JPS6015537Y2 - 歯科用マイクロエンジン・ハンドピ−ス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、歯科用マイクロエンジン・ハンドピースに関
するものである。

従来、この種の装置においては、刃具を駆動するモータ
部を強制空冷しているものがあるが、この強制空冷用の
圧縮空気は別の場所に設備した大型のコンプレッサから
供給されるので、このコンプレッサがないと使用できな
いし、また大型のコンプレッサを設備するのは極めて不
経済であった。

また、ハンドピース部内にファンなどを設けて、ハンド
ピース部の先端から空気を吹出して、刃具により切削し
た粉塵が直接ハンドピース部内に入るのを防止したもの
があるが、ファンを運転するためには、外筒に風穴など
を設けることとなるので、ハンドピース部の外周を密閉
構造とすることができないため、粉塵の多い雰囲気中な
どで使用すると飛散している粉塵が上記風穴などから逆
にハンドピース部内に吸込まれ、この吸込まれた粉塵が
ハンドピース部内の軸受部等に付着し、軸受部の摩耗が
促進されたり、回転不良になったすする欠点があった。

なお、モータ部の冷却用にファンなどを組み込んで自己
冷却を行なっているものもあるが、モータの冷却は可能
でも、上記ハンドピース部の例の場合と同様に、雰囲気
中の粉塵を吸込み、この粉塵が軸受部等に影響して、軸
受部の摩耗を促進したり、回転不良になったりする欠点
があった。

本考案は、上記従来例の欠点を解消するために、刃具を
取付けるハンドピース部と、この刃具を駆動するモータ
部とを結合した外筒を密封構造とし、外筒の後端と、超
小型コンプレッサを組込んだモータ制御装置とをホース
で連結し、そのホース内をモータ駆動用のリード線を貫
通させ、モータ制御部はモータ部の駆動制御を行なうと
共に、超小型コンプレッサからの圧縮空気をホースを通
して外筒内に圧入し、外筒内のモータの間隙およびスピ
ンドルの軸受部の間隙等を通過して、ハンドピース部の
刃具取付部の先端から刃具に向って噴出させて、モータ
部の強制空冷を行なうと共に、粉塵の多い雰囲気中で使
用しても、飛散している粉塵の吸込みを防止した歯科用
マイクロエンジン・ハンドピースを提供するものである
。

以下、図面により本考案の実施例を詳細に説明する。

第１図は、本考案の１実施例を示したもので、１はマイ
クロエンジン・ハンドピースの刃具を取付けるハンドピ
ース部２と刃具を駆動するモータ部３とを結合する外筒
で、密閉構造とされている。

４は圧縮空気を発生する超小型コンプレッサ５を組込み
、マイクロエンジン・ハンドピースのモータ部３の駆動
制御と超小型コンプレッサ５の起動・停止制御とを行な
う毛−夕制御装置、６は外筒１の後端とモータ制御装置
４とを連結し、超小型コンプレッサ５からの圧縮空気を
外筒１内に圧入するホースで、このホース６内にはモー
タ制御装置４からモータを駆動するためのリード線が貫
通している。

７は切削用刃具等の刃具、８はホース６を通して外筒１
に圧入された圧縮空気が、密閉されたモータ部３および
ハンドピース部２内の間隙を通過して、刃具７がハンド
ピース部２を貫通する穴から刃具７に向って噴出される
空気である。

第２図において、矢印は圧縮空気の通過経路を示し、第
１図と同一符号のものは同一部分を示す。

また、１１はモータの軸を支持する後部玉軸受、１２は
ホース６内を貫通して設けられたモータ駆動用のリード
線を接続する電極、１３はモータのブラシ１４を押圧す
るブラシスプリング、１５はブラシホルダ、１６はモー
タのコンミュテータ、１７は電機子コア１８に装着した
巻線、１９は界磁永久磁石、２１はスピンドル２２を支
持する前部玉軸受、２３はチャック、２４はハンドピー
ス先端キャップ、２５はチャック２３を開閉して刃具７
を着脱するチャック締付金具である。

このように構成された本実施例では、モータ制御装置４
の電源スィッチを閉じると、モータは駆動され、ハンド
ピース部２のチャック２３で取付けられた刃具７を駆動
する。

一方モータ制御装置４ては超小型コンプレッサ５も起動
して圧縮空気を発生する。

この圧縮空気はホース６内を通って外筒１の後端から、
ブラシホルダ１５の小穴を通して矢印のとおりマイクロ
エンジン・ハンドピース内に圧入される。

圧入された圧縮空気はコンミューテータ１６の傍を通り
、電機子コア１８と界磁永久磁石１９との間隙を通過す
る際にモータ部３を強制冷却する。

圧縮空気は更にスピンドル２２と前部玉軸受２１との間
を通り抜けて、刃具７を貫装するハンドピース先端キャ
ップ２４の穴２４ａから刃具７に沿って外部に噴出し、
刃具７により切削した粉塵を吹き飛ばして、切削粉塵が
マイクロエンジン・ハンドピース内に入り込むのを防止
する。

以上説明したように、本考案によれば、マイクロエンジ
ン・ハンドピースは外筒により密閉されており、その内
部には、モータ制御装置に組込まれた超小型コンプレッ
サから供給された圧縮空気が流れているために、大型の
コンプレッサを別に設けなくても、刃具により切削した
粉塵だけでなく、雰囲気中の粉塵の吸込みも防止するこ
とができる上、ハンドピース先端キャップの穴から刃具
に沿って前方に圧縮空気を噴出させることにより、その
穴からハンドピースの内部に被切削物の粉塵が侵入する
のを阻止できるので、軸受部の摩耗の防止、回転不良の
防止ができると共に、経済的であるという著しい効果が
ある。

また、圧縮空気の流れにより、モータが運転中に電機子
コア部が強制空冷されるので、冷却効果が大きく、モー
タの温度上昇を防止することができる。

なお、モータ部またはハンドピース部にファンなどを設
ける必要がなく、風穴なども必要としないので、部品の
製造が容易となる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の１実施例の斜視図、第２図は、本実
施例のマイクロエンジン・ハンドピース内の圧縮空気の
流れを示した説明図である。 １・・・・・・外筒、２・・・・・・ハンドピース部、
３・・・・・・モータ部、４・・・・・・モータ制御装
置、５・・・・・・超小型コンプレッサ、６・・・・・
・ホース、７・・・・・・刃具、１８・・・・・・電機
子コア、１９・・・・・・界磁永久磁石、矢印・・・・
・・圧縮空気の通過経路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータ制御装置に組み込んだコンプレッサからホースを
   介して供給された圧縮空気が、外筒に内装されたモータ
   部を通って、前記外筒の先端に穿設された刃具貫装用の
   穴から前記刃具に沿って前方に噴出されることを特徴と
   する歯科用マイクロエンジン・ハンドピース。