JPS6018252B2

JPS6018252B2 - ネツク部の強靭な圧延用ロ−ル

Info

Publication number: JPS6018252B2
Application number: JP6448682A
Authority: JP
Inventors: 義弘中川; 良登瀬戸; 隆橋本
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1982-04-16
Filing date: 1982-04-16
Publication date: 1985-05-09
Also published as: JPS58181415A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は細長いネック形状を有しネック端部に特に強鋤
性の要求される特殊な形状、使用特性を有する圧延用ロ
ールに最適の新しい構造を具備した複合ロールの提供に
関する。

圧延用ロールは、８同部とネック部とで構成され、前記
８同部は胴外殻部と、該胴外殻部と同Ｄ状に鋳造一体化
された胴芯部とで形成され、前記ネック部は前記胴芯部
の両側に８同芯部と共に鋳造一体化された軸受部と、該
軸受部の両側に鋳造一体化されたネック端部とで形成さ
れているが、前記胸部とネック部で要求される性質が異
なるため、一般に胴外殻部と胴芯部及びネック部を異な
った材質で形成した複合ロールを用いる場合が多いが、
近年鋼板圧延用のホットストリップミルでは鋼板の形状
制御のため新しい形式のものが研究開発されつつある。

すなわち、これらはワークロールを鼠方向にシフト（移
動）させる方式、ワークロールを強制的にペンディング
させる方式あるいは２本のワークロールをバックアップ
ロールの軸線に対してクロス（交叉）させる方式等であ
る。しかして、これらの圧延方式に供するワークロール
ではその胴部直径が４・さくなる傾向にある。また圧延
機の形式から、ネック部の長さが従釆ロールのそれより
も長くする必要があり、又ネックの直径も小さくされる
。加えて、この種ロールではネック部に従釆よりも大き
な応力が発生し、特に強鋤性の要求されるものとなる。
今従来の一般的形状ロールを第１図に、上記新圧延方式
に秩する特殊形状ロールを第２図に対比して示すと共に
、その形状寸法等の具体的な差異を総括すると次の通り
である。ＺＮＺＮノム８ＤＮ
とＮ／ＤＮＤＢ従来ロール形状
１０００〜１４０００．５２〜０．７５３４
０〜５００２．０〜３．６６５０〜８４０特
殊ロール形状１５００〜２００００．８０
〜１．２０１３０〜３３０３．８〜１３．０
５００〜７６０ムＮ：ネック長（物）乙Ｂ：胴
長（物）ＤＮ：ネック端部径（物）ＤＢ：胴径（豚の）上記の通り、この新しい圧延方式に供するロールでは、
大概ネック長と胴長の比ＩＮ／ＩＢが０．８〜１．２又
はネック長とネック径の比ＩＮ／ＤＮが３．８〜１３．
０でかつネック端部の片方又は両方が軸受部より小径と
された細長いネック形状を有しているのが特徴である。

ところで、このような特殊形状の圧延用ロールについて
も月両部とネック部全体としての使用特性が異なるのは
同様で、第３図に示す如く、圧延材に援する胴部１は耐
摩耗性、耐肌稀性、耐クラツク性等が必要とされる。一
方ネック部については更にその軸方向部分で要求特性が
異なり、耳同部１に近い軸受部２では軸受との摩擦に対
する耐摩耗性と強靭性が必要とされ、他方８同部１から
離れたネック端部３では形状的に細長くしかも大きな応
力に耐える必要から特に強鋤性が必要とされる。またこ
の特殊形状ロールでは、第２図、第３図に見るように、
ネック端部３には部分的にネック端部径○Ｎよりも紬径
の部分があり、圧延方式によっては例えば作業側Ｗでは
大きなスラスト応力が発生したり、駆動側Ｄでは大きな
振り応力が発生したりするなど、この部分には特に強鋤
性が要求される。本発明はこのようにネック長と胴長の
比ＩＮ／ＩＢが０．８〜１．２又はネック長とネック径
の比】Ｎ／ＤＮが３．８〜１３．０である細長いネック
形状を有し、ネック端部に大きい応力の発生する特殊な
圧延用ロールを対象とし、その使用特性に適合するもの
として、その胴外殻部をアダマィト材もしくは合金鋳鉄
材、亘同芯部並びに軸受部を球状黒鉛鋳鉄材及びネック
端部の片方又は両方を黒鉛銭鋼で形成し、かつ三者を綾
着一体化せしめてなる新しいロール構造を具備した複合
ロールを提供するものである。

