JPS6013529Y2 - 形鋼圧延用組立ロ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、形鋼圧延用ロールの耐折損性を向上させるも
のとして、スリーブ焼ばめ組立による複合ロール型式の
ものにおいて、焼ばめ作業を確実容易に行なえると共に
、必要構造の簡単化と工作の容易を企図したものに関す
る。

形鋼圧延用ロールにおいては、周知のようにそのロール
外周部分に圧延成形用のカリバーリングやエンドフラン
ジ部分等が、必要な凹凸形状の下に具備されるのである
が、これらの部分は直接被圧延材と接触するため、特に
耐摩耗性や耐熱亀裂性が必要とされる。

中でもカリバーリング部分は多くの場合シャープなコー
ナー面を有するため、この部分からクラックが入り、こ
れが胴折損につながる事故が多発し易い。

従ってカリバーリングを有するロール外層部は上記要求
や機能を満足る特殊な材質が必要であり、これに対しロ
ール芯部の方は耐摩耗性を考慮しない強靭性のある材質
が必要とされる。

この要求を満足させるために、現在ではアーバーに対し
カリバーリングやエンドフランジを具備したスリーブを
焼ばめ一体化する複合ロール型式の組立ロール構造が採
用されているが、この種組立ロールの従来構造は、アー
バー外周面に所謂役付部を突設し、スリーブ形状とされ
た個々のカリバーリングやエンドフランジのスリーブ内
面に前記段付部と嵌合する凹部を形威し、れらスリーブ
を焼ばめする構造のものが多く、その焼ばめ作業はきわ
めて手間と時間が掛るのであり、アーバー並び各スリー
ブの工作も面倒である。

本考案は、上記のようなスリーブ焼ばめによる複合ロー
ル型式の形鋼圧延用組立ロールにおける問題点を解決す
るためになされるもので、その特徴とする処は、共通の
アーバー外周面上にカリバ−リング、エンドフランジ等
の必要形状を具備した複数個のスリーブを直列状に焼ば
めして成る形鋼圧延用組立ロールであって、最初に焼ば
めされるスリーブの焼ばめ作業用ストッパーがアーバー
側に設けられ、該ストッパーが、スリーブが焼ばめ時に
通過できない大きさとされ、２回目以降に焼ばめされる
スリーブの焼ばめ作業用ストッパーが、既に焼ばめされ
たスリーブの軸方向端面とされ、焼ばめ作業用ストッパ
ーにより阻止される移動方向とは反対方向へのスリーブ
の移動を阻止すべく、最後に焼ばめされるスリーブと係
合するズレ留め部がアーバー側に設けられ、ズレ留めが
、スリーブが焼ばめ時に通過き且つ冷却後に通過できな
い大きさとされた点にある。

以下図示の実施例について本考案を詳述すると、第１図
に例示したものは旧来の一体形成型の形鋼圧延用ロール
構造であって、上下一対組の圧延ロールＡ、 Ｂにおい
て、下位の圧延ロールＢに示すように、ロール胴部の外
周面上に所要形状のエンドフランジ１、カリバーリング
２が一体に突出形成され、ロール胴部３の両端にはロー
ルネック４及びロール駆動部５が同じく一体に形成され
、このような一体成形ロール構造では、先に述べたよう
に被圧延材と直接接触するエンドフランジ１、カリバー
リング２側は耐摩耗性、耐熱亀裂性が強く要求され、特
にカリバ一部分はシャープなコーナー形状が多いため、
この部分にクラックが入ってロール胴部３の折損につな
がる事が多く、これに対しロール胴部３は耐摩耗性より
も強靭性が必要とされるので、ロール外層と芯部を異な
る材質とした複合ロール構造が望まれるのである。

本考案は、第２図乃至第５図に例示するようなスリーブ
焼ばめにる複合ロール形態の形鋼圧延用組立ロールを提
案するものであって、第２図実施例において、９は共通
の１本のアーバーであって従来のロール芯部に相当し、
アーバー９の両端にはロールネック４０−ル駆動部５が
一体に形成される。

６ａ、６ｂは本考案に係る２個のスリーブであり、これ
らスリーブ６ａ、６ｂには図例のようにそれぞれの所要
位置にエンドフランジ７カリバーリング８が突出状に形
成される。

