JPS6012672Y2 - 回転式工作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、被加工物の加工部を割り出すとともに、被
加工物を回転させる回転式１作装置に関するものである
。

従来、被加工物の端面の同一半径上に所定間隔をおいて
設けた加工部、たとえば斜板式のモータなどの、斜板の
端面に設けた連接棒のボール部が嵌合する凹状の球面受
座を加工する場合、斜板つまり被加工物を固定して砥石
の直下に球面受座部の形成部分（加工部）を位置させ、
上記砥石に回転および揺動運動を与えて加工するように
しているから、砥石の支持構造が複雑で大形化し、しか
も砥石に対する被加工物の加工部の位置決めが煩雑とな
り、かつ、被加工物を固定した状態で加工を行なうから
、加工部の形状精度が悪く、さらに大きさの異なる被加
工物の加工部を加工することができないなどの諸種の欠
点がある。

この考案は、上記従来の欠点を解消して、構造の簡略化
と、装置の小形化を図り、被加工物の位置決めを容易に
するとともに、被加工物を回転させて加工精度を向上さ
せ、さらに大きさの異なる被加工物の加工に容易に適用
できる回転式１作装置を提供することを目的とする。

以下、この考案の実施例を図面にしたがって説明する。

第１図において、１は基台、２はターンテーブルを示し
、このターンテーブル２は、上部をスラスト軸受３とラ
ジアル軸受４を介して、また、下部をテーパローラ軸受
４ａを介して基台２に回転自在に支持されている。

また、ターンテーブル２は、ウオームホイル５とウオー
ム６およびモータ７（第３図参照）で構成される回転駆
動機構８によって駆動される。

９はソケットで、その嵌合孔９ａに、たとえば斜板式モ
ータ、ポンプ、などの斜板のような被加工物１０の軸部
１０ａを嵌合し、かつセットピン１１を介して被加工物
１０が同時回転可能に取り付けられている。

１２は支持座を示し、この支持座１２は上記ターンテー
ブル２の軸線、つまり回転中心０１に対して偏心的に嵌
合孔２ａに嵌合され、セットピン１３を介してターンテ
ーブル２と同時回転可能に固定されており、その嵌合孔
１２ａに上記ソケット９を嵌合して回転可能に保持して
いる。

この場合、上記ソケット９に取り付けられている被加工
物１０に加工される凹状の球面受座部、つまり加工部１
４の中心線０２が上記ターンテーブル２の回転中心Ｏ□
と合致する。

１５は割出機構で、第２図で明らかなように、ターンテ
ーブル２に内蔵されて、上記被加工物１０の同−半径上
に所定間隔をおいて設けた加工部１４．１４のうちの一
つの加工部１４の中心線０゜を順次ターンテーブル２の
回転中心Ｏ□に割り出し回転させるためのものであり、
ソケット９に対して自在継手１６を介して連結されてわ
り、たとえば、割出ピストン１５ａを往復移動させ、こ
のピストン１５ａの側面に形成したラック１５ｂと噛み
合うピニオン１５ｃの回転を、一方向クラッチ１５ｄを
介して自在継手１６に伝達し、ソケット９を一方向のみ
所定の回転角度で間けつ的に回転するように構成されて
いる。

したがって、割出機構１５の動作によって被加工物１０
は所定の回転角度、つまり加工部１４の１ピッチ分だけ
回転して加工部１４が割り出されることになる。

１７は砥石で、この砥石１７はターンテーブル２の回転
中心Ｏ１上に設けられており、たとえば、矢印Ｂ方向へ
回転し、かつ矢印Ｃ，，Ｃ２方向へ往復動するようにし
ている。

上記ソケット９には、上記被加工物１０の加工部１４の
割り出しを、より正確に位置決めするための位置決め孔
１８が加工部１４の数に対応して設けられ、この位置決
め孔１８に対して、ターンテーブル２に内蔵した位置決
め用ピストン１９を嵌入させることにより、ソケット９
を所定位置に保持するようにしている。

２０はクランプ装置を示し、台座２１上に一端が枢支さ
れた支持リンク２２と、この支持リンク２２によって基
部が枢支される押えリンク２３を設け、クランプシリン
ダ２４で押えリンク２３の後部２３ａを押し上げて、２
叉状の先端部２３ｂを被加工物１０の端面に押圧してこ
の被加工物１０をクランプするようになっている。