従来ホットストリップミル仕上スタンドで用いられてい
る複合ワ−クロールのうち前段スタンド用のものには、
一般にその月同外殻部用としてアダマィト材、高クロム
材が用いられている。

又後段用のものには一般に高合金グレン材が用いられて
いる。一方これら従来ロールの芯村には高級鋳鉄又はダ
クタィル鋳鉄が用いられている。従来複合ロール材料の
化学成分並びに諸特質を掲げれば下記の通りである。化
学成分（ｗｔ％）（外殻）ＣＳｉＭｎＮｉ
ＣｒＭｏＭｇ硬度引張強さ伸び（Ｈｓ）
（Ｋ２〆微）（多）アダマイト材１．２０．
３０．５２．００．５０．２
４５ −〜２．８〜１．０〜１
．５以下〜３．０〜１．０〜６５高
クロム材２００５０．５０５
１００．２６０〜３．２〜１．
５〜１．５〜２．０〜２５〜３．０
〜８０高合金グレン材２．８０．５
０．５３．５１．００．２
７０〜３．５〜１．５〜１．２〜５．０
〜２．５〜０．６〜８５（芯材）
高級鋳鉄２８０５０４０３
０３０２４０２００．１〜
３．７〜１．５〜１．２〜１．５〜１
．０以下〜５０〜３０〜０．３
ダクタイル鋳鉄３．０１．５０．４２
．００．４０．２０．０３４０４
００．５〜３．８〜２．５〜１．０以下
〜１．０以下以上〜５０〜５０〜１
．０しかし乍ら、本発明者等が鉛意研究した結果従来の
複合ロールを本発明が対象とするような形状用途のロー
ルにそのまま適用した場合では、そのネック端部におけ
る強度不足からいずれにしても使用に耐えないことが知
見された。

すなわち、高級鋳鉄の場合では上表に見る如く明らかに
強度不足であり、ダクタィル鋳鉄の場合でも細長い特殊
形状のネック用途にはやはり強轍性に不足するためであ
る。また、本発明に係る圧延用ロールにおいてはネック
部が細長い故、従来の如く胴外殻部を遠心力鋳造した後
、遠心力鋳造用鋳型を静直鋳型とし、これに胴芯部及び
ネック機部を一体鋳造する手段では、ネック端部にロー
ル軸心に沿って深い引け巣状欠陥が発生し、製造困難な
面があった。そこで本発明は、第４図に示す如く、その
昼同外殻部ｌａについては、従釆の複合ロールの場合と
同様に前記に掲げたアダマィト材、高クロム材もしくは
Ｎｉグレン材のような合金鋳鉄材をもって形成する一方
、強鋤性と耐摩耗性の要求される胴芯部ｌｂ及び軸受部
２については特定の球状黒鉛鋳鉄で形成し、更に又特に
強轍性の必要とされるネック端部３の片方又は両方につ
いては、これを上記胴芯部ｌｂ及び軸受部２を形成する
ものとは異なる別途黒鉛鋳鉄をもつて形成し、これら各
々異材質の且同外殻部ｌａ、胴芯部ｌｂと軸受部２及び
ネック端部３の三者を溶着一体化せしめて複合ロールを
構成するものである。

ここに月岡芯部ｌｂと軸受部２、またネック端部３を形
成する材料については、各々従来の高級鋳鉄あるいは高
級鋳鉄又はダクタィル鋳鉄よりも硬度、強度、伸び等に
おいて陵れたものを使用する。

