JPS6020601B2 - 拡開アンカ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は拡開アンカーに関するものであり、特に舷開可
能なスリーブと、ねじ付きアンカーロッド‘こよりスリ
ーブ内に引込ませる拡開体と、アンカーロッドの荷重固
定端に設けられた押圧素子と、押圧素子の同軸上に配置
され、トルクを作用させるための被動素子とを具え、被
動素子はトルクが予定値に達した時に押圧素子から分離
可能とされる拡開アンカーに関するものである。

タ この種の舷開アンカーにおいて適正な負荷性能を得
るために、拡開可能なスリーブは予定された力でアンカ
ーを固定すべき受孔の内壁に対して押圧する必要がある
。

そのために舷開体は、受孔の材料の硬度に応じて多かれ
少なかれ鉱開スリーフ０内に引込ませなければならない
。拡関に要する力は適当な工具によるトルクとしてアン
カーの対応する被動素子に作用させる。拡開力を増加さ
せるには、彼勤都材に作用させるトルクを増加させる。
作用させるトルクは、それゆえに、アンカーの係止値（
すなわち引抜抵抗値）の指数となる。アンカーの最適係
止値を得るために必要なトルクは従釆はトルクレンチに
より設定していた。トルクレンチは高価である以外に構
造が複雑で故障しやすいので、予定のトルク値を得るた
めのこの方法は次の欠点を伴う。すなわち、異る寸法の
アンカーに対しては異るトルク値を設定すべきであるに
もかかわらず、それが考慮されないといいうことである
。この欠点を解決するためにトそれ自身がトルク制限機
能を有するアンカーは既知である。

例えば、アンカーロッド‘こ関連する押圧素子（例えば
ナット）に被動素子を連結し、この連結をリング状ゥェ
ブによって行ない、このウェプを予定被断点とする提案
がなされている。この被動素子は押圧素子に対応して同
一寸法とした６角形状外面を有する。このようなアンカ
ーによれば、アンカーの適正係止値を得るに必要な所要
トルクがスパナまたはレンチ等の簡単な工具によって与
えられる。

予定係止値が得られると、リング状ウェブが工具により
彼勤部材に与えられる増加トルクを伝達できなくなって
破断する。その後、工具で押圧部村を直接回転させてそ
の回転を継続し、これにより係止値を増加させることも
可能である。この既知の提案の重大な欠点は、押圧素子
の同軸上に配置される被動素子が押圧素子と同一外形形
状を有することである。

その場合には、工具が被動素子および押圧素子に同時に
係合するおそれがあるので、リング状ウェプが破断荷重
を受けず、したがって破断されなくなることがある。そ
して、被鰍素子が押圧素子から分離されない場合には、
アンカーが適正に固定されたか否かが明らかでない。彼
勤素子の適正な締付け時に生じるリング状ゥェブの破断
面（または区域）も欠点につながることが確認されてい
る。

そこで生じる腐食が押圧素子の実榊性を減じ、また固定
部の外観を損ねるからである。さらに、予定破断面の被
断力が広範囲４にわたるので、十分に精密な縦付けおよ
び固定が行なえないことも確認されている。精密で信頼
性の高いトルク制御を可能とすべく、押圧素子を被数素
子に対してせん断ピンにより連結することが考えられる
。

せん断ピンは容易に高い精度および信頼性をもって寸法
を決定することができ、したがって正確な破断力が設定
される。さらに、破断力は数量、直径および材料の選択
によっても制御可能である。しかるに押圧素子を彼動素
子に対してせん断ピンにより連結する場合、アンカーの
固定に際してせん断ピンが突然破断して被動素子が自由
回転を生じると、作業者が驚きを感じるだけでなく工具
ひとともに滑り、ささえを失なうおそれがある。

このことは〜例えば作業者が足場上で仕事を行っている
場合には極めて危険である。したがって本発明の目的は
、押圧素子を彼動素子に対してせん断ピンにより連結す
る場合に予測される危険を防止して作業の安全性を確保
することにある。

そして「 この目的を達成するために本発明においては
〜秤圧素子と被動素子との間にこれらの相対回動を制限
する留めの設けたことを特徴とするものである。本発明
のかかる構成によれば、せん断ピンの破断したことを検
知した後は被動素子が押圧素子に対し僅かな角度範囲で
しか相対回転できず「使用者は工具が彼勤素子から滑る
感じを受けないので作業の安全性が大幅に高まることを
確認した。本発明の好適な実施態様においては、上記の
留めを遊動溝内に突出するピンにより構成しト遊動簿を
稀付け方向とは逆方向に延在させる。その場合には〜そ
のピンにより吸収可能な力をせん断ピンの全せん断力よ
りかなり大きく設定することができる。そして「せん断
ピンの破断後は、上記のピンがより大きなトルクを被動
素子から押圧素子に伝達できるので、アンカーは最大係
止値が得られるまで更に縦付け可能である。上記のピン
により被動素子を確実に頭部で保持させ「彼勤素子が固
定アンカーの押圧素子から脱落できない機成とすること
ができる。