勿論スリーブの数、スリーブの周上に形成されるエンド
フランジ７やカリバーリング８の数や形状は図例のみに
限定されない。

本考案ではこれら複数個のスリーブ６ａ、６ｂのアーバ
ー９の周上への焼ばめに当り、スリーブ６ａ、スリーブ
６ｂの順に焼ばめるのであり、最初に焼ばめされるスリ
ーブ６ａのために、アーバー９の外周面に中途に焼ばめ
作業用ストッパー１４を具備することによってその外径
を人士に相違した焼ばめ部１１．１２を形成し、これに
よってその内面に前記焼ばめ部１１焼ばめ作業用ストッ
パー１４焼ばめ部１２と適合する形状を備えたスリーブ
６ａを、図向って右側のデーバー９端から左側へ向って
外嵌装入して、前記ストッパー１４によって留まるよう
に焼ばめするのである。

次に焼ばめさるスリーブ６ａのためにはアーバー９の外
周面に前記焼ばめ部１２と同径の焼ばめ部１０、ズレ留
め部１５を介して焼ばめ部１０より若干大径の焼ばめ部
１３を形成し、スリーブ６ｂの内面に前記焼ばめ部１０
ズレ留め部１５及び焼ばめ部１３と適合形状を形成する
ことによって、同スリーブ６ａを図向って右側のデーバ
ー９端より左側へ向って外嵌装入し、このさい先に外嵌
装入されたスリーブ６ａの図向って右端の軸方向端面１
６を焼ばめ作業用ストッパーとして、同端面１６にスリ
ーブ６ｂの図向って左端の軸方向端面が留まるようにし
て焼ばめするのであり、これによって２個のスリーブ６
ａ、６ｂとアーバー９の一体化された形鋼圧延用組立ロ
ールとするのである。

勿論アーバー９の外周面における前記した焼ばめ部１１
焼ばめ作業用ストッパー１４焼ばめ部１２焼ばめ部１０
ズレ留め部１５焼ばめ部１３は、予じめ事前に形成され
、スリーブ６ａ、６ｂの焼ばめは連続的に施工されるも
のである。

このさいズレ留め部１５は焼ばめ時に、両スリーブ６ａ
、６ｂが加熱されて通過可能であり、冷却後はスリーブ
６ｂが軸方向にズレない程度の高さとするものであり、
これに対し作業用ストッパー１４はスリーブ６ａを焼ば
め時に通過できない高さとすることが必要であり、勿論
光のズレ留め部１５よりも高いものとする。

即ちこの焼ばめ作業用ストッパー１４は同時にスリーブ
６ａの軸方向のズレ留めとしても機能するものである。

又先に嵌設されるスリーブ６ａにおける軸方向端面１６
も同様にスリーブ６ｂの軸方向ズレ留めとして機能する
ものである。

即ち以上のストッパー１４ズレ留め部１５及び端面１６
によってスリーブ６ａ、６ｂの圧延作業中における軸方
向ズレは完全に防止されることになり、アーバー９と複
数個のスリーブ６ａ、６ｂの完全な合体が得られる。

いうまでもないが、これらスリーブ６ａ。６ｂアーバー
９はそれぞれ要求される機能に応じた材質のものによっ
て形成される。

又その焼ばめ代は回転トルクを重連できる焼ばめ代に設
定される。

第３図に例示した実施例は、複数個のスリーブとして、
カリバーリング８のみを具備したスリーブ６ａとエンド
フランジ７及びカリバーリング８を具備したスリーブ６
ｂ、６ｃの３個を用いた１例を示したものであり、この
場合は最初に焼ばめされるスリーブ６ａと２回目に焼ば
めされるスリーブ６ｂとは、第２図におけるスリーブ６
ａ、６ｂと全く同様で、アーバー９の外周面上に、スリ
ーブ６ａのための焼ばめ部１１焼ばめ作業用ストッパー
１４及び焼ばめ部１２、スリーブ６ｂのための焼ばめ部
１０ズレ留め部１５及び焼ばめ部１３が一連に形成され
ることによって、アーバー９の図向って右側からスリー
ブ６ａｓ続いてスリーブ６ｂを右から左に向って外嵌装
入し、最初のスリーブ６ａは焼ばめ作業用ストッパー１
４で留められ、次のスリーブ６ｂはスリーブ６ａの軸方
向端面１６を焼ばめ作業用ストッパーとして留められる
ことになり、更に第３のスリーブ６Ｃは、アーバー９の
外周面上に設けた前記ズレ留め部１５と同様のズレ留め
部２０を中途に具備した焼ばめ部２１．２２が形成され
、これと適合する内面形状を持つスリーブ６Ｃをアーバ
ー９の図向って左端から外嵌装入して右側へ進行させ、
第１のスリーブ６ａにおける軸方向の他方の端面１７を
焼ばめ作業用ストッパーとして留まるように焼ばめさせ
るのである。

