ルミ、カルシウム、鉄分合有物その他の肥料成分を含有
する無機質物などが排出される。

しかし近年における環境保全の要請は、海洋投棄の祭示
に加えて埋立地、貯留地などの不足と遠隔化などにより
、処理に極めて大きな困難を生じつつあり、その解決が
電力鉱工業分野における深刻な問題となりつつある。そ
こで本発明者の一部は先に石炭灰のような桂酸を主成分
とする廃棄物を、燐酸または表面処理工業における廃棄
燐酸含有液などで処理することにより桂燐酸ゲルが形成
され、これが他の熱ェネルギを必要とすることなく、化
学活性による自己凝固作用によって硬化することを研究
の結果明らかにし、これを造粒して熟成硬化させること
により廃棄物から緩溶性の桂燐酸肥料を提供しうろこと
を明らかにした（特豚昭５５一８６０９７号（＝特関昭
５７−１１８舵）参照）。本発明は以上のように桂酸を
主成分とする石炭灰、セメントダストのようなセメント
物質類似のものが、燐酸と反応してゲル状物質を形成し
、これが自己凝固作用により固化することを着目し、そ
の熟成、硬化前にアルカリ性分を添加混合することによ
って、硬化したときアルカリ成分が硬化したゲル状物質
によって包みこまれる。

従って強アルカリ成分であっても、その施用時の取扱い
に当って危険を殆どなくすことができることを着想して
なされたものである。また造粒硬化したアルカリ分入り
肥料は燐酸性塩にして、クエン酸可溶、希塩酸可溶であ
って綾効性となり、アルカリ分も緩効的に働く。従って
産業廃棄物から酸性土壌に最も適したアルカリ入り肥料
を提供できることを着想してなされたものである。次に
本発明を実施例により説明する。

実施例 １ Ａ 次の原料配合設計により次の工程を用いて処理して
収量約１００の重量部を得た。

｛ィ｝ 石炭灰 ５０の重量部
【０’燐酸含有液（５５％燐酸） ３７７ 〃し一
苛性加理 ３０１ 〃Ｂ 製法石
炭灰を燐酸含有液により処理して桂燐酸ゲルスラリを生
成させる。

ゲルスラリの生成に従って発熱し桂燐酸ゲルスラリは次
第に粘度を生じ始める。

粘性の増大が見られたとき苛性カリを混和羅拝する。や
がて桂燐酸塩は加理塩を含有したまま自己凝固作用を開
始する。そこでこの時から造粒して熟成を行い、必要に
より加溢して熟成を促進させて水分調整を行う。実施例
０ 次の原料配合設計により実施例１と同一要領により処理
して収量約１０１の重量部を得た。

（ィー セメントダスト ５０の重量部
｛ｏー 燐酸含有液（５５％燐酸） ３７０ 〃し
一 律酸加理 ３００ ″以上本発
明を実施例について説明したが、石炭灰のような桂酸を
主成分とするものに、アルカリ成分と共に鉄分、アルミ
ニウム分、マグネシウム分、カルシウム分などの天然ま
たは人工鉱物を添加混合し、ゲル状物質により包みこむ
ようにして、多効果の緩効性アルカリ肥料を提供できる
。また本発明者は桂酸を多量に含む石炭灰のような無機
質廃棄物原料を燐酸または燐酸含有液で処理することに
より得られたゲル状物質に、都市、農林、水産、蓄産業
、同加工業などからの動植物系廃棄物を添加混合して熟
成硬化させることにより、あらゆる形態の有機質、例え
ばアルコール醗酵廃液、鏡肩、活性汚泥など、液状、粉
状、泥状、固体、切削片状などを、固化した桂燐酸ゲル
塩中に包みこんで、磯効性の有機質入り化成肥料を同時
に提案したが、アルカリ質と同時に有機態燐化合物、有
機態アルカリ化合物を混和することにより、酸性土壌に
最も適したアルカリ性有機入り肥料組成物を提供できる
。勿論これに前記と同様鉄分、アルミニウム分、マグネ
シウム分などの肥料要素を加えて多効果とすることもで
きる。このアルカリ性有機入り肥料によれば、アルカリ
により酸性土壌の中和を行うと同時に、有機質により土
壌の酸性老朽化が防止され、また土壌の固化、水空気の
不透性化が防止されて地力の低生産化が防止される。実
施例ｍ、およびＷはこの例を示すものである。実施例
ｍ Ａ 次の原料配合設計により次の工程を用いて処理した
ところ収量１１０の重量部を得た。

‘ィー （アルコール）醗酵廃液（５０％固形物）２０
の重量部｛ｏ｝ 燐酸含有液（５５％燐酸） ３７
７ 〃し一 苛性カリ ３０１ 〃〇
石炭灰 ５００ 〃Ｂ 製法予め
アルコール酉鰻蓬廃液と石炭灰を混和してスラリ化する
。

これに燐酸含有液を雌拝しながら添加し、桂燐酸ゲルス
ラリを生成させる。ゲルスラリの生成に従って発熱し桂
燐酸ゲルスラリは粘性を生じ始める。粘性の増大が見ら
れたときに帯性加里を混和燈拝する。すると桂燐酸は加
里塩、有機質を包含したまま自己凝固作用を開始する。
そこで造粒熟成し必要に応じて加溢して熟成の促進と水
分調整を行う。実施例 Ｗ Ａ 次の原料配合設計により次の工程を用いて処理した
ところ収量約１１０の重量部を得た。

‘ィ｝ 活性汚泥（５０％固型分） １０の重量部
【ｏ）銭肩 ５０ 〃し一 燐
酸含有液（４０％燐酸） ５７０ 〃８ 桂酸加里
２５０ 〃｛村 石炭灰
５００ 〃Ｂ 製法石炭灰に燐酸含有液
を加えて桂燐酸ゲルスラリを生成させる。

これに活性汚泥、鏡屑、桂酸加里のアルカリ性混和物を
加えて混合し、桂燐酸塩の自己凝固作用が適当に進行し
たとき造粒し熟成を行うが、必要に応じて加溢して熟成
の促進と含水分の調整を行う。なお以上の説明において
は桂酸分として、これを多量に含有する石炭灰、セメン
トダストなどの人工鉱物、即ち従来殆ど、禾利用であっ
た工業副産物を利用したが、天然鉱物例えば長石粉末、
各種鉱蓬の粉末であって桂酸分を多量成分とするものを
使用できる。

以上の説明から明らかなように、本発明によれば従来取
扱上の危険のため肥料として利用されていない、強アル
カリ性の炭酸加里、苛性加里を用いて多効果かつ緩効性
のアルカ州巴料或いはアルカリ性有機入り肥料組成物を
提供しうるもので、実用上の効果は大きい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 硅酸分を主成分とする無機質原料と燐酸または燐酸
   含有液を混合反応させてゲル状物質を生成させ、これに
   強アルカリ成分を添加混合して熟成硬化させてなるアル
   カリ性肥料組成物。 ２ 硅酸分を主成分とする無機質原料と燐酸または燐酸
   含有液を混合反応させてゲル状物質を生成させ、これに
   強アルカリ成分を添加混合したのち熟成硬化させること
   を特徴とするアルカリ性肥料組成物の製造方法。