JPS6017296Y2 - 石綿スレ−ト板切断機の上下刃調整ゲ−ジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は石綿スレート板切断機における上下刃の隙間調
整と芯出し用のゲージに関する。

石綿スレート板切断機は第１図、第２図に示す如く、そ
の前後（第１図左右）方向に直線状の下刃１と、中央部
が緩い凸状にわん曲する上刃２とをいわゆる押し切り状
に圧接することによって切断するようになっている。

即ち、第１図においてバンドル３をピン４を軸として矢
印Ｐの如く下方に押下げることによってバンドル突起３
ａが突起受５ａを押圧し、上刃２をとりつけた上部ホル
ダ５がピン６を軸として下方に押圧されて石綿スレート
を切断するようになっている。

しかして、本機において石綿スレート板を正確に切断す
るためには、上刃２の凸状わん曲に沿って上下刃の隙間
を前部１．（第１図左方）で約１．５ｍｍ、中央部ｔ２
で約０．３ｒｒｒｍ、そして後部ｔ、１（第１図右方）
では３閣とすることによって良好な切断が得られる。

従って、両刃は交換取付調整自在であることが必要とさ
れる。

併しながら、刃の取付調整にあたり上記寸法に設定する
には熟練を要し、かつ、切断機の移動等により狂い易い
ため度々調整しなければならず、大変手間のかかる作業
であった。

しかも上下刃の芯が狂っているとスレート板の切り口が
粗くなったり欠けたりする欠点も生じていた。

本考案は上記欠点をなくするため、上下刃の隙°間調整
を容易にし、かつ上下刃を容易に鉛直上にセットできる
ことを可能にしたゲージを提供することを目的とする。

上記に鑑み本考案のゲージは、直方体状ブロックの下面
で刃の厚さ方向中央には刃の長さ方向に沿って前記下刃
の断面に適合する嵌合溝が設けられ、また上面で刃の厚
さ方向中央には刃の長さ方向に沿って上刃用嵌合溝が設
けられ、かつこれら両底合溝の夫々の刃先部は同一鉛直
線上にあることを要旨とする。

以下本考案の一実施例を図面にもとづき説明する。

第２図乃至第６図に示す如く本考案のゲージ７は刃の長
さ方向に沿い少なくとも前、中、後部の３個所に仮設さ
れる。

各ゲージ７ａ、７ｂおよび７ｃの本体７１は金属または
合成樹脂製の直方体ブロック状を呈し、その下面で刃の
厚さ方向中央には刃の長さ方向に沿って下刃１の断面に
適合する嵌合溝７２が設けられる。

また、刃の刃の長さ方向に沿う本体７１の上面は上刃２
のわん曲に沿うわん曲面７１ａとされ、その刃の厚さ方
向中央で前記嵌合溝７２の直上には刃の長さ方向に沿う
上刃用の浅い刃先嵌合溝７３が設けられる。

これら両溝７２．７３の夫々の刃先部７２ａ、７３ａは
同一鉛直線上にある。

そして、前記上部刃先部７３ａと下部刃先部７２ａとの
距離’ｑｖ ”２？ ”３は夫々の取付位置における上
下両刃の適正間隙に等しく設定される。

下刃嵌合溝７２は前記刃先部７２ａを頂点として両側方
に広がる谷形面７２ｂおよび該谷形面に連なり刃側面に
沿う鉛直面７２ｃにより形成される。

鉛直面７２ｃは下刃１に仮設したときゲージ７が直立安
定するのに役立つ。

下刃嵌合溝７２の深さＤは下刃１を下刃取付溝にとりつ
けたときその突出高さＨ（第７図）よりも僅かに小さく
定める。

これら下刃１および上刃２は第１図、第７図示の如く、
夫々前後部方向に沿う下部ホルダ８の下刃取付溝８ａ、
上部ホルダ５の上刃取付Ｒ５ｂに嵌装される。

そして、下刃１は下刃締めつけ用の押ねじ８１で固定さ
れ、上刃２は鉛直に設けられた上下調整ねじ５１で高さ
が調整された後、押ねじ５２で側方から締めつけ固定さ
れる。

次に調整の実際例を説明する。

前記切断機Ａでは使用中にねじが緩むことがあり、使用
に先立って必らず上下両刃をその長さ方向に沿う上下高
さおよび幅方向位置を正しく調整する必要がある。

即ち、先ず最初に下刃１を下刃ホルダ８の取付溝８ａに
互の底面が密接する如く刃を上向きに嵌装し、押ねじ８
１によって前記溝８ａの一方側壁に押圧し固定させる。

次に、前記下刃１の上に本考案のゲージ７１を載置する
が、この場合、前記下刃１の長さ方向に沿う定位置に夫
々の前部ゲージ７ａ、中部ゲージ７ｂ、および後部ゲー
ジ７ｃをそれらの嵌合溝７２に下刃１が嵌入する如く仮
設する。

