JPS6020125Y2 - 音楽教習装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、特に聴覚によって楽曲を構成する音楽的対
応を、さらに分解する状態で感得理解させる音楽教習装
置に関する。

楽曲の構成を見ると、基本リズム、基本メロディ、基本
ハーモニー等の音楽的にファンダメンタルなものと、旋
律的、リズム的、さらに和声（ハーモニー）的なファン
ダメンタルなもの以外の音楽的対応要素が存在するもの
で、この各要素を明確に理解することによって、楽曲を
総合的に理解できるようになるものである。

したがって、楽曲を学習理解するには、上記ファンダメ
ンタルなものを中心にして、各音楽的要素をそれぞれ学
習する必要のあるものである。

これら、音楽的対応の各要素は、例えば楽譜等によって
理解できるものであるが、例えば幼児等にあっては、楽
譜を読み取り理解することが困難であり、さらにこれを
音楽的感覚で理解することが困難である。

この考案は上記のような点に鑑みなされたもので、楽曲
を構成する音楽的対応要素を、それぞれ総合的に、さら
に分解して、特に音楽学習を楽しみながら理解し得るよ
うにする音楽教習装置を提供しようとするものであって
、幅方向に複数のトラックを形成した磁気テープを、長
手方向に複数のブロックに分割して、その各ブロックを
それぞれ異なる音楽的対応に対応させると共に、その各
ブロックにあっては、対応する音楽的対応を分解する複
数の演奏要素を上記複数のトラックにそれぞれ記録し、
各ブロック単位で複数のトラックにそれぞれ記録された
演奏要素を並列的に読み取り、選択再生出力するように
したものである。

以下図面を参照してこの考案の一実施例を説明する。

第１図は学習する生徒に対して聴覚的演奏情報を与える
再生機構の構成例を示すもので、例えば４つのチャンネ
ルｃｈ ｌ〜ｃｈ４それぞれに対応する４個の磁気ヘッ
ドｌｌａ〜ｌｌｄを備える。

このヘッドｌｌａ〜ｌｌｄは、走行される磁気テープの
幅方向に対して並べて設置され、テープ上に形成された
４本のトラックに記録された情報を、並列的に同時に読
み取るものであり、このヘッドｌｌａ〜ｌｌｄそれぞれ
で読み取った情報は、それぞれ増幅器１２ａ〜１２ｄで
増幅して、トーンボリューム１３ａ〜１３ｄに導く。

このトーンボリューム１３ａ〜１３ｄは適宜操作パネル
面に設定される４個の操作子でそれぞれ制御されるもの
で、増幅器１２ａ〜１２ｄそれぞれからの信号を、オン
、オフ制御すると共に、オン状態でそのレベルを適宜設
定する。

そして、トーンボリューム１３ａ〜１３ｄから取り出さ
れる信号は、それぞれ適宜増幅して第１乃至第４チヤン
ネルｃｈ ｌ〜ｃｈ４の信号として取り出し、スピーカ
回路に導いて再生音響として発音されるものであり、ま
たスイッチ回路１４によって、左りおよび右Ｒの信号に
分割台威し、ステレオ的楽響で発音させ、生徒に聴取さ
せるようにしてなる。

このような再生機構で使用する磁気テープ１５は、第２
図に示すように磁気ヘッドｌｌａ〜１１ｄで並列的に走
査される４本の記録トラックＴ１〜Ｔ４を有し、１つの
曲を録音する長さ毎に複数のブロックＡ、 Ｂ、 Ｃ・
・・・・・に分割設定されるもので、その各ブロックの
区切り部分においては、反射テープあるいは特殊信号等
により区切りマークが設けられている。

そして、再生機構においては、特に図示してないがこの
区切りマークが検出されることにより停止制御されるよ
うに構成されるものであり、また区切りマークで区切ら
れる特定されたブロックで繰返しリピート再生されるよ
うに構成してなる。

