JPS6015058Y2 - 風呂釜等簡易加熱器の水循還装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 一般的な外釜型の浴槽と加熱器の例で述べる。

通常の浴槽で加熱した場合は湯の対流により、浴槽の表
層部分の水は７０℃程度迄加熱され、底部の水は加熱前
の冷水温度のままであり、上下の温度差が６０℃と大き
い。

これは釜の導水管の上部のみの水が加熱され水の上下の
動きが不足するためである。

（第６図参照）又この様に表層部の温度が過度に高くな
るため、熱放散が大きいこと、既に加熱された温水が釜
に供給されるため、釜での熱交換率が悪いこと、更に加
熱終了時に釜の中に高温水が残留したままとなり、有効
に使われないこと、等により全体の熱交換率が悪い。

上下の温度差を解消するために、 １攪拌翼付風呂ヨ（実業公開５５−１０８３４７） ’
エアーポンプ浴槽攪拌装置ヨ（実業公開５５−３００４
３）水を循還させるために １外釜浴槽に於ける強制送水装置Ｊ（実業公開５４−６
５７４１ ） ’家庭風呂に於ける温水循還装置ヨ（実
業公開５５−１４９１４０）等が考へられているが、こ
れらはいずれも、他に電力源を用いるものであり余分の
エネルギーを必要とし、装置が複雑でもあり必ずしも満
足の行くものではなかった。

しかるに本考案は簡単な手段によって特別のエネルギー
を付与することなく上記の欠点を除去することを目的と
している。

第１図、第２図、第３図、第４図、第５図の図面によっ
て本考案の家庭用風呂釜の１列を説明する。

風呂釜等簡易熱交換器の水循還装置１を外釜１２と浴槽
１３を連結する導通管１０又は１１に接続するためにバ
ネ機能をもつ管５が１に付属しており、１は１０又は１
１に容易に着脱出来る構造となっている。

５の管にほぼ直角に下方に伸びる導水管６が接続されて
おり、５及び６によって浴槽下部と外釜１２が１本の管
でつながった状態になる。

この管５の中芯線上で、かつ導通管１０又は１１の中芯
線に並行する噴流水が得られる様に先端を絞った噴流ノ
ズル２を取りつけ、このノズルの一方の端は連結管３を
介して水道に接続されている。

このノズル２の先端の穴の大きさは加温中にこのノズル
２から供給される水量が極端に大きくならない程度、で
かつ水を循還させるのに充分な大きさであり、一般的な
家庭用の浴槽の場合は０．１〜２．−φ程度である。

業務用の加熱装置等では使用し消費される量に等しい水
量が得られる様にノズル径を決めればよい。

１の上部（天井）には、加熱中に生ずる蒸気或は空気を
抜くための小孔を設ける。

ノズル２から噴出する水道水或はポンプ水は極少量なの
で、これを整流高速化させ負圧を増大せしめて周囲の水
の循還量を増す整流筒９をノズルの前方に取りつけると
効果が大きい。

第５図に示すように本装置１のスプリング管５を導通管
１０又は１１に装着し、ノズル２が、導通管の中芯線に
並行になるようにし、導水管６を下向きにして導水ロア
が浴槽の底部に位置するようにし、連結管３を切替へ弁
１９を介して水道蛇口２０に接続する。

浴槽内に水を必要量より若干少な目に入れる。

ガス栓１５を開き１４のガスバーナーに点火する。

その後に蛇口２０を開は水道水の圧力により、ノズル２
を介して微少の高速噴流水を導通管１０又は１１の中芯
線に沿って流入させる。

この微少の高速噴流水により負圧が発生し、供給した微
少量の水道水の数倍以上の浴槽の水を導水管６を通して
底部から吸上げ加熱器１２へ冷水を供給する。

この水循還により加熱器内は常に水が速い速度で流れ、
加熱器の管壁で沸騰することなく、良好な熱交換が行な
われ加熱された温水は浴槽表層に浮力により浮くが下部
から水が加熱器内へ吸引されるため、表層の温水は下へ
押し下げられ浴槽内は一様の温度となる。