また、台座２１と押えリンク２３との間にスプリング２
５を、台座２１と支持リンク２２との間に上記スプリン
グ２５よりもばねの小さいスプリング２６を設定し、上
記クランプシリンダ２４の動作時、支持リンク２２を被
加工物１０側へ傾倒させて押えリンク２３を被加工物１
０の半径方向内方へ回動させたのち、押えリンク２３の
２叉状の先端部２３ｂ下面で、被加工物１０の端面を押
圧するようになっている。

また、ソケット９には、自在接手１６と接続するための
接続部９ｂを設け、接続部９ｂを自在接手１６に嵌合す
ることによって、ソケット９の位を割出機構１５の割出
位置を保持するようにしている。

なお、自在接手としては、カルダン継手、シュミット継
手、ユニバーサル継手などが使用できる。

上記構成において、被加工物１０を取り付けたソケット
９を、支持座１２の嵌合孔１２ａに嵌合するとともに自
在継手１６に接続することによって、被加工物１０の加
工部１４の中心線０２をターンテーブル２の回転中心０
１に合致させ、被加工物１０の割出を正確にするため、
位置決め用ピストン１９を動作させて、ソケット９の位
置決め孔１８に嵌入する。

つぎに、クランプ装置２０を動作させて、被加工物１０
の端面をクランプする。

しかるのち、回転駆動機構８を駆動して、ターンテーブ
ル２を回転させ、砥石１７を矢印Ｂ方向へ回転させなが
ら、矢印Ｃ１方向へ移動させて、加工部１４を加工形成
する。

最初の加工部１４を加工し終ると、ターンテーブル２の
回転を停止し、つぎに砥石１７を矢印Ｃ２方向へ移動し
て被加工物１０から離間させ、かつ位置決め用ピストン
１９を逆動作させてソケット９を位置決め孔１８から抜
き出し、さらにクランプ装置２０を逆動作させて被加工
物１０のクランプを解き、割出機構１５を動作させてつ
ぎの加工部１４の中心線をターンテーブル２の回転中心
Ｏ□と合致させ、以後は上記同様の動作を反復して、順
次加工部１４を加工する。

第４図は、大きさの異なる被加工物１０、つまり、上記
の実施例で説明した被加工物１０よりも小形の被加工物
１０に加工部１４を設ける場合の例を示している。

同図において、支持座１２の嵌合孔１２ａを大きく偏心
させて形成し、かつ支持座１２によって回転自在に保持
されるソケット９を小形にしているから、上記小形の被
加工物１０の加工部１４の中心線０２が、ターンテーブ
ル２の回転中心０１と合致するため、上記の実施例と同
様に加工部１４を加工形成することができる。

以上説明したように、この考案は、被加工物の加工部の
中心線を、ターンテーブルの回転中心に合致するように
割り出し回転させるものであるから、被加工物の位置決
めが容易であり、しかもこの位置で被加工物をターンテ
ーブルとともに回転駆動するから、従来のように被加工
物を固定するものに比して加工精度が大幅に向上する。

また、大きさの異なる被加工物に対しては、支持座とソ
ケットとを替えることによって、被加工物とターンテー
ブルとのセンタ合わせを行なわずに寸法の異なる被加工
物の加工に容易に適用させることができ、さらに構造が
簡単で全体の小形化を図れるなどの利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す要部を切欠した側面
図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ線に沿う断面図、第
３図は平面図、第４図は大きさの異なる被加工物の加工
に適用した状態を一部切欠して示す要部の断面図である
。 １・・・・・・基台、２・・・・・・ターンテーブル、
８・・・・・・回転駆動機構、９・・・・・・ソケット
、１０・・・・・・被加工物、１２・・・・・・支持座
、１４・・・・・・加工部、１５・・・・・・割出機構
、０１・・・・・・ターンテーブルの回転中心、％・・
・・・・加工部の中心線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被加工物端面の同一半径上に所定間隔を存して設けた加
   工部を加工する装置において、基台と、この基台に回転
   自在に支持されたターンテーブルと、このターンテーブ
   ルを回転駆動する回転駆動機構と、上記被加工物を取り
   付ける交替可能なソケットと、このソケットに取り付け
   られた被加工物の加工部の中心がターンテーブルの回転
   中心と合致するようにターンテーブルに嵌合固定されか
   つ上記ソケットを回転可能に保持する支持座と、上記タ
   ーンテーブルに内蔵されかつ上記ソケットに連結されて
   被加工物の加工部を順次ターンテーブルの回転中心に割
   り出し回転させる割出機構とを設けたことを特徴とする
   回転式１作装置。