JPS6017989B2 - 電熱式熱処理炉 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はストリップ鋼、鋼線、鋼管、鋼帯、その他鋼製
品の焼入れ、焼きもどし、焼きなまし、或いは各種のロ
ウ付け、非鉄金属の燐結、焼きなまし、厚膜ＩＣ用碗付
け、接合合金の製造等に使用される熱処理炉に関するも
のである。

更に詳しくは、硬度、伸び、素材強度の上昇、被削性の
改善といった物理的特性の均一な製品ばかりでなく、同
一製品内では局部的に異なった物理的特性を有する被加
熱物をも得ることのできる電熱式熱処理炉に係わるもの
である。冷間圧延によって得られた鋼板の加工性を向上
させるための焼きなまし処理や、刃物、金型、ベアリン
グ、ギアなどの鋼製品の焼入れ、焼き戻しなど、被加熱
物の熱処理は、それぞれ被加熱物の形態に応じて、バッ
チ式のカバー形や箱形の熱処理炉、連続式のストランド
形、ローラハース形、トレイプッシャ形などの熱処理炉
が適用されることは知られている。

この場合、熱処理炉内の加熱源としては例えば軽油、灯
油、ガス、電熱などが用いられ、それぞれ被加熱物に要
求される物理的特性を与えるのに適した温度条件で必要
に応じ雰囲気ガスの存在下行なわれるが、熱処理炉内に
おける被加熱物は発熱体に近い面と然らぎる面とがある
ので、被加熱物自身の受熱量は場所毎に異なり必ずしも
均一であるとはいえない。従って、えられる熱処理物は
同一製品内でも場所毎に物理的特性が異り、品質に振れ
を生ずることがある。このような被加熱物の熱処理を行
うに当って当面する問題を解決する手段として現在、各
種の方式が提案されている。例えば熱処理炉内において
被加熱物に立体的な動きを与えるビ」ムウオーキング方
式により方辺なく均一に加熱する方法「ファンを設けて
熱処理炉内雰囲気を縄拝して均一に加熱する方法などが
あるが〜いずれも設備的に制約があり「コスト的にも有
利な方法とは言い難い。以上はも均一な物理的特性を有
する製品を得るに当っての問題点であるが、一方も被加
熱物の用途によっては同一製品内で局部的に物理的特性
の異る製品が所望される場合もある。このような製品を
得るには熱処理炉内において発熱量の異る発熱体を設け
も処理温度に勾配を与え〜 これに対応して被加熱物自
身の物理的特性を局部的に異らせることのできるような
熱処理炉が必要である。以上のような被加熱物の熱処理
に適用される熱処理炉としてはト例えば第１図のような
電熱式熱処理炉が従来より知られている。即ち同図は〜
その横断面略図イ及び炉内平面略図Ｑで炉体亀の炉床に
１つの電源から導電される連続する１本の電気抵抗発熱
体孝が炉中方向に往復して多数設けられもその上をマト
リッブ状の被加熱物Ｓがローフー母に搭載され矢印の方
向へ搬送され乍ら熱処理される形式のものである。そし
て〜その炉内温度は、単数列の温度計〜例えば熱電対別
こより測定され「熱電対陣からの信号を予め定められた
設定温度との偏差を検出する温度制御器（図示せず）に
与えｔ更に「その温度制御器からの指令により偏差に応
じた出力調整する供給電力調整器（図示せず）によって
前記電気抵抗発熱体からの発熱量を調節するようになっ
ている。しかし〜 この形式の熱処理炉では炉中方向に
温度勾配を与えるためには予め電気抵抗発熱体２の炉中
方向における配置密度をそのように設計する必要があり
、熱処理されるストリップ状被加熱物の中が常に或る一
定のものの場合は適用できても、核加熱の中が変わった
場合は使用しえず〜汎用性の点で難点がある。本発明者
等はも上記のような事情に鑑み〜物理的特性の均一な製
品ばかりか、加熱温度に勾配を与えて熱処理し、局部的
に物理的特性の異なる製品をも得ることのできる電熱式
熱処理炉を見出すべく種々検討の結果、発熱量を互いに
独立して可変できる複数個の電気抵抗発熱体を炉内に設
置すると共に、温度制御装置を組合わせた構造とするこ
とにより、所望の均一又は局部的に物理的特性の異なる
製品が得られることに着目し、本発明に到達した。

