JPS6015822Y2 - 排水トラツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、排水トラップ、更に詳述すればトラップ本
体の溜水筒に水封椀が被せられるようになされた排水ト
ラップに関する。

従来のこの種排水トラップは、本封椀を溜水筒に単に嵌
め被せて載置しただけのものであったため、排水量が急
激に増加しその流速が速くなると、排水の勢いで水封椀
が押し上げられて傾き、その結果通水路が狭められて排
水の流れが阻害されたり、所期の本封深さが得られなく
なったりするという欠点があった。

殊に、従来の鋳鉄製水封椀に比較して安価で且つ腐食に
強い等の理由により近似製作されるようになった耐熱脅
威樹脂の水封椀にあっては、それが鋳鉄製のものに比較
して軽量であるため、上記欠点は更に顕著に現われると
になるものである。

また、従来の排水トラップは、運搬時に水封椀がガタガ
タと揺れ動くためにトラップが損傷するという欠点もあ
った。

この考案は、極めて簡単な構造により水封椀を溜水筒
に固定出来るようにして、上記欠点を一掃した排水トラ
ップを提供することを目的とするものである。

以下にこの考案を図面に示す実施例に基づいて説明する
。

第１図及び第２図において、耐熱合成樹脂製のトラップ
本体１は、筒状側周壁２及びこれと一体の環状底壁３を
有しており、環状底壁３の内周縁には溜水筒４が立ち上
がり状に一体底形され、この溜水筒４、底壁３及び側周
壁２によって環状の溜水室５が形成されている。

底壁３の内周縁には下向きには突出した雄ねじ短筒６が
一体成形され、この雄ねじ短筒６には、その下方よりナ
ツト７が螺合され、このナツト７によりパツキン８を雄
ねじ短筒６のテーパー状下端に押し付けっ）、パツキン
８を介して排水管９を水密的に固定し得るようになされ
ている。

前記溜水筒４には、耐熱合成樹脂製の釣鐘状の本封椀１
０が被せられ、この本封椀１０の内面には、第２図に明
瞭に示す如く、これをめぐって１２０°おきに放射状の
リブ１１が一体底形されており、これらのリブ１１は、
水封椀１０の中心に向かって張出した内向張出部１１ａ
及びこの内向張出部１１ａ下端よりも下方に延出した下
向張出部１１ｂを有しており、下向延出部１１ｂの内側
面は溜水筒４の外周面に密接するようになされ、この内
側面と面一の側面を有するような溜水筒嵌入溝１２が、
リブ１１の内向張出部１１ａに、その下端より上向きに
切込み形成されている。

この溜水筒嵌入溝１２の幅は溜水筒４の厚みより稍々小
さくすることが好ましい。

また溜水筒嵌入溝１２の深さは、その上向奥面１２ａか
ら水封椀１０の下端までの長さがＪＩＳに定めらた水封
深さ５０ｍｍ以上になるように定められるものである。

本封椀１０に形成されたリブ１１が上記の如き溜水筒嵌
入溝１２を有するものであるから、本封椀１０を溜水筒
４に被せた後、それを下向きに押し込むと、リブ１１の
嵌入溝１２に溜水筒４の上端部が嵌まり込み、リブ１１
、更に具体的には嵌入溝１２の両側面部分が溜水筒４を
挾持したような状態となって、水封椀１０は溜水筒４に
固定されることになる。

このようにして溜水筒４に固定された本封椀１０により
溜水室５が画されそこに蛇行通路１３が形成されること
になる。

なお、リブ１１の個数は望ましくは３個であるが３個に
限定されるものではなく、またリブ１１の形状も実施例
のものに限定されるものではない。

水封椀１０の頂壁に形成された吊突片１４の孔には吊環
１５が嵌められている。

前記トラップ本体１の筒状側周壁２の上端には、耐熱合
成樹脂製のパツキン押え環１６が接着され、その内周面
に形成された雄ねじ部１７に金属性目皿受け１９の雄ね
じ筒部２０が螺合され、目皿受け１９の鍔２１とパツキ
ン押え環１６の鍔１８との間には二枚のパツキン２２が
介在されている。

また目皿受け１９の内周面に形成された突部２３及び２
４各々には、ストレーナ２５及び目皿２６が取外し自在
に載置されている。

次に第３図及び第４図に基づいて、別態様の実施例につ
いて説明する。

なお、先の実施例に示す部材と同一のものは、同一の符
号で示す。

溜水筒４の上端には、これをめぐって１２０°おきにリ
ブ嵌入溝３１を形成するように、一対の対向状突起３２
．３２が一体成形されている。

これら突起３２．３２によって、水封椀１０のリブ１１
を挾持するものであるから、リブ１１が溜水筒４を挾持
することと相俟って本封椀１０の固定はより強固に行な
われるものである。

なお、突起３２．３２を設けることなく、溜水筒４にリ
ブ嵌入溝３１を直接形威し得ることは勿論である。

また、この実施例の場合、溜水筒４にリブ嵌入溝３１を
形成したものであるから、リブ１１に溜水筒嵌入溝１２
を形成していない本封椀１０をも固定し得るものである
。

この考案の排水トラップの材質は、前記２つの実施例に
示すものに限定されるものではなく、任意に決定される
ものである。

以上に説明したように、この考案の排水トラップは、本
封椀のリブ又は溜水筒の少なくとも一方に、本封椀固定
用の溝が形成されているものであって、この溝に溜水筒
又はリブを嵌入させるという極めて簡単な操作により、
本封椀を溜水筒に固定し得るものであるから、排水量が
たとえ急増しても、従来の排水トラップのようには、水
封椀が浮き上がるということはない。

また運搬に際して、上封椀がガタガタ揺れ動くおそれも
なく、従ってで製品が水封椀の移動により損傷すること
もない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す半裁断面図、第２図
は第１図■−■線拡大端面図、第３図は別態様の実施例
を示す要部縦断面図、第４図は第３図ＩＶ−ＩＶ線断面
図である。 １・・・・・・トラップ本体、４・・・・・・溜水筒、
１０・・・・・・水封椀、１１・・・・・・リブ、１２
・・・・・・溜水筒嵌入溝、１３・・・・・・蛇行通路
、３１・・・・・・リブ嵌入溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ トラップ本体の溜水筒に本封椀が被せられるように
   なされた排水トラップにおいて、水封椀の内部に形成さ
   れた通水路形成用のリブ又は溜水筒の少なくとも一方に
   、水封椀固定用の溝が形成され、この溝の周縁によりこ
   の溝に嵌入するリフ又は溜水筒を挾持するようにしたこ
   とを特徴とする排水トラップ。 ２ 前記水封椀固定用の溝が、リブに形成された溜水筒
   嵌入溝である実用新案登録請求の範囲第１項記載の排水
   トラップ。 ３ 前記本封椀固定用の溝が、溜水筒に形成されたリブ
   嵌入荷である実用新案登録請求の範囲第１項記載の排水
   トラップ。