JPS602161Y2 - 衣料用防虫殺虫剤 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は衣料用防虫殺虫材に関する。

従来比較的揮散性のよい例えばピレスロイド系の防虫殺
虫剤を基材シートに含浸してなる衣料用防虫殺虫材が提
案されているが、薬剤の含浸量の比較的少ないものは、
薬剤による衣類や家具の汚染はないが、薬効持続期間と
生物活性が充分でなく、また薬剤の含浸量の多いものは
、充分な薬効持続期間と生物活性が得られるが、薬剤が
滲み出して衣類や家具に付着しこれらを汚染するなど、
いずれも一長一短があった。

本考案は衣類や家具への付着汚染の虞れなしに、充分な
薬効持続期間と生物活性が得られるようなこの種防虫殺
虫材を提供することを目的としてなされたもので、即ち
本考案は、常温揮散性の薬剤を含浸保持せしめた基材シ
ートの蒸散面の全面を覆う薬剤非浸透性カバーが、蒸散
面に接触する接触部と、蒸散面との間で間隔を形成する
間隔形成部を有し、カバーの間隔形成部に、その一部面
積を占めるように蒸散孔が形成されていることを特徴と
する衣料用防虫殺虫材に係る。

以下に本考案の実施例を添附図面にもとづき説明すると
次の通りである。

図に於て、１は常温揮散性の薬剤を含浸保持せしめた基
材シートであり、該基材シート１としては、薬剤を含浸
、塗布などの手段の適用により保持せしめ得るようなも
のであればよく、例えばパルプ、合成繊維、天然繊維、
ガラス繊維などを主材とするシート状物、不織布、編織
布、無機粉末の成形体、樹脂発泡体、セラミック板など
を用い得る。

基材シート１に含浸保持される常温揮散性薬剤としては
、この種用途に用いられている公知の各種の薬剤を任意
に使用でき、例えばピレスロイド系（蒸気圧１０−４〜
１０ ”ｍ Ｈｆ ３０℃）の防虫殺虫剤に、必要に応
じジメチルメタトルアミドなどの忌避剤、各種香料など
の少なくとも一種以上を混合したものを有利に使用でき
る。

薬剤を含浸保持する基材シート１の蒸散面１１の全面を
覆うように、カバー２が設けられる。

カバー２は基材シート１の蒸散面１１に接触する接触部
２１と、該蒸散面１１との間で間隔３を形成する間隔形
成部２２を有し、この間隔形威部２２に、その一部面積
を占めるように蒸散孔４が形成されている。

蒸散孔４は、これがあまりに大きすぎると使用時に基材
シート１が衣類や家具と直接接触する虞れがあるので、
２−以下程度の直径を有していることが好ましい。

第１図〜２図に示された実施例のものでは接触部２１が
格子模様状に形成されていて、格子の目に相当する部分
の間隔形成部２２の中心部に蒸散孔４が形成されている
。

この蒸散孔４は第３図に示すように間隔形成部２２の側
部に形成してもよい。

間隔形成部２２の間隔３は、これがあまりに小さいと薬
剤の滲出を充分に防止できなくなり、またあまりに大き
いと厚みが不当に大きくなって使用上の不便さを招くこ
とになるので、０．１ｍ〜１０簡程度の範囲から適宜設
定される。

第１〜２図及び第３図の実施例に示されるように基材シ
ート１の全表面が蒸散面１１を構成するような場合には
、カバー２は、基材シート１の全表面を覆うように設け
られるが、例えば縁部が薬剤非浸透性で縁部には薬剤が
含浸されないような基材シート１に於ては、縁部以外の
全表面にカバー２を備えるようにしてもよい。

勿論このような場合であっても、基材シート１の全表面
にカバー２を設けるようにしてもよい。

カバー２の厚みは特に限定はないが、あまりに厚いと経
済面や重量面で負担増を招くことになるので１（ｈａ以
下が好ましい。

カバー２の材質は、薬剤非浸透性のものであればよく、
例えば金属、合成樹脂、合皮ゴム、天然ゴム、硝子など
を単独又は組合せて使用される。

上述の構成を有する本考案防虫殺虫材によれば、基材シ
ート１に含浸保持された薬剤は、その蒸散面１１の開放
部１２より揮散しつつ間隔３及びカバー２の蒸散孔４を
通じて外部に放散され、所定の薬効を発揮する。

この際本考案に於ては、蒸散面１１は間隔形成部２２に
於て開放され、広い開放面積が得られると共に、この開
放部１２と蒸散孔４との間には間隔３が形成されている
ので、仮に基材シート１に多量の薬剤を含浸保持させた
場合であっても、温度変化などに起因する薬剤の滲出を
効果的に防止できる。

例えば基材シートの蒸散面の全面を蒸散孔付カバーによ
り密着被覆した場合には、温度変化などにより含浸薬剤
が体積膨張すると、この体積膨張に起因する内圧が蒸散
孔に集中し薬剤の滲出を招くことになるが、本考案では
、このような内圧は広い開放面積を持つ開放部１２に於
て分散して発散されるので、蒸散孔４との間に間隔３が
形成されていることと相俟って、薬剤の滲出を効果的に
防止できる。

しかも開放部１２はカバー２により覆われていると共に
、カバー２に形成された蒸散孔４と開放部１２との間に
は間隔３が形成されているので、蒸散孔４としては例え
ば直径２−以下の小さいものでよく衣類や家具と開放部
１２が直接接触する虞れもない。

更に間隔３によって衣類などの間に隙間が形成されるの
で、良好な通気性が得られ、蒸散薬剤を広範囲に拡散で
きる。

このように本考案に於ては薬剤の滲出の虞れなしに、従
って衣類や家具を薬剤汚染する虞れなしに、基材シート
に多量の薬剤を含浸保持させることが可能となり、充分
な薬効持続規間と生物活性を確保でき、この種防虫殺虫
材の有用性を格段と向上し得る特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２図は第１
図の縦断面図、第３図は本考案の他の実施例を示す縦断
面図である。 図に於て、１は基材シート、２はカバー、３は間隙、４
は蒸散孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 常温揮散性の薬剤を含浸保持せしめた基材シートの蒸散
   面の全面を覆う薬剤非浸透性カバーが、蒸散面に接触す
   る接触部と、蒸散面との間で間隔を形成する間隔形成部
   を有し、カバーの間隔形成部に、その一部面積を占める
   ように蒸散孔が形成されていることを特徴とする衣料用
   防虫殺虫材。