JPS6017567Y2 - 舶用減速逆転機の動力取出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は舶用ディーゼルエンジンの、入力軸と出力軸と
を同心または異層上に設けられるようにした同層異層兼
用型減速逆転機における、油圧ポンプ等の補機の動力を
取り出す装置に関するものである。

従来の舶用ディーゼルエンジン（以下単に主機関と云う
）の減速逆転機（以下単に逆転機と云う）は、主機関に
連接された入力軸と推進装置に連接された出力軸との軸
芯を、同芯上に設けた同芯型逆転機と異層上に設けた異
層型逆転機とがあり、使用される船の用途によりその目
的に合った型式を選択して用いられる。

この両逆転機の他に第１図及び第２図に示すような、入
力軸と出力軸とを同心または異層上に設けられるように
した同心異層兼用型逆転機（以下単に兼用型逆転機と云
う）がある。

同図において１は兼用型逆転機で、主機関からの出力軸
を連接するタワミ軸継手２，２′をグランド面にボルト
３・・・で夫々固定した入力歯車４，４′、該入力歯車
４，４′に左右から噛合するように配設された副歯車５
，５′、該副歯車５，５′とクラッチ６゜６′を介して
軸支され且つ出力歯車７と噛合する従歯車８，８′及び
入力歯車４′とクラッチ６″を介して軸支され且つ出力
歯車７と噛合する従歯車９で構成されている。

使用される船の用途によりその目的に合った同心か異層
かの何れかを決定し、きまった方の入力歯車にタワミ軸
継手を介して手機関の出力軸を連接する一方、用いない
入力歯車のタワミ軸継手はとりつけず盲板をして用いる
。

兼用型逆転機１の使用方法は、同心の場合、船の前進に
は両クラッチ６．６′を結合させると共にクラッチ６″
を離し、主機関によりタワミ軸継手２を介して入力歯車
４−両副歯車５．５′両クラッチ６．６′一両従歯車８
，８′−出力歯車７の伝達径路で回転させ、また後進に
はクラッチ６″を結合させると共に両クラッチ６．６＃
を離し、主機関により前進の場合とは逆方向にタワミ軸
継手２を介して入力歯車４−両副歯車５．５′−人力歯
車４′−クラッチ６″−従歯車９−出力歯車７の伝達径
路で回転させて行なう。

異層の場合、船の前進には両クラッチ６．６′を結合さ
せると共にクラッチ６″を離し、主機関によりタワミ軸
継手２′を介して入力歯車４′一両副歯車５゜５′−ク
ラッチ６．６′一両従歯車８，８′−出力歯車７の伝達
径路で回転させ、また後進にはクラッチ６“を結合させ
ると共に両クラッチ６．６″を離し、主機関により前進
の場合とは逆方向にタワミ軸継手２′を介して入力歯車
４′−クラッチ６″−従歯車９−出力歯車７の伝達径路
で回転させて行なう。

船には油圧ポンプ、散水ポンプ、発電機、ローラウィン
チ等の補機が使用されているが、これら補機の動力を取
り出すには、従来の逆転機の場合、逆転機の適当な歯車
に噛合した歯車駆動装置、又は副歯車５，５′の前方や
従歯車８． ８’。

９の後方に夫々の連結軸を延長などして設けられた取出
軸に装着された動力伝達装置を介して補機の動力を取り
出しているが、この装置では主機関の全動力を取り出す
ことができないので、それを必要とするときは主機関の
逆転機がある反対側即ち前部に主機関と直結した動力伝
達装置を併設して取り出している。

この場合は逆転機を大形にし、機関全長が長くなると共
に、価格の上昇を招く欠陥を内在している。

本考案はこれらの欠陥を排除できる兼用型逆転機の動力
取出装置を提供せんとするものである。

本考案の一実施例（兼用型逆転機を異層型逆転機として
用いた場合）を示す第３図及び第４図において、１０は
兼用型逆転機、１１は主機関の出力軸が連結されていな
い入力歯車４のタワミ軸継手を固定するグランド面１２
に、タワミ軸継手を固定するボルト３で固定装着された
Ｖプーリーである。

他の記入された符号に対する名称は第１図及び第２図の
場合と同様である。

この場合の船の前進及び後進に対する兼用型逆転機１０
の操作は前記兼用型逆転機１の異層の場合と同様である
。

■プーリー１１は前進及び後進の何れの場合でも同一方
向に回転するので、■ベルト等を取り付けると主機関の
全動力取り出し可能となり、総ての補機の動力として用
いることができる。

上記の一実施例は兼用型逆転機１０を異層型逆転機とし
て用いた場合であるが、同芯型逆転機として用いた場合
は、主機関の出力軸が連結されていない入力歯車４′の
タワミ軸継手を固定するグランド面１２′に■プーリー
などを固定装着すると良い。

上記−実詐例において、入力歯車４のグランド面１２に
■プーリー１１を固定装着したが、■プーリー以外の動
力伝達装置例えばチェーンスプロケットを装着しても良
い。

本考案は舶用ディーゼルエンジンの、入力軸と出力軸と
を同層または異心上に設けられるようにした同層異層兼
用型減速逆転機において、入力軸が連接されてない一方
の入力歯車のタワミ軸継手を固定するグランド面に、動
力伝達装置を装着したことを特徴とする舶用減速逆転機
の動力取出装置なので次の効果を奏する。

（１）従来の動力取出用歯車駆動装置や主機関前面の動
力伝達装置のような特別な装置を必要としないので原価
低減ができる。

（２）従来の歯車駆動装置や主機関前面の動力伝達装置
などを必要としないので兼用型逆転機を小形化できると
共に機関全長が短縮できる。

（３）１箇の動力伝達装置で主機関の全動力の取り出し
を可能とすると共に総ての補機の動力源とすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の同層異層兼用型減速逆転機、
第３図及び第４図は本考案の一実施例で、第１図及び第
３図は従導面図、第２図及び第４図は構成原理を説明す
るための主要部の概略斜視図である。 ２．２′・・・・・・タワミ軸継手、４，４′・・・・
・・入力歯車、１１・・・・・・■プーリー １２．１
２’・・・・・・グランド面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 舶用ディーゼルエンジンの、入力軸と出力軸とを同心ま
   たは異層上に設けられるようにした同心異層兼用形減速
   逆転機において、入力軸が連接されていない一方の入力
   歯車のタワミ軸継手を固定するグランド面に、動力伝達
   装置を装着したことを特徴とする舶用減速逆転機の動力
   取出装置。