JPS6011799Y2 - 原料肉用自動注射機の給液装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ハム、ソーセージ、ベーコンその他の食肉加
工製品の原料肉塊に調味液、保存液等を混合した所謂ピ
ックル液を注入する原料肉用自動注射機の給液装置に関
するものである。

この種の自動注射機は、原料肉塊の支持部上方に昇降自
在に設けられた給液タンクと、該給液タンクの底部に垂
下して設けられた多数の注射針とを有し、前記給液タン
クの下降時に前記注射針が原料肉塊に突き刺さり前記給
液タンク内のピックル液を前記注射針の先端部に設けた
噴出口から噴射させて前記肉塊に注入するようになって
いる。

しかしピックル液を注入する原料肉塊は一般に、肉質の
歌い部分と硬い部分とからなっているので、上述のよう
な自動注射機で原料肉塊にピックル液を一様に注入する
と、肉質の注入抵抗の差によって歌い肉質部分に多量の
ピックル液が注入され、硬い肉質部分に注入されるピッ
クル液の量が少なくなる傾向があって、ピックル液が原
料肉塊全体に均一に注入された品質一定の原料肉が得ら
れ難い欠点があった。

本考案は上記欠点に鑑みて提案されたもので、前記自動
注射機の給液タンク内を仕切壁によって複数の給液室に
区分し、各給液室に供給するピックル液の圧力を異なら
しめ得るように構成して、ピックル液が原料肉塊全体に
できるだけ均一に注入されるようにした給液装置を提供
することを目的とする。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

１は本体機枠、２は機枠１の上部にほぼ水平に配設した
ベルトコンベヤであって、該コンベヤ２により原料肉塊
Ｍを間欠的に搬送し、その途中において調味液、保存液
等を混合したピックル液が原料肉塊Ｍに注入される。

３はピックル液の給液タンクであって、第２図に示すよ
うに、底部４に注射針９の取付孔５が多数開口しており
、かつ適宜の位置に設けた仕切壁６によって２つの給液
室７，８に区分されている。

給液タンク３の両側底部には支柱を兼ねる給液管１０．
１１が垂下連結され、一方の給液管１０は給液室７に連
通し、他方の給液管１１は給液室８に連通している。

両給液管１０及び１１は機枠１に上下摺動自在に取り付
けられ、コンベヤ２の上方に配設した給液タンク３をコ
ンベヤ２に連動する一定の周期で昇降せしめるように構
成されている。

また、両給液管１０．１１は、それぞれゴムホース１２
又は１３を介して別個のサニタリポンプ１４，１５の送
出管１６．１７に接続され、ポンプ１４と１５の回転数
をインバータで変えることによりポンプ圧力を加減し、
給液管１０を通じて給液室７に供給されるピックル液と
、給液管１１を通じて給液室８に供給されるピックル液
とに所定の圧力差を持たせ得るようにしである。

なお、両送出管１６．１７を接続する連結管１８に配設
した開閉弁１９を開くことによって、両給液室７及び８
に供給されるピックル液を同圧力にすることもできるよ
うになっている。

図中２０は補助タンクを示す。

注射針９は、第５図、第６図に示すように、全長に亘っ
て延びる通孔２１を有し、先端部に通孔２１に連通ずる
噴出口２２が設けられている。

注射針９は、給液タンク３の取付孔５に嵌着固定した案
内保持筒２３に上下摺動自在に嵌挿され、上端に固着し
た係止頭部２４が案内保持筒２３の上端面にシールリン
グ２５を介して当接し、下方への移動が制限されている
。

また上方への移動は係止頭部２４と給液タンク３の蓋板
２６との間に介装した押しばね２７により制限されてい
て、注射針９の先端が原料肉塊Ｍ中の骨その他の硬い異
物に衝突した際、押えばね２７に抗して注射針９が上方
へ移動して折損を未然に防ぐようになっている。

注射針９の先端部には噴出口２２を開閉する筒状の可動
弁体２８が套嵌されている。

可動弁体２８は中央部に注射針９の挿通孔２９を有し、
該挿通孔２９の内周面に軸方向へ離間して設けた２本の
環状凹溝３０にＯリング３１を嵌装し、両Ｏリング３１
により噴出口２２を密封するようになっている。

可動弁体２８に連設した案内体３２が案内保持筒２３に
摺動自在に外嵌され、案内保持筒２３に嵌装したスプリ
ング３３で常時下方へ押圧され、案内保持筒２３の下端
に設けた鍔部３４に係止保持されるようになっており、
この状態において可動弁体２８の噴出口２２を閉の状態
に保っている。

而して、給液タンク３と上記一連の注射針９が下降して
注射針９が原料肉塊Ｍに突き刺さると、第６図に示すよ
うに、注射針９と可動弁体２８とが相対的に軸方向へ変
位し、注射針９の噴出口２２が開の状態となって噴出口
２２から噴射するピックル液が原料肉塊Ｍに注入される
のである。

このとき、原料肉塊Ｍに突き刺さらない注射針９はその
噴出口２２が可動弁体２８で閉じられたままであるから
、ピックル液は硫出せずピックル液の無駄が生じない。

上記構成の自動注射機において、給液タンク３の給液室
７に供給するピックル液の圧力を給液室８に供給するピ
ックル液の圧力より大きくしておくと、給液室７に連通
ずる注射針９から噴射されるピックル液が給液室８に連
通ずる注射針９から噴射されるピックル液より圧力が高
くなる。

したがって、原料肉塊Ｍの硬い肉質部分３５が給液室７
の下方に位置するようにしてコンベヤ２上に載置してお
けば、硬い肉質部分３５に圧力の高いピックル液が注入
され、全体として原料肉塊Ｍにほぼ均一にピックル液が
注入される。

上記の実施例においては、給液タンク３を２つの給液室
７，８に区分したが、３つ以上に区分してそれぞれに供
給するピックル液の圧力を異ならしめるようにしてもよ
きことは勿論である。

上述のように本考案によれば、底部に多数の注射針が垂
下連結する給液タンク内を仕切壁によって複数の給液室
に区分し、各給液室に供給するピックル液の圧力を異な
らしめ得るように構成したから、原料肉塊の硬い肉質部
分には高圧のピックル液を注入し、歌い肉質部分には低
圧のピックル液を注入することによって、原料肉塊全体
にほぼ均一にピックル液を注入することができ、品質の
一定した原料肉が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は原料肉用自動注射機の正面図、第２図は同給液
タンクの平面図、第３図は第２図のｎ−■線に沿う断面
図、第４図は給液装置の説明図、第５図は注射針部分の
要部拡大断面図、第６図は同作動状態を示す要部拡大断
面図である。 １・・・・・・機枠、２・・・・・・コンベヤ、３・・
・・・・給液タンク、６・・・・・・仕切壁、７．訃・
・・・・給液室、９・・・・・・注射針、１０，１１・
・・・・・立性兼給液管、１４．１５・・・・・・サニ
タリポンプ、２８・・・・・・可動弁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原料肉塊の支持部上方に昇降自在に設けられた給液タン
   クと該給液タンクの底部に垂下して設けられた多数の注
   射針とを有し、前記給液タンクの下降時に前記注射針が
   原料肉塊に突き刺さり前記給液タンク内のピックル液を
   前記注射針の先端部に設けた噴出口から噴射させて前記
   肉塊に注入するように構成されている原料肉用自動注射
   機において、前記給液タンク内を仕切壁によって複数の
   給液室に区分し、各給液室に供給するピックル液の圧力
   を異ならしめ得るように構成したことを特徴とする原料
   肉用自動注射機の給液装置。