この場合も、焼ばめ作業用ストッパー１４ズレ留め部１
５スリーブ６ａにおける軸方向両端の焼ばめ作業用スト
ッパーとして機能する両端面１６．１７及びズレ留め部
２０が、何れも各スリーブ６ａ、６ｂ、６Ｃとアーバー
９との完全な合体化を可能とする。

第４図に示した実施例は、スリーブの数はスリーブ６ａ
、６ｂのように２個ではあるが、第２図実施例と相違し
て、最初に焼ばめするスリーブ６ａのために、アーバー
９の外周面にズレ留め部２３を中途に具備した焼ばめ部
２４．２５を形成すると共に焼ばめ部２４の一端に焼ば
め作業用ストッパー１８を形成し、図示のようにスリー
ブ６ａをアーバー９の図向って左側から外嵌装入して、
右側へ進行させ、同スリーブ６ａの軸方向の端面１６が
作業用ストッパー１８に留まるようにして焼ばめするの
であり、次に焼ばめされるスリーブ６ｂは、アーバー９
の外周面に形成した第２，３図実施例と同様なズレ留め
部１５を中途に具備した焼ばめ部１０．１３上に、アー
バー９の図向って右側から外嵌装入して左側へ進行させ
、かつ同スリーブ６ｂの軸方向の端面１９が、前記焼ば
め作業用ストッパー１８より上方に突出している先に焼
ばめされるスリーブ６ａの軸方向の端面１６の一部を焼
ばめ作業用ストッパーとして留まるように焼ばめするよ
うにしたものである。

以上の各実施例で明かに推察されるように、本考案の各
スリーブの数２個以上自由に増加できるし、又そのスリ
ーブ周上にエンドフランジ７、カリバーリング８の形成
に当っても、形成数は１箇以上自由であるし、最初に焼
ばめするスリーブにおける焼ばめ作業用ストッパー１４
乃至１８はアーバー９の周上に形成されるが、次に焼ば
めするスリーブは常に先行して焼ばめされるスリーブの
軸方向端面を焼ばめ作業用ストッパーとして利用するも
のである。

又第２図乃至第４図の各実施例においては、その各スリ
ーブ６ａ〜６ｃは何れも一層のスリーブ材とされるが、
第５図に示すようにスリーブそのものを２層構造のもの
とすることも可能である。

即ち図示のように２個のスリーブ６ａ、６ｂ（数は自由
である）において、アーバー９の焼ばめ面と直接接触す
る内層材２６ａと、被圧延材に直接接触する外層材２６
ｂの２層構造とし、内層材２６ａは特に強靭性を重視し
た材質のものとし、外層材２６ｂは特に耐摩耗性を重視
した材質のものとする等である。

このような材質を相違した２層構造のスリーブは遠心鋳
造その他によって容易に形成できることはいうまでもな
く、焼ばめ構造は第２図〜第４図に示した各実施例構造
をとるものである。

又図示の各実施例において、カリバーリング８の断面形
状は目的に応じた断面形状のものとされることはいうま
でもなく、例えば第６図に例示したアングルａ圧延用の
カリバーリング８ａ、チャンネルｂ圧延用のカリバーリ
ング８ｂ、シートパイル、リムＣ圧延用のカリバーリン
グ８ｃ、Ｈ型鋼ｄ圧延用のカリバーリング８ｄ等、自由
に採用できることは勿論である。

本考案によるスリーブ焼嵌め構造によれば、最初に焼ば
めするスリーブ６ａのためには、デーバー９側に焼ばめ
作業用ストッパー１４．１８を設け、該ストッパー１４
．１８、スリーブ６０が焼ばめ時に通過できない大きさ
とし、２回目以降に焼ばめするスリーブ６ｂ以下は、先
行して焼ばめするスリーブの軸方向端面を焼ばめ作業用
ストッパーとして利用するようにしたので、従来のよう
に個々のスリーブ毎にアーバー側に夫々の焼ばめ作業用
ストッパーとしての働きを持つ段付凹凸面を形成するも
のに比し、アーバー外周面における凹凸構造を著しく省
略化し、その加工数も減少すると共に、各スリーブの焼
ばめ作業もきわめて容易であり、焼ばめ作業の迅速容易
化が得られる。