彼勤素子の押圧素子に対する許容範囲内での相対自由回
転は、アンカーが少なくとも予定最小係止値をもって受
け材料中に固定されたことを示す。彼勤素子は押圧素子
の周囲と係合するキャップにより構成するのが有利であ
る。

このキャップはせん断ピンをアンカー髄線に対し平行な
状態でも、また直角な状態でも挿入可能とする。さらに
重要な利点は、キャップが押圧素子の端面および周面と
孫合するので、キャップは押圧部材上に確実に位置決め
され、したがって上記礎成のアンカーを頭部上に落下さ
せてもせん断ピンは応力を受けない。したがってアンカ
ーは頭部に悪影響をおよ‘まさない。さらに、キャップ
によって工具は予定係止値が得られるまでは被動素子に
しか係合できない。本発明の他の実施態様において、押
圧素子の外面を工具による被動面とする。

せん断ピンが破断して被動素子が押圧素子から分離され
た後は、工具を押圧素子に作用させて所要のトルクを与
え、アンカーの孫止値をさらに増加させることができる
。もちろん、押圧素子に被動面を設けることによりアン
カーを弛めることも可能である。押圧素子はナットまた
はボルト頭部として６角柱形状に形成するのが有利であ
る。特に、せん断ピンをアンカーまたは受け材料の強度
および荷重特性から制限される最大舷関値に対応させる
べき場合、押圧素子の再締付けまたは弛緩は係止値に影
響をおよぼさないようにすべきである。

押圧素子による締付けが行なわれたことを表示するため
、本発明の他の実施態様においては、押圧素子の被動面
に破壊可能な保護層を形成する。これは、例えば浸糟処
理により形成された塗料または合成樹脂材料の層により
形成し、この層は工具によって摩擦力が作用する際に破
損されるようにすることができる。この目的のため、傷
のつきやすい、または破損され得る金属層を用いても良
いｏ固定されたアンカーの係止状態を遠方からでも確認
可能とするため、被動素子、押圧素子またはその保護層
に目立つ色彩をほどこすのが望ましい。

以下、本発明を図示の実施例について説明する。

第１および第２図に示すアンカーは、例えばコンクリー
ト壁の受孔１内に挿入され、物品２を固定するのに使用
される。

このアンカーに数字３で表わされる荻開可能なスリーブ
を設け、このスリーブには拡関を容易とするために前端
に長手方向スロット３ａを形成する。

円錐状の拡関体４を数字５で表わされたボルト、すなわ
ちアンカーロッドによってスリーブ３内に前端側から挿
入されるように配置して、スリープ３を拡開可能とする
。アンカーロッド５の頭部５ａいより固定すべき物品２
に対し座金６を介して押圧力を作用するための押圧素子
を形成する。アンカーを締付けるには頭部５ａを回転さ
せるが、そのためには図示しない通常の工具をキャップ
７により形成された被動素子に作用させる。

この被動素子は頭部５ａを包囲する形状とし、かつアン
カーの鼠線と平行に延在するせん断ピン８により頭部５
ａと連結する。第２図に示すように３個のせん断ピン８
を等角度間隔で配慮する。

キャップ７および頭部５ａにはそれぞれ適当な工具と係
合させるための６角柱状外面を設ける。頭部５ａの外面
に保護層９を形成し、この保護層は工具と係合させる際
に破壊されるようにする。したがって、頭部５ａの次の
操作、例えば一度固定されたアンカーを更に締付け、ま
たは弛める操作が可能となる。アンカーを固定するには
キャップ７を工具により縦付け方向に回転させるので、
拡開体４が舷開可能なスリーブ３の前端内に引込まれ、
スリーフが半径方向に拡関して孔１の内壁に押圧される
。

拡関体４を更に引込めると、スリーブ３と受孔１の内蟹
との接触圧力が増加し、アンカーの係止値、すなわち引
抜抵抗値が増加する。増加する拡開力は工具からキャッ
プ７に、そしてキャップからせん断ピン８を介してアン
カーロッド５の頭部５ａに伝達する必要がある。せん断
ピン８を均一に負荷するため、６角頭部５ａの角部分に
丸みをつけて、これらがキャップ７に対する案内として
作用するように構成する。せん断ピン８を適切に設計し
て、アンカーの係止値が予定値に達する際にせん断ピン
がせん断限界応力に達して破断し、工具により加えられ
るトルクがもはや伝達されな夕〈なるように構成する。
この状態でキャップ７を取除くと、頭部５ａが露出する
。第３および４図に示すアンカーにおいて、数字１０で
表わされたアンカーロッドは拡関体１０ａと一体に連結
する。

