JPS60175718A - 内燃機関用消音器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「技術分野」 本発明は内燃機関用消音器、特にディーゼル機関用の消
音器に関する。

「従来技術」 内燃機関の排気系には、エンジンから排出される排気ガ
スの圧力および温度を下げると共に排気騒音を減少させ
るため、消音器が設置される。今日最も一般的に使用さ
れている型式の消音器ビ拡張型」と言われているもので
、少なくとも１つの拡張室を備えており、この拡張室内
には入口バイブが突出ており、この入口バイブの周壁に
は複数の開口が設けである（例えば、実開昭５８−１１
４８０９号公報参照）。エンジンからの排気ガスは入口
バイブの開口を介して拡張室内に導入される。その際、
排気ガスは膨張し、これにより排気ガスの温度と圧力が
下がると共に排気音が減衰せられる。

長期間のエンジン作動に伴い、消音器の内部には排気ガ
ス中の黒煙粒子（煤）が付着し堆積する。

かかる黒煙粒子はエンジンの高速回転時に消音器から離
脱して排気ガス中に飛散し、異常な濃度の排気黒煙を形
成する場合がある。これは、特に、ディゼルエンジンの
場合に著しい。

「発明の目的」 本発明の目的は上述した異常黒煙の排出を低減し得る様
な消音器を提供することである。

「発明の概要」 本発明の発明者が行った実験によれば、この様な異常黒
煙の発生は、消音器の拡張室の内壁面に堆積した黒煙粒
子がエンジン輝速回転時の強い排気ガス流によって剥離
し排気ガス中に放出されることに起因するものであるこ
とが判った。

本発明はかかる知見に立脚するもので、本発明は、前記
目的を達成するため、拡張型消音器において、入口バイ
ブの開口から拡張室内に流入する排気ガスの流速が拡張
室の内周壁近傍で小さくなる様に入口バイブおよびその
開口を構成し配置したことを特徴とするものである。

この様に、拡張室内周壁での排気ガス流速を低下させた
ので、機関高速回転時にも該内周壁に排気ガスが強く衝
突することが無い。従って、堆積した黒煙粒子の剥離を
抑制することができる。

前記の流速低下は種々の態様で行うことができる。即ち
、本発明の一実施態様においては、拡張室の横断面輪郭
はほぼ楕円形となし、入口バイブはこの楕円のほぼ中心
に配置し、入口バイブの開口は入口バイブ周壁のうち楕
円の長軸に近接する領域に形成する。

他の実施態様においては、拡張室の横断面輪郭はほぼ楕
円形となし、入口バイブはこの楕円の長袖に沿って楕円
の中心から側方にオフセット配置し、入口バイブの開口
は入口バイブ周壁のうち楕円の中心に面する側に配置す
る。

更に他の実施態様では、拡張室の横断面輪郭はほぼ円形
となし、入口バイブは拡張室のほぼ中央に配置し、入口
バイブの開口は入口バイブ外周壁に対してほぼ接線方向
に指向して開口させる。この場合には、これらの開口は
入口バイブ周壁をルーバー状に打抜き加工することによ
り形成することが好ましい。

よシ詳しくは図面を参照して後述する様に、従来の消音
器構造では、入口バイブの開口を通る排気ガス流速は入
口バイブ上流側で低いが下流側ではかなｐ高くなる様に
分布している。このため、入口バイブ下流側に面する拡
張室内周壁領域で黒煙粒子の剥離が著しい。

そこで、本発明の他の実施態様においては、入口バイブ
開口の開口率は入口バイブ上流側から下流側に向って減
少させる。

この様にすれば、入口バイブの全長にわたり、開口部の
ガス流速は均一となシ、黒煙粒子の剥離を一層効果的に
抑制することができる。なお、開口率とは、入ロバイブ
単位面積当シの開口面積の割合をいうものとする。

この様に開口率を変化させるためには、入ロバイブ周壁
単位面積当シの開口の数（即ち、開口の密度）は入口バ
イブ上流側から下流側に向って減少させれば良い。この
場合には開口の寸法（径）は同一とすることができるの
で、入口バイブを穿孔して開口を形成するに当シ同−径
の工具（ドリル）を使用することができる。

或いは、入口バイブ周壁単位面積当りの開口の数は入口
バイブ全長にわたり一様とするが、開口の寸法を入口バ
イブ上流側から下流側に向って減少させても良い。この
場合にも、開口率は上流側から下流側に向って減少する
。