すなわち、軸受部２については耐摩耗性も必要であり、
従来の高級鋳鉄よりも高い硬度と強靭性を備えたものが
必要とされ、硬度Ｈｓ４０〜５０又引張強さ４０〜５５
ｋｇ／協、伸び０．５〜１．５％を満足するダクタィル
鋳鉄材で形成される。一方ネック端部３については耐摩
耗性よりも強靭性、特に鞠性が必要であるため、硬度に
ついては余り高くない方がよいが、反面回転摩耗につい
ても考慮しなければならないので、Ｈｓ３０〜４８にす
る必要がある。引張強さは用途面から５５ｋ９／桝以上
さらに望ましくは６５ｋ９／協以上を、また伸び１．５
％以上を満足する黒鉛銭鋼で形成する。このような目的
に適合する軸受部２並びにネック端部３の形成材料とし
て、下記化学成分を有するダクタィル鋳鉄材並びに黒鉛
銭鋼が好適なものとして挙げられる。

化学成分（ｗｔ多）ＣＳｉＭｎＮｉＣｒＭｏＭ
ｇ硬度引張強さ伸び（Ｈｓ）（Ｋ２〆秋）（孫
）胴芯部３０１５０４２
００１０２０．０３４０４０
０５及び軸受部〜３．８〜２．５〜１．
０以下〜１．０以下以上〜５０〜５
０〜１．５ネック端部１．０１２０．
３１．００．２０５３０
５５１．５〜１８〜１．８〜１．０以
下〜０．８以下〜４８以上
以上（Ｐ．ＳＯ．０５以下）すなわち、このダクタ
ィル鋳鉄材並びに黒鉛銭鋼にあっては、上記軸受部２並
びにネック端部３の使用条件、要求に対してよく適合す
るものである。

ここで上言己両材料の成分限定理由について述べる。

胴芯部及び軸受部ＣはＳｉとのバランスで黒鉛量及び炭化物量を決定し、
３．０％以下では黒鉛化不足し、３．８％以上では黒鉛
化過剰で脆い材質となるためである。

Ｓｉは１．５％以下では黒鉛化の不足を来たし、２．５
％以上ではやはり黒鉛化過剰となって好ましくないため
である。なおＳｉ含有量は月岡外殻材が一般的にＳｉ含
有量の低い材料で形成されているため、その内面が再溶
解されて芯材に混入されるとＳｉ含有量が溶傷成分より
も低下することを考慮する必要がある。Ｍｎは基地及び
炭化物状態に影響し、あまり含有量が多いと硬化して強
度不足となるため１．０％以下を上限とする。

なお好ましくは０．４％以下に押えるのがよいが、綾製
成分調整の難から０．４％以上含有してもよい。Ｎｉは
主として基地の硬化作用を果すが、木材の場合、胴外殻
部を形成する高合金グレン材等からも混入されるため２
．０％以下で必要十分である。Ｃｒは炭化物形成元素で
あり、１．０％以上では硬くなり鞠性が不足し、０．１
％以下では軸受部の硬度が低下しすぎるためである。

Ｍｏは本来含有を要しないが、胴外殻部からの混入によ
って含まれる。

０．２％以上で材質的に硬くなり勤性不足を釆たすため
である。

Ｍｇは黒鉛球状化のために０．０３％以上必要である。

ネック端部Ｃは１．０％以下では鋳造性が悪く、鋤性は
良好であるが反面硬度が低くなりすぎ、又黒鉛化不足と
なるためである。

一方１．８％以上で鰯性不足となるためである。Ｓｉは
Ｃ量との関係で黒鉛化の促進に１．２％以上は必要であ
るが、１．８％以上では黒鉛過多あるいは炭化物過多と
なって脆い材料となるためである。Ｍｎは総陽の脱酸の
ために０．３％以上の含有が望ましく、１．０％以上で
は靭性不足となるためである。