即ち、本発明の要旨は〜炉体内部に〜発熱量を互いに独
立して可変できる複数列の電気抵抗発熱体を被加熱物の
搬送される長手方向に配設し〜それぞれ別個の電源ざら
導電するようにした電熱式熱処理炉において、それぞれ
の電気抵抗発熱体に対応して設けられる温度計からの信
号を受け、予め定められた設定温度との偏差を検出する
と共に、該偏差に応じて供給電力調整器に対して前記各
電気抵抗発熱体への出力調整を指令する温度制御装置を
設けてなることを特徴とする被加熱物の電熱式熱処理炉
である。

以下ト本発明の鋼ストリップを被加熱物として熱処理す
るのに用いられる一実施例を示す図面に塞いて説明する
と第２図イ，口において、重‘ま熱処理炉本体でハウス
形をしており「内部に耐火レンガのような蓄熱炉村を内
張りして外側を金属材料などで構築補強してなるもので
ある。

＆！ま図示せざる駆動装置によって回敷するローラ町で
、炉床に平行な間隔をおいて〜炉の中方向に多数回動自
在にならべて取りつけられ〜その上を熱処理されるべき
ストリップ３が戦遣され、熱処理炉の入口から出口へ向
かう長手方向（矢印で示す）へ搬送され〜 その間熱処
理が行１なわれる。２ｙ 蜜ａ，２ｂ‘ま熱処理炉の長
手方向に副って互いに独立して炉床上に設けられる公知
の電気抵抗発熱体で例えば絶縁性の磁製材料からなる担
特に、発熱体が担持されもそれぞれ別個の電源から導電
されるようになっている。

Ｓリ５ａ？５ｂは炉体亀の天井部に長手方向に、且つ、
前記電気抵抗発熱体２？２ａ，２ｂにそれぞれ対応して
設けられる温度測定用熱電対である。第８図は「第２図
に示す本発明の電熱式熱処理炉の温度制御系統を示す。

６，６ａ，６Ｍまそれぞれ熱電対５，蚤ａ，６ｂからの
信号を受けて予め定せられた設定温度と各熱電対の測定
温度との偏差を検知し「 この検知した偏差に応じて電
気抵抗発熱体２９ ２ａ，２ｂへの出力調整を供給電力
調整器？，７ａ？ ７ｂに対してそれぞれ指令する温度
制御装置である。

電気抵抗発熱体を以上のように複数列、炉の長手方向へ
配設することにより、１つの炉で中寸法の異なった各種
形態のストリップの熱処理が可能となるが、この場合に
は、ストリップ３と、これに対する主たる発熱体である
中央の電気抵抗発熱体２との間の熱鯛射の形態係数が変
わり、ストリップ３の中央部とその両側緑とでは受熱量
が変わってくる。

本発明は各電気抵抗発熱体の発熱量を上記受熱量に応じ
て自由に設定して且つ、設定値に塞く加熱を温度制御装
置を設けることによって行ない、均一加熱、或いは定め
られた温度勾配を与えるよう構成してなるものである。
即ち、各独立した電気抵抗発熱体２．２ａ，２ｂからの
発熱量は互いに同一か或いは相違なるよう調節可能とし
、熱処理される被加熱物であるストリップ３の受熱位置
に応じて、電力供給調整、言い換えれば、発熱量を自動
制御できるようにし、これにより、被加熱物全体の均一
加熱処理を行って、均一な物理的特性を有する製品、或
いは温度勾配を与えて局部的に物理的特性の異なる製品
を得ることができるもので、これが本発明の大きな特徴
である。

