JPS6018600Y2

JPS6018600Y2 - 内燃機関用可変タイミング調整装置

Info

Publication number: JPS6018600Y2
Application number: JP9364781U
Authority: JP
Inventors: 秀雄山崎
Original assignee: ヤンマーディーゼル株式会社
Priority date: 1981-06-26
Filing date: 1981-06-26
Publication date: 1985-06-05
Also published as: JPS581738U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は内燃機関、特にディーゼル機関の燃料噴射ポン
プにおける燃料噴射時期のタイミングを最適に変更しう
る内燃機関用可変タイミング調整装置に関するものであ
る。

ディーゼル機関の燃料噴射時期を調整する装置のうち、
周知のものには噴射ポンプのカム軸と機関側の駆動軸と
の間に、回転変化に伴って応動する遠心ウェイトと、こ
れに対抗するばね材を配し、２個の同軸上に配置された
上記カム軸と上記駆動軸相互の回転状態を回転数に応じ
て変化させる特公昭３０−２９０９の発明の他、噴射ポ
ンプのカム軸と機関側の駆動軸とに固定された部材とに
、互いに反対向きに形成した２個の急傾斜スプラインを
設け、これらのスプラインに係合したナツトを装作レバ
ーに連結し、このレバーを、運転者が内燃機関の運転状
況に応じて最高噴射時期となるように操作する変角装置
を応用した特公昭４６−３９８８７、特公昭５１−３９
２８５、実公昭５３−３７１３６及び特公昭５３−３９
５２８等の数多くの発明及び考案がなされているが、ス
プライン２個を使用したダブルスプライン方式のもので
は、その加工精度が問題になると共に、制御が利かなく
なった時、その位置が決まらないという問題がある。

また、従来の遠心式タイマーを使用した燃料噴射時期調
整装置においては、要求にマツチしたコントロールが難
しいと共に、大きな駆動力に対してのコントロールがで
きないという問題がある。

そこで本考案は、前記従来の問題点を解消するためにな
されたものであり、遠心式とスプライン式とを組み合わ
せることにより確実なコントロールが行なえ、かつ単純
な油圧制御回路を有する可変タイミング調整装置を提供
することを目的としたものである。

即ち本考案の内燃機関用可変タイミング調整装置は、内
燃機関のクランク歯車により駆動されるカム歯車部材と
、該カム歯車部材により駆動される軸部材との間に、該
カム歯車部材に対し該内燃機関の運転状況に応じて作動
可能な油圧シリンダを介して軸方向に摺動可能に設けら
れ、かつ、該カム軸部材に対しヘリカルスプラインを介
して軸方向に摺動可能に設けられたスプライン部材を前
記カム歯車部材の内部のデッドスペースに介装すると共
に、該カム歯車部材と該スプライン部材との間に、該カ
ム歯車部材の回転に応じて該スプライン部材を該油圧シ
リンダの作動方向に移動させうる遠心ウェイト装置を取
付け、更に１、該スプライン部材を該油圧シリンダの反
作動方向に付勢するばね材を設けることにより構成され
る。

以下図を参照して本考案の実施例について説明する。

第１図及び第２図は本考案の実施例における内燃機関の
燃料噴射ポンプの噴射時期のタイミングを調整する可変
タイミング調整装置のそれぞれ作動時及び不作動時の要
部を示す側断面図である。

まず、図示されていないこの内燃機関のクランク軸から
、クランク歯車を介して駆動されるカム歯車部材１と、
その歯車部材１によりそのクランク軸の１７２の回転数
で作動されるカム軸部材２とは、このカム軸部材２に、
キー１２及び座金１３、ボルト１４により固設されたス
プライン付金具５、ならびにスプライン部材４により連
結されている。

そこで、このスプライン部材４には、カム歯車部材１に
ねじ６で固定された油圧シリンダ１５のケーシング部材
が形成されており、この油圧シリンダ１５の油室７に、
この内燃機関の運転状態に応じて圧油を供給することに
より、スプライン部材４は第２図の状態から第１図に示
す軸方向の矢印Ａのごとく摺動可能になっている。

また、このスプライン部材４は、カム軸部材２の固定部
材であるスプライン付金具５に対し、ヘリカルスプライ
ン３を介して軸方向Ａのごとく摺動し、そのヘリカルス
プライン３における連結位置を移動可能とし、ヘリカル
スプライン３のねじれ角により、カム歯車部材１と、ス
プライン付金具５と同体のカム軸部材２との角度の位相
が生じるが、その移動量と位相角度とは比例する。

なお、図中９はスラスト軸受であり、カム歯車部材１と
スプライン部材４との間に隙間を持たせ、軸方向のスラ
ストを受けうるようにしており、また、１０は歯車箱で
、１１はカム軸軸受である。

次に、このカム歯車部材１とスプライン部材４との間に
は、第２図の要部正面図に示すように、カム歯車部材１
側に固定したレバー取付台２１及びスプライン部材４側
に固定したレバー取付台２２にそれぞれピン２７及びピ
ン２５で回動自在に取付けられ、かつ、ピン２６で互に
回動自在に連結された２個のレバー１９及びウェイト兼
用レバー２０が介装されており、カム歯車部材１の回転
に応じてこのウェイト兼用レバー２０とレバー１９との
連結部に、スプライン部材４の油圧シリンダ１５が作動
する矢印Ａの軸方向を同じ方向の遠心力が作用し、それ
に伴って、そのスプライン部材４を上記軸方向Ａに移動
させる遠心ウェイト装置が構成されている。

