JPS6017193B2 - 直流再生回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は直流再生回路に関するものであり、テレビジョ
ン信号等に重畳された低周波信号や低周波雑音を除去し
良好に直流分を再生できる回路を提供することを目的と
する。

近年放送衛星が開発され、放送衛星からのテレビジョン
軍波を地上で直接受信するシステムが用いられるように
なってきた。

このようなシステムに使用する電波の割当は有効に利用
するため密度が高く、それゆえ他の電波に悪影響を及ぼ
す恐れが大きい。これを防止するためテレビジョン電波
を三角波で変調し常に同一周波数が悪影響を受けないよ
うエネルギーを拡散させる技術が開発された。従釆、直
流再生回路としては、第１図に示すダィオードクランプ
回路、又は、第２図に示す同期クランプ回路が知られて
いる。

第１図の回路においては、例えば、入力端子１に信号波
形の下端のレベルが一定なパルス信号（第３図ａ）を印
加すると、コンデンサ２、抵抗４からなるＣＲ回路の上
記抵抗４と並列にダイオード３が接続されているので、
ダイオード３の導通方向の入力波形部分Ｌに対しては、
固定すべきレベルを与えるためのバイアス電源６に短絡
路が出来、その波形部分Ｔ，のレベルが固定される。反
対の極性の入力波形部Ｔ２に対してはバイアス電圧を持
った単純なＣＲ回路として動作する。しかるに第３図ｂ
に示す波形の歪や固定レベルのずれ△Ｖが生ずる。ダイ
オード３が順方向に抵抗値ｒ〆、逆方向に抵抗値無限大
となる様な理想的線特性とすると波形のレベル固定機Ｔ
，および反対側Ｌの期間における時定数はそれぞれｒナ
ｃ、ＲＣとなる。また固定レベルのずれは△Ｖ＝害す日
【１’ となる。

但し日は方形信号のレベル値である。よって入力信号波
形を歪ませないためには、コンデンサ２の容量Ｃ又は抵
抗４の抵抗値Ｒは十分大きくする必要がある。第２図の
回路においては、クランプすべき信号をクランプすべき
時期を判別する同期分離回路８の出力信号により動作す
るスイッチング回路７の働きにより確実に直流分を再生
する回路であるが構成が複雑となり調整が困難なもので
ある。９はバイアス電源である。

静止衛星を用いた衛星テレビジョン放送では、送信搬送
波の一定周波数へのエネルギー集中を避けることを目的
として、テレビジョン映像信号に垂直同期信号と同期し
たエネルギー拡散用対称三角波が重畳されており、この
三角波を受信機側で除去する必要がある。

第４図ａ，ｂは上記対称三角波が重畳されたテレビジョ
ン映像信号波形である。第４図ａ，ｂで１０は等化パル
ス信号、１１は垂直同期信号、１２は映像信号であり、
対称三角波は２フィールドを一周期として垂直プランキ
ング期間と同期している。第１図に示す回路の入力信号
として上記第４図の示す多重テレビジョン信号を印加し
、低周波対称三角波成分を除去するには、コンデンサ２
の容量Ｃ、又は抵抗４の抵抗値Ｒを小さくする必要があ
る。しかしながら、上記動作原理に示した如く、三角波
を除去するには、テレビジョン映像信号が歪むことが避
けられず、かつ、テレビジョン映像信号を第３図の矩形
波の日，Ｔ，，Ｔ２が変動する波形と考えれば理解出来
るように垂直同期信号部付近において、第４図ｂに示す
如く固定レベルのずれが生ずる。そのため垂直同期信号
直後の映像信号部はクランプ動作が不十分となり三角波
成分が残留する。その理由は式‘１ーより明らかなよう
に垂直同期信号部において日が小さくなると同時にＴ，
が大きくなった波形とみなすことが出来、△Ｖが小さく
なるためである。日がある程度大きいとみなせる映像信
号部ではｒ〃ま十分大きくなるので問題とはならない。
本発明ではテレビジョン映像信号に歪を生ずることなく
、上記対称三角波成分等の低周波成分を簡易な回路で除
去し、かつ不要低周波成分を十分に抑圧することが出来
る回路を提供するものであり、以下本発明の実施例を図
面を用いて説明する。

第５図ａは本発明の直流再生回路の等価図であり、低周
波成分を含み、下端の波形が矩形波となっている映像信
号を入力端子１に印加し、この入力端子１に結合コンデ
ンサ２の一端を接続し、結合コンデンサ２の他端にダイ
オード３のカソードを接続し、映像信号の下端のレベル
を一定にクランプして直流再生するためのバイアス電源
６をダイオード３のアノードに接続している。