尚、以上の説明では、ローラハース形の熱処理炉を主体
にして述べたが、必ずしもこれに限定されるものではな
く、他の熱処理炉、例えば、ストランド形、トレイプツ
シヤ形、台車形、カバー形、箱形等のあらゆる熱処理炉
に適用できる。

また熱軍対を温度測定に用いた例で説明したが、鍵射温
度計等の温度計でも良いことは勿論である。以上述べた
とおり、本発明の電熱式熱処理炉は炉体内部に発生熱量
を互いに独立して可変できる電気抵抗発熱体の複数列被
加熱物の搬送される炉の長手方向に配設して、別個の電
源から導電するようにし、且つ、温度制御装置を介して
各電気抵抗発熱体への電力供給量を調整する構造とした
ので、熱処理されるべき被加熱物に対して均一加熱、或
いは温度勾配を与えた加熱を行なうことができ、均一な
物理的特性、或いは局部的に物理的特性の異なる製品を
製造することができる。又、熱処理されるべき被加熱物
が中を持った例えばストリップ状の板材のものである場
合、中寸法が変わればそれに応じた電気抵抗発熱体の発
熱量が変更できるので、中寸法の大小にかかわりなく適
用できるという点で有利な熱処理炉であるということが
できる。実施例 第２，３図に示すローフハース形の電熱式熱処理炉（ラ
インスピード６０ｍ／ｍｉｎ、高さ０．５机、中１．７
肌）を用に、電気抵抗発熱体２には鱗比ｗ、２ａ及び２
ｂには７８．球ｗの通電制御を行ない、寸法が０．５肋
ｔ×１０２仇舷ｗの珪素鋼ストリップを熱処理し、均一
加熱帯出口での該ストリップの温度を測定した。

測定個所は、ストリップの中方向の３個所について行な
ったが、その結果温度分布は８７０℃士１．５ｑｏであ
った。一方、比較のために第１図に示すような第２図と
同形のローフハース形の電熱式熱処理炉を用い、電気抵
抗発熱体に８球ｗの通電を行ない、実施例を同一寸法の
珪素鋼ストリップを熱処理し、均一加熱帯出口での該ス
トリップの温度を頚。定た。測定個所は実施例の場所と
同一個所について行なったが、その結果、温度分布は８
７０ｑｏ±７．９０であった。これにより、実施例の方
が温度のばらつきが著しく小さく、均一加熱されたこと
が分かる。

なお、珪素鋼では周知のように±７．５℃ものばらつき
があると、物理的特性に重大な悪影響を及ぼす。

【図面の簡単な説明】

第１図は従釆の電熱式熱処理炉を示す略図で、イは横断
面図、口は同じくＸ−×線の平減図、第２図は本発明の
電熱式熱処理炉を示す略図でイは横断面図、口は同じく
Ｙ−Ｙ線の平面図、第３図は同温度制御系統図をそれぞ
れ示す。 １・・・・・・炉体、２，２ａ，２ｂ・・・・・・電気
抵抗発熱体、３……ストリップ、４……ローラ、５，５
ａ，５ｂ・・・・・・温度計、６，６ａ，６ｂ…・・・
温度制御装置、７，７ａ，７ｂ・・・・・・供給電力調
整器。 ※ｌ図第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炉体内部に、発熱量を互いに独立して可変できる複
   数列の電気抵抗発熱体を被加熱物の搬送される長手方向
   に配設し、それぞれ別個の電源から導電するようにした
   電熱式熱処理炉においてそれぞれの電気抵抗発熱体に対
   応して設けられる温度計からの信号を受け、予め定めら
   れている設定温度との偏差を検出すると共に、該偏差に
   応じて供給電力調整器に対し、前記各電気抵抗発熱体へ
   の出力調整を指令する温度制御装置を設けてなることを
   特徴とする電熱式熱処理炉。 ２ 炉体がロールハース形である特許請求の範囲第１記
   記載の電熱式熱処理炉。