JPS6020647Y2 - 道路区画線塗装機用ビ−ズ散布器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、道路の区画線の塗装を行なう塗装機に付設
し、路面に塗布直後の区画線の上面にビーズ（ガラス粒
子）を散布するビーズ散布器の改良に関する。

道路の区画線は、顔料を混ぜた粘性の大きい塗料を路面
に散布することにより描くが、夜間に於ける目視を容易
にするため、塗料中にビーズを混入することが行なわれ
ている。

ところが、予め塗料中に混入したビーズは、その比重が
塗料の比重よりも大きいため、塗料が冷却し固化するま
での間に下方に沈下してしまい、描かれた区画線の上層
部にはビーズが存在しなくなってしまう。

このため、塗料中に予め混入したビーズとは別に、路面
に塗布直後で固化前の塗料の上面にビーズを散布し、固
化後の区画線の上層部にもビーズを存在させるようにす
ることが行なわれている。

このように、塗布直後の区画線の上面にビーズを散布す
るための散布器としては、従来第１〜２図に示すような
構造のものが使用されている。

即ち、上面にビーズ送給用のホースの下端を接続するた
めの短管１を設け、下端を開口した四角箱状の本体２の
内壁面に、内向きに傾斜する傾斜板３．４を互いの下端
側の間にスリット状の間隙５を設けた状態で上下２ケ所
にそれぞれ対向して固定するとともに、この間隙５の下
方に断面が逆Ｕ字形の分散板６が固定されている。

上側の傾斜板４の上面にはこの傾斜板４に沿って矢印ａ
方向に摺動し、間隙５の幅を調節する調節板７が設けら
れ、傾斜板４の下方には、軸８を中心として矢印す方向
に回転し間隙５を開閉する開閉板９が設けられている。

ビーズの散布を行なう場合、開閉板９を下方に回動させ
て間隙５を開けると、短管１から本体２内に送給された
ビーズは間隙５，５を通って分散板６の上面にぶつかり
、分散板６の両側を通って路面上に散布される。

ところが、上述のように構成され作用する従来のビーズ
散布器に於いては、次に述べるような不都合を生じる。

即ち、ビーズの流出量を変えるための調節板７の移動が
目視で行ない難い。

又、散布器が上下に振動すると、上方への移動の際に分
散板６の上面にぶつかるビーズを上方に向けて叩き上げ
てしまい、一時的に散布されるビーズの量が減少し次い
で増加するため、散布量に波状のむらが生じる。

更に、路面の傾きに伴って散布器自体が第２図に示すよ
うに左右に傾斜すると、散布器が高くなった側の端部で
はビーズが散布されず、散布幅が狭くなるだけでなく、
低くなった側の端部では散布量が必要以上に多くなって
しまつ。

本考案の道路区画線塗装機用ビーズ散布器は上述のよう
な従来品の要する欠点を解消したものである。

以下、実施例を示す図面により本考案を説明する。

第３〜４図は本考案のビーズ散布器の全体構成を示して
いる。

下方が開口した薄い四角箱状の箱体１０の上面中央部に
は、ビーズ送給用のホースの下端を接続するための短管
１が設けられている。

一方、箱体１０の下端開口には、ビーズ流出量調節弁材
の開閉弁１１が固設されている。

この開閉弁１１は、第５図に詳示するように、幅方向（
第３図左右方向。

幅の大きさは区画線の幅よりやや大きい程度とする）に
亘る断面円形の孔１２と、この孔１２を箱体１０内に連
通させる通孔１３と、この孔１３から前記の孔１２内に
流入したビーズを更に路面に流下させる通孔１４とを有
する弁箱１５と、孔１２内で回動し通孔１３と通孔１４
との連通を制御する断面台形の弁体１６と、通孔１４の
開口幅を調節する調節板１７とより戒っている。

即ち、弁箱１５は、ねじ２６，２６により箱体１０の下
端部に固定されており、その断面円形の孔１２内には第
６〜７図に示すような弁体１６が回動自在に挿入されて
いる。

