JPS6020715Y2 - 簡易水洗便所装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は簡易水洗便所、特に便器底部に設けた便排出口
を、通気性頂板と扁平箱形非通気性底板との間に気体配
送用空所を設けて戊りその一側縁部を軸着されて回動可
能な開閉蓋によって閉鎖させた簡易水洗便所装置におけ
る上記開閉蓋の通気性頂板上に洗浄水を供給する装置に
関する。

従来、汲取式の便所において、便槽内の汚物の臭気が便
器底部に設けた便排出口を通して便所室内に放散される
ことを防止するために、便排出口の下側に板状の開閉蓋
を設置し、常時は開閉蓋を閉じておき、用便後に開閉蓋
を開いて便を落下させ蓋表面を洗浄水で洗浄するように
構成した簡易水洗便所装置がある。

上記のような従来型の簡易水洗便所装置は、１回の洗浄
作業に比較的多量、例えば１リツトルないし２リツトル
の洗浄水を要し、しかも完全な洗浄が行われないばかり
でなく、比較的短期間に便槽が汚物で満たされるので頻
繁に汲取りを行う必要があるという欠点があった。

このような従来の簡易水洗便所装置の欠点を除去し、便
器の便排出口を閉鎖する開閉蓋を極めて少量の洗浄水に
よって完全に洗浄し得るようにするために、実開昭５３
−５１７４７号公報に開示されているように、平坦表面
を有する通気性頂板と扁平箱形の非通気性底板との間に
気体配送用空所を設けた特殊な構造を有しその一側縁部
を軸着された回動可能な開閉蓋によって、便器底部に下
向きに開にさせた便排出口を下側から閉鎖腰便器の一側
に隣接して設置した蓋開閉装置によって蓋の開閉を行わ
せ、開閉蓋の気体配送用空所には圧縮気体を給送し、開
閉蓋の通気性頂板上に洗浄水を供給するように構成した
簡易水洗便所装置が考案されているが、同装置は開閉蓋
の一側縁部に固着された枢軸から突出させた復帰ばね付
作動杆を蓋開閉用エアシリンダのピストン杆に連結し、
エアシリンダおよび開閉蓋の気体配送用空所に圧縮気体
源から給気弁装置を介して圧縮気体を供給し、給気弁装
置と連動する切換弁装置を介して給水源から開閉蓋の通
気性頂板上に洗浄水を供給する構成となっている。

上記切換弁装置は用便後間閉蓋を回動させて開放し、通
気性頂板上の便を落下させて開閉蓋を閉じると通気性頂
板上に少量の洗浄水を放出させ、便器不使用時には同板
上に洗浄水を点滴して通気性頂板を常に湿潤状態に保つ
ように作動するものである。

以上のように洗浄水は切換弁装置を介して通気性頂板上
に供給されるので、切換弁装置に何らかの故障があった
とき、あるいは弁部分の摩耗があったときなどは多量の
洗浄水が消費されるとともに汚水汲取費用の増大を招く
という欠点があった。

本考案は従来の簡易水洗便所装置の上記のような問題を
解決するために案出されたもので、その目的は開閉蓋の
開閉運動と連動して通気性頂板上に定量の洗浄水を確実
に供給することにある。

本考案は、便器の便排出口を開閉する開閉蓋に気泡を発
生するための機能を備えた簡易水洗便所装置において、
洗浄水を供給する洗浄水貯溜タンクに貯溜水レベルより
高い位置で上端が大気開放する中継用タンクを形成し、
洗浄水貯溜タンク下部に連通ずるダイヤフラムポンプの
吐出管を中継用タンクに連結するとともに同中継用タン
クを開閉蓋に給水するための洗浄水供給管を接続し、さ
らに開閉蓋を回転駆動するモータ軸にダイヤフラム作動
杆に連係する偏心カムを固定し、便排出後にモータ軸回
転により開閉蓋が閉じてからこの偏心カムによってダイ
ヤフラム作動杆を駆動し、洗浄水を中継用タンクに供給
しこのタンクを経て洗浄水供給管から開閉蓋に給水する
ようにしたものである。

以下、添付図面に示す実施例に基いて具体的に説明すれ
ば、第１図に簡易水洗便所装置Ａが示されており、図中
１は底部に便排出口２を有する便器、３は一側縁部を枢
支部４に回動自在に軸着される開閉蓋で、同開閉Ｍ３は
中央部をやや凹ませた板状の通気性頂板５と同頂板を嵌
着する非通気性底板６より構成されしかも同頂板５と底
板６との間には気体配送用空所８が形成されており、同
空所に連通ずるように非通気性底板６には空気供給管９
が連結されている。

１０は便器１の後部側に垂設される収容筐体で、同筐体
１０下部には第２図に示すような配置で減速機付電動モ
ータ１１、ダイヤフラムポンプ１２、コンプレッサ１３
及びこれらの機器の動作を同期連動させる２個のリミッ
トスイッチ１４が取付けられている。