しかもこれらの各部ばめ作業用ストッパーは何れも軸端
面利用のため、充分な高さが得られて圧延時の軸方向ズ
レを確実かつ強力に防止し、アーバーとスリーブの強固
な合体が得られる。

また本考案によれば軸方向端面を相互にズレ留め族スト
ッパーとして働かせるので、アーバー上において各スリ
ーブを相互に密接して直列させることができ、このさい
各スリーブの相隣接合間隙を酒宿時においても０．５ｍ
ｍ以内とすることができるので、従来のように各スリー
ブ間に焼ばめのため必要以上の間隔を明け、スリーブの
長大化、ロール全長の増大等を招来するおそれなく、コ
ンパクトに形成できるのであり、更に本考案によれば各
スリーブにわける段付形状面は軸方向の一端側に集中す
ることになるので、従来多く見られるようにスリーブの
中央部分に段付部分が設けられるものに比し、その焼ば
め作業はきわめて容易で作業性も良好化し、加えるに軸
方向端面が焼ばめ作業用ストッパーであるため、その作
業は更にやり易く、位置決めに時間や手間が掛ることも
ないのであり、カリバーリング、エンドフランジ及びア
ーバーを夫々それに応じた材質のものに選定でき、アー
バーの耐折損性を向上させ、アーバーの再使用を可能と
するこの種組立ロールの特長を発揮しつつ、その焼ばめ
構造を改善したものとして優れたものである。

特に、本考案では、上記構成に加えて、焼ばめ作業用ス
トッパーにより阻止される移動方向とは反対方向へのス
リーブの移動を阻止すべく、最後に焼ばめされるスリー
ブと係合するズレ留め部がアーバー側に設けられ、ズレ
留め部が、スリーブが焼ばめ時に通過でき且つ冷却後に
通過できない大きさとされているので、冷却後には、作
業用ストッパーとズレ留め部とにより、スリーブの軸方
向のズレを簡易な構造でもって確実に防止できると共に
、焼ばめ作業にズレ留め部が支障を及ぼすことがなく、
アーバー側にズレ留め部があるにもかかわらず、焼ばめ
作業を容易に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は形鋼圧延用ロール構造の半部縦断正面図、第２
．３．４．５図は何れも本考案組立ロール各実施例の半
部縦断正面図、第６図はカリバーリング形状実施例の各
説明図である。 ６ ａ、 ６ ｂｙ ６ ｃ・・・・・・スリーブ
、７・・・・・・エンドフランジ、訃・・・・・カリバ
ーリング、９・・・・・・アーバー、１０，１１，１２
，１３，２１，２２’、２４．２５・・・・・・焼ばめ
部、１４．１８・・・・・・ズレ留め兼用焼ばめ作業用
ストッパー １５，２０，２３・・・・・・ズレ留め部
、１６．１７・・・・・・ズレ留め煎焼ばめ作業ストッ
パー用スリーブ端面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 共通のアーバー外周面上にカリバーリング、エンド
   フランジ等の必要形状を具備した複数個のスリーブを直
   列状に焼ばめして戒る形鋼圧延用組立ロールであって最
   初に焼ばめされるスリーブの焼ばめ作業用ストッパーが
   アーバー側に設けられ、該ストッパーが、スリーブが焼
   ばめ時に通過できない大きさとされ、２回目以降に焼ば
   めされるスリーブの焼ばめ作業用ストッパーが、既に焼
   ばめされたスリーブの軸方向端面とされ、焼ばめ作業用
   ストッパーにより阻止される移動方向とは反対方向への
   スリーブの移動を阻止すべく、最後に焼ばめされるスリ
   ーブと係合するズレ留め部がアーバー側に設けられズレ
   留め部が、スリーブが焼ばめ時に通過でき且つ冷却後に
   通過できない大きさとされたことを特徴とする形鋼圧延
   用組立ロール。 ２ 各スリーブの相隣接合間隙が収縮時でも０．５順以
   内されたことを特徴とする実用新案登録請の範囲第１項
   記載の形鋼圧延用組立ロール。