ＰとＳは不純物として少ない方が望ましく、０．０５％
以上では磁性を阻害するためである。

Ｎｉは１．０％以上では材質基地を硬くし、鰯性を低下
するためである。ＣｒはＣ，Ｓｉ量とのバランスにより
黒鉛と炭化物量を調整する。０．２％以下では黒鉛過多
で低硬度となり、一方０．８％以上では炭化物が多く脆
くなるためである。

Ｍｏは０．５％以上では硬くなり靭性低下を来たすため
である。

次に本発明に係るロールの製造方法について簡単に説明
する。

本発明の複合ロールを鋳造するに当っては、その月同外
殻部ｌａについては従釆と同様にこれを遠心力鋳造する
のが好適である。しかしてこの月同外殻部ｌａに８同芯
部ｌｂ及び軸受部２、更にネック端部３を溶着一体化せ
しめるための手段として大概下記の二通りがある。すな
わち、一つは８同芯部ｌｂ及び軸受部２の鋳造にさし、
し、先行して下ネック端部を鋳込み、その後月同芯部及
び軸受部を鋳込み、更に必要に応じて上ネック端に異材
質溶湯を鋳込む方法である。もう一つは、従来の複合ロ
ールを得る場合と同様に８同外殻部ｌａと胴芯部ｌｂ及
び軸受部２を溶着一体化せしめて鋳造した後、そのネッ
ク端部３を異材貿溶湯で銭つぎ両者を鋳造一体化する方
法である。なお「いずれにしてもネック端部３の鋳型を
配し、急冷凝固による組織の微細化によってその強轍化
を図るのが好適である。又、ネック端部３を黒鉛銭鋼で
形成した場合、鋳造後その部分のみを高温強轍化熱処理
に供する。このように本発明では、８同芯部ｌｂ及び軸
受部２とネック端部３とを区分して鋳造一体化するので
、これらを一体的に鋳造した場合にネック端部３に生じ
る深い引け巣状欠陥も確実に防止でき、また、軸受部２
はネック端部３より太く熱容量が大きいので、軸受部２
端面でネック端部３を鋳造一体化すると落着性が極めて
良好となる。本発明の具体的な実施例を掲げて説明する
。

（実施例）８両径○Ｂ６００ぐ、胴長ＩＢ１７００１、
ネック蓬ＤＮ２１５で、ネック長ＩＮ１８００１、即ち
ＩＮ／ＩＢ＝１．００１Ｎ／ＤＮ＝８．３７の第４図
に示す如き形状のロールを、遠心力鋳造により各々下記
の化学成分を有する材料により落着一体化して鋳造した
。化学成分（ｗｔ※）上表において、例１は胴外殻部を高合金グレン材で形成
しこれを従来の方法で遠心力鋳造した後、胴芯部及び軸
受部をダクタィル鋳鉄材で鋳造形成し、さらにそのネッ
ク端部の片方を黒鉛鍵鋼で銭つぎした場合である。

この場合、そのネック端部には高温部分熱処理を行ない
、その後ロール全体を歪取熱処理した。また例２は胴外
殻部を高クロム材で形成し、胴芯部及び軸受部とネック
端部の片方は例１と同様にダクタィル鋳鉄材と黒鉛鋳鉄
で形成した。この場合、鏡放し後ロール全体を高温熱処
理し、その後歪取熱処理を行なった。しかして、上表の
試験結果に見る通りネック部の各部には所要の性質が具
備され、特に黒鉛銭鋼で形成したネック端部には充分な
強鞠性が付与されている。例２のものについて、その胴
外殻部、軸受部及びネック端部の顕微鏡組織を第５図、
第６図及び第７図に対比して示す。

