JPS6021027Y2 - 保形性を有する洗濯袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、洗濯袋の改良に関するもので、洗濯袋に保形
性を持たせることにより、洗濯液中での激しい攪拌によ
る水圧の作用を受けても扁平化されることなく、十分な
洗浄効果を発現させることができ、またドライヤーによ
る乾燥工程においても、被洗濯物を袋内で拡がった状態
に維持し、十分な乾燥効果を発揮させうると共に、何れ
の場合においても袋体の成る程度の伸縮を許容し、袋体
を構成している網構造の布帛に無理を生じさせることが
無く、また被洗濯物が洗濯槽等を損傷することも無い新
規な構造の洗濯袋を提供することを目的としている。

洗濯機で衣料品等を洗濯する際、衣料のすり切れ、縫目
のほつれ或はボタンや紐等の脱落等を防止するため、最
近では洗浄、すすぎ、脱水、ドライヤーによる乾燥等の
全工程に亘り、被洗濯物を洗濯袋に入れたま）諸作業を
行なうことが多い。

しかし、現在市販されている洗濯袋は、網構造の布帛を
袋状に縫製しただけのものであって、立体形を保つべき
所謂保形性を全く具備していない。

このため、洗浄工程について見ても洗濯袋は内装された
被洗濯物と一体となって、攪拌される洗濯液の水圧のた
めに圧扁され、或は団塊状にまるめられ、洗濯液の流過
を阻害しており、洗浄効果を低下させているし、ドライ
ヤーによる乾燥工程においても同様にして熱風の通過を
阻害し、乾燥効果を低下させており、必要以上に長い作
業時間を要する欠点がある。

上述の欠点を除去するためには布帛製の洗濯袋に常に膨
らんだ形状を維持する保形性を付与すればよいこととな
るが、洗濯機の洗濯槽内では洗濯液の激しい攪拌流のた
め、洗濯袋はあらゆる方向の圧縮、伸長、役回等の作用
を繰り返して受けるため、前述の保形性が固定的なもの
とするときは袋体の破損を生じやすいので、該保形性を
成る程度の伸縮性を有することが必要とされる。

本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載する構成とす
ることにより、上述のように、成る程度の伸縮可能な保
形性を有する洗濯袋を得たものである。

以下、図示例についてその構成を説明する。

第１図、第２図および第３図は実施の１例を示しており
、網目編アトラス網等の網構造の布帛で小判形状に形成
された袋体１は、上下両縁２，３を縫合され、上縁２寄
り位置にスライドファスナー４が縫着され、被洗濯物の
出し入れ口とされている。

袋体１は、長さ方向を数区分する位置に幅方向の全周に
亘り、第２図に示される如く袋縫い部５．６が形成され
、内部に弾性条７，８が挿入され、添接されている。

この弾性条７，８はナイロンモノフィラメント或はポリ
エチレンチューブ等の耐水性、耐食性。

耐薬品性の弾性材製のものが好ましく、第３図は、弾性
条としてポリエチレンチューブ９を使用したものを示し
ている。

この弾性条たるポリエチレンチューブ９は、１端１０を
同質の接続パイプ１１の内孔１２の１端１３に固着され
ている。

この固着は、溶融ポリエチレンを接着剤として使用して
固着したものでも、或は金属片によるクランプであって
もよい。

ポリエチレンチューブ９の他端１４は、袋縫い部５．６
内に挿通されたうえで、前記接続パイプ１１の内孔１２
内へ、その他端１５から摺動自在に挿入されている。

か）る構造とするため、ポリエチレンチューブ９として
内径２ｍｍ、 外径４ｍｍのものを使用した際には、接
続パイプ１１としては、同質のポリエチレンチューブで
あって、内径４剛、外径６間のものを使用することが好
ましいが、か）る寸法に限定されるものではない。

上述の構造において、接続パイプ１１内からポリエチレ
ンチューブ９の他端１４が脱出しないようにするため、
接続パイプ１１は、袋体１が半径方向に最大限に拡張さ
れた際でも、前記他端１４を内孔１２内に留めうる長さ
Ｌとされ、従って、前記他端１４はポリエチレンチュー
ブ９の１端１０と、接続パイプ１１の端部区間′との間
の区間１の範囲内でのみ摺動できることとなる。