減速機付電動モータ１１の回転主軸にはホイール１５が
取付けられ、同ホイール１５はリミットスイッチ１４の
動作杆１４′のローラ１６に接触しており、ホイール１
５の外周を円周方向に異形となすことによりホイール１
５の回転によりリミットスイッチ１４のオン・オフが行
えるもので、洗浄用スイッチ（図示せず）を操作すると
減速機付電動モータが動き始めるが２個のリミットスイ
ッチ１４の一方はホイール１５が１回転したころで減速
機付電動モータの電源をオフするもので、他方のリミッ
トスイッチ１４は減速機付電動モータが作動中にコンプ
レッサ１３の動作をオン・オフするものである。

さらにホイール１５にはアーム１７が長孔１７′を有し
て枢着され、同アーム１７の他端は開閉蓋３に連結枢着
されており、また開閉蓋３の枢支部４の一方には開閉蓋
を常に閉じる方向に作用するスプリングが取り付けられ
ているので、ホイール１５の回転により開閉蓋３はその
枢支部４を中心として回動し開閉運動をすることができ
、これら電動モータ１１、ホイール１５、アーム１７及
びスプリング３４より蓋開閉装置Ｂが構成されるもので
ある。

さらに１８は収容筐体１０の略半上位に配設される洗浄
水貯溜タンクで、同タンク１８は大容量の主タンク１９
と同主タンク１９一側方上部の中継用タンク２０とより
形成され、主タンク１９と中継用タンク２０とに分割す
る隔壁２１の上端にはオーバーフロー用の切欠開口２２
が設けられており、また２３は中継用タンク２０上端開
口を覆う蓋である。

上記中継用タンク２０にはダイヤフラムポンプ１２の吐
出管１２ｂに連結される入水管部２０ａと通気性頂板５
上部に開口端を有した洗浄水供給管２４に連結する流出
管部２０ｂがそぞれ下方に伸延するように形成されてし
かも入水管部２０ａの開口端は中継用タンク２０内の上
側に位置して同人水管部２０ａから流出管部２０ｂに至
る洗浄水流れをよどみなくできるようになっている。

２５は主タンク１９の底部壁にストレーナ等を有して取
付けられる出水管であり、同出水管２５はダイヤフラム
ポンプ１２の吸込管１２ａに連結されて、連絡管を必要
部所に介して主タンク１９、出水管２５、吸込管１２ａ
１ダイヤフラムポンプ１２、吐出管１２ｂ１入水管部２
０ａ１中継用タンク２０、流出管２０ｂ１洗浄水供給管
２４の順に洗浄水が流れて洗浄水流路を形成し、洗浄水
が通気性頂板５上に達することができる。

また２６は減速機付電動モータ１１の回転主軸のホィー
ル１５取付部の反対側に取付けられる偏心カム、２７は
同電動モータ１１、ダイヤフラムポンプ１２及びリミッ
トスイッチ１４の取付機枠２８に対して上下に摺動自在
な昇降部材２９に取付けられカム２６外周面に当接する
ローラ、３０はダイヤフラムポンプ１２のダイヤフラム
３１を支持板３２と共に上端に取付は下端が昇降部材２
９に連結されるダイヤプラム作動杆であり、同作動杆３
０は昇降部材２９と共に昇降できカム２６の偏心量に相
当してダイヤフラム３１がポンプ内容量が小さくなるよ
うに上方向に押圧変形され、一定量の洗浄水の吸込み及
び吐出が行える。

また３３はダイヤフラム操動杆３０に同心的に取付機枠
２８と昇降部材２９上端との間に配置されるスプリング
である。

次に減速機付電動モータ１１の回転に基く開閉蓋の開閉
運動、コンプレッサ１３の作動及びダイヤフラムポンプ
１２の同期連動に関し述べると、開閉蓋３の開閉運動は
ホイール１５とアーム１７により、コンプレッサ１３の
作動はホイール１５とリミットスイッチ１４とにより、
ダイヤプラムポンプ１２の作動は偏心カム２６と昇降部
材２９とにより行われるもので、減速機付電動モータ１
１の回転主軸の回転角度を横軸にとって上記３種の作動
の相関を示す動作タイムチャートが第３図に示されてい
る。

図示のように減速機付電動モータ１１の回転主軸が００
から約１８０°回動する間に開閉蓋３が開いて最大開度
点Ｍを通過後再び閉じ、この開閉蓋の開閉行程に略同期
してコンプレッサ１３がリミットスイッチ１４によりオ
ンされ動作し、空気が気体配送用空所８内に圧送され、
同圧送空気が水を湿潤状態に含んでいる通気性頂板５を
通過して気泡を発生させ開閉蓋３上の汚物を洗浄し、こ
の汚物は開閉蓋３の傾斜によって下方の便槽内に落下す
る。

次にコンプレッサ１３の動作終了時及び開閉蓋３の閉蓋
時点から偏心カム２６により昇降部材２９とダイヤフラ
ム取付杆３０が上昇し、ダイヤフラム３１が上方に押動
変形されこの変形容積分の洗浄水が前記洗浄水流路を経
て洗浄水供給管２４から通気性頂板５上に放出され、電
動モータ１１の回転主軸が１回転する間に開閉蓋３、コ
ンプレッサ１３及びダイヤフラムポンプ１２の一連の動
作が完了するものである。