なお、上記遠心ウェイト装置の各連結部のピン２５．２
６．２７には、それぞれサークリップ３０．２９．２８
が取付けられている。

更に、上記スプライン部材４を油圧シリンダ１５の作動
方向に逆らった方向、即ち矢印Ｂの軸方向に押し付ける
ように付勢されたばね材２３が、カム軸部材２の端部に
ボルト１４により固定されたばね受２４とスプライン部
材４との間に介設されている。

そこで、上記の構成からなる可変タイミング調整装置に
おいては、内燃機関の回転に伴ってカム歯車部材１の回
転が上昇すれば、上記遠心ウェイト装置の遠心力が大き
くなり、ピン２６の部分が矢印Ａの軸方向に拡がって行
き、スプライン部材４はばね材２３のばね力にうち勝っ
て図中の左方向、即ち矢印Ａの軸方向に移動し、ばね材
２３のばね力と、油室７内の油圧力と、この遠心力とが
バランセした位置で止まる。

一方、内燃機関が減速されると、スプライン部材４はば
ね材２３のばね力で図中の矢印Ｂで示す軸方向、即ち右
方に押しもどされ、それによりスプライン部材４とスプ
ライン付金具５のヘリカルスプライン３における連結位
置が移動し、カム歯車部材１とカム軸部材２との角度の
位相が変化し、燃料噴射時期のタイミングが変更される
。

次に、この可変タイミング調整装置を燃料噴射ポンプの
燃料噴射時期のコントロールとして使用する場合、燃料
噴射始めは、通常圧縮行程上死点（ＴＤＣ）ＩＱｏか
ら３０°前（クランク角度）であるが、機関の回転数や
負荷、または燃料噴射量によって最適燃焼の得られる点
がある。

そこで、機関の回転数、負荷に応じて燃費、排気ガス有
害或分、筒内爆発最高圧等の最適値と、噴射始めとの関
係をあらかじめつかんでおき、運転条件に応じてタイミ
ングを自動的にコントロールすることができる。

ここで、従来の簡易形の燃料噴射時期調整装置では、遠
心ウェイトの遠心力により、機関の回転数のみに比例し
て位相が変わり、タイミング変更を行っているのに対し
、本考案の可変タイミング調整装置では、上記遠心式の
ものと同様な機能を持たせると共に、必要に応じて油圧
によりタイミング変更を随時行ないうるという特徴を有
している。

その結果、油圧コントロール回路不良の場合でも、運転
可能であり、また、油圧は微調整的なコントロールをす
れば良く、比較的単純な補助的な制御装置でまかなうこ
とができる。

なお、燃料の噴射時期の回転数に対する遅・速は、ヘリ
カルスプライン３のねじれ角の左右によって逆方向とな
り、第４図において、縦軸に上死点ＴＤＣから下死点Ｂ
ＤＣまでの噴射時期をとり、横軸に回転数をとれば、遠
心ウェイト装置のウェイト、プラス、ばね材２３のコン
トロール作動線はＬのごとく表わされ、油室７の油圧に
よるコントロール範囲は斜線部分Ｒで示される。

これに対し、ヘリカルスプライン３のねじれ角が上記と
逆の場合には、第４図の作動線り及びコントロール範囲
Ｒは第５図に示すようになり、これら第４図または第５
図の作動線りのいずれの作動線りを選択するかは、その
内燃機関の大きさや、必要とする機関性能によって異る
ものである。

従って、本考案の可変タイミング装置では、遠心式とス
プライン式とを組み合わせていると共に、油圧によって
もタイミング変更を行ないうるので、確実なコントロー
ルが行ないうると共に、スプライン部材はカム軸部材の
内部のデッドスペースに設けであるので構造簡単、コン
パクトでありスプラインも１個であるので加工精度の問
題もない。

また、油圧係統の故障時においても、油圧制御なしで概
略のコントロールができるという利点があり、更に、油
圧制御回路を単純にすることができる。

なお、本考案はディーゼル機関の燃料噴射時期のタイミ
ング変更装置として有効に適用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における内燃機関用可変タイミ
ング調整装置要部の作動時を示す側断面図、第２図は第
１図の不作動時を示す側断面図、第３図は第１図の遠心
ウェイト装置の要部正面図、第４図及び第５図は本考案
の可変タイミング調整装置を使用した噴射時期のコント
ロール作動線を示している。１・・・・・・カム歯車部材、２・・・・・・カム軸部
材、３・・・・・・ヘリカルスプライン、４・・・・・
・スプライン部材、１５・・・・・・油圧シリンダ、１
９・・・・・・レバー２０・・・・・・ウェイト兼用
レバー２３・・・・・・ばね材、Ａ・・・・・・軸方
向。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

内燃機関のクランク歯車により駆動されるカム歯車部材
と、該カム歯車部材により駆動される軸部材との間に、
該カム歯車部材に対し該内燃機関の運転状況に応じて作
動可能な油圧シリンダを介して軸方向に摺動可能に設け
られ、かつ、該カム軸部材に対しヘリカルスプラインを
介して軸方向に摺動可能に設けられたスプライン部材を
介装すると共に、該カム歯車部材と該スプライン部材と
の間に、該カム歯車部材の回転に応じて該スプライン部
材を該油圧シリンダの作動方向に移動させうる遠心ウェ
イト装置を取付け、更に、該スプライン部材を該油圧シ
リンダの反作動方向に付勢するばね材を設けたことを特
徴とする内燃機関用可変タイミング調整装置。