好ましくは、入口バイブの下流側端部には低周波共鳴パ
イプを直接に接続する。

本発明の他の特徴および利点は添附図面を参照して以下
に本発明の実施例を記載するに従い明らかにする。

「実施例」 次に、図に従い実施例を説明するが、異なる図において
同−又は類似の機能を有する構成部材は同じ参照番号で
表す。

第１図および第２図は本発明の第１実施例に係る消音器
を示す。消音器１０の本体１２は第２図から分る様に楕
円形の横断面形状を有する。本体１２には端板１４，１
６が巻締めによシ固定されている。左端板１４の中心に
はフランジの付いた丸穴が設けてあシ、排気管１８が挿
通されかつ溶接により固定されている。右端板１６にも
同様の丸穴が設けてあり、出口バイブ２０が挿通、固定
されている。消音器１０の内部は隔壁２２によって拡張
室２４と低周波共鳴室２６とに仕切られておシ、この隔
壁２２はまた出口バイブ２０の左端および低周波共鳴パ
イプ２８を支持している。共鳴室２６は室２６の容積な
らびに共鳴パイプ２８の直径および長さで定まる特定の
比較的低い周波数で共振を起し、排気騒音中の前記低周
波成分を減衰する機能を有する。

排気管１８にはエンジン（図示せず）からの排気ガスを
拡張室２４内に導入するだめの入口バイブ３０が巻締め
または溶接によシ接続されている。

この入口バイブ３０は排気管１８と一体に形成してもよ
い。入口バイブ６０の右端はエンドキャップ３２によっ
て閉塞されている。入口バイブの周壁には多数の開口５
４が設けてあシ、入口バイブの全長にわたって拡張室２
４内に排気ガスを分配し得る様になっている。図示の実
施例では、開口３４は第２図で視て入口バイブ６００周
壁の左右両側領域において夫々５列ずつ穿設されている
。

即ち、第２図から分る様に、入口バイブ５０の円周方向
におけるこれらの開口３４の分布は本体１２の楕円の長
軸に近接する領域において密に配置されており、楕円の
短軸に近接する領域には開口は殆んど存在しない。

従って、入口バイブ３０の開口３４から拡張室２４内に
流入する排気ガスの流れ方向は第２図に矢印で示した様
になシ、入来ガスの量および流速は楕円長軸方向に最も
大きく、楕円短軸方向に移るに従い減少する。他方、本
体１２の横断面形状が楕円であり入口バイブ３０は楕円
の中心に配置されているので、拡張室２４の内周壁を構
成する本体１２の内周壁部分１２ａと入口バイブ３０と
の間の距離（即ち、排気ガスが拡張室内周壁に到達する
までに移動する距離）は楕円長軸方向において最大であ
り短軸方向に移るに従い減少する。

その結果、楕円長軸方向に流入した排気ガス流は短軸寄
りガス流に較べ拡張室内周壁に達するまでに運動エネル
ギーをより多く消費することとなり、内周壁近傍におけ
る排気ガス流の流速は減衰せられる。従って、エンジン
高速回転時にも拡張室内周壁土の堆積黒煙粒子が剥離す
る惧れが少なくなる。

第３図は本発明の第２実施例に係る消音器１０の横断面
を示すもので、拡張室２４は第１実施例同様に楕円形の
横断面形状を有する。排気管１８および入口バイブ６０
は図示の如く楕円の長袖に沿って楕円の中心から側方（
左方）にオフセットされている。入口バイブ３０の開口
３４は、図示した様に、入口バイブ周壁のうち楕円の中
心に面する側（即ち、第３図で周壁のほぼ右半分）に配
置されている。従って、開口３４から拡張室２４に流入
したガス流は、第１実施例に関して前述したと同様に、
対面する拡張室の内周壁に到達するまでにエネルギを失
い、流速は低下する。

第４図は本発明の第３実施例における入口バイブを示す
。この入口バイブ６０は円形の横断面輪郭を有する拡張
室の中央に設置される様に構成されたもので、開口３４
はパイプ５０を打抜き加工することによシル−パーの形
に形成されている。

このため、開口３４は入口バイブ３０の外周壁に対して
接線方向に指向している。従って、開口６４から拡張室
に流入する排気ガスの流入方向も接線方向となる。その
結果、半径方向に流入する場合に較べ、拡張室内周壁ま
での到達距離が増大し、内周壁における流速が低下する
ので、第１および＠２実施例と同様の効果が得られる。