上記構造の弾性条７，８が第１図、第２図に示される如
く、袋縫い部５．６に挿入され、添接された袋体１は、
洗濯槽内であらゆる方向の圧迫。

伸長、役回を受けるものの、少なくとも弾性条７．８の
挿入、添接されている部分では、圧迫された際は、ポリ
エチレンチューブ９の他端１４が１端１０に接するまで
縮径されるもののそれ以上の縮径は生ぜずに略円形状を
維持し、伸長される際も袋体１を構成している布帛が最
大限に拡張されるもののポリエチレンチューブ９の他端
１４は接続パイプ１１から脱出することなく略円形状を
維持しうるので、袋体１は、洗濯液中で比較的長い時間
に亘り、第１図に示される如き形状を保持できるもので
ある。

但し、第１図に示す実施例では袋体１の長さ方向には、
全く保形性が無いので、第４図、第５図或は第６図にそ
れぞれ示される実施例の如き構造とすれば、各袋体は半
径方向、長さ方向の何れの方向に対しても十分な保形性
を有することとなる。

第４図に示す実施例のものは袋体１６をラグビーボール
状に縫目１７．１Ｂ、１９．２０で縫製したものであり
、縫目２０部分に開口部用のスライドファスナー２１を
設けると共に、互に交叉する経線方向に、適宜手段で、
第３図に示されるものと同様構造の弾性条２２，２３を
挿入、添接したものである。

この弾性条２２，２３の挿入、添接は、第２図に示され
るように袋縫い部を形成して挿入、添接してもよいし、
或は袋体に別の網生地を縫着して袋部を形成し、内部に
挿入、添接しても、また袋体１６の網目を順次くぐらせ
て挿入、添接してもよい。

第４図生得号２４．２５は接続パイプを示している。

第５図に示される実施例は、袋体２６の主体部分を長方
形状とし、上下両端部分を縫目２７，２Ｂ、２９．３０
で球面状に湾曲させると共に、互に交叉する経線方向に
弾性条を挿入、添接した部分３１．３２を形成したもの
であり、第６図に示される実施例は、縫目３３，３４，
３５，３６で球形状に縫製した袋体３７の互に交叉する
経線方向に、弾性条を挿入、添接した部分３８．３９を
形成したものであって、各弾性条の構造は第３図に示さ
れるものと同じであり、長さ方向、半径方向における保
形性を有することは、第４図に示す実施例のものと同じ
である。

本考案は、以上説明した構成のものであって、袋体は挿
入、添接されている弾性条の作用で常に保形性を保つし
、弾性条は接続パイプに１端が固定され、他端が接続パ
イプの内孔内で摺動しうるので洗濯袋を形成している布
帛の伸縮に応じて伸長・収縮できるため、袋体に無理を
与えず、袋体の破損を生ずることなく、円滑に伸縮し、
良好な保形機能を発揮するのみでなく、弾性条の両端は
接続パイプ内に納められている故に被洗濯物や洗濯槽を
損傷することが無い等の効果を奏する。

また保形性を有する洗濯袋内では、洗濯、乾燥の何れの
工程においても、被洗濯物は十分に拡がった状態を維持
でき、洗濯液が熱風を良好に通過させうるので、洗濯効
果、乾燥効果を十分に発現させうる効果も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施の１例の斜面図、第２図は第１図中■−■
線断面拡大図、第３図は弾性条端部の接続状態を示す部
分斜面図、第４図は別の実施例の斜面図、第５図は異る
実施例の正面図、第６図は更に異る実施例の斜面図であ
る。 １・・・・・・袋体、７．訃・・・・・弾性条、１０・
・・・・・弾性条たるポリエチレンチューブの１端、１
１・曲・接続パイプ、１２・・・・・・接続パイプの内
孔、１３・・・・・・接続パイプの１端、１４・曲・弾
性条たるポリエチレンチューブの他端、１５・・・・・
・接続パイプの他端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 網構造の布帛よりなる袋体に弾性条が挿入、添接されて
   おり、該弾性条の１端は、接続パイプの内孔の１端に固
   着され、該弾性条の他端は、前記接続パイプの内孔内へ
   該パイプ他端から摺動自在に挿入されており、該接続パ
   イプ長さは袋体が最大限に拡張されたときにも、前記弾
   性条の他端が脱出しない長さとされ、該弾性条の他端は
   、接続パイプの内孔内で、接続パイプの長さ方向に摺動
   自在とされ、袋体は前記弾性条の弾力により拡張されて
   いることを特徴とする保形性を有する洗濯袋。