この弁体１６は、断面が台形の弁板部１６ａの両端に、
孔１２内に隙間なく嵌合できる充実の円筒部１６ｂ。

１６ｃを固設したもので、一方の円筒部１６ｃの更に外
側面には、この円筒部１６ｃよりも大きな充実の円筒部
１６ｄを設けており、円筒部１６ｄは弁体１６を孔１２
内に挿入した場合でも孔１２の外に突出している。

このため、弁箱１５の外側から円筒部１６ｄを回動させ
れば、弁板部１６ａは開放状態（第５図実線位置）と閉
鎖状態（同鎖線位置）に切換えられる。

円筒部１６ｂ、１６ｃの間に形成される円形ＩＲ１６ｅ
は、摺動する弁体１６の左右端部と弁箱１５との間隙が
摩耗により広がった場合に、ビーズがこの間隙を通って
弁体１６の左右端部に漏出し溜ることがないようにする
ものであって、漏出したビーズは溝１６ｅを通り、その
下方において弁箱１５に形成したスリット１５ａから排
出される。

１８はこの弁体１６を一定角度範囲で回動させるソレノ
イドで、出力杆１９に一端を枢着された連結腕２０の他
端は円筒部１６ｄの端面隅部に枢着されている。

円筒部１６ｄに一定角度範囲で回動するバンドルを取付
け、弁板部１６ａを手動により開閉するように構成する
こともできる。

通孔１４の幅を調節するための調節板１７は、通孔１４
と直角方向に形成された凹部２１内に斜め上下方向の摺
動を自在として挿入されており、凹部２１の奥面と調節
板１７の上面との間に縮設したばね２２により、常に凹
部２１から突出する方向の弾力を付されている。

凹部２１の幅方向両端部近くには、凹部２１と弁箱１５
外とを連通ずる円孔２３が穿設されており、この円孔２
３から凹部２１内に挿入された蝶ねじ２４が、調節板１
７に形成したねじ孔２５に螺合している。

このため、弁箱１５外に突出した蝶ねじ２４，２４の頭
部を回動させ、蝶ねじ２４，２４のねじ孔２５への螺入
量を変化させれば、調節板１７の凹部２１からの突出量
が変わり、通孔１４の開口幅が変わって、通孔１４を通
って流出するビーズの量を調節することができる。

本考案の道路区画線塗装機用ビーズ散布器は、以上に述
べた通り構成されるので、ビーズは流出口となる通孔１
４の直上まで満たされることになり、散布器が多少傾い
た程度ではビーズの散布幅が狭くなったり、或は散布量
にむらが生じることがない。

また、散布量の調節も、２本の蝶ねじ２４．２４を回動
させることにより容易かつ確実に行なうことができる。

また、第１〜２図に示した従来構造のものに比べて厚さ
が薄くできるため、横風の影響が少なくなる。

なお、第３図に示すように、箱体１０の上面左右にはブ
ラケット２７．２７が固着されており、該ブラケットに
よりビーズ散布器が後述する懸架装置に取付けられる。

第８〜１２図はそのビーズ散布器を取付けるための懸架
装置を示している。

区画線塗装機、ビーズ供給機等を載置したトラックの荷
台２８の下面には、互いに平行な２本の管２９，２９が
固定されており、これらの管２９，２９の内側に、それ
ぞれ径の細い管３０，３０を摺動自在に挿入しており、
ビーズ散布器を使用する場合は管３０，３０を管２９．
２９から引き出し、不使用時には管３０．３０を管２９
，２９内に挿入し、懸架装置を荷台下に収納できる。

各管３０，３０の端部から垂下した管３１，３１の下端
には基板３２を固定している。

基板３２の下面には、揺動板３３が取付けられる。

この揺動板３３は、この板３３の円孔３３ａと基板３２
の円孔３３ａとに挿通したボルトとナツト（何れも図示
せず）とにより基板３２の下面に取付け、これらのボル
トとナツトとを緩めた場合に第１０図の矢印Ｃ方向に揺
動できるように構成している。