拡開可能なスリーブ内への拡０関体１０ａの挿入は、第
１図の例におけると同様に、ナット１１を縦付けること
により達成する。ナット１１を数字１２で表わされ、か
つ第１図に示されたものと同様なキャップにより包囲し
、このキャップをせん断ピン８によりナット１１に蓮結
する。ナット１１の適切な縦付けを可能とするため、キ
ャップ１２にはアンカーロッド１０の後端を通すための
孔を形成する。ナット１１により更に、アンカーの軸線
方向とほぼ平行に延在し、かつせん断ピン８より大きな
断面積を有するピン１３を支持する。

第４図に示すように、ビンン１３は遊動溝１４内に突出
させ、この連動溝はキャップ１２内に縦付け方向とは逆
方向に延在させる。所定位置においてアンカーを縦付け
る際に、ナット１１は工具をキャップ１２に作用させて
回動させるが、この回動は等角度間隔で配置されたせん
断ピン８が破断するまで行なわれる。そしてトピン１３
と遊動溝１４との協働によって、キャップ１２はナット
１１に対し遊動溝１４の長さに対応する角度だけしか回
動できなくなる。さもなければ、せん断ピン８の突然の
破断により作業者を驚かすことになるが、上記の構成に
よればかかる不都合が解消される。これに加えて、ピン
１３の強度を適切に設定すれば「キャップ１２によりア
ンカーを更に縦付けることが可能となる。第５図に示す
アンカーには「第１図に示したものと同様に、数字１５
で表わされたボルトよりなるアンカーロッドを設ける。

その頭部１５ａ上に無垢のナット１６よりなる彼敷部材
を配置する。ナット１６および頭部１５ａは、これらの
部品内に圧入または接着されたせん断ピン１８によって
連結する。縦付け工具がナット１６にあてがわれる際に
頭部１５ａとも係合することになるのを阻止するため、
半径方向外方に突出する座金１７をナット１６および頭
部１５ａの間に配置する。第６図に示すアンカーには、
数字２０で表わされたねじよりなるアンカーロッドを設
ける。その頭部２０ａを６角形状リング２１により包囲
する。アンカーの鯛線に対し直角方向に延在させたせん
断ピン２２により、６角形状リング２１および頭部２０
ａの間で力を吸収するための連結構造を形成する。頭部
２０ａによってせん断ピン２２と同一面内に配置される
ピン２３を支持し、このピンは第３および４図の例にお
けると同様に６角形状リング２１の遊動溝２４内に突出
させる。第７図から理解されるように遊動簿２４は縦付
け方向とは逆方向に延在させる。さらに、せん断ピン２
２は相互に等角度間隔で配置する。せん断ピン２２の作
用、ピン２３および遊動溝２４の作用は、第３および４
図の例におけると同様である。第３なし、し？図の実施
例の取付け方法は第１および２図について説明したと同
機である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のアンカーの第１実施例の縦断面図、第
２図は第１図０−０線の横断面図、第３図は本発明のア
ンカーの第２実施例の縦断面図、第４図は第３図の矢Ｗ
方向から見た端面図、第５図は本発明のアンカーの第３
実施例の部分的縦断面図、第６図は本発明のアンカーの
第４実施例の部分的縦断面図、そして第７図は第６図肌
−弧線の横断面図である。 ５ａ，１１，１５ａ，２０ａ・・・押圧素子、７，１２
，１６，２１…被動素子、８，１８，２２・・・せん断
ピン、１３，２３…ピン、１４，２４…遊動溝。 Ｆｉｇ．ｌ 門９．２ Ｆｉｇ−ム Ｆｉ９．３ 門９．５ Ｆｉｇ．６ Ｆｉ９．７

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 拡開可能なスリーブと、ねじ付きアンカーロツドに
   よりスリーブ内に引込ませる拡開体と、アンカーロツド
   の荷重固定端に設けられた押圧素子と、押圧素子の同軸
   上に配置され、トルクを作用させるための被動素子とを
   具え、被動素子はトルクが予定値に達した時に押圧素子
   から分離可能とされる拡開アンカーにおいて、押圧素子
   ５，１１，１５ａ，２０ａを被動素子７，１２，１６，
   ２１に対してせん断ピン８，１８，２２により連結し、
   押圧素子１１，２０ａと被動素子１２，２１との間にこ
   れらの相対回動を制限する留め１３，１４，２３，２４
   を設けることを特徴とする拡開アンカー。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の拡開アンカーにおいて
   、留めを遊動溝１４，２４内に突出するピン１３，２３
   により構成し、遊動溝を締付け方向とは逆方向に延在さ
   せることを特徴とする拡開アンカー。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項記載の拡開アン
   カーにおいて、被動素子は押圧素子５ａ，１１の周囲と
   係合するキヤツプ７，１２により構成することを特徴と
   する拡開アンカー。 ４ 特許請求の範囲第１項ないし第３項のいずれか１つ
   に記載された拡開アンカーにおいて、押圧素子５ａ，１
   １，１５ａ，２０ａの外面を工具による被動面とし、当
   該被動面に破壊可能な保護層９を形成することを特徴と
   する拡開アンカー。