なお、開口５４の指向方向は第４図の実施例では同一円
周方向であるが、同一列中の開口相互間で或いは隣接す
る列の開口相互間で交互に開口の向きを変える方が、よ
シ流れを拡散でき、拡張室内周壁での流速を一層低下さ
せることができる。

第５図は従来の消音器の入口バイブの基本的形状、およ
び入口バイブ中心から半径方向に約７０Ｂ＃れた位置に
おける排気ガス流速の分布を入ロバイブ長さ方向につい
て示しだものである。入口バイブ３０の開口５４は同じ
直径を有し、開口３４の長さ方向の相互距離は一定であ
る。図示した様に、この従来の入口バイブでは、出口側
端部における流速は入口側端部に比して著しく大きく、
流速は全体として不均一となる。従って、出口側端部に
面する拡張室内周壁領域は強い排気ガス流の作用を受け
、堆積カーボンが剥離しやすい。

第６図、第７図および第８図の入口バイブは入口バイブ
の全長にわたり流速分布を均一にすることにより前記問
題を解消することを図るものである。

第６図は本発明によ）改良された入口バイブにおける開
口の分布と流速の分布を示すもので、入口バイブ６０の
開口６４はすべて同一の直径を有するが、開口の密度（
即ち、パイプ単位面積当勺の開口の数）は上流側図中左
側から下流側右側にゆくにつれて減少している。このた
め開口率も上流側から下流側に減少することと々υ、排
気ガスは上流側はど多量に通過する。従って、排気ガス
流速は第６図上方のグラフに示した様に均一な分布とな
り、流速の高い領域が発生するのが防止され、堆積黒煙
粒子が剥離する機会が減少する。

第７図は第６図の入口バイブの変化形を示すもので、開
口３４の密度はバイブロ０の全長にわたり概ね均一であ
るが開口３４の孔径を上流側から下流側に向い減少させ
ることによυ第６図同様の効果を得るものである。

第８図は第６図に示す入口バイブの別の変形例を示すも
ので、入口バイブの上流から下流にかけて設けられた開
口部のほぼ中間部に絞シブレート３３を挿入した例であ
る。このプレートによシ下流に向って一様に増大し、先
端部で最大となる流速分布が、前記絞り部で流速が高め
られるため、全体としては均一な流速分布に近づけるこ
とが出来る。なお前記絞りは、入口バイブの内径に相当
する円板に多数の小孔を設けたものであるが小孔の開口
率は７０％以上が好ましい。

第９図は本発明の他の実施例を示す。この実施例の消音
器は低周波共鳴パイプ２８の設置方法に特色がある。第
１図の構造では低周波共鳴パイプ２８には排気ガスの脈
動流が直接には当らないため低周波消音効果があまシ期
待できない。そこで、第９図の実施例はこの不具合を解
消することを可能にするもので、入口バイブ３０の下流
側端部に直接に低周波共鳴パイプ２８を接続することに
より、排気脈動を減衰させること無く共鳴パイプ２８に
導き、大きな消音効果を発揮させるものである。低周波
共鳴室２６は閉鎖された空間であるため、パイプ２８を
通って排気ガスが室２６に勢い良く流入することはない
。なお、３６は高周波共鳴室である。入口バイブ５０は
前述した本発明のいずれかの実施例に従い構成配置する
。

第１０図には従来の消音器と第９図の本発明の消音器の
減音特性を示す。両者とも低周波共鳴室は共振周波数５
０Ｈｚに設計されたものであるが、本発明の消音器は従
来のものに較べ５０　Ｈｚ　において消音量が約５ｄＢ
　多いことが判る。

次に、第１１図には両者の黒煙排出濃度の差異を示す。

夫々の消音器をディーゼルエンジン搭載車両の排気系に
設置し、一定距離走行した後、エンジンを最高回転数で
空ふかしくレーシング）した場合の消音器への流入ガス
黒煙濃度および流出ガス黒煙濃度を測定したもので、本
発明の消音器では黒煙排出量が著しく少ないことが理解
されよう。