また、軸受部とネック端部との境界を観察した結果、例
１，２共両者は極めて良好に溶着一体化されていた。

以上のように、本発明は胴外殻部、胴芯部並びに軸受部
及びネック端部の片方又は両方を既述の各々異なる特定
材質で形成し、かつ三者を溶着一体化せしめてロールを
構成したものであるから、従来の複合ロールでは対応で
きなかったところのネック部が細長くかつ又ネック端部
に大きな応力の発生する新しい形式のロールに対しても
、各部に悉く所要性質を満足せしめることのできる複合
ロールを提供でき、ネック端部に特に強靭性が要求され
る目的用途に充分に対応できるものとしている。

また、胴芯部及び軸受部とネック端部とを区分して鋳造
一体化するので、ネック部が細長くてもネック端部に深
い引け巣状欠陥が生じることがなく、また軸受部はネッ
ク端部より太く熱容量が大きいので、軸受部端面でネッ
ク端部を鋳造一体化した本発明に係る圧延用ロールは、
ネック端部が軸受部に極めて良好に漆着一体化される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来圧延用ロールの形状例を現わす側面図、第
２図は本発明の対象とする圧延用ロールの形状例を現わ
す側面図である。第３図は本発明の対象とする圧延用ロールの一部拡大側
面図であり、第４図は本発明に係る圧延用ロールの構造
例を現わす半断面側面図である。第５図、第６図及び第
７図は本発明に係る複合ロール一例について金属組織を
現わす顕微鏡写真であって、第５図は胴外殻部、第６図
は軸受部、第７図はネック端部のものを示している。１
・・・・・・８岡部、ｌａ・・・・・・胴外殻部、ｌｂ
・・・・・・胴芯部、２・・・・・・軸受部、３・…・
・ネック端部。第１図第２図第３図第４図第５図第６図第７図

Claims

【特許請求の範囲】１アダマイト材もしくは合金鋳鉄材で形成された胴外
殻部と、該胴外殻部と同心状に鋳造一体化された胴芯部
とで胴部が形成され、かつ前記胴芯部の両側に胴芯部と
共に鋳造一体化された軸受部と、該軸受部の両側に鋳造
一体化されたネツク端部とでネツク部が形成されてなる
圧延用ロールにおいて、ネツク長ｌ＿Ｎと胴長ｌ＿Ｂ
との比ｌ＿Ｎ／l＿Ｂが０．８〜１．２、又はｌ＿Ｎと
ネツク端部径Ｄ＿Ｎとの比ｌ＿Ｎ／Ｄ＿Ｎが３．８〜１
３．０とされ、かつネツク端部の片方又は両方が軸受部
より小径とされており、胴芯部及び軸受部が硬度４０
〜５０引張強さ４０〜５５ｋｇ／ｍｍ＾２、伸び０．５
〜１．５％である球状黒鉛鋳鉄材で形成され、ネツク端
部の片方又は両方が硬度Ｈｓ３０〜４８、引張強さ５５
ｋｇ／ｍｍ＾２以上、伸び１．５％以上である黒鉛鋳鋼
で形成されてなることを特徴とするネツク部の強靭な圧
延用ロール。２胴芯部及び軸受部を形成する球状黒鉛鋳鉄は、Ｃ：
３．０〜３．８％Ｃｒ：０．１〜１．０％Ｓｉ：１．
５〜２．５％Ｍｏ：０．２％以下Ｍｎ：０．４〜１．
０％Ｍｇ：０．０３％以上Ｎｉ：２．０％以下を各重
量％含み、残部Ｆｅ及び不純物からなり、ネツク端部
の片方又は両方を形成する黒鉛鋳綱は、Ｃ：１．０
〜１．８％Ｓ：０．０５％以下Ｓｉ：１．２〜１．
８％Ｎｉ：１．０％以下Ｍｎ：０．３〜１．０％
Ｃｒ：０．２〜０．８％Ｐ：０．０５％以下Ｍｏ：
０．５％以下を各重量％含み、残部Ｆｅ及び不純物から
なる特許請求の範囲第１項記載のネツク部の強靭な圧延
用ロール。