JPS6011004Y2 - ペイルパツク巻きワイヤ払出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ペイルパックの外筒と円筒の間のワイヤ収納
部にペイルパックの上方から供給して巻回収納されたワ
イヤをペイルパックの上方へ払出す際にワイヤにねじれ
を生じないよう、あらかじめ当該ワイヤにひねりを与え
ておくペイルパック巻きワイヤ払出装置に関するもので
ある。

ペイルパックの外筒と内筒の間のワイヤ収納部にペイル
パックの上方から供給して巻回収納するワイヤには、こ
のワイヤの払出し時にねじれを出じないよう、払出し時
のねじれとは逆方向にひねりをあらかじめ与えているこ
とから、払出しに際して、ワイヤが無秩序に上方へはね
上り、もつれることが多発していた。

本考案は上述した実情に鑑みなされたもので、その目的
とするところは、上述したワイヤの払出し時のもつれを
効果的に防止できるようにしたペイルパック巻きワイヤ
払出装置を提供しようとするものである。

以下、本考案を図面に示す一実施例にもとづいて説明す
る。

本考案は、ペイルパックＡの外筒１と内筒２の間のワイ
ヤ収納部３にペイルパックＡの上方から供給して巻回収
納されたワイヤ４をペイルパックＡの上方へ払出す際に
ワイヤ４にねじれを生じないよう、あらかじめ当該ワイ
ヤ４にひねりを与えておくペイルパック巻きワイヤ払出
装置において、前記ペイルパックＡに収納されたワイヤ
４の上方の、ペイルパックＡの外筒１と内筒２の間に、
ワイヤ払出リング５を配設し、このワイヤ払出リング５
は、ペイルパックＡの外筒１との間に前記収納されたワ
イヤ４を導出させる所定開口幅の環状間隙６ａ、６ｂを
形成しかつ上下に所定間隔を有して配される上部リング
７ａと下部リング７ｂとを備えてなるものである。

これを詳述すると、図面には、本考案装置を炭酸ガスア
ーク溶接用ワイヤのペイルパックＡに適用した一例が示
されている。

このペイルパックＡは、底板１ａの周縁から立上げた外
筒１の内側に、外筒１と同心にかつ外筒１との間にワイ
ヤ収納部３を有して内筒２を立設してなっている。

そして、上記のように構成されるペイルパックＡ内には
、図示しないペイルパック巻取装置で、ワイヤの方をガ
イド等により回転させることにより、このワイヤの払出
し時にねじれを生じないよう、払出し時のねじれとは逆
方向のひねりをあらかじめ与えながらペイルパックＡの
中心線Ｘ−Ｘ′上方から供給してワイヤ収納部３に底部
から順次上方にワイヤ４を巻取って巻回収納腰このワイ
ヤ４を収納したペイルパックＡは、図示しない蓋体で外
筒１から内筒２にわたる上面開口部を閉じて梱包した状
態で出荷される。

そして、この梱包されたペイルパックＡは、ユーザにお
いてワイヤ４を使用するに際して、前記蓋体を取外し、
そのあとに、図示例の如き本考案のワイヤ払出装置が装
着されるのである。

すなわち、ワイヤ払出リング５は、直径方向に十字状に
延びる上部リブ部材８・・・・・・に上部リング７ａを
一体に組付けかつ上部リブ部材８・・・・・・に一体に
垂下設した垂下部材９・・・・・・から一体に半径方向
を外方へ延びる下部リブ部材１０・・・・・・に下部リ
ング７ｂを一体に組付けて構成され、このワイヤ払出リ
ング５は、上部リブ部材８・・・・・・をペイルパック
Ａの内筒２上端に載せた状態で垂下部材９・・・・・・
が内筒２の外周囲に配置されるように内筒２上部に装着
される。

内筒２上部に装着されたワイヤ払出リング５は、その上
部リング７ａがペイルパックＡの外筒１との間に環状間
隙６ａを形成すべく外筒１に接近配置され、また、その
下部リング７ｂがペイルパックＡの外筒１との間に環状
間隙６ｂを形成すべく外筒１に接近配置される。

そして、ペイルパックＡのワイヤ収納部３に収納された
ワイヤ４は、前記環状間隙６ｂおよび環状間隙６ａを通
して導出されることにより払出される。

なお、環状間隙６ａの開口幅と環状間隙６ｂの開口幅は
、はぼ同一寸法でよいが、ワイヤ収納部３からワイヤ４
を引出す際、全周にわたっである程度の引出し抵抗が必
要であり、その引出し抵抗は、下部リング７ｂ、ペイル
パックＡの外筒１内壁および上部リング７ａにワイヤ４
がこすられて発生するものであるから、その開口寸法は
たとえば５ｏＨ！Ｌ程度以下が望ましく、また、場合に
よっては環状間隙６ａの開口幅を環状間隙６ｂの開口幅
より５ｍ程度以上大きくとるとともに、上部リング７ａ
と下部リング７ｂとの上下間隔は１５ｏｒｒｒ！Ｉｔ程
度以上の適宜寸法たとえば２００ｒＩｒ！！ｔとし、さ
らに、ワイヤ収納部３に収納されたワイヤ４の上面と下
部リング７ｂとの間隔は、ワイヤ４をスムーズに引出す
のに支障をきたさない程度以上の間隙があればよい。