磁気テープ１５上で設定される各ブロックＡ。

Ｂ、 Ｃ・・・は、それぞれ音楽的に旋律的に対応する
歌唱、さらにリズム的、他の旋律的、和声的等の音楽的
対応ブロックに各対応設定される。

具体的には、歌唱ブロックＡにあっては、音楽的にファ
ンダメンタルな要素である伴奏演奏を、第４のトラック
Ｔ４に記録すると共に、第１乃至第３のトラックＴ１〜
Ｔ３それぞれに、歌唱１、さらに２部合唱、３部合唱要
素となる歌唱２、歌唱３を録音する。

すなわち、再生機構のトーンボリューム１３ａ〜１３ｄ
を選択操作して、第４のトラックと共に第１のトラック
の信号を再生させると、伴奏に合わせた歌唱１が発音さ
れ、歌唱１を独立的に聴取して学習することができる。

さらに歌唱１に代り、歌唱２あるいは３の信号を再生さ
せるようにすると、それぞれ重唱付加要素を取り出して
聴取学習することのできるもので、この場合第１のトラ
ックの歌唱１でも充分低いレベルで再生させるようにす
ると、２部合唱あるいは３部合唱の重唱付加要素を効果
的に理解できるように、また音楽的楽しみを充分な状態
にして学習することができ、特に幼児等における学習効
果は著るしいものである。

そして、さらに他のブロックＢ、Ｃ・・・には、同じ楽
曲の他の音楽的対応がそれぞれ記録されるもので、リズ
ム的に対応するブロックＢにあっては、その第１乃至第
３のトラックＴ１〜Ｔ３に、フルート、クラリネット、
トランペットの各リズム的な演奏音を記録し、第４のト
ラックＴ４に、上記ブロックＡの演奏を総合した音楽的
にファンダメンタルな要素を録音してなる。

そして、この第４のトラックＴ４と共に、第１乃至第３
のトラックを選択的に再生することによって、各楽器に
よるリズム的対応状態を再生音響として得るようになり
、その個々の聴感的学習が実行される。

同様にブロックＣでは旋律的に対応する鍵盤ハーモニカ
、ソプラノリコーダ、アルトコーダの演奏音が第１乃至
第３のトラックＴ１〜Ｔ３に記録され、ブロックＤでは
和声的に対応するマリンバ、オルガン、アコーデオンの
演奏音が第１乃至第３のトラックＴ１〜Ｔ３に記録され
る。

そして、それぞれブロックＣ，Ｄの第４のトラックＴ４
には音楽的にファンダメンタルな要素を録音して、各音
楽的対応における各楽器の演奏状態を、それぞれ聴感学
習し得るようにしてなる。

すなわち、磁気テープ１５上の各ブロックＡ。

Ｂ、 Ｃ・・・を順次に学習することによって、１つの
楽曲の各音楽的対応要素による構成状態が非常に理解し
易い状態で感得し得るようになるものであり、特にその
各音楽的対応状態を浮きぼりにする状態で聴取すること
のできるものであるため、生徒に対して充分な音楽的楽
しみを与えながら、学習カリキユラムを進行させること
のできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る教習装置に使用され
る再生機構を説明する構成図、第２図は上記再生機構で
使用される磁気テープの状態を説明する図である。 １１ａ〜ｌｌｄ・・・・・・磁気ヘッド、１３ａ〜１３
ｄ・・・・・・トーンボリューム、１５・・・・・・磁
気テープ、Ｔ１〜Ｔ４・・・・・・記録トラック、Ａ、
Ｂ、Ｃ・・・・・・ブロック。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 記録媒体上に複数本の記録トラックを並列に
   形成ると共に、進行方向に複数のブロックを分割設定し
   、その各ブロックを楽曲の旋律、リズム、和声等の複数
   の音楽的対応に各対応させ、その各ブロック内の１つの
   トラックには音楽的にファンダメンタルな要素をそれぞ
   れ記録し、そのブロック内の他の複数のトラックには各
   対応する音楽的対応の複数の演奏要素をそれぞれ記録し
   てなり、各ブロック単位に各トラックを並列的に読み出
   し、その読み出し情報を選択して再生出力するようにし
   た音楽教習装置。
2. （２）上記複数ブロックの１つには、音楽的対応の中の
   旋律的対応の１つである歌唱のブロックを設定し、その
   ブロックの各トラックにはファンダメンタルな伴奏演奏
   の他に、複数の歌唱要素をそれぞれ独立して記録設定し
   てなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置。