次に本考案の要旨をなす洗浄水流路に関し、同洗浄水は
ダイヤフラムポンプ１２の上記動作によりまずダイヤフ
ラム３１の下降によりポンプ本体内に主タンク１９から
出水管２５、吸込管１２ａを経て吸引され、吐出時には
ダイヤフラム３１の上方向への移動により定量の洗浄水
が吐出管１２ｂから連絡管を経て入水管部２０ａから中
継用タンク２０内に給送され、そのまま洗浄水自重によ
り中継用タンク２０から洗浄水供給管２５方向へ流下し
て通気性頂板５上に放出される。

ここで入水管部２０ａの開口端は主タンク１９に貯溜さ
れる洗浄水の最高水位（Ｍ、Ｗ、Ｌ、）より高い位置に
なるように形成されていることと、切欠開口２２により
大気開放状態となしであるのでダイヤフラムポンプ１２
の停止後には入水管部２０ａまで達している洗浄水のヘ
ッドが主タンク１９内の洗浄水ヘッドより大きいために
、洗浄水が流出管部２０ｂに至ることがなく、従ってダ
イヤフラムポンプ１２による吐出量のみが通気性頂板５
上に放出され確実に定量の洗浄水が供給できる。

また上記のヘッド差により洗浄水は中継用タンク２０の
入木管部２０ａで停滞するので止水のための止水弁等が
不要である。

また流出管部２０ｂから洗浄水供給管２４までの洗浄水
流路が何らかの原因で閉塞した場合に、ダイヤフラムポ
ンプ１２を作動させても洗浄水は隔壁２１に設けた切欠
開口２２からオーバーフローするように主タンク１９内
に流入するので洗浄水貯溜タンク１８外に漏れることが
なく、下位側の諸装置がぬれないので、同装置等の故障
等を防止できる。

なお、本考案では便器不使用時通気性頂板に洗浄水を点
滴しないが、前記引用公報にも開示されているごとく点
滴することは必須条件ではなく長期間便器を使用しない
とき以外は何ら支障なく、もし通気性頂板が乾燥した場
合でも２回操作すれば機能回復するものである。

以上のように本考案に係る簡易水洗便所装置はその構成
により下記の効果を奏する。

（１） 主タンク内洗浄水位より高い位置に中継用タ
ンクへの入水管部の開口を有し、しかも中継用タンクは
切欠開口により主タンク側に大気開放しているので、ダ
イヤフラムポンプの作動停止後に洗浄水が中継用タンク
内に流入しないので、洗浄水が流れ続けることがなく、
止水のための弁が不要である。

（２）上記（１）によりダイヤフラムポンプの吐出量分
の洗浄水が確実に供給できる。

（３）上記（１）の切欠開口により、開閉蓋への洗浄水
流路が閉塞しても、ダイヤプラムポンプからの洗浄水は
主タンク内に流入するのでタンク本体外部にもれること
がない。

（４）開閉蓋への洗浄水供給は便を排出して閉蓋後に行
うので、供給した洗浄水は外部に流下することなく通気
性頂板内に含まれ、次に使用する場合にも確実に気泡を
発生して便の排出を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は簡易水洗便所装置の内部構造を示す側面図、第
２図は収容筐体内部を示す正面図、第３図は開閉蓋、コ
ンプレッサ及びダイヤフラムポンプの減速機付電動モー
タの主軸回転に基く動作タイムチャートである。 １：便器、２：便排出口、３：開閉蓋、５：通気性頂板
、６：非通気性底板、８：気体配送用空所、１０：収容
筐体、１１：減速機付電動モータ、１２：ダイヤフラム
ポンプ、１９：主タンク、２０：中継用タンク、２４：
洗浄水供給管、２６：カム、Ａ：簡易水洗便所装置、Ｂ
：Ｍ開閉装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便器の便排出口を開閉する開閉蓋を、内部に気体配送用
   空所を形成する通気性頂板と非通気性底板とより構成し
   、便器に隣接配置した収納筐体内に、前記開閉蓋を回転
   駆動するためのモータを備えた蓋開閉装置、上記気体配
   送用空所に圧縮空気を供給するコンプレッサ、洗浄水を
   貯溜する洗浄水貯溜タンク、及び同洗浄水タンクの下部
   に連通し前記通気性頂板上に洗浄水を供給するダイヤプ
   ラムポンプとを備えた簡易水洗便所装置において、前記
   洗浄水貯溜タンクを、主タンクと同型タンク内貯溜水レ
   ベルより高い位置において上端が開口し上記ダイヤプラ
   ムポンプの吐出管に接続する中継用タンクとから構成す
   るとともに同中継用タンクを通気性頂板上に開口する洗
   浄水供給管に接続し、さらに前記蓋開閉装置のモータ軸
   にダイヤプラムポンプのダイヤプラム作動杆に連係する
   偏心カムを設け、同偏心カムは開閉蓋が閉じてからダイ
   ヤフラム作動杆を駆動し前記吐出管から中継用タンクに
   洗浄水を供給することを特徴とする簡易水洗便所装置。