沸き終った時点でガス、バルブ１５を閉じ、その後加熱
器１２内の高温水を全部浴槽内に移した後水道水蛇口２
０を閉じる。

第６図に本考案装置を使用した結果を示す。

冬季に於ける通常の浴槽では底部が５°〜８℃の冷水の
ままで上部表層が６０〜７０°Ｃと温度差が著しく（実
線で示す）、このまま入れば火傷の危険があるのに対し
て、本考案装置を使用した場合（破線で示す）は、はぼ
一様の温度となり、攪拌効果の大きなことを示し火傷の
危険もない。

実施例の効果について更に詳しく述べる。

これらの効果はいずれも量は僅かであるが高速度のエネ
ルギーを持つ水によって、大量の水を緩やかに輸送でき
る、と云う本考案の基本技術によって達成されている。

先端の孔の径を小かく（例えば、０．５ｍｍ径で実施し
た場合には）絞ったノズル２を水中にその軸を水平に置
き、このノズル２に水道水を流すとノズル先端から高速
（本例では２６ｍ毎秒）の水流が噴出する。

このときの水量は極く僅かく（本例では０．３で毎分）
で蛇口の開度によらず、小孔径のノズル２に拘束されて
常に一定量の水量しか流れない。

このノズル２の外側周囲にノズル２の軸と略平行にパイ
プ（本例では内径３５ｍｍ）を置くと、パイプの内部に
は緩やかな流れ（本例では０．３ｍ毎秒）が残り、流速
は減少するが大量（本例では１７で毎分）の水が流れて
いることを示し、移動する水量が数十倍（本例では１７
７０．３＝ ５７倍）に増巾されていることが観測され
た。

ここで、ノズル２の先端開口部の最小断面積Ａ、とノズ
ル２の外側周囲のパルプの穴の最大断面積Ａ２とのＭ１
／Ａ２を変へて実施した結果、水の輸送倍率（該パイプ
の中を流れる水量とノズル２から流れ出る水量の比であ
り、前述の増巾された倍数の意）とＡｔ／Ａ２の関係は
第８図に示される結果となり、ＡＩ／Ａ！≦０．１の領
域で輸送倍率が大きく増巾効果が大きいことが解った。

即ち、ノズル２の先端の小さな孔の断面積と、その外側
を覆うパイプの火の断面積の比が非常に小さいことによ
ってその結果がもたらされるものであり、高速度のエネ
ルギーをもつ極く少量の水流によって大量の水を緩やか
に移動させることができると云う事であり、これは本考
案者によって見出され、利用された新しい技術である。

この移動する水は揚水力等の力を持たないため、今迄工
業的に利用される価値が無く研究も充分でないものであ
る。

本考案による技術を一般的な家庭用風呂に使用した場合
、浴槽中の１７０１の水は１０分に１回は釜の中を循還
し隅なく加熱されるので、浴槽内の湯の上下の温度差が
第６図に示す様に無くなり攪拌の必要が無くなり安全に
なった。

次に浴槽表面の断熱条件を蓋の有無により変へて、次式
に基き熱効率を求め比較した結果を第７図に示す。

熱効率＝都紫２Ｌ脅糸ｉｚ弓２ぶ裂９覇 ×１００ 本考案技術によれば従来法に比べて熱効率が大きく向上
し、浴表面からの蒸発熱損失小さいため、蓋が無くても
熱効率の低下が少ないと云う特徴を持っている。

従って給水用の連結管３を通すために蓋が少し開いても
熱効率が高い状態のままであることも本考案の利用し易
い理由の一つである。

前にも述べた通り水道水蛇口の開度によらず、小孔径の
ノズル２に極く少量の（０，３／毎分）水しか流れ出な
いので、細かい制御の必要は無く、加熱中の湯の増加量
は夏で約５ｆ （１ｃｍの水位上昇）、真冬の０℃近く
の水を沸かす場合でも１５ム第−表 ｆ 本装置を追焚きに用いると、釜の中で加熱された高温の
湯が勢いよく浴槽内に流れ出て来るので、浴槽内に入っ
ている人はすぐ温まりやはり効果が大きい。

