JPS60120B2 - 回転板式生物学的処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、下水、産業廃水、その他の汚水などの有機性
廃水を浄化するために好気性微生物を生長させ、汚水中
の汚濁物質を吸着酸化分解する機能をもつ生物化学的酸
化姿触浄化法によって処理する生物学的処理装置特に回
転円板法による生物酸化処理装置に関するものである。

一般に産業廃水処理に用し、らている生物化学的酸化法
として知られている回転円板法は、従釆の活性汚泥法、
散水炉床法の主な欠点であるバルキング、炉床の目詰ま
りを解消したものでブロワー及び汚泥の返送も不要であ
るという特長をもっている。この回転円板法というのは
好気性微生物の活躍によって廃水の浄化をはかるため多
数の円板表面に好気性微生物を付着させトこの回転円板
を廃水槽中に浸潰したのち、空気中に露出させ、酸素吸
収、有機物の酸化処理を行うもので「 この方法による
ときは、処理能力は多数の円板からなる回転円板体の合
計表面積に比例する。即ち、円板を多数枚単一の軸に並
設した回転体の一部を汚水中に浸潰し、それぞれの円板
に付着した汚水を大気に曝し、汚水に浸潰する操作をゆ
っくり一分間２〜５回線返すことによってそれぞれの円
板表面において好気性微生物が空気と汚水中の栄養素と
によって繁殖して、それぞれの円板表面において生長す
る。

このような微生物は有機物を吸収し続けることによって
汚水を支障のない形の物質に変えることが知られている
。従来この方法を実現させる代表的な公知例としては、
剛性の比較的高い厚手の平坦な合成樹脂板、発泡合成樹
脂円板を等間隔に回転軸にとりつけた回転体、或いは円
周方向又は半径方向に畝のあるシート状円板と平坦なシ
ート状円板とを交互にサンドイッチ状に密着して各畝と
これと接触する平坦なシートとによって形成された多数
の個別の通路を設けた回転体、若しくは円周方向に畝の
あるシート状円板同志を相隣る円板と畝同志接着して、
多数の円周方向の個別の通路を蜂巣状に形成した回転体
が知られている。

しかしながら、平坦な円板を用いたものにおいては、構
造が簡単で微生物の生長による目詰りもないが、汚水が
付着して微生物が繁殖する面積が少ないために装置の大
きさに比し、汚水が酸化させる能力が低い。

従って円板直径を大きくして汚水及び空気と接触する面
積を著しく広くすることが試みられているが、汚水を酸
化させる能力は著しく向上するものの、各シート状円板
面に付着した微生物が生長してその層の厚みが増加する
と、前記細かい個別の通路は実質的に目詰りを起し、酸
化有効面積が急速に低下する。

又育成し過ぎ、内部の微生物が死滅した場合には円板面
から微生物膜が剥離するが「個別の通路であるため落下
し難く、目詰状態のままとなり、回転体自体の重量増加
となって」回転体を回転させる動力の消費量も増加し、
またこの重量の増加によって円板自体が破損してしまう
おそれがあった。本発明は、これら従来の諸欠点を適確
に除去しようとするもので、回転板の表面積が広く、各
円板素材板が薄く〜可榛性を有するものであっても組立
後は堅牢性に富み〜付着した微生物が表面で育成し過ぎ
た場合にも剥離した生物膜は容易に落下して目詰りを起
さずト回転体の動的バランスを崩さずに安定した運転を
確保できる回転板式生物学的処理装層を提供することを
目的としたものである。

また本発明の他の目的はし回転円板の破損もなく動力損
失も少くｔ長期間運転するも全期間における酸化能力に
殆んとばらつきのない回転体を組立容易で現地で作業期
間を短縮化し、労務費、人件費を著しく節減できると共
に回転体の価格をも著しく低下させ製造も容易であって
コストが安価につくような形態の装置とすることにある
。

本発明は円形状をなす回転板をも任意個に等分割してほ
ぼ半径方向に敵を有する波形板よりなる合成樹脂製の扇
形板で構成し「該扇形板の半径方向の両縁には接合用フ
ランジが設けられ、かつ中心附近には回転軸との接合用
固着部が設けられていると共に、該波板部には隣鞍する
扇形板と平行に接合させるためのスべ…サとその受部が
一組として接近して同一面側に膨出成形してあり、これ
ら一組のスべ−サと受部は半径方向に所定間隔をおいて
円周方向に数組また等角間隔ごとに数列設けてあり、円
周方向に相隣る列においてはスべ−サと受部の位置が逆
に配設してあり、このうちの最両側のスベーサとその受
部の列とその近傍の接合用フランジの中心線とで挟まれ
る角度の和（ッ十８）は他のスベーサとその受部列間角
（Ｑ）に等しく形成してあることを特徴とする回転板式
生物酸化装置である。本発明の実施例を図面を参照して
説明すると、汚水流入口Ａと処理水流出口Ｂとを有する
処理槽Ｃ内に板状部材Ｄを複数枚平行に間隔をもって配
列し、回転自在に配備し、槽内液面下に板状部材の少く
とも一部を浸潰させた生物酸化接触処理装置において「
前記板状部材Ｄは円板状又は多角板その他形状の板材「
例えば回転軸１１を中心として放射状に任意個数に分割
された部分片を蓮嬢結合して一枚の板状部材Ｄとする。

