JPS6017654Y2 - 製氷機の氷圧縮用押出しヘッド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は角氷を作る例えばオーガ式製氷機に良好に適用
し得る製氷機の氷圧縮用押出しヘッドの改良に関する。

例えば自動販売機に組込んで角氷を作る製氷機として第
１図に示すごときオーガ式製氷機が多用されて周知であ
る。

かかる製氷機の概略を図について述べるに、１は製氷部
、２は貯氷部、３は駆動モータである。

製氷部１は製氷筒５の外周に蒸発コイルを巻装した冷凍
機のエバポレータ４と、製氷筒５内に配設され、かつ駆
動モータ３によって低速回転駆動されるオーガ６と、オ
ーガ６の上方に位置して製氷通路内に固定設置された本
考案の対象となる氷圧縮用の押出しヘッド７と、オーガ
軸８に装着されたカッタ９などから構成されている。

一方貯水部２は断熱筐体の貯水槽１０と、貯水槽１０内
に突き出すオーガ軸８より放射方向に向けて突設したア
ジテータ１１と、貯水槽１０の側面に開口する氷塊搬出
口１２へ設置した開閉扉１３などから構成されている。

かかる製氷機の製氷動作は次の如くである。

下部の給水パイプから製氷筒５内に給水された水は筒５
の表面に氷結されて薄氷層を生成する。

この薄氷層はオーガ６の回転駆動によりフレーク状のチ
ップ氷に削り取られ、上方の押出しヘッド７へ向けてら
せん送りされる。

押出しヘッド７には詳細を後述する如く上下軸方向の隘
路としてなる氷押出し通路が形成されており、前記のチ
ップ氷はこの氷押出し通路内を通る過程で圧縮されて氷
柱となって通路出口より上方へ押し出される。

更に氷柱は回転カッタ９によって細かい角氷に折断され
て貯水槽１０内へ送り込まれる。

Ｐは角状を示す。

なお貯水槽１０内に貯蔵されている間はアジテータ１１
の攪拌作用を受けて角氷同志が溶着するのを防ぐ。

角氷Ｐは搬出指令に基づいて開閉扉１３が開き点線矢印
の如く搬出される。

なお氷柱を角氷に折断するカッタとして図示例は回転カ
ッタ９の例を示したが、固定側にテーパ部を備えた折断
歯を設けて上昇する氷柱をテーパ面に押当てて折断する
形式のものもある。

ところで従来における押出しへラド７の構造は第２図ａ
の如く構成されている。

即ち円筒形の基部１５の外周域には軸方向に延在する２
種類の仕切歯１６．１７が周方向に配列して突設形成さ
れており各仕切歯１６と１７との間に隘路となる氷押出
し通路１８が形成されている。

なお１９は押出しヘッド１７を外筒に固定するための固
定ねじである。

かかる押出しヘッド７を第１図に示すごとく製氷機の製
氷通路内へ組込んで製氷運転すれば、第３図における矢
印Ａの如く押出しヘッド７の下方からはフレーク状のチ
ップ氷片が連続して氷押出し通路１８内へ強制的に押し
込まれる。

従ってチップ氷は通路１８内を通過する過程で通路幅の
規制を受けながら圧縮され、氷の結晶が結着し合って連
続した氷柱に変って矢印Ｂの如く上方へ押出される。

該氷柱は前述した如く次の工程で細かく折断され、角氷
として貯水槽内へ送り込まれる。

一方１、第１図における製氷筒５に結氷される氷は給水
温度、エバポレータ４の熱交換性能、冷凍機の運転状態
などにより水質が変わり一定しない。

しかもこの水質のまま押出しへラド７へ送り込まれるこ
とから、押出しヘッド７を圧縮生成される氷の質も一定
せず、製氷条件が悪い場合には軟質の角氷が作られる。

このような軟質米は溶解が早く、貯蔵中に角氷同志が溶
着し合って大きな氷塊となるために搬出が円滑に行われ
ぬのみならず、特に飲料に加える場合には早く溶解して
飲料の味を薄めるため好ましくない。

かかる点から製氷部での条件変化によって水質のバラツ
キが生じた際にも、常に安定して硬質の圧縮氷柱を得る
ことのできる対策が望まれている。

かかる対策として従来第４図の展開図に示すごとく、Ｖ
字形に屈曲形成した板ばねより作られた氷圧縮用加圧片
２０を押出しヘッド本体７の仕切歯１６へ装着し、加圧
片２０の先端部を氷押出し通路１８の出口側へ向けて通
路内へ斜めに張り出すようにしたものが提案されている
。

