JPS60171718A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法

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JPS60171718A
JPS60171718A JP2824484A JP2824484A JPS60171718A JP S60171718 A JPS60171718 A JP S60171718A JP 2824484 A JP2824484 A JP 2824484A JP 2824484 A JP2824484 A JP 2824484A JP S60171718 A JPS60171718 A JP S60171718A
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伊藤 隆人
晶弘 島田
内山 公雄
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、固体電解コンデンサおよびその製遣方法に
係るもので、特に有機物半導体からなる固体電解質層な
らびにその形成方法の改良に関するものである。
固体電解コンデンサは、アルミニウム、タンクル等の被
膜形成性金属を陽極に用い、この陽極を波面化するため
に、エツチングあるいは、焼結により多孔質化させこの
表面に誘電体となる酸化被膜層を形成し、この表面に固
体電解質層を形成し、さらにこの外部に導電性陰極引出
し層を形成した構成を有している。
この固体電解質層としては、従来は二酸化マンガンが用
いられていた、。この二酸化マンガンを誘電体酸化被膜
層の上に形成する手段としては、液状の硝酸マンガン中
に陽極電極を含浸しその後、300℃前後の温度で硝酸
マンガンを熱分解して二酸化マンガンに変性させていた
しかし、この方法によれば、一度の工程での二酸化マン
ガンの付着は僅かであるため、同じ処理を数度ないし十
数度繰り返す必要があった。
このため、製造過程が極めて複雑になるとともに、熱分
解時の高温や発生ガスにより、誘電体酸化被膜を劣化さ
せてしまう欠点があった。
そこで最近は、この二酸化マンガンに代えて、導電性の
有機物をこの電解質層に用いることが提案されている。
この有機物電解質として、知られているのがテトラシア
ノキノジメタン(以下TCNQという)の各種錯塩を用
いたものである。
T CN Q t%F塩は常温で固体物であるので、こ
れを電解質として、コンデンサ素子に付着させる方法と
して従来から提案されているものに、有機溶媒中にTC
NQ錯塩を溶解した溶液中に、陽極体を含浸し、その後
溶液から引き上げ、有機溶媒を分散させて、陽極体の表
面にTCNQ錯塩層を形成させることが行われている。
しかし、この方法では、溶媒中のTCNQ錯塩濃度が低
いことから、一度の含浸では十分なTCNQ錯塩を付着
させることができず、二酸化マンガン層の形成と同様に
この工程を数度ないし士数度繰り返す必要があり、やは
り製造工程が複雑になる。また溶媒が蒸発後、TCNQ
錯塩が結晶化するため、陽極体表面誘電体酸化被膜との
間に十分な接触が得られず、所定の静電容量を得ること
ができない欠点があった。
最近では、TCNQ錯塩のみをその融点以上に加熱し液
化させ、ここに陽極体を含浸し、その後引き上げて冷却
して、TCNQ錯塩を付着させる方法が提案されている
。この方法によれば、濃度の高いTCNQ錯塩自体を陽
極体に付着させるので、一度の含浸工程で十分なTCN
Q錯塩を付着させることができる。しかしTCNQ錯塩
は加熱に弱く、多くのTCNQ錯塩の中には加熱により
、融点を示さないうちに分解を起こしてしまい、実質的
にこの方法を用いることができないものがある。例えば
、4.4′−ジメチルビピリジニウムあるいは、4.4
′−ジメチルビピリジニウムなどのビピリジニウムとT
CNQとの錯塩などがこの例で、260℃を越えて加熱
すると、融解前に発煙して分解し、絶縁物となってしま
う。
この発明は、このような欠点を改良したもので、従来加
熱融解含浸が不可能であったTCNQ錯塩を加熱融解含
浸可能にするとともに、あわせて優れた特性の固体電解
コンデンサを得ることを目的としている。
この発明は、4.4′−ジメチルビピリジニウムTCN
Q錯塩もしくは、4.4′−イソプロピルビピリジニウ
ムTCNQ錯塩に、ラクトン系化合物を添加してなる混
合物を、前記TCNQ錯塩の分解温度より低い温度まで
加熱して液状化し、この液状混合物内にコンデンサ素子
を含浸し、含浸後冷却固化させておこなうことを特徴と
するもので、混合物が純物質に比べ融点(凝固点)が降
下する現象に着目し、TCNQ錯塩と添加物との混合物
を加熱溶融し陽極体への含浸をおこなうものである。
以下の実施例に基づきこの発明の詳細な説明する。
まず、この発明による固体電解コンデンサの製造手順に
ついて説明する。
第1図は、この実施例で用いたコンデンサ素子をあられ
