JPS599831Y2 - 自動切身機用コンベヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンベヤ面を昇降刃物に馴染ませて、切り残
しを生じない様にした自動切身機用コンベヤに関するも
のである。

従来、自動切身機において、昇降刃物に対し原料肉を送
らせるコンベヤは、その全面か或は両耳部をガイドに支
持させ、コンベヤ面が左右へ傾かない様に安定させたも
のであったから、昇降刃物がコンベヤ上へ之と完全な平
行状態を保って下降すれば、原料肉を切り残しを生じな
い様に切断することが出米るが、実際に昇降刃物をコン
ベヤ上へ平行に降すことは至難で、若干の傾きを生ずる
ことは免れないから、原料肉を切身にした場合、各切身
が一部分において接がり合っている欠点があった。

之に対し、本考案に関する自動切身用コンベヤは、コン
ベヤの昇降刃物に対応する部分の裏側を、傾斜自在のコ
ンベヤガイドに支持させて、昇降刃物の傾きに応じたコ
ンベヤの自在な傾斜を可能として、前記欠点を完全に解
消したものである。

次に本考案に関する自動切身機用コンベヤの実施の一例
を図面に付き説明すれば下記の通りである。

図中１は機枠２の作業し易い高さに駆動輪３と従動輪４
とに張設して設けたキャタピラ式のコンベヤで、両側に
翼片イ，イを拡げた巾の広し）ものとしてある。

６は前記したコンベヤ１の後記する昇降刃物に対応する
部分の裏側に、中央を支軸ａに枢着して傾斜自在に設け
たコンベヤガイドで、上面に摩擦抵抗が小さくて耐摩耗
性にすぐれるコンベヤ１の摺動片５，５を設け、両端の
下側に夫々一対の案内杆７，７に装着した平衡ばね８，
８を当接させて、常時はこのばね８，８によりコンベヤ
ガイド６を水平に保持させる。

９，９は前記コンベヤ１よりも後側に設けた左右一対の
縦ガイドで、その下部前後に一対の扇形板１０．１０を
取付け、之等扇形板１０，１０を機枠２に支持させた鍔
付転子１１． １１に支持させると共に、後側の扇形板
１０の一端に扇形ギャ１２を取付け、この扇形ギャ１２
にウオーム１３を噛合させ、このウオーム１３をハンド
ル１４により回転させると共に、扇形ギャ１２が扇形板
１０， １０を転子１１，１１上において回転させて、
前記縦ガイド９，９を前記コンベヤ１に対して直立状態
から左右へ任意の角度だけ傾ける様にしてある。

１５は前記縦ガイド９，９に転子１６， １６を係合さ
せて昇降自在とした昇降体で、その下部中央に前記コン
ベヤ１と直交させた進退杆１７を水平に設け、この進退
杆１７を転子１Ｂ，１８と１９とに支持させて、その上
部に前記コンベヤ１と平行する摺動溝２０を設け、この
摺動溝２０内に昇降体１５内へ縦に取付けたモータ２１
の軸２２へ取付けた回転板２３の偏心ピン２４を係合さ
せることにより、前記進退杆１７の前端へ取付けた刃物
２５（以下代表として包丁を挙げる）に高速振動を与え
させる揺動手段Ａを構戊させる。

２６は包丁２５のガイドで、包丁２５の背部を挾む逆Ｕ
字形に形或し、包丁２＝の背縁に当る部分に減摩材２７
を装入してある。

２εは前記昇降体１５の下部中央に取付けた転子で、そ
の下方において機枠２へ軸着した偏心輪２９に按触させ
、この偏心輪２９の各部の偏心距離差により、昇降体１
５を昇降させる昇降手段Ｂを構或させる。

３０は前記コンベヤ１を張設した一方の駆動輪３と同軸
３１に遊合したレバーで、クランク３２により中間の支
点を中心として左右に揺動されるレバー３３とロツド３
４により連結し、前記レバー３０に送爪３５を取付け、
駆動輪３の軸３１には前記送爪３５が右へ動くとき掛り
、左へ動くとき外れる爪車３６を取付けて、コンベヤ１
を一定の時間間隔で一定ピッチ送り出させる間歇送り手
段Ｃを構或させる。