とりわけ該板状部材Ｄが円板の場合の具体例について説
明すると、円板を任意個数例えばＮ＝２〜１数守ましく
は４〜８に等分割した扇形板が合成樹脂製薄板で半隆方
向に平行な畝２を有する波形板１よりなっており、半径
方向の両縁３，４には接合用の平坦なフランジ５，６が
張出して設けてあり、且つ中心端寄に回転軸孔形成用の
切欠８のある接合用固着部７が設けてあり、該固着部７
には若干段部７′を形成している。該波形板１にはスベ
ーサ９及びこの受部１０が半径方向に極く接近して一組
となって波形板部より少くとも同一方向に円錐台形、角
錐台形等切頭毎食形に膨出成形してありスベーザ９の先
端が軸万向に相隣る平行な波形板１の受部１０の窪みに
鉄合するようにしてある。この場合スベーサ９の高さと
受部ＩＱの窪み深さとの差が波形板１の畝２の高さとほ
ぼ同一寸法に構成してある。このスベーサ９と受部１０
‘ま一組として半径方向に数組所定間隔をおいて、また
円周方向に等角間隔Ｑをおいて偶数列設けてあり、円周
方向に相隣る列においてはスベーサ９と受部１０との位
置は逆に配設してあり、これら列のうち最外側の列と、
これに接近したフランジ５又は６の中心線Ｐ又はＱのな
す角８とｙの和は他の列のスべ−サ９，９の間隔角Ｑと
等しくしてあり、通常Ｐ＝ッとしてある。前記スベーサ
９と受部１０とは一組として半経方向に所定間隔をおい
て接近して設けてあり、回転軸１１を中心とした同心円
上に複数組半径方向に等角間隔で数列設けてあり、それ
ぞれ同一面方向に膨出形成してあるが必要に応じ交互に
或いは一つ又はそれ以上ごとに異面方向に膨出形成する
こともでき、いずれにしても藤方向に隣接される波形板
１との相対関係位置にスベーサ９と受部１０とが配置さ
れている。

またスベーサ９と受部１０との位置は、円周方向に相隣
る列では逆の位置に設けて板状部材Ｄを多数枚配列した
ときに固着しやすい形態としてある。そして、この波形
板１を用いて回転体として組立てるには、数枚の扇形の
波形板１を順次フランジ５，６で、接着若しくは熱溶着
して第２図のように一枚の円板とし、この円板多数枚を
第３図に示すように回転軸１１に固着部７の軸孔を介し
て段付カラー・１２と交互に挿入し、且つスべ−サ９の
先端を車由方向に相隣る他の円板の受部１０の窪みに俄
合し、順次固着して回転軸１１の両端において段付カラ
−１２部を締付部村例えばナット１３，１４で締付固定
する。

なお、第４図に示すように必要に応じては、円板１の叉
及至３の叉程度を一つのブロックとして、剛性の高い硬
質合成樹脂その他材質の平坦円板１５を挿入結合して回
転体を形成することもあり、この場合ブロックは単数又
は二つ以上のブロックを結合することもでき、さらに剛
性の高い硬質合成樹脂円板を機械的強度の大きい軸１１
と平行な榛材１６で間隔がずれないよう円周部で連結す
る場合もある。

また前記固着手段としては接着剤を介して接着するか熱
溶着することもでき、必要に応じては穿孔に合成樹脂製
ピン止め若し〈は螺合、掛止たり（この際合成樹脂の弾
性利用で打ち込みで結合し、取外しの際のみに螺廻して
外せるピン又は孔を利用するのが便利である）或いは受
部１０又はスべ−サ９に設けた穿孔に強肴するように相
手片を挿入リング状溝に鉄込んで保持させることもでき
る。

図中１７は軸受部、１８は伝動機構で複数列回転体を処
理槽内に配備されるときに用いられる。

１９は駆動装置で回転軸１１に直結でもよいが変速機又
は減速機を介して連結することもできる。

なお前記板状部材Ｄを間隔をあげて回転軸１１に配列す
るのに回転軸１１に鉄挿する段付カラー１２は接合用固
着部７或いはその段部７′との間で空転防止用の係止構
造にすることもできるし、キー止めに代えて角形軸孔で
角形回転軸に鞄装入部を装着して空転防止結合とするこ
とも選んでできる。