また、外筒１上には、截頭円錐状のワイヤ払出フード１
１が取外し可能に載置され、このワイヤ払出フード１１
の頂部には、ガイド管１２ａが設けられていて、前記環
状間隙６ａを導出したワイヤ４は、ガイド管１２ａ、１
２ｂを通して、モータ１３で回転駆動される送給ローラ
１４，１４で溶接トーチ１５に送られるようにするので
ある。

なお、上記ワイヤ払出フード１１の下端フランジ部１１
ａは、外筒１の上端に載置された状態で、取外し可能な
固定用リング１６によって外筒１の上端フランジ部１ｂ
に固定される。

上記のようにして構成された実施例において、ペイルパ
ックＡのワイヤ収納部３に巻取られて巻回収納されたワ
イヤ４は、環状間隙６ｂ、６ａを通して引出され、さら
に、ガイド管１２ａ、１２ｂを通して送給ローラ１４，
１４で溶接用トーチ１５に送られて、炭酸ガスアーク溶
接の補填材として使用されるのである。

しかして、ペイルパックＡのワイヤ収納部３に収納され
ているワイヤ４は、ワイヤ収納部３に底部から順次上方
へ巻取られるのであるが、このペイルパックＡ内のワイ
ヤ４は、１回転に１回のひねりが入っていることから、
ワイヤ４の先端を放置すると、ワイヤ４のねじり力によ
り自然に上方へはね上る性質がある。

このワイヤ４を、ペイルパックＡの外筒１内壁沿いに上
方へ整然ともつれずに引出すために、本考案のワイヤ払
出リング５があるのであり、このため、１本のワイヤ４
は、図示の如くワイヤ払出リング５を構成する下部リン
グ７ｂ、上部リング７ａとペイルパックＡの外筒１内壁
に当りながらペイルパックＡの中心線Ｘ−ｘ′上方へ向
って引出される。

したがって、ワイヤ４を引出す際には若干の抵抗が生ず
るため、上部リング７ａおよび下部リング７ｂの周りに
ワイヤ４の回る力が阻害され、しかも、ワイヤ４が上方
へ引張られるため、ペイルパックＡ内に収納されたワイ
ヤの軸径が小さくなろうとする。

本来、ワイヤ４は、くせが少なく、直線のものを強制的
にある軸径にてペイルパックＡ内に収納されているもの
であるから、ワイヤ４には軸径が大きくなろうとする力
が常に存在している。

この力にうち勝って軸径が小さくなろうとすることによ
りその輪がワイヤ４のひねりにより上方へはね上ろうと
するのを、上部リング７ａおよび下部リング７ｂにより
阻止するのである。

もし、上部リング７ａあるいは下部リング７ｂを１つで
も取去ると、ワイヤ４を引出す際に引出し抵抗が少なく
なり、上部リング７ａまたは下部リング７ｂの周りにワ
イヤ４が容易に回り、ペイルパックＡ内に収納しである
ワイヤ４の軸径が犬となり、上部リング７ａまたは下部
リング７ｂをくぐって上方へはね上り、もつれの原因と
なる。

なお、上記実施例において、ワイヤ払出リング５は、線
材にて加工形成した上部リング？ａ、下部リング７ｂ、
上部リブ部材８・・・・・・、垂下部材９・・・・・・
および下部リブ部材１０・・・・・・を溶接にて一体に
組付けて構成したが、本考案はこれに限定されるもので
はなく、鋼板にて加工形成したものでもよい。

本考案は以上説明したように、ペイルパック内に収納さ
れたワイヤは、ワイヤ払出リングを構成する下部リング
、上部リングとペイルパックの外筒内壁に当りながらペ
イルパックの上方へ向って引出されることにより抵抗が
生じ、また、上部リングおよび下部リングの周りにワイ
ヤの回る力が阻害され、しかも、ワイヤが上方へ引張ら
れるため、ペイルパック内に収納されたワイヤの軸径が
小さくなろうとすることにより、ワイヤが上方へはね上
ろうとするのを上部リングおよび下部リングにより阻止
して、ワイヤの払出し時のもつれを効果的に防止できる
。

さらに、本考案装置に用いるワイヤ払出リングは、線材
や鋼板の加工形成により比較的容易にしかも安価に製作
することができるとともに、ワイヤ払出フードは従来か
ら使用しているものをそのまま使用できる利点もある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す縦断側面図である。 Ａ・・・・・・ペイルパック、１・・・・・・外筒、２
・・・・・・内筒、３・・・・・・ワイヤ収納部、４・
・・・・・ワイヤ、５・・・・・・ワイヤ払出リング、
６ａ、６ｂ・・・・・・環状間隙、７ａ・・・・・・上
部リング、７ｂ・・・・・・下部リング、１１・・・・
・・ワイヤ払出フード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ペイルパックの外筒と内筒の間のワイヤ収納部にペイル
   パックの上方から供給して巻回収納されたワイヤをペイ
   ルパックの上方へ払出す際にワイヤにねじれを生じない
   よう、あらかじめ当該ワイヤにひねりを与えておくペイ
   ルパック巻きワイヤ払出装置において、前記ペイルパッ
   クに収納されたワイヤの上方の、ペイルパックの外筒と
   内筒の間に、ワイヤ払出リングを配設し、このワイヤ払
   出リングは、ペイルパックの外筒との間に前記収納され
   たワイヤを導出させる所定開口幅の環状間隙を形成しか
   つ上下に所定間隔を有して配される上部リングと下部リ
   ングとを備えてなることを特徴とするペイルパック巻き
   ワイヤ払出装置。