JPS6011874Y2 - 帯状体の巻取装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は帯状体の巻取装置に関する。

従来、合成樹脂製のテープやバンド等の帯状体をボビン
にその軸方向螺進状に巻き取るには、帯状体をボビン外
周面に案内するガイド体をボビンの軸方向に平行に往復
移動させていた。

この方法では、ボビン両端にフランジを有していない場
合は問題ないが、両端フランジ付ボビンにあっては、ガ
イド体がボビンの端部にきたときフランジに接当するた
め、帯状体をボビンの筒部全長にわたって巻き取ること
ができず、巻取端面とフランジ間に間隙を生じ、巻き崩
れの原因、及び巻き戻しの際にこの間隙に帯状体が入り
込んでからみ付きの原因になっていた。

このため、ガイド体がフランジに接当しないようにする
には、ガイド体をフランジ径外方に設ければよいのであ
が、これではガイド体先端と巻取部間の距離が長くなり
、確実なガイドが保証されず、奇麗な螺旋状に巻き取る
ことができない。

更に、巻取部端での折り返しが奇麗にならず、フランジ
面と巻取部端面との密着接当が保証されず。

且つ、フランジ面と帯状体とが接触し、特にフランジの
外周縁が帯状体の側面に摺接してキズを付けるおそれが
あった。

そこで本考案は、上記問題点に鑑みて案出されたもので
あり、フランジ付ボビンの筒部全長にわたって奇麗に巻
き取ることのできる帯状体の巻取装置を提供することを
目的とする。

従って、その特徴とする処は、ボビンの軸心を含む平面
で、ボビンの軸方向中央位置で、かつボビンのフランジ
よりも外方位置に、該平面に垂直な軸心を有する枢支部
が設けられ、該枢支部の軸心回りに揺動体が回動自在に
枢着され、該揺動体をボビンの回転に同期して枢支部の
軸心回りに強制揺動させる駆動装置が設けられ、該揺動
体がボビン軸心に対して直交した状態において、ボビン
軸心と平行な軸心を有し且つボビンのフランジよりも外
方に位置した横軸が揺動体に設けられ、該横軸にガイド
体が横軸回りに回動自在に枢着され、該ガイド体の先端
はボビンのフランジ対向面間に突出してボビン１の巻取
外周面に接触可能であり、該突出端部に帯状体を案内す
るガイド部が設けられている点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳述する。

第１図及び第２図に示すものは本考案の第１実施例であ
り、同図において、１はボビンで、該ボビン１は、筒部
２の両端に筒部２より径大のフランジ３を有している。

このボビン１は水平軸周りに回転駆動されている。

４はガイド体で、帯状体５を筒部２外周面に案内するも
のであり、６は揺動体で、前記ガイド体４をボビン１の
軸方向に揺動させるものである。

前記揺動体６はその長手方向がボビン１を指向するよう
水平状に配置され、ボビン１の軸方向中央部で且つその
径外方に設けた枢支部７に、軸受部材８を介して縦軸周
りに回動自在に枢結されている。

この枢支部７を介してボビン１とは反対側（以後この方
向を後方という）の揺動体６端部下面には、カムフロア
−９が突設されている。

このカムフロア−９は、ボビン１軸心と平行な軸心を有
して配設された円筒カム１０のカム溝１１に転勤自在に
嵌合している。

この円筒カム１０の回転により揺動体６が枢支部７を中
心として揺動するようカム溝１１は閉ループに形成され
ている。

上記ガイド体４は、揺動体６の上方でかつ揺動体６の長
手方向に沿うよう、揺動体６先端部の横軸１２に上下回
動自在に枢結されている。

ガイド体４の先端は揺動体６の先端より更にボビン１側
に突出して両フランジ３対向面間に位置してボビン１の
巻取外周面に接触可能とされている。

ガイド体４先端はボビン１の筒部２外周面からフランジ
３外周面まで横軸１２周りに回動自在である。

ガイド体４先端部には、帯状体５をガイドするコ字形ガ
イド部１３が設けられ、且つ、ガイド体４後端部にはガ
イド体４長手方向に開口して帯状体５を挿通する入口部
１４が設けられている。

ガイド部１３は超硬合金又はセラミック等の耐摩耗材よ
り形成されている。

尚、１５は帯状体５を入口部１４まで案内する固定ガイ
ドである。

上記実施例の作用効果につき説明すれば、成形ラインで
成形された合成樹脂製テープ又はバンド等の帯状体５は
、固定ガイド１５及びガイド体４の入口部１４及びガイ
ド部１３を通り、ボビン１の筒部２に螺旋状に巻き取ら
れる。

