JPS6011579B2 - 中空パイプの内面溝切装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、アルミニウム製、鋼製、鉄製、ステンレス
製等の中空パイプの内面にスパイラル状の溝を切るため
の装置に関する。

この明細書において、前とは溝切のさし、にこの装置を
進める方向、すなわち第１図右側を指し、後とはこれと
反対側を指すものとする。

たとえば熱交換管として用いられる中空パイプの場合に
は、伝熱面積拡大および伝熱媒体のの乱流効果により熱
交換効率を向上させるために、内周面にスパイラル状の
溝を形成する必要がある。

この発明は、簡単な操作で中空パイプの内面にスパイラ
ル状の溝を切ることのできる菱直を提供することを目的
とするものである。以下この発明を、実施例を示す図面
に基いて説明する。

中空パイプの内面溝切装置１は、ロッド２の前端に配置
されており、ロッド２の前端小径部２ａを心棒とし、こ
の前端小径部２ａに、ベアリング受け部村３と、スラス
トベアリング４と、溝切部村５と、スラストベアリング
６と、ベアリンク又け部材７とが、上記順序で前から直
列状に並ぶようにはめ被せられたものである。溝切部材
５はロッド２の前端小径部２ａに回転自在にはめられて
いる。

溝切部材５の外径は、前後両端が最も小さくて内面に溝
を切るべき中空パイプＰの内径よりも若干小さく、前後
両端から中央部に向って漸次大きくなされている。そし
て、溝切部材５の外周面の前後方向の中央部に頂部が設
けられている。頂部の外径は、内面に溝を切るべき中空
パイプＰの内径よりも若干大きい。また溝切部材５の外
周には多数の軸方向に対して優斜した溝切刃８が所定ピ
ッチで設けられている。この溝切刃８はその前後方向の
中央部では第２図に示すように横断面三角形状であり、
前後両端部では、第３図に示すように、刃の中央部のも
のと同一の幅で、たけが中央部のものより低くなるよう
に横断面台形状となされている。そして、刃の前後両端
部の横断面形状における頂部の長さが中央部に向うにつ
れて漸次短くなされ、ついには横断面三角形状となるよ
うになされている。また、溝切部材５の材質を適宜選択
することにより、アルミニウム製、銅製、鉄製、ステン
レス製等の種々の金属製中空パイプに適用することがで
きる。スラストベアリング４はベアリング受け都村３の
後面および溝切部材５の前面に当接し、スラストベアリ
ング６は溝切部材５の後面およびベアリング受け部材７
の前面に当接して、鞠方向の力が溝切部材５に加わって
も、溝切部材の回転が阻止されないようになされている
。ロッド２の前端小蓬部２ａのベアリング受け部材３よ
りも前方に突出した部分にねじ部９が形成され、このね
じ部９に円筒状押えナット１０がねじはめられている。
押えナット１０はロッド２の前端よりも前方に突出して
おり、この突出した部分にロック用セットボルト１１が
ねじ込まれている。そして、ベアリング受け部材３，７
、溝切部材５およびスラストベアリング４，６の脱落が
防止されている。溝切装置は、ロッド２を中空パイプＰ
の藤方向に移動させる移動手段（図示略）を備えている
。移動手段は、たとえば油圧シリンダ等の流体圧シリン
ダからなる。上述のような装置を用いて中空パイプＰの
内面溝切を行うには、まず、前端に内面溝切装置１が配
置されたロッド２を油圧シリンダ等により前端から中空
パイプＰ内に挿入する。

すると、溝切部材５が中空パイプＰの内面に当接し、溝
切刃８が中空パイプＰの内面にくし、込む。さらにロッ
ド２を前進させると、その力により、溝切部材５が回転
せしめられ、中空パイプＰ内周面には溝切刃８によりス
パイラル状の溝１３が多数形成される（第４図参照）。
溝１３は、溝切刃８によってパイプＰ内周面を塑性変形
させることにより形成される。所要位置まで溝切装置１
を前進させて中空パイプＰの内周溝切を完了した後ロッ
ド２を引き抜くと、溝切刃８がスパイラル状の溝にはま
り、溝切部村５が前進時とは逆方向に回転しながら後退
するので、前進時に形成したスパイラル状の溝１３をつ
ぶすことなく、ロッド２を引き抜くことができる。溝切
刃８をその全高にわたってパイプＰ内面にくし、込ませ
た場合には、第５図に示すように隣り合う溝１３間に平
坦部は存在せず、途中までくし、込ませた場合には、第
６図に示すように隣り合う溝１３間に平坦部が存在する
。上記実施例では、溝切部材は１つだけ用いられている
が、中空パイプの内周面により多くのスパイラル状溝を
細いピッチで形成する場合には、複数の溝切部村を直列
状に心棒にはめて用いてもよい。

この場合、溝切部材どうしの間にもスラストベァリング
を配し、谷溝切部材を回転自在にするとともに、前方の
溝切部材の溝切刃によって形成された溝どうしの間に次
の溝切部材の溝切刃が当接するように各溝切部材を円周
方向に所要角度ずつずらしておく。また上記実施例では
、溝切刃の横断面形状はその中央部と前後両端部とでは
異なっているが、全て横断面三角形状にしてもよい。

さらに上記実施例では、内面溝切装置はロッドの前端部
に配置され、このロッドを前方に押し込んで伝熱管内に
上記装置を挿入するようになされている。

しかしながら、中空パイプが長い場合には、内面溝切装
置の心棒を中空パイプに通したワイヤで引張り、中空パ
イプの軸方向に移動させるようにしてもよい。このとき
、ワイヤの一端に上記装置を取付けた後、このワイヤを
中空パイプに通してもよいし、ワイヤを中空パイプに通
した後、その一端に上記装置を取付けてもよい。また、
ワイヤは公知の手段で巻取られるようになっている。以
上のようにこの発明の中空パイプの内面溝切装置１によ
れば、この装置１全体を回転することなく「中空パイプ
Ｐ内に挿入するだけで、溝切部材５が回転し、その外周
面に設けられたハスバ状の溝切刃８により中空パイプＰ
の内周面にスパイラル状の溝を形成することができるの
で、中空パイプＰの内面溝切作業が非常に容易になる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示し、第１図は一部切欠き側
面図、第２図は第１図の０−ロ線にそう断面図、第３図
は第１図のｍ−ｍ線にそう断面図、第４図は溝が形成さ
れたパイプの部分縦断面図、第５図は溝切刃を全高にわ
たってパイプ内周面にくし、込ませて溝を形成したパイ
プの部分拡大横断面図、第６図は溝切刃の全高のうち途
中までパイプの内周面にくい込ませて溝を形成したパイ
プの部分拡大横断面図である。 １・・・・・・内面溝切愛鷹、２ａ…・・・ロッドの前
端小径部、５…・・・溝切部村、８・・・・・・溝切刃
、Ｐ・・・・・・パイプ。 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 環状でかつ前後両端の外径が中空パイプＰの内径よ
   りも若干小さな溝切部材５が回転自在にはめ被せられた
   心棒と、この心棒を中空パイプＰの軸方向に移動させる
   移動手段とを備えており、溝切部材５の外周面の前後方
   向の長さの中間部に、外径が中空パイプＰの内径よりも
   若干大きな頂部が設けられ、溝切部材５の外径が前後両
   端から上記頂部に向って漸次大きくなされ、この溝切部
   材５の外周面に軸方向に対して傾斜した多数の溝切刃８
   が形成されている中空パイプの内面溝切装置。