かかる加圧片２０の設置により、氷押出し通路１８は入
口側から出口側へ向けて徐々に通路断面が縮少規制され
る。

従って押出しヘッド７へ矢印Ａのように送り込まれるフ
レーク状のチップ氷は氷押出し通路１８を通過する過程
で、加圧片２０のばね加圧力ｆを受けて強力に加圧圧縮
され、硬い水質の氷柱となって矢印Ｂのように押出され
、常に硬い水質の氷柱を生成させることができる。

なおこの加圧片２０の板ばねの厚さ、形状、材質などを
変えてばね圧を選定することにより、広い範囲で水質を
変えることも可能である。

なお加圧片２０は仕切歯１６のみでなく１７にも取付け
てもよい。

ところで、加圧片２０は氷の通過に伴って加圧力に相当
する抗力を受けることから、仕切歯１６への装着に当っ
ては強固に固定する必要がある。

特に図示のように１枚のＶ字形加圧片２０の左右両辺が
それぞれ隣り合う氷押出し通路１８へ臨むように配置し
たものでは、仕切歯への固定支持が安定してないと各通
路内規制が変化し、水質のばらつきを生じる恐れがある
。

更に板ばねで作られた加圧片２０は長期使用の間にはば
ね力が劣化することから定期的に部品交換を要するし、
また前述のように必要に応じて水質を変えるために加圧
片を別な種類のものと交換することもある。

このような場合に、その都度押出しヘッドを製氷機の製
氷通路より取外して分解するには手間のかかる作業が強
いられることから、加圧片２０の装脱のための分解、組
立が容易で、かつ加圧片２０を強固に保持できる押出し
ヘッドが望まれる。

本考案は上記の点にかんがみ考案されたものであり、そ
の目的は加圧片を仕切歯へ強固に保持することができ、
しかも加圧片の部品点検、交換に際したも分解、組立が
容易に行える押出しヘッドを提供することにある。

以下上記目的を遠戚するための本考案構成を図示の実施
例に基づいて詳述する。

第５図ないし第９図において、まず本考案の押出しヘッ
ドは基本的には押出しヘッド本体７０とＶ字形板ばねと
してなる加圧片２０との組立体として構成されている。

ここで押出しヘッド本体７０は氷押出し通路１８の入口
側に位置する第１のブロック７１と出口側に位置する第
２のブロック７２との２つの分割ブロックを軸方向に重
ね合わせて組立、分解可能に結合した構造体として戒る
。

このうち第１のブロック７１には円筒形基部７３の周上
に第２図と同様な仕切歯１７と、軸方向の寸法が短小な
分割仕切歯１６′とが第７図に明示するごとく１枚おき
に交互に並べて突設形成されている。

更に基部７３と一体に氷押出し通路出口側へ向けて突出
した支え筒部７４を有しており、この先端外周面にはね
じが切っである。

一方、第２のブロック７２は前記第１ブロツク７１にお
ける支え筒部７４へ上方よりはめ込み支持されるリング
状の基部７５と、第８図のような配列で該基部７５の周
上より下方へ延ばして突設した分割仕切歯１６″とから
構成されている。

この第２ブロツク７２は外見的には分割仕切歯１６“を
脚とする３脚構造であり、分割仕切歯１６″の端面を第
１ブロック体７１の分割仕切歯１６“の端面に突き合わ
せて第１ブロツク７１の組合わせることにより、分割仕
切歯１６′と１６″とで第２図に示した仕切歯１６を形
作っている。

しかも分割仕切歯１６′と１６″の突き合わせ端面には
一方に凸起７６、他方には凸起７６と嵌合する凹溝７７
が形成されている。

上記構造の第１ブロツク７１および第２ブロツク７２は
第１ブロツク７１の支え筒７４へねじ込み装着したナツ
ト３０の締付けにより、第２ブロツク７２を第１ブロツ
ク７１とナラ）３０との間に挾持して一体的に結合され
る。

なおナツト３０はその作用を後述する氷柱折断歯を兼ね
るように周面にテーパ面３１が形成されている。

また加圧片２０は第９図に示すように中央の折曲箇所を
取付は基部２１としてここに前記の凸起７６へはまり込
む係合穴２２があけられたＶ字形の板ばねとして成る。

この加圧片２０は押出しヘッド本体７０に対して、第１
．第２ブロツク７１と７２の組立の際に分割仕切歯１６
′と１６″との突き合せ端面間に挾持して装着し、ナツ
ト３０で強固に締付は保持される。