「発明の効果」 以上に述べた如く、本発明によれば拡張室内周壁近傍で
の排気ガス流速が低下するので黒煙粒子の排出を抑制で
きる効果がある。まだ、入口バイブの開口率を本発明に
従いパイプ下流側へと減少させた場合には前記抑制効果
を一層増強させることができる。更に、入口バイブに直
接に低周波共鳴パイプを接続した場合には低周波域での
消音特性を従来の消音器以上に向上させ得るという優れ
た効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例に係る消音器の縦断面図、 第２図は第１図のＩＩ　−］１矢視断面図、第３図＃′
ｉ第２実施例の第２図ｒＦｆＪｓの断面図、第４図（ａ
）は第５実施例の入口バイブの側面図、第４図（ｂ）は
その横断面図、 第５図は従来の消音器の入口バイブにおける開口の分布
と排気ガス流速の分布を示し、第６図は本発明の実施例
による入口バイブの開口の分布と流速の分布を示し、 第７図は第６図の入口バイブの変化形の側面図、第８図
は第６図の入口バイブの変形例の側面図及び流速の分布
を示す図、 第９図は他の実施例の縦断面図、 第１０図は従来の消音器と本発明の第１０図の消音器の
減音特性を示すグラフ、 第１１図は両者の黒煙排出濃度を示すグラフである。 １０・・・消音器、　１２・・・本体、　１４．１６・
・・端板、　１８・・・排気管、　２０・・・出口バイ
ブ、２２・・・隔壁、２４・・・拡張室％　２６・・・
低周波共鳴室、　２８・・・低周波共鳴パイプ、　３０
・・・入口バイブ、３２・・・エンドキャップ、３６・
・・絞シブレート、　６４・・・入口バイブの開口、６
６・・・高周波共鳴室。 第２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、少なくとも１つの拡張室（２４）を備え、前記拡張
   室内に延長した入口バイブ（３０）の周壁に設けた複数
   の開口（６４）を介して前記拡張室内に排気ガスを導入
   し膨張させる型式の内燃機関用消音器において、 前記入口バイブ（３０）およびその前記開口（３４）は
   、前記開口から拡張室内に流入する排気ガスの流速が拡
   張室の内周壁近傍で小さくなる様に構成配置されている
   ことを特徴とする内燃機関用消音器。 ２、前記拡張室はほぼ楕円形の横断面輪郭を有し、前記
   入口バイブは拡張室の前記楕円のほぼ中心に配置されて
   おシ、入口バイブの前記開口は入口バイブの周壁のうち
   楕円の長軸に近接する領域に配置されている特許請求の
   範囲第１項記載の内燃機関用消音器。 五　前記拡張室ははｔ１楕円形の横断面輪郭を有し、前
   記入口バイブは拡張室の前記楕円の長軸に沿って楕円の
   中心から側方にオフセット配置されておシ、入口バイブ
   の前記開口は入口バイブ周壁のうち楕円の中心に面する
   側に配置されていることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の内燃機関用消音器。 ４、前記拡張室はほぼ円形の横断面輪郭を有し、前記入
   口バイブは拡張室のほぼ中心に配置されておシ、入口バ
   イブの前記開口は入口バイブ外周壁に対してほぼ接線方
   向に指向していることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の内燃機関用消音器。 ５、前記接線方向開口は入口バイブ周壁をルーバー状に
   打抜き加工することによ多形成されている特許請求の範
   囲第４項記載の内燃機関用消音器。 ６、入口バイブの前記開口の開口率は入口バイブの上流
   側端部から下流側端部に向って減少している特許請求の
   範囲第１項から第５項までのいずれかに記載の内燃機関
   用消音器。 Ｚ　前記開口は互いにほぼ同一の寸法を有するが、入ロ
   バイブ周壁単位面積当シの前記開口の数は入口バイブ上
   流側端部から下流側端部に向って減少している特許請求
   の範囲第６項記載の内燃機関用消音器。 ａ　入口バイブ周壁単位面積当りの前記開口の数は入口
   バイブの全長にわたってほぼ一様であるが、前記開口の
   寸法は入口バイブの上流側端部から下流側端部に向って
   減少している特許請求の範囲第６項記載の内燃機関用消
   音器。 ９　人口バイブ開口部に絞りプレートを挿入したことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項から５項までのいずれ
   かに記載の内燃機関用消音器。 和、　前記入口バイブの下流側端部には低周波共鳴パイ
   プを直接に接続したことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項から第９項までのいずれかに記載の内燃機関用消音
   器。