しかして、波形板１を複数個、フランジ５，６の部分で
接合した板状部材Ｄを回転軸１１に挿通して複数枚重ね
合わせた回転体を処理槽Ｃ内の汚水の中に一部を浸潰し
して回転すると汚水に没する部分と汚水から出る部分と
の間で汚水の接触作用と大気中の酸素に曝される作用と
が交互に繰り返えされ好気性微生物の薄膜は板状部材Ｄ
の表面全面において汚水中の栄養素即ち有機物を吸着及
至吸収し大気中の酸素で酸化分解すると共にこの一部を
同化して義なわれ生長することになり、該薄膜が蓄積さ
れて所定厚さになったときに剥離落下し、洗い出され効
率良好な生物化学的酸化処理が可能となるものである。

特に前記波形板１はフランジ５，６でもつて順次接合す
れば完全な円板などの板状部材となる。これらを、継目
の位置をスベーサ９と受部１０の半径方向の列を１列ず
らせて回転軸１１に通して順次重ね合せればスベーサ９
を受部１川ま円周方向に一列おきに同一のところにある
ので、軸万向に相隣る円板においてはスべ−サ９と受部
１０の位置関係が逆となって、各スべ−サ９先端は確実
に受部１０‘こ鉄合し、接着される。従って、各円板の
間隔は全面で一定し、しかもスベーサ９と受部１０が接
近して設けてあるから、各素材板は波形状と相まって操
みが少なく堅牢となりスベーサ９と受部１０の接着が外
れたとしてもみだりにスべ−サ９先端が受部１０から外
れず、安定した状態で使用することが可能となる。本発
明により、各板状部材の間隔一定保持が適確になされ榛
みも少なく薄板材でありながら堅牢な回転体を構成する
ことができ、しかもこれら素材板は半径方向に平行な畝
を有するから半径方向の剛性があり、微生物付着面積は
大きく、その表面積は全域において均一であり、かつ回
転体として粗立てた場合にも、相隣る板状部材との間は
スべ−サ部分のみで連結されているものであるから細か
い区画通路がなく微生物が繁殖して、その膜が剥離すれ
ば容易に落下し、目詰りを起すおそれなく、長期間使用
するも酸化能力の低下がなく大量処理に適し、その性能
の大中な増加が期待でき動力損失も少なく、運転管理維
持も簡易で運転経費の節減が容易にできるし比較的薄い
円板素材板であっても破損のおそれがなく軽量で装置据
付面積をも減少し安価な状態とし、製作、組立上も手間
がかからず簡易にセットできるなどの利益がある。

図面の簡単な説明図面は本発明の実施例を示すものであ
って、第１図は板状部材の一部の斜視図、第２図は組立
てた状態の正面図、第３図はその一部の拡大縦断側面図
、第４図は他の実施例の縦断側面図、第５図は一便用伏
態を示す斜視図である。

Ａ・・・・・・汚水流入口、Ｂ・・・処理水流出口、Ｃ
・・・・・・処理槽、Ｄ…・・・板状部材、１…波形板
、２・・・・・・畝、３，４・・・・・・両側緑、５，
６・・・…フランジ、７・・・・・・接合用固着部、７
′・・・・・・段部、８・・・・・・軸孔形成用切欠、
９・・・・・・スべ−サ、１０…・・・受部、１１・・
・…回転軸、１２・・・・・・段付カラー、１３，１４
・・・・・・縦付部材、１５・・・・・・硬質合成樹脂
円板、１６・・・・・・湊材、１７・・・軸受部、１８
・・・・・・伝動機構、１９・・・・・・駆動装置。

第４図 第１図 第２図 第３図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 好気性微生物による生物膜を付着するための板状部
   材を複数枚平行に所定間隔をもつて配列し、各板状部材
   が回転軸で回転可能に処理槽内に浸漬配備されているも
   ので、該板状部材が任意個数に分割された波形板を波形
   部の畝がほぼ半径方向に設けられるように接合用フラン
   ジで連設されて構成されているものにおいて、軸方向に
   隣接される板状部材との結合用のスペーサと受部とを相
   対して板状部材に円周方向に複数組設けると共に、この
   スペーサと受部とが、一組として接近して板状部材の同
   一面側に膨出成形され、かつ円周方向に相隣る列におい
   てはスペーサと受部との位置が逆に配設されて対応し、
   各半径方向に隣接される板状部材に設けられるスペーサ
   と受部との半径方向の間隔が等間隔に配列されていて、
   しかも前記スペーサの高さと受部の窪み深さとの差が前
   記板状部材における波形部の畝の高さとほぼ等しいこと
   を特徴とする回転板式生物学的処理装置。 ２ 前記スペーサと受部とが、一組として、回転軸と同
   心の複数の円上に所定間隔で複数組設けられているもの
   であつて、半径方向にも複数組が列をなしているもので
   ある特許請求の範囲第１項記載の回転板式生物学的処理
   装置。 ３ 前記スペーサ及び受部が、それぞれ切頭錐形であつ
   て、相対応して嵌合するものである特許請求の範囲第１
   項又は第２項記載の回転板式生物学的処理装置。