更に揺動板３３の下面には、一端を蝶番３４により枢着
した取付板３５が設けられている。

この取付板３５の下面両側端には、互いに平行な２本の
管３６．３６の一端が固定されている。

取付板３５の蝶番３４と反対端部には円孔３７が穿設さ
れており、円孔３７の開口部にナツト３８が固着されて
いる。

ナツト３８には下方からボルトが挿通され、このボルト
の上端面を揺動板３３の下面に当接させる。

取付板３５は管３６，３６及びこれらの管に取付けたビ
ーズ散布器の重さにより、常に円孔３７が穿設された側
の端部が上方に回動しようとしているが、ナツト３８に
螺合したボルトの取付板３５上面への突出量を変えれば
、取付板３５を蝶番３４を中心として第１１図の矢印ｄ
方向に揺動させることができ、管３６．３６に垂下した
ビーズ散布器の路面からの高さを変えることができる。

管３６，３６の途中にはクランプ金具３９．３９が嵌着
されており、これらの金具３９．３９の下にボルトとナ
ツトとにより箱体１０の上面のブラケット２７゜２７を
連結してビーズ散布器を管３６．３６に垂下する。

ビーズ散布器の取付は位置は、クランプ金具３９．３９
を管３６．３６に沿って摺動させることにより、第８〜
９図に矢印ｅで示すように変えることができる。

このため、冬期のように区画線を描く塗料の冷却固化が
速い場合は、塗装機とビーズ散布器との距離を短くし、
夏期にように塗料の冷却固化が遅い場合はその距離を長
くして効率のよいビーズ散布を行なうことができる。

また、ビーズ散布器は、クランプ金具３９とブラケット
２７とを連結するボルトを中心に回動できるため、万一
、ビーズの散布作業中に散布器が路面上の突起に衝突し
た場合でも、散布器は第８図の矢印ｆ方向（塗装器を載
置した自動車は第８〜９図で右方向に進行する。

）に回動するため、散布器が破損することはない。

【図面の簡単な説明】

第１〜２図は従来のビーズ散布器を示しており、第１図
は縦断側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、第３〜
７図は本考案のビーズ散布器の実施例を示しており、第
３図は正面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ断面図、第５図
は第４図の下部拡大断面図、第６図は弁体の平面図、第
７図は同じく正面図、第８図以下は懸架装置を示し、第
８図は側面図、第９図は平面図、第１０図は第８図の拡
大Ｃ−Ｃ断面図、第１１図は第１０図のＤ−Ｄ断面図、
第１２図は第１図の右方から見た図である。 １：短管、２：本体、３，４：傾斜板、５：間隙、６：
分散板、７：調節板、８：軸、９：開閉弁、１０：箱体
、１１：開閉弁、１２：孔、１３．１４：通孔、１５：
弁箱、１５ａニスリツト、１６：弁体、１６ａ：弁板部
、１６ｂ、１６ｃ、１６ｄ：円筒部、１６ｅ：円形溝、
１７：調節板、１８：ソレノイド、１９：出力杆、２０
：連結腕、２１：凹部、２２：ばね、２３：円孔、２４
：蝶ねじ、２５：ねじ孔、２６：ねじ、２７：ブラケッ
ト、２８：荷台、２９． ３０． ３１：管、３２：基
板、３．３：揺動板、３４：蝶番、３５：取付板、３６
：管、３７：円孔、３８：ナツト、３９：クランプ金具
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下方が開口した箱体１０の上面中央部にビーズ送給用の
   ホースの下端を接続するための短管１を設け、この箱体
   １０の下端開口には開閉弁１１を固定腰この開閉弁１１
   は断面円形の孔１２と、この孔１２と箱体１０内とを連
   通させる通孔１３と、上記の孔１２と外部とを連通させ
   る通孔１４とを有する弁箱１５の孔１２内に断面台形の
   弁板部１６ａの両端に該孔１２に隙間なく挿入できる円
   筒部１６ｂ、１６ｃを設けた弁体１６を回動自在に挿入
   して上記両道孔１３，１４の断続を自在とし、外部に通
   じる通孔１４の外部開口部にはこの通孔１４と直交する
   凹部２１を形威し、この凹部２１内には調節板１７を出
   入自在に挿入し、この調節板１７はばね２２により凹部
   ２１から突出方向に弾圧し、弁箱１５外面から円孔２３
   を通し凹部２１内に挿入したねじ２４を調節板１７のね
   じ孔２５に螺合させて調節板１７の凹部２１よりの突出
   量を調節自在として戊る道路区画線塗装機用ビーズ散布
   器。