さらに、ダイオード３に順方向電流を流す定電流源１３
をダイオード３のカソードとアースとの間に接続し、ダ
イオード３のカソードを出力端子５に接続するようにし
ている。第５図ｂは本発明の具体回路図である。抵抗１
４，１６、コンデンサ１８は必要な直流バイアス分を再
生するためのバイアス電源回路を構成し、コンデンサー
６とダイオード１７によりクランプ動作を行なっている
。本発明では、さらにダイオード１７に順方向定電流を
流すために信号の出力端子５に抵抗１９，２０，２１、
トランジスタ２２よりなる定電流電源を設けている。第
１図の従来回路例と第５図の本発明回路実施例の違いを
説明するため、第６図ａに示すステップ信号の応答波形
を例にとる。第１図の従来例では、出力波形はダイオー
ドが開放状態にある場合はコンデンサ２の電荷を放電し
、そのステップ応答電圧波形はｖ。

（ｔ）＝ｖ。ｅ−嘉川。 ‘２）となる。第６図
ｂにおいて、Ｖｏが大きい時は破線ｅ、Ｖｏが４・さし
、時は破線ｆで表わしている。

但しＥｏはバイアス電圧である。一方本発明の第５図回
路では下記糊式、‘４｝式となる。〜（ｔ）＝Ｅ。

−き ■但し ｔ＜ｒ。

ｖ。

（ｔ）＝Ｅ。 ‘４｝但し ｔＺＴｏ Ｔｏは■式においてｖｏ（ｔ）＝Ｅｏとなる時刻である
。

第６図ｂにおいて、Ｖｏが大きい時は実線ｇ、Ｖｏが４
・さし、時は実線ｈ及びｉで表わしている。

従来例ち本発明との違いは第６図で明確な如く、本発明
では信号レベルが大きい時は放電時定数が等価的に大き
く信号レベルが小さい時は放電時定数が等価的に小さく
なる。よって第４図ａに示した多重テレビジョン映像信
号に対して、波形歪を生ずることなく、信号レベルの低
い同期信号レベルでは応答速度の早いクランプ動作が得
られる。また上記放送衛星受信信号のエネルギー拡散用
対称三角波を完全に除去出来効果が大きい。

本発明では、等価的な放電時定数が信号レベルにより異
なるので、周波数特性は大振幅信号と小振幅信号では第
７図に示すように違いがある。よって第８図ａに示す信
号波形が、伝送歪又は雑音成分により低周波歪を受けた
第８図ｂに示す信号波形になった場合、本発明の回路を
使用することにより第８図ｃに示す如く波形成形するこ
とが出来る。すなわち、本発明では、デジタル通信菱贋
の波形成形回路にも応用出釆、振幅周波数に関するレベ
ル判定器としても効果大なるものである。

第９図は定電流電源を抵抗値Ｒが非常に大きな抵抗２３
と負電源電圧−Ｖとで実現したものである。ここで抵抗
Ｒは第１図抵抗４よりも十分大きなものである。以上の
ように本発明によれば、直流再生回路に定電流源を設け
ることにより、テレビジョン信号に重畳された三角波等
の低周波成分を除去し、正常なテレビジョン信号を得る
のに最適な回路である。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の直流再生回路の回路図、第３図
ａ，ｂは動作説明用波形図、第４図ａは多重テレビジョ
ン映像信号波形図、第４図ｂは従来回路の動作説明波形
図、第５図ａ，ｂは本発明の一実施例における直流再生
回路の等価図および具体回路図、第６図ａ，ｂ、第７図
及び第８図ａ，ｂ，ｃは本発明の回路の動作説明図、第
９図は同他の実施例の回路図である。 １・・・・・・入力端子、２，１６，１８・・・・・・
コンデンサ、３，１７，１９……ダイオード、４，１４
，１５，１９，２０，２１，２３・・・・・・抵抗、５
・・・・・・出力端子、６，９・・・・・・バイアス電
源、７・・・・・・スイッチング回路、８・・・・・・
同期分離回路、１０・・・・・・等価パルス信号、１１
・・・・・・垂直同期信号、１２・・・・・・映像信号
、１３・・・・・・定電流源、２２・・・・・・トラン
ジスタ。 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 第７図 第８図 第９図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 低周波成分を含み下端の波形が矩形波となつている
   映像信号を入力端子に印加し、上記入力端子に結合コン
   デンサの一端を接続し、上記結合コンデンサの他端にダ
   イオードのカソードを接続し、上記映像信号の下端のレ
   ベルを一定にクランプして直流再生するためのバイアス
   電源を上記ダイオードのアノードに接続し、上記ダイオ
   ードに順方向電流を流す定電流源を上記ダイオードのカ
   ソードとアースとの間に接続し、上記ダイオードのカソ
   ードを出力端子に接続して、上記低周波成分を除去した
   映像信号を出力するようにした直流再生回路。