JPS6018402Y2 - 伸縮性を有する被服地 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は伸縮性を有する被服地に関し、永続性を有する
伸縮性、通気性、保温性、嵩高性等を持たせることを目
的として、ネット編を地組織として弾性糸を編込んだ経
編地によって発泡体シートを挾み芯材とし、咳芯材の表
裏両面に、前記経編地を構成する糸とは別個の糸を刺し
通し、同系により、経編地の一面には連続したループよ
りなる層を、他面には同ループに連らなる糸よりなる層
を構成して芯材を含めて３層からなる生地としたことを
特徴とする伸縮性を有する被服地に係る。

従来、衣服用の生地において、伸縮性を発揮させる目的
で、ゴム糸又はスポンヂを用いたものにあっては、ゴム
の老化に基ずくゴム表面の剥落による汚染ばかりでなく
弾性の減少という事態が生ずることがあり、また、和装
用品にあってはゴムから発生する硫化物の影響により金
銀糸が変色する事態が生ずることがあった。

更に通気性がなく蒸れるために膚に接する部分に汗をか
き、湿疹などの原因となるおそれもあった。

そのため特に厚手の生地とすることには問題があった。

本考案伸縮性を有する被服地は上記の欠点を改良したも
のであって、その実施例を図面と共に説明する。

１はネット編２を地組織として、ポリウレタン弾性糸３
を編込んだ、経緯両方向に自由に伸縮することができる
経編地である該経編地１の一例の拡大した表面図を第３
図に、そのラッピング方式の一例を第６図に示す。

即ち、経編地１は、前筬Ｉ、 ＩＩでネット組織２の地
構造を形成する一方、弾性糸３の通された後筬■、■で
ネット組織２のウエールの各列に弾性糸をアンダーラッ
ピングしている。

このために、編み上がった編地は弾性糸３の縮少により
第３図に示す如くネット組織２を緊締し弾性糸が芯糸の
如く見える状態となっている。

同経編地１の間にウレタンフオーム等の通気性、伸縮性
、可撓性、柔軟性を有する発泡体シート４を挾み芯材５
とする。

一方、経編地１を構成する糸とは別の糸を複数本並列し
て、それぞれ前記芯材５の裏面より表面に、一定の振巾
を以て表面にループ７を作ってジグザグ状に引き込む。

このとき隣接する糸６が既に作ったループ７内に新らた
に作ったループ７を通すことによって、芯材５の表面に
連続したループ列８を形成する。

芯材５の裏面には、前記ループ７に連らなる糸６がジグ
ザグ状に振られている渡り部分９が形成される。

これにより、本考案被服地は、芯材５、裏面の渡り部分
９、表面のループ列８とによって３層構造を形成する。

上記糸６は、被服地の表面の触感など状態を決定する性
格を有しており、本実施例では５００ｄ程度の合繊糸を
用い芯材５の表裏両面が糸６で完全に被われるようにす
る。

本考案被服地は上記の如き構造を有しているため保温、
通気性、弾性などを必要とするものに用いることができ
る。

即ち、被服地は、弾性糸３の方向には強い伸縮性を有し
、それと直交する方向にはそれよりも若干外い伸縮性を
有するため、所望の伸縮性を発揮する方向に被服地を帯
状体に裁断し、裁断した周縁には適宜手段によりほつれ
止を施し、帯状体の端部にはベルベットファスナーの鉤
片を係止具として設ければ腹巻とすることができ、その
腹巻は、使用時には被服地表面の任意位置に鉤片を圧着
すれば、鉤片は表面の繊維層を構成している繊維に係止
し固定することができる。

なお、このときベルベットファスナーの鉤片の係止がよ
り確実となるように被服地表面を必要に応じ起毛加工す
ることもある。

また鉤片を外すときに鉤片に引掛けられた糸を構成する
繊維が引き出されるのを固定する目的で、鉤片を係止す
る面とは反対の面に樹脂をコーティングして繊維を固定
することがある。

また、被服地を所望の伸縮性を有する方向に細巾に裁断
して和装用の例えば伊達〆などの総額、或はバンド類に
利用することもできる。

本考案被服地は芯材の中央部分の発泡体シートを挾んで
、経緯方向に伸縮性を有する経編地を用いているために
、経編地表裏面のメリヤス編組織と相俟って極めて伸縮
性が良く、しかも、復元性に秀れ長期使用によっても型
くずれがしない。

また、芯材にはネット編を地組織としている経編地を用
い、通気性を有する発泡体シートを挾んでいるために通
気性が良好で使用中に全くむれることがなく、発汗の原
因、湿疹の原因となるようなことは全くない。

そして、発泡体シートの存在のためにクッション性を極
めて高くすることができるばかりでなく厚味感を出すこ
とができ、その上経編地と、発泡体シートと、芯地両面
の繊維層とにより内部に多くの空隙部が構成され多量の
空気層を有するために保温性が良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案被服地の一部の糸を削除した状態の表面
図、第２図は同じく裏面図、第３図は経編地の拡大表面
図、第４図は被服地の構造を示す模型図、第５図は第４
図■−■線における断面図、第６図は経編地のラッピン
グ図である。 １・・・・・・経編地、２・・・・・・ネット編、３・
・・・・・弾性糸、４・・・・・・通気性を有する発泡
体シート、５・・・・・・芯材、６・・・・・・糸、７
・・・・・・ループ、８・・・・・・ループ列、９・・
・・・・渡り部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ネット編を地組織として、ポリウレタン弾性糸を編込ん
   だ経緯方向に伸縮性を有する経編地によって、通気性を
   有する発泡体シートを挾み芯材とし、核芯材に前記経編
   地を構成する糸とは別の糸を刺し通し、同系により、前
   記経編地の一面には連続したループよりなる層を、他面
   には同ループに連なる渡り部分の糸よりなる層をそれぞ
   れ構成して、芯材を含めて３層からなる生地としたこと
   を特徴とする伸縮性を有する被服地。