JPS6014789Y2 - 布帛移送処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は乾燥機又はスチーマにおける布帛移送処理装
置に関するものである。

始めに布帛の乾燥について述べると、その乾燥曲線ｌは
第７図に示すようになる。

布帛中の水分は乾燥時間の経過と共に減少するが次第に
減少速度が小さくなる。

すなわち図のｈまでにおいては布帛中の水分は時間にほ
ぼ比例して減少するので恒率乾燥と呼ばれるがこれは布
帛の表面付近の水分が蒸発するためである。

しかるにちを過ぎると水分の蒸発速度が低くなり減率乾
燥とよばれる。

この原因は布帛の内部の水分が表面にたどりつく時間が
必要なためである。

従来の熱風乾燥機は恒率乾燥期間と減率乾燥期間を区別
することなく同じような機構で乾燥作用をさせて来た。

しかしなから減率乾燥期間は布帛中の水分がその表面に
拡散する時間があるため、この期間の乾燥については例
えば熱風を多量に吹付けるとしても送風機を駆動するた
め多くの動力を消費するにも拘らずその効果は極めて低
いのである。

次に布帛に染料を付与した後この染料を布帛に染着させ
るスチーマ−について述べると、その染着曲線ｍは一般
的に第８図に示すようになる。

この場合の染着率は最初よりある時間ｔ３までは比較的
良く、ある時間後は次第に悪くなって来て潮時飽和点に
近づいて行く。

以上乾燥機とスチーマ−についてそれぞれ乾燥と染着の
過程について述べたようにこれらの機械はその性能を良
くするために処理目的に合致した機構を備えなければな
らない。

従来の機械はあるいは必要以上の動力を使用し大型であ
りエネルギーロスも大きい欠点があった。

この考案によって機械は小型化され最小限のエネルギー
で必要で充分な処理ができることとなった。

この考案を添付図面の実施例により説明する。

第１図、第２図に於て、１は布帛、２は第１水平コンベ
ヤ、３は第２水平コンベヤ、４は循環コンベヤである。

第１水平コンベヤ２は駆動ホイール５．６に第２水平コ
ンベヤ３は駆動ホイール７．８に装架されている。

第１水平コンベヤ２および第２水平コンベヤ３は第３図
に示すようにローラーチェン９．１０で構成されており
、ローラーチェン９．１０の上には布帛受用バー１１の
保持金具１２．１３がそれぞれ多数段けである。

駆動ホイール７の回転速さは駆動ホイール６の回転速さ
より遅くしである。

目１２のピッチ 又保持金具１３のピッチ 一駆動ホイール６の周面速さ、ユ設計スル。

−駆動ホイールアの周面速さ 若しくは保持金具１２．１３を第１水平コンベヤ２上お
よび第２水平コンベヤ３上にピッチが同一寸法で取りつ
けておき、第２水平コンベヤの駆動ホイール７の局面速
さを基準にして第１水平コンベヤ２の駆動ホイール６の
周面速さを整数倍（例えば２倍、３倍）になるように切
換装置をつけておく。

第１図、第２図中、１４は供給コンベヤ、１６は処理室
、１７は風箱、１８は加熱器又はスチーム発生器、１９
は送風機である。

布帛１は供給コンベヤ１４により処理室１６内へ入る。

この時循環コンベヤ４につけられた保持金具１５上の受
用バーにより布帛を下部よりすくいあけ、布帛を二つ折
にしてループを作る。

受用バーと布帛はさらに進み、第１水平コンベヤ２の保
持金具１２上に進む。

第１水平コンベヤ２は布帛１を受用バー１１により折り
畳んで処理室１６を移動する。

愛用バー１１が第１水平コンベヤ２の終端に近くと第３
図、第４図、第５図に示すように第２水平コンベヤ２の
保持金具１２より第２水平コンベヤ３の保持金具１３へ
受は継がれる。

駆動ホイール７の周面速さは駆動ホイール６の周面速さ
より遅いので、保持金具１３のピッチが保持金具１２の
ピ・ソチより狭くする。

従ッて第２水平コンベヤ３では第１水平コンベヤ２より
布帛１の進行速さも遅くなる。

従って第７図、第８図で説明した減率乾燥期間染着率の
低い区間を長くすることができる。

第２水平コンベヤ３の終端で布帛１は受用バー１１から
取り外されて処理室１６外へ進行する。

又第２水平コンベヤ３に残った受用バー１１は循環コン
ベヤ４の保持金具１５へ移動させられ、布帛の入口部へ
進行する。

他の実施例を第６図に示すが、布帛１はタオル等の単独
片のもので、この場合は循環コンベヤ４の保持金具１５
の受用バーに手動で取り付は取り外しを行う。

その他の構成は第１図と同一である。

既説のように本考案においては乾燥室又はスチーマ−内
において布帛をかけた受用バーのピッチを第１水平コン
ベヤよりも第２水平コンベヤ上において自動的に狭くす
ることにより乾燥機においては減率乾燥時に適合せしめ
、スチーマにおいては染着率が飽和に達する時間を持た
すようにした。

このため機械の大きさが従来機の２／３以下にすること
を得た。

すなわち処理室の小型化により、資材の使用を減じ、送
風機等の駆動用動力を減じ且据付面積を小さくする等の
効果を得た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の正面図、第２図は第１図の■−■線断
面図、第３図〜第５図は受用バーの移換え状態を示す説
明図、第６図は他の実施例の正面図、第７図は乾燥曲線
を示す図、第８図は染着曲線を示す図である。 １・・・・・・布帛、２・・・・・・第１水平コンベヤ
、３・・・・・・第２水平コンベヤ、４・・・・・・循
環コンベヤ、５．６・・・・・・駆動ホイール、７．８
・・・・・・駆動ホイール、９．１０・・・・・・ロー
ラチェン、１１・・・・・・受用バー、１２．１３・・
・・・・保持金具、１４・・・・・・供給コンベヤ、１
６・・・・・・処理室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 処理室１６内に第１水平コンベヤ２と、第１水平コンベ
   ヤ２より移動速さの遅い第２水平コンベヤ３とを直列に
   設け、第１水平コンベヤ２に多数の保持金具１２を、第
   ２水平コンベヤ３に多数の保持金具１３をそれぞれ設け
   、第１水平コンベヤ２と第２水平コンベヤ３との交点で
   第１水平コンベヤ２の保持金具１２で支持している布帛
   １の愛用バー１１を第２水平コンベヤ３の保持金具１３
   に順次移換せしめてなる布帛移送処理装置。