したものである。
このコンデンサ素子1は、帯状の電極体を巻回して形成
されており、陽極2は、高純度のアルミニウム箔からな
っている。この陽極2には、表面に誘電体酸化被膜が陽
極酸化処理により、形成されている。
そして、この帯状の陽極2は、はぼ同じ大きさの集電極
3を対抗配置し、陽極2と集電極3との間には、これら
電極2.3より僅かに幅の広いセパレータ紙4を挟み込
んだものを、一方端から巻回して円筒状のコンデンサ素
子1としている。なお陽極2、集電極3の各々には、外
部との電気的接続を得るためのタブ5.6が溶接等の手
段により接続され、一方の端面から並行して突出してい
る。そしてさらにこれらのタブの先端には、外部リード
7.8が溶接により接続されている。
第2図は、前記コンデンサ素子lに固体電解質層を含浸
させる方法を示したもので、図の左側には予備加熱ブロ
ック10が置かれている。この予備加熱ブロック10は
、内部に加熱用のヒーターが埋設され、上面に凹部11
が設けられており、コンデンサ素子1を凹部11内に載
置してコンデンサ素子1を予め加熱し、高温状態を維持
させておく。
次に、同図右側には、含浸用ブロック12が置かれてお
り、この含浸用ブロック12も内部に加熱用ヒーターが
埋め込まれ、上面には凹部13が形成されている。そし
てこの凹部13には、TCNQ錯塩ン添加物とからなる
粉末の混合物14が注入され、加熱により前記混合物1
4が融解する。
そしてここへ、予備加熱ブロック10に待機させておい
たコンデンサ素子1を移動させ所定時間含浸を行い、そ
の後コンデンサ素子1を凹部13から引き上げ、自然冷
却により液状の混合物14を固化させて固体電解質層を
形成する。
このようにして、固体電解質層の形成されたコンデンサ
素子lは、第3図に示すように、有底筒状の外装ケース
20に収納し、外装ケース20の開口端部を弾性封口体
21で閉じ、外装ケース20の開口端を巻き締めして密
封を行う。なお、コンデンサ素子1から引き出されされ
た外部リード7.8は前記弾性封口体21に設けられた
貫通孔から外部に突出し、コンデンサ素子1と外部との
電気的接続がおこなえるようになっている。
次に、上記のような手順により実際の固体電解コンデン
サを作製し、その特性をめた結果を示す。
なお、従来例として、液体の電解質を使用した通常の乾
式電解コンデンサ、およびTCNQ錯塩のみで融解含浸
可能なイソプロピル−イソキノリニウムTCNQ錯塩を
用いて作られた固体電解コンデンサとを、従来例として
この発明に対比させて示す。
まず、用いたコンデンサ素子は、輻2.2 m rn 
%長さ10mm、厚さ80μmの高純度アルミニウム(
純度99.99%)を陽極として準備し、この陽極の表
面を交流電流による電解エツチングにより波面化させた
後、その表面に耐電圧9■の誘電体酸化被膜を陽極酸化
処理により形成した。そして集電用電極として、前記陽
極と同じ大きさのアルミニウム(純度99.94%)を
対抗配置させ、双方の電極の略中央部に外部引き出し用
のアルミニウム製タブをコールドウェルドにより接続し
、マニラ麻繊維混抄のセパレータ紙を介在させて巻回し
、円筒状にしたものである。
次に、このコンデンサ素子に、従来例1については、エ
チレングリコ−ルーア謁ン酸アンモニウム系の電解液を
含浸させた。また、従来例2については、TCNQ錯塩
のみで加熱融解可能なイソプロピル−イソキノリニウム
TCNQ錯塩のみを240℃で加熱融解させ、コンデン
サ素子への含浸をおこなったものであり、従来例3およ
び4については、この発明で使用している4、4’−ジ
メチルビピリジニウムTCNQ錯塩と、4.4′−イソ
プロピルビピリジニウムTCNQ錯塩をこれら錯塩のみ
を加熱して含浸を試みたものである。
本発明例1ないし14については、第2図の含浸装置を
用いて、コンデンサ素子を予備加熱ブロックで210℃
に加熱し、待機させておき、含浸用ブロックには、TC
NQ錯塩もしくはこれと添加物との混合物を注入し、こ
れを加熱融解し、この中にコンデンサ素子を10秒間浸
漬し、その後融解槽から引き上げて自然冷却させて固体
電解質の含浸をおさなった。
そして、含浸済みのコンデンサ素子を、アルミニウム製
の外装ケース内に素子を収納し、開口部をゴム製の封口
体で閉じ、外装ケース開口端部を巻き締めて密封し、定
格電圧683■、定格容量IOμFの電解コンデンサを
完成させた。このときコンデンサ本体部の外形寸法は、
直径3m’m、長さ5mmであった。
このコンデンサのうち、従来例1のものについては15
分、固体電解質を使用したものについては1時間、各々
のコンデンサに定格電圧を印加してエージングし、その
後電気特性を調べた。
電気特性は、静電容量(μF)、損失角の正接、100
Ktlzにおける等個直列抵抗値(ESR)。
(Ω)、漏れ電流値(μA/2分値)を測定したところ
、次表の結果が得られた。なお、表1については、4.