続いてバンドル３を矢示Ｐ方向に軽くおして、下向きに
とりつけた上刃２の刃先を前記上刃嵌合溝７３に当接せ
しめる。

この状態で刃の長さ方向に沿う複数の上下調整ねじ５１
を回して夫々の軸部下面を軽く上刃２の上面に接する如
くセットする。

そして、上刃２と、上刃取付溝５ａの一方側壁との隙間
の、刃の長さ方向に沿う複数個所にぶりき板や鉄板等の
パツキン９をはさみ、上刃２が正しく鉛直下向きになる
ように調節した後、刃の長さ方向に沿う複数の押ねじ５
２を夫々締めつけることによって調整作業は完了する。

次いで、上刃を上げて各ゲージ７ａ。７ｂ、７ｃをとり
外せば、上下刃の関係位置は正しくセットされたことに
なり、良好な状態でスレー板が切断できる。

なお、上部ホルダ５のピン６は該ホルダ５が左右振れる
ことのないようピン孔に密に嵌合されている。

第８．９．１０図は夫々性の実施例の正面切断面図を示
すものである。

即ち第８図は下刃用嵌合溝７２が谷形面のみで形成され
、鉛直面を有しないもの、第９図は上刃用嵌合溝７３形
戊部分が本体７１の上面より突設されたもの、第１０図
は上下両嵌合溝７２．７３共鉛直面をもつものである。

また、第１１図は更に別の実施例の前部ゲージおける側
面図であって、刃の長さ方向に沿う本体７１の上面が平
面的傾斜面に形成され、上刃嵌用合溝７３も該上面に並
行形成されたものである。

そして図示省略したが、中部ゲージおよび後部ゲージも
上記に準じ平面的上面が形成されている。

該実施例では上刃１と上刃嵌用合溝７３の刃先部７３ａ
とは点状接触となるゲージ自体の製作が容易である・。

以上の如く本考案は上下刃の対向間隙に応じて適正高さ
に形成されたゲージであって、該ゲージの中央には上下
刃用の嵌合溝の刃先部が同一鉛直線上に設けられるので
、両刃の隙間、位置が正しくかつ確実にセットされしか
も調整が極めて容易となった。

これにより石綿スレート板の切断が正確に行われ切口も
美しくなった。

【図面の簡単な説明】 第１図は石綿スレート板切断機の側面図、第２図は第１
図の要部側面図、第３図は本考案の一実施例を示す前部
ゲージの要部拡大側面図、第４図は第３図のＩＶ−ＩＶ
断面図、第５図は中部ゲージの要部拡大側面図、第６図
は第５図のＶＩ−ＶＩ断面図、第７図は上下刃の取付状
態を示す拡大正面図、第８．９．１０図は夫々性の実施
例を示す正面端面図、第１１図は側面図である。 Ａ・・・・・・切断機、１・・・・・・下刃、２・・・
・・・上刃、５・・・・・・上部ホルダ、５１・・・・
・・上下調整ねじ、５２・・・・・・押ねじ、６・・・
・・ゼン、７・・・・・・ゲージ、７ａ・・・・・・前
部ゲージ、７ｂ・・・・・・中部ゲージ、７ｃ・・・・
・・後部ゲージ、７１・・・・・・本体、７２・・・・
・・下刃用嵌合溝、７２ａ・・・・・・下刃用刃先部、
７３・・・・・・上刃用嵌合溝、７３ａ・・・・・−り
刃用刃先部、８・・・・・・下部ホルダ、８１・・・・
・・押ねじ、９・・・・・・パツキン。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 長さ方向に沿い緩いわん曲面を形成する上刃
   と、その直下に位置する下刃とを噛み合せて石綿スレー
   ト板を切断する切断機に用いられ、前記上下刃間に仮設
   される上下刃調整ゲージであって、直方体状ブロックの
   下面で刃の厚さ方向中央には刃の長さ方向に沿って前記
   下刃の断面に適合する嵌合溝が設けられ、また上面で刃
   の厚さ方向中央には刃の長さ方向に沿って上刃用嵌合溝
   が設けられ、かつこれら両底合溝の夫々の刃先部は同一
   鉛直線上にあることを特徴とする石綿スレート板切断機
   の上下刃調整ゲージ。
2. （２）下刃用嵌合溝には下刃の刃側面に沿う鉛直面が形
   成された実用新案登録請求の範囲第１項記載の石綿スレ
   ート板切断機の上下刃調整ゲージ。