この巻き取りに際し、揺動体６は円筒カム１０の回転で
軸方向往復移動するカムフロア−９により、枢支部７の
縦軸周りに揺動自在に駆動される。

すなわち、円筒カム１０は揺動体６の駆動装置を構成す
る。

この揺動体６の揺動に同行してガイド体４も揺動するこ
とになり、該ガイド体４に案内された帯状体５は筒部２
に螺旋状に巻き取られる。

ガイド体４の揺動中心は揺動体６の枢支部７であり、こ
の枢支部７はボビン１の軸方向中央位置に設けられてい
るので、ガイド体４は第２図に示すように、筒部２の端
部においてフランジ３面に傾斜して対面することになる
。

従って、ガイド体４先端のガイド部１３に誘導された帯
状体５はフランジ３に傾斜角度でもって衝突するので、
フランジ３と巻取端面とは密着接当する。

しかもガイド体４は、筒部２の巻取径の増加に応じて横
軸１２周りに上下回動するので、ガイド部１３と巻取り
表面とは常に略一定間隔を有することになり、確実に帯
状体５を誘導することができる。

またガイド部１３は起硬合金が使用されているので摩耗
し難い。

第３図に示すものは、本考案の第２実施例であり、上記
第１実施例と異なる点は、ガイド体４に入口部を設けず
、先端のガイド部１３のみで帯状体５を誘導する点にあ
る。

帯状体５は図外の固定ガイドとガイド部１３とを結ぶ直
線に沿って筒部２に巻き取られる。

ガイド部１３先端はほぼ筒部２の中心の垂直上方に位置
しているため、ガイド部１３が筒部２の端部にきたとき
、ガイド部１３先端側面がフランジ３端面に接当し、固
定ガイドとガイド部１３を結ぶ直線の延長線が筒部２中
心線とその垂直線との交点０で交わらないため、ガイド
部１３の側面は面トリされ、上記接当を防止してその延
長線が交点０で交わるよう構成されている。

ガイド部１３は筒部２両端でこのように帯状体５をガイ
ドするので、ガイド部１３は平面視ハ字形に形成され、
その先細先端は帯状体５の巾とされ、路線接触でもって
帯状体５をガイドする。

１６は離反防止部材で、ガイド部１３近傍に設けられ、
帯状体５がガイド部１３から離反するのを防止するもの
である。

１７はウェイトで、ガイド体４後端に螺着され、その取
付位置を調整自在とされている。

このウェイト７の調整により、ガイド部１３の浮上り、
沈み込みを調整している。

その他の構成は、上記第１実施例と略同じである。

尚、本考案は、上記実施例に限定されるものではなく、
例えば円筒カムに代えてフィードスクリュー若しくはシ
リンダ等で揺動体を揺動させてもよく、ガイド体の形状
も図示のものに限定されない。

本考案は、ガイド体をボビン軸方向略中央部の径外方の
位置を中心としてボビン′の軸方向に強制揺動させ、か
つガイド体の先端を径外方に揺動自在としたので、フラ
ンジ付ボビンに帯状体を巻き取るに際し、帯状体をフラ
ンジ面に接当させて巻き取ることができ、且つ確実に帯
状体をボビンに誘導することができる等、実用に供して
多大の効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示腰第１図は第１実施例の一部断
面側面図、第２図は平面図、第３図は第２実施例の平面
図である。 １・・・・・・ボビン、２・・・・・・筒部、３・・・
・・・フランジ、４・・・・・・ガイド体、５・・・・
・・帯状体、６・・・・・・揺動体、７・・・・・・枢
支部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ボビン１の軸心を含む平面で、ボビン１の軸方向中央位
   置で、かつボビン１のフランジ３よりも外方位置に、該
   平面に垂直な軸心を有する枢支部７が設けられ、 該枢支部７の軸心回りに揺動体６が回動自在に枢着され
   、 該揺動体６をボビン１の回転に同期して枢支部７の軸心
   回りに強制揺動させる駆動装置が設けられ、 該揺動体６がボビン軸心に対して直交した状態において
   、ボビン軸心と平行な軸心を有し且つボビン１のフラン
   ジ３よるも外方に位置した横軸１２が揺動体６に設けら
   れ、 該横軸１２にガイド体４が横軸１２回りに回動自在に枢
   着され、 該ガイド体４の先端はボビン１のフランジ３゜３対向面
   間に突出してボビン１の巻取外周面に接触可能であり、
   該突出端部に帯状体５を案内するガイド部１３が設けら
   れていることを特徴とする帯状体の巻取装置。