効果のまとめ ａ 沸した直後の浴槽内の温度が均一になる。

ｂ 火傷の危険がない。

Ｃ熱効率が１０〜２０％向上し省エネになる。

冬期の燃料代の減少（一般家庭で） ４００〜５０ＣＪ
Ｆｒ３／月ｄ 浴槽内が蒸気で煙らない。

（沸し中湯気が出ない） ｅ 熱交換器の表面温度が低下するのでボイラー寿命が
伸びる。

ｆ 釜内の流れがよ（なり釜内が清掃されるので熱効率
の向上につながる。

＊（３Ｃｒ！Ｌの水位上昇）と僅かで浴槽から溢れ出る
様なことはない。

又湯の量が多いときの追い焚きに使っても溢れるとは無
い。

本考案の装置は構造が単純で、流れを邪魔する突起物が
なく、又狭溢部分もないので、ゴミ、垢、髪の毛等が詰
ることもなく、清掃が容易であり、本来の機能が永く接
続される。

以上の操作を自動的に行なう場合は浴槽の温度を温度計
１６により検知し、所定の温度で変換装置１７が信号を
発しガスパルプ１５を閉じ、加熱器１２内の高温水を浴
槽に移動させ終った一定時間後にタイマー２２により水
道水自動パルプ２１を閉じる様にする。

この様にして本考案装置を使用すると ａ 浴表層部の温度が低下し熱放散が減少する。

ｂ 冷水が釜に供給されるので熱交換部のガス液温度差
が大きくなる。

Ｃ攪拌の必要がなく、蓋を用けることも無いので熱放散
がない。

ことにより熱効率が増加することが確められた。

（第一表参照） 力率比較 新しい釜の時から使用すると効果は一層大きい。

ｇ 給水速度は僅かで常に一定であり、制御が容易であ
る。

ｈ 冷たい水を長時間に亘って沸かしても水量の増加は
僅かであり浴槽から溢れ出る様な事はない。

ｉ 構造が単純であり汚れ難く、トラブルもなく高機能
が持続する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の平面図。 第２図は本考案の装置の立面図。 第３図は本考案の装置の側面図。 第４図は第２図ｘ−ｘ’線による横断面図。第５図は本
考案の水循還装置を装着する場合の理想的な実施形態を
示す図。 第６図は本考案の装置を使用した場合の効果を実証する
浴槽内温度の深さ方向の分布を示す図。 第７図は本考案の装置を使用した場合の熱効率の向上効
果を示す図。 第８図は管の断面積比と水の輸送倍率の関係を示す図、
である。 １・・・・・・水循還装置の全体、２・・・・・・先端
の穴の細く絞ったノズル、３・・・・・・ノズル２と水
道水蛇口２０を結合する連結管、４・・・・・・ノズル
２を導通管１１．１２の中芯に位置決めする構造体、５
・・・・・・着脱機能をもつ弾性管、６・・・・・・導
水管、７・・・・・・導水口、８・・・・・・加熱器１
３内で発生する蒸気或は空気を抜くための孔、９・・・
・・・整流筒、１０，１１・・・・・・加熱器１２と浴
槽１３を連結する導通管、１４・・・・・・ガス或は灯
油等のバーナー、１５・・・・・・ガスの手動弁又は自
動弁、１６・・・・・・浴湯の温度計、１７・・・・・
・湯の適温時にガス弁１５を閉じる機能をもつ信号変換
器、１８・・・・・・配線、１９・・・・・・水道水を
通常の蛇口の用途と本装置へつながるホース３へ分岐で
きる様にした切換弁、２０・・・・・・水道水或は水道
水の蛇口、２１・・・・・・水道水或はポンプ水の自動
開閉弁、２２・・・・・・ガス弁１５の動作の後に水道
水自動開閉弁２１を動作させるためのタイマー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 貯槽部分１３と加熱器部分１２が導通管１０及び導通管
   １１を介して、内部の液体が貫通自在に接続されている
   外釜式浴槽、又は反応及び蒸煮用の工業用加熱器の水循
   還装置に於いて、導通管１０又は導通管１１と貯槽部分
   １３の底部を結ぶ導水管６を有し、かつ該導通管１０又
   は該導通管１１の内部或は近くにその中芯線と実質的に
   平行した中芯線を有する先端を細く絞ったノズル２があ
   り、該ノズル２の先端開口部の断面積（最小部）Ａ□と
   、該導通管１０又は該導通管１１の断面積（最大部）
   Ａ２との比が下記の式に従い、かつ該ノズル２は連結管
   ３を介して水道水蛇口２０、或は補給水ポンプに接続し
   ていることを特徴とする風呂釜等簡易加熱器の水循還装
   置。 Ａｌ／Ａ２≦０．１