JPS6019040Y2 - 航空機の操向装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は航空機用脚の操向装置に関する。

航空機の着陸装置たる脚の操向装置は航空機の大きさや
用途によって多種のものが提案されている。

通常脚柱並びに車輪は航空機の離陸後、機体内に収納さ
れるよう構成されている。

一方、航空機の収納スペースは小さく制限されるが、特
に脚柱の直角方向の収納スペースが限定される場合でも
、従来はこれに適したコンパクトな操向装置がなく、結
局、大きな収納スペースを機体内に設計しなければなら
なかった。

そこでこの考案は脚柱の収納スペースが限られている場
合、特に脚柱の直角方向が限定された収納スペースに脚
柱を収納し得るよう小型かつ構造の簡単な航空機用の操
向装置を提案することを目的とする。

すなわちこの考案は、脚柱シリンダーの軸方向に操向用
のアクチュエーター、レバー、クランク、リンク、スピ
ンドル等を配置することを特徴とするもので、脚柱シリ
ンダーの下部に軸方向に固定し回転可能に装着した操向
カラーと脚柱シリンダー内を摺動するピストンの下部と
にわたりそれぞれに対して回転方向に固定し軸方向に揺
動するトルクアームからなる航空機用脚柱において、脚
柱シリンダー上部に突設した上軸受座にその上部ピスト
ンロンド端を軸支したアクチュエーターと、操向カラー
上方の脚柱シリンダーに突設した下軸受座に軸支し先端
にアクチュエーターのバレルエンドを軸着したレバーと
、下軸受座に枢着しレバーと連動してアクチュエーター
の動きを変向するクランクと、一端を操向カラー外周に
他端をクランク端に軸着したリンクとからなる航空機の
操向装置である。

以下に図面に基づいてこの考案の構成ならびに作用効果
を説明する。

第１図と第２図はこの考案による操向装置の側面図と正
面図である。

脚は機体に軸支される脚柱と車輪６とからなり、脚柱シ
リンダー１上端が機体に軸支されているため収納可能と
なっている。

操向動力を与えるアクチュエーターには、ここでは伸び
縮み両方向に同じ出力となるよう両側にピストンロッド
を出す構造のものを使用している。

まず脚柱シリンダー１の上部外周に一対の突起を設けて
上軸受座１ａとし、ここにアクチュエ−ター１０の上部
ピストンロッド１１の端部をピン１２で軸支してあり、
バレルエンド１３の端部は、脚柱シリンダー１の下部に
一対の突起を設けて下軸受座１ｂに枢軸に固着した変向
機構のレバー３０とクランク３３とをピン３１で軸着し
である。

すなわち２つのレバーを枢軸に角度を変えて固定したレ
バーによる変向機構を、レバー３０とクランク３３とに
より構成し、クランク３３のシャフト部を枢軸として下
軸受座１ｂに軸通し、これにレバー３０を固定ボルト３
２で固着してあり、レバー３０に軸着したバレルエンド
１３の直線運動がクランク３３の円弧運動に変向される
構成である。

次にクランク３３の先端にはピン３５でスヘリカルベア
リング３４を介してリンク３６が軸着してあり、リンク
３６の他端は脚柱シリンダ−１下部に装着した操向カラ
ー２の外周に突設した座に挿通し軸着したスピンドル３
８の上端とピン３７て軸着しである。

操向カラー２は脚柱シリンダー１に対して軸方向に固定
され、回転方向に回動できるよう装着した環部材である
。

さらにその外周、図面ではスピンドル３８から９０°の
位置に操向カラー２に対して回転方向に固定してピンで
上トルクアーム７ａが軸支され、上トルクアームは他端
にピンで下トルクアーム７ｂが軸着されて一対となり脚
柱シリンダー１に対して軸方向に揺動できるもので、下
トルクアーム７ｂの他端は図面ではピストン３とフォー
ク状アーム５との固定部材４の外周にピンで軸支して、
ピストン３に対して回転方向に固定し、軸方向に揺動で
きるように構成しであるため操向カラー２の回転は一対
のトルクアーム７ａ＊７ｂによりピストン３に固着した
車輪６に伝達される。