上記の構成によれば、加圧片２０はブロック間にて分割
仕切歯１６′と１６″との間に挾持されていた運転中に
緩み、脱落することがなく、押出しヘッド本体７へ強固
に固定保持できる。

また加圧片２０の交換、ないしは点検、洗浄時の取外し
、再組立がナツト３０の操作のみで容易に行える。

従って必要によっては第１ブロツク７１を製氷機の製氷
通路へねじ止めして取付けたままの状態でナツト３０を
外し、第２ブａツク７２とともに加圧片２０を外方へ取
出すことも可能である。

なお第１．第２ブロツク７１と７２の結合手段としはナ
ツト３０以外の適宜な主段を採用しても良い。

しかしてナツト３０を採用することにより、このナツト
３０にテーパ面を形成して氷柱を角氷に折断するための
折断歯を兼用できる。

この折断動作を第６図について説明する。

氷押出し通路を経て矢印Ｂのように出口より押出されて
来る氷柱がナツト３０のテーパ面３１へ押当てられる外
側へ彎曲され、ついには折断して角氷Ｐとなり矢印Ｃの
ように貯水槽へ送り込まれる。

この方式によれは第１図で述べたカッタ９を省略するこ
ができる。

上述べたように本考案によれば、水質安定化のために氷
押出し通路内へ向けて張り出す加圧片を押出しヘッド本
体に装備した押出しヘッドとして、加圧片を強固に保持
でき、しかも加圧の交換、点検が容易に行える有利な氷
圧縮用押出しヘッドを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はオーガ式製氷機の全体構成断面図、第２図は従
来における押出しヘッドの外形斜視図、第３図は第２図
の氷圧縮動作用説明図、第４図は加圧片を設けた場合の
氷圧縮動作説明図、第５図ないし第９図は本考案実施例
の構造を示すものであり、このうち第５図は組立側面図
、第６図は第５図の縦断面図、第７図、第８図はそれぞ
れ第５図にけける各ブロックの平面図、第９図は加圧片
の外形斜視図である。 １・・・・・・製氷部、４・・・・・・エバポレータ、
６・・・・・・オ−ガ、７・・・・・・氷圧縮用押出し
ヘッド、１６，１７・・・・・・仕切歯、１６’、１６
”−・・・・・分割仕切歯、１８・・・・・・氷押出し
通路、２０・・・・・・加圧片、３０・・・・・・ナツ
ト、３１・・・・・・テーパ面、７０・・・・・・押出
しヘッド本体、７１．７２・・・・・・分割ブロック、
７４・・・・・・支え筒部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 周方向に並べて基部より突設した仕切歯と仕切歯と
   の間に軸方向の氷押出し通路を形成し、製氷機の製氷通
   路内に取付けられて機内で生成したフレーク状のチップ
   氷を前記氷押出し通路へ送り込んで圧縮することにより
   その出口から氷柱を押出す製氷機の氷圧縮用押出しヘッ
   ドにおいて、該押出しヘッドを、それぞれに分割仕切歯
   を備えている軸方向に分割された２分割のブロック組合
   わせ体より戒り、かつ分割仕切歯突志を軸方向に突き合
   わせて両ブロックを互に組立、分割可能に結合した押出
   ヘッド本体と、該押出しヘッド本体におけるブロック間
   で分割仕切歯突き合わせ端面間に取付は基部が挾持され
   かつその先端部が氷押出し通路の出口側へ向けて通路内
   へ斜めに張り出すごとくして押出しヘッド本体に装着さ
   れた氷圧縮用加圧片とにより構成したことを特徴とする
   製氷機の氷圧縮用押出しヘッド。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の押出しヘッ
   ドにおいて、氷圧縮用加圧片が中央折曲箇所を取付は基
   部として形成されたＶ字形に板ばねである製氷機の氷圧
   縮用押出しヘッド。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の押出しヘッ
   ドにおいて、２分割ブロックのうち氷押出し通路出口側
   ブロックの基部が氷押し通路入口側ブロックの軸方向に
   延びた支え筒部の外周にはめ込み装着され、かつ前記支
   え筒部の端部にねじ込んだナツトにより加圧片とともに
   両ブロックが一体的に結合されている氷圧縮用押出しヘ
   ッド ４ 実用新案登録請求の範囲第３項に記載の押出しヘッ
   ドにおいて、ナツトが氷柱の折断歯を兼ねるよう氷押出
   し通路の出口より押出し生成された氷柱を押当てて角氷
   に折断するためのテーパ面を備えている製氷機の氷圧縮
   用押出しヘッド。