4′−ジメチルビピリジニウムTCNQ錯塩とラクトン
系化合物との混合物を用いた事例、表2については、4
.4’−イソプロピルビピリジニウムTCNQ錯塩とラ
クトン系化合物との混合物を用いた事例を示している。
(本ページ以下余白) □4しL□ これらの実施例の結果をみると、従来例3あるいは、従
来例4に示されるように、従来加熱融解させると、融解
前に熱分解を起こし固体電解質として使用できなかった
4、4′−ジメチルビピリジニウムTCNQ錯塩あるい
は、4.4′−イソプロピルビピリジニウムT CN 
Q t(f塩が、ラクトン系化合物を添加加熱すること
により、分解に至らない温度で液状化できコンデンサ素
子に含浸可能となることがわかる。
4.4′−ジメチルビピリジニウムもしくは、4.4′
−イソプロピルビピリジニウムとT CNQとの錯塩は
、前述したように、この塩のみを加熱すると、260℃
を越えると、発煙しながら絶縁物と化してゆくことが認
められる。
ところが、実施例からもわかるように、添加物の種類、
混合比により違いはあるが、いずれの実施例においても
、210℃以下の温度で融解液化がおこなわれ、コンデ
ンサ素子への含浸が可能となっていることがわかる。
また、電解質含浸後の固体電解コンデンサの特性を調べ
ると、従来例1で示した液体の電解質を用いた通常の乾
式電解コンデンサは、電解質が液体状態でコンデンサ素
子内部に保持されるので、陽極の波面化のためのエツチ
ング処理による漱細なエツチング孔(ピント)の内部ま
で電解液が浸透し、誘電体酸化被膜との接触が十分にお
こなわれ、高い静電容量値を示す。しかし、電解液の比
抵抗値は、i’ CN Q錯塩の比抵抗値が数十Ω・c
程度であるのに対し、200−300Ω・口と高いため
、損失値あるいは等価直列抵抗値が高くなっている。
また、従来例2で示した、イソプロピル−イソキノリニ
ウムTCNQ錯塩のみを加熱融解させてコンデンサ素子
へ含浸させる方法で作られた固体電解コンデンサは、損
失、等価直列抵抗値は、前述のように、TCNQ錯塩の
比抵抗値が電解液に比べて低いので、優れた特性を得て
いるが、静電容量値は十分に得られていない。
この理由については、明確ではないが、融解したイソプ
ロピル−イソキノリニウムTCNQ錯塩が、陽極のエツ
チングピントの内部まで一応は浸透するものの、その後
の冷却固化の際、イソプロピル−イソキノリニウムTC
NQ錯塩が針状結晶化し、エツチングピント内の誘電体
酸化被膜との接触が一部分でしか行われないためと考え
られる。
一方、この発明の方法により製作した固体電解コンデン
サは、いずれについても従来例2と比べて大きな静電容
量値を示す。これは、この発明の固体電解質が、TCN
Q錯塩とラクトン系化合物の混合物であるため、融解含
浸後の冷却時に結晶Plrが妨げられ、非晶質の状態で
エツチングピット内に残留するので、誘電体酸化被膜と
の接触が十分に保たれるためと考えられる。また、一部
の′rCNQ錯塩が結晶化しても、結晶体の間にラクト
ン系化合物が介在することにより、結晶間の電導度が得
られて、静電容量が確保されるものと考えられる。
本実施例は、陽極に箔状のアルミニウムを用い、この表
面を拡面処理後、誘電体酸化被膜を形成したものと、集
電用電極とをセパレータ紙を介在させ巻回したコンデン
サ素子を用いたが、コンデンサ素子は、このような構造
のものに限定されるものではなく、陽極を構成する金属
がタンタル等の他の被膜形成性の金属あるいはそれらの
合金体であってもよい。またこのような巻回構造に限ら
ず、被膜形成性金属粉末を焼結した多孔質体であっても
よい。また、巻回構造であっても、セパレータ紙を省略
したもの、集電極にアルミニウム以外の金属さらには、
耐熱性の導電樹脂フィルム等を使用したものであっても
よい。
また、外装構造についても、本実施例では金属製の外装
ゲースに収納したものを例示したが、外装体は、樹脂ケ
ース、樹脂をディップあるいはモールドしたもの、ラミ
ネートフィルムによる外装などを用いたものであっても
、この発明を逸脱するものではない。
また、添加するラクトン系化合物については、本実施例
で例示したちの以外の他のラクトン化合物でもよい。さ
らには、実施例では、添加物を一種のみとしたが、二種