次に操縦席のステアリングホイールの動きにアクチュエ
ーター１０を連動させるため、アクチュエーター１０の
胴部にコントロールバルブ２０を装着しアクチュエータ
ー１０内への作動油の方向切換を行なわせる。

すなわち、アクチュエーター１０の胴部に平行してコン
トロールバルブ２０を装着し、方向切換バルブのロッド
２１端にピンでリンク２２を軸着し、さらに一端をアク
チュエーター１０胴の上部に突設したリンク座１４にピ
ンで軸支し、他端を操縦席のステアリングホイールに連
結した例えばケーブル、リンク等を軸着したコントロー
ル用リンク２３の中央部にロッド２１と連結したリンク
２２を軸着しである。

従ってコントロール用リンク２３の動きにつれてコント
ロールバルブ２０内のバルブが切換り、アクチュエータ
ー１０内に作動油を導入し、アクチュエーターが伸び又
は縮み方向に作動する。

以上のように構成された操向装置は、例えばコントロー
ル用リンク２３の動きにつれてコントロールバルブ２０
より作動油がアクチュエーター１０内に導入され、バレ
ルエンド１３が伸びると、レバー３０が押されて回転し
連結するクランク３３が回転してリンク３６を水平に、
第１図では左方向に押してスピンドル３８に伝えられて
、操向カラー２が上から見て時計回りに回転し、この操
向カラー２の回転動力はトルクアーム７ａ、７ｂを径で
ピストン３の回転動力となり、車輪６が回転して航空機
を操向させるようにアクチュエーター１０の動力が車輪
６に伝わる。

一方、アクチュエーター１０の胴部の動きにより、コン
トロール用リンク２３が元の位置にもどり、コントロー
ルバルブ２０の切換弁を中立位置にもどし車輪６の回転
角度を制御する。

上記の構成例ではアクチュエーターのバレル側を作動側
、ピストンロッド側を固定側としているが、その逆の構
成でもよく、その場合にはコントロール用リンク２３の
軸支点はアクチュエーター１０での支持の代りにピスト
ンロッドに固定した他リンクに支持させる必要がある。

又、クランク３３の回転をリンク３６からスピンドル３
８へと伝え操向カラー２を回転させる構成を示したが、
リンク３６を操向カラー２にラグを設は直接取付けるこ
ともでき、装置全体を軸方向に少し縮め小型化すること
ができる。

なお、操向カラーの回転角度はリンク比を変化させるこ
とにより任意の値を得られることは言うまでもないこと
である。

以上に詳述したごとく、この考案による操向装置は、脚
柱の軸方向にアクチュエーター、レバー、クランク、リ
ンク等の機構が設けられているため、脚柱の直角方向へ
の装置の張り出しが小さく小型化されており、脚収納ス
ペースが限られるような場合は特に有利であり、操向機
能も簡単な構成とあいまって正確な操向が得られるすぐ
れた操向装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は操向装置と脚の側面図、第２図は操向装置と脚
の正面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脚柱シリンダーの下部に軸方向に固定し回転可能に装着
   した操向カラーと脚柱シリンダー内を摺動するピストン
   下部とにわたりそれぞれに対して回転方向に固定し軸方
   向に可動なトルクアームを有する航空機用脚柱において
   、脚柱シリンダー上部に突設した上軸受座にその上部ピ
   ストンロンド端を軸支したアクチュエーターと、操向カ
   ラー上方の脚柱シリンダーに突設した下軸受座に軸支し
   先端にアクチュエーターのバレルエンド端を軸着したレ
   バーと、下軸受座に枢着し、レバーと連動してピストン
   の動きを変向するクランクと、一端を操向カラー外周に
   他端をクランク端に軸着したリンクとからなる航空機の
   操向装置。