３７はコンベヤ１の間歇送り手段Ｃと、昇降体１５即ち
包丁２５の昇降手段Ｂとを同調駆動するモータで、その
回転を所望に減速させる減速機３８の出力軸３９へ昇降
手段Ｂにおける偏心輪２９ヘチェン４０により伝動させ
る鎖車４１と、間歇送り手段Ｃにおけるクランク３２と
を取付けて、間歇送り手段Ｃと昇降手段Ｂとをコンベヤ
１の送りが停止している間に、昇降体１５の昇降が行わ
れる様にしてある。

４２は間歇送り手段Ｃの送りピッチ調整部材で、ロツド
３４に回動自在に取付けたナット４３に螺合させたボル
トを用い、このボルト４２ヘハンドル４４の回転をギャ
４５． ４６により伝達して、レバー３０に対するロツ
ド３４の連結位置を変え、レバー３３の一定した揺動ス
トロークを大小に変換して送爪３５に伝達させる。

４７は原料肉４８の押え部材で、なるべく包丁２５へ接
近する様に昇降体１５へ取付け、包丁２５よりも多少早
く原料肉４８へ当って之を押えるが、以後は弾力により
押え力を緩和する様にクッション性を与えてある。

４９はまな板で、原料肉４８を乗せてコンベヤ１の始端
へ供給し、コンベヤ１の終端から切身を乗せたまま後方
の受台へ送り出させるものである。

本考案に関する自動切身用コンベヤの実施の一例は前述
の通り構戒されるものであるから、之を用いて切身製造
を行うときは、間歇送り手段Ｃによりコンベヤ１を駆動
し、揺動手段Ａにより包丁２５を揺動させつつ、昇降手
段Ｂにより昇降体１５を昇降させて、コンベヤ１の始端
へまな板４９に乗せた原料肉４８を供給すれば、原料肉
４８はコンベヤ１の進行に伴い、包丁２５の下部に進む
と、包丁２５が高速振動しつつ下降して原料肉４８へ切
込み、切り終り時まな板４９へ当るもので、このとき包
丁２５が水平に保たれていれば、包丁２５がまな板４９
へ平に当るため摺動片５，５がコンベヤ１へ当るコンベ
ヤガイド６は、平衡ばね８，８の一様な緊縮により水平
を保持されて、コンベヤ１とその上のまな板４９を水平
に保つ。

しがし、包丁２５が傾斜していると、その低い方が早く
まな板４９に当ってこれを押える。

すると摺動片５，５がコンベヤ１に当るコンベヤガイド
６は、支持する平衡ばね８，８の押えられた方が他方よ
りも多く緊縮するためコンベヤ１と同様に傾斜して、コ
ンベヤ１とその上のまな板９の傾きを包丁２５に合せる
がら、包丁２５はその傾きに関係なくまな板４９に良く
馴染み、まな板４９上の原料内を切り残しを生じない様
に完全に切断するものである。

前述の様に本考案に関する自動切身機用コンベヤは、刃
物がコンベヤに対して傾き、コンベヤ上のまな板へ斜め
に当ってまな板の一方だけを押えると、コンベヤガイド
の両端を支持する平衡ばねの一方が多く緊縮し、コンベ
ヤガイドを傾がせて、コンベヤ上のまな板を刃物の傾き
に合せるがら、刃物の全体がまな板へ当り、原料肉を切
り残しがない様に完全に切断するため、各切身が切り残
しにより接がり合うことのない良好な切身が能率良く安
全に製造されるだけでなく、ガイドを支える平衡ばねは
、刃物がまな板へ当るときその衝撃を吸収するため、刃
物の刃つぶれやまな板の損傷が軽減される効果も有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に関する自動切身機用コンベヤの実施の一
例を示すもので、第１図はこのコンベヤを使用した自動
切身機の正面図。 第２図は平面図、第３図はコンベヤの構造と刃物の駆動
系統を示す拡大縦断側面図である。 図中１はコンベヤ、３は駆動輪、４は従動輪、６はコン
ベヤガイド、ａは支軸、８，８は平衡ばね、２５は昇降
刃物である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動輪と従動輪とに張設して原料肉を送らせるコンベヤ
   の原料肉を切断する昇降刃物に対応する部分の裏側に、
   中心を支軸に枢着して左右へ傾斜自在としたコンベヤガ
   イドを設け、このコンベヤガイドに一対の平衡ばねを係
   合させたことを特徴とする自動切身機用コンベヤ。