以上のラクトン化合物を混合添加しても、同様の効果が
期待できる。
以上述べたように、この発明によれば、従来不可能であ
った、4.4’−ジメチルビビリジニウムTCNQ錯塩
もしくは、4.4′−イソプロピルビピリジニウムTC
NQ錯塩の加熱融解によるコンデンサ素子への含浸をお
こなうことができる。
また、この発明によれば、TCNQ錯塩の含浸率を向上
させることができ、単位体積あたりの静電容量値を高め
ることができるので、固体電解コンデンサの小型化にも
寄与する。
しかも、TCNQ錯塩自体の濃度が従来の溶媒に溶解さ
せたものに比べはるかに高いので、一度の含浸工程で十
分な特性を引き出すことができる。
さらには、TCNQ錯塩の分解温度より低い温度で、液
状になるので加熱によるTCNQ錯塩の特性変化までの
時間を十分に確保でき、含浸作業が容易になるとともに
、高価なTCNQti塩を無駄無く使用することができ
るなどの効果があり、固体電解コンデンサの特性向上と
、作業性向上に極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例で用いたコンデンサ素子の
構造をあられした分解斜視図、第2図は、この発明の固
体電解質の含浸装置をあられした断面図、第3図は、こ
の発明の固体電解コンデンサの完成状態をあられした断
面図である。 1・・コンデンサ素子、2・・陽極、3・・集電極、4
・・セパレータ紙、5.6・・タブ、7゜8・・外部リ
ード、10・・予備加熱ブロック、11.13・・凹部
、12・・含浸用ブロック、14・・混合物、20・・
外装ケース、21・・弾性封口体。 特許出願人 日本ケミコン株式会社 第1図 2図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)陽極金属表面に誘電体酸化被膜を形成し、さらに
    、この上面に固体電解質層が形成された固体電解コンデ
    ンサにおいて、前記固体電解質層が、テトラシアノキノ
    ジメタンと、4.4’−ジメチルビピリジニウムもしく
    は、4,4′−イソプロピルビピリジニウムとの錯塩に
    、ラクトン系化合物を添加した混合物を、融解後固化さ
    せたものからなることを特徴とする固体電解コンデンサ
  2. (2)ラクトン系化合物が、γ−ブチロラクトン、γ−
    バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラク
    トン、γ−ヘプタラクトン、δ−ノナラクトン、DL−
    パントイルラクトンの群から選ばれた一種もしくは二種
    以上のものであるところの特許請求の範囲第(1)項記
    載あ固体電解コンデンサ。
  3. (3)陽極金属表面に誘電体酸化被膜を形成し、さらに
    この上面に固体電解質層を形成してなる固体電解コンデ
    ンサにおいて、前記固体電解質層の形成が、テトラシア
    ノキノジメタンと、4.4’−ジメチルビピリジニウム
    もしくは、4,4′−イソプロピルビピリジニウムとの
    錯塩に、ラクトン系化合物を添加してなる混合物を、前
    記テトラシアノキノジメタン錯塩の分解温度より低い温
    度まで加熱して液状化し、この液状混合物内にコンデン
    ザ素子を含浸し、含浸後冷却固化させておこなわれるこ
    とを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  4. (4)ラクトン系化合物が、γ−ブチロラクトン、γ−
    バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラク
    トン、γ−ヘプタラクトン、δ−ノナラクトン、DL−
    パントイルラクトンの群から選ばれた一種もしくは二種
    以上のものであるところの特許請求の範囲第(3)項記
    載の固体電解コンデンサの製造方法。
JP2824484A 1984-02-17 1984-02-17 固体電解コンデンサおよびその製造方法 Granted JPS60171718A (ja)

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