JPS599685Y2 - 沈殿装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、汚水その他産業廃液などの有機性廃水中の懸
濁性物質を沈降分離して浄化する装置、特に沈降処理能
力を高める傾斜板を配備した傾斜板式沈澱装置に関する
ものである。

一般に汚水などを浄化処理するに際しては原水中の懸濁
性物質を沈降作用で分離除去することが行なわれている
が、良質な処理水とするために傾斜板を用いても、従来
の傾斜板沈澱池は下水、し尿などの有機性廃水に適用す
ると、粘着性スライムが傾斜板上に繁殖付着するし、ま
たスラツジが堆積し、目づまりをおこし水流が偏流した
り、堆積スラツジが腐敗し、ガスが発生し浮上するなど
の悪現象が起き、実際には適用が困難であった。

本考案は、このような従来の傾斜板沈澱池の本質的欠点
を除き、スラツジの傾斜板上への堆積を完全に解消する
ことによって有機性廃液への適用を可能とした新規な傾
斜板式の沈澱装置を提供することを目白勺とするもので
゛ある。

本考案は、折り曲げ自在なシート状部材を沈澱池内の上
下方向にジグザグ状に配備し、該シート状部材の下端部
に重錘又はスプリングを設けるとともに、前記シート状
部材の上端部を、水面上に備えた駆動機構例えば回転ロ
ールに連絡し、該シート状部材を上下方向に周期的に移
動せしめるように構威したことを特徴とする沈澱装置で
ある。

本考案を前記沈澱池３として検流式沈澱槽とした実施例
について説明すると、前記シート状部材１は沈澱池３内
に複数吊り下げられるものであってそれぞれ沈澱池内の
上下方向にジグザグ状に複数の支持部材２・・・・・・
で配備されているものであるが、前記シート状部材１は
合戒樹脂シート、ゴムシ一ト又は布シートの折曲可能な
柔軟材シートがら或るものを用いるので容易に配備でき
、その下端に重錘４を設けて吊下げたり、スプリングの
伸縮自在の弾性部材５で張装してたるみをなくし常に緊
張した状態下で保持され、且つ上下移動ができるように
してある。

一方、シート状部材１の上端は水面上に備えた駆動機構
である回転ロールの巻取部６に巻かれており、駆動装置
８によって、回転ロールは時計回り、反時計回りに周期
的に反復回転する。

その結果シート状部材１は、周期的に上下方向に移動し
、傾斜シート面に堆積したスラッジは支持部材２で反転
するとき落下するようになっている。

この場合シート状部材１はそれぞれ個別に同一方向に巻
取られるようになっているが゛異方向に移動（巻取部の
回転を交互に異ならせる）させたり、二以上をまとめて
移動させるが無端状に循環させて異方向に移動させるこ
ともできるし、水流方向に添ってブロックに分けた移動
方向に選んでシート状部材１を駆動装置８に直接又は伝
動機構などを介して間接的に連絡することができる。

また前記支持部材２は、支杆を用い喰い違いに上下方向
に配備するとジグザグ状にシート状部材１を形戒するこ
とが容易に可能であり、必要に応じこの支持部材２を上
下方向又は水平方向若しくは傾斜方向に移動可能の形態
としてシート状部材１上の堆積物を落下除去させるのに
役立たせることもできるが、前記支持部材２に前記シー
ト状部材１の部材面の少なくともいずれがの面に擦接す
るスクレーパ７を備えることで十分その目的が達戊でき
る。

より効果的には、スクレーパ７をシート状部材１のシー
ト面に対向して設けておくのが望ましい。

なおシート状部材１の移動距離は例えば支持部材２，２
の一屈折間即ちＡ，Ｂ間の傾斜面ユニットのみでよくシ
ート全体を巻きあげる必要もないし、さらに移動距離を
短縮化するにはＡ，Ｂ間に支持部材２或いはスクレーパ
７を適宜配備することで達或できる。

また支持部材の個数に反比例して、シート状部材を上下
方向に移動すべき距離（支持部材間の距離）が減少し、
シート状部材の長さが節約できるとともに、シート状部
材が多数の点で反転されているため付着物の落下も促進
することができる。

なお一度上にもちあげたシート状部材１のシートを再び
下に移動させる／場合は、回転ロールを反時計方向に回
転させれば、重錘４の重量で下に移動してゆくが、スム
ーズに移動させるためには、スプリングなどの弾性部材
５をシートの下部と、固定部９との間に連結しておくの
が簡単でよく、積極的に回転巻取部で巻き戻してもよい
が、巻取部６を省略して支持部材２の一つを水面上に配
し該支持部材を回転可能として巻取り巻戻す構或として
もよい（この場合駆動装置８は回転する支持部材に連絡
されることとなる）シ、支持部材２を中空支杆として圧
力水又はガスをシート面に噴射させて堆積物除去作用に
役立たせてもよい。

前記駆動機構としては巻取部の他にもレバーなどシート
状部材１を上下移動できるものであればよい。

しかして、原水は流入口から沈澱池３に供給され横向流
れで傾斜板間を通過して処理水として系外へ流出される
が、原水中の懸濁性物質（ＳＳ）は、シート状部材１相
互の間隙を流過してゆくうちに、シート状部材１のシー
ト面上に沈降してゆき、ＳＳは自重でシート面上をすべ
りおち下方向に去ってゆ〈。

しかし一部のＳＳは傾斜面上に付着したまま次第に堆積
してゆこうとする。

ところがシート状部材１は、周期的に上下運動をしてい
るので運動に伴なうシートの揺動作用及び／又は支持部
材２におけるシート面の反転作用さらには必要に応じス
クレーパ７による付着ＳＳのかき落し作用の作用が働き
、従来の傾斜板装置のようなスラッジ堆積トラブルは全
く発生せず、常に良好なる沈降分離機能を発揮すること
ができる。

本考案により、シート状部材上へのスラツジ堆積を適確
になくし沈降効率を著しく高められ有機性廃液の処理を
可能とし、しかもシート状部材の設置も簡易で稼動率も
大巾に向上し運転も安定して適正な浄化処理が行なえシ
ート状部材間の閉塞や腐敗ガス発生などの問題も生ずる
ことなく処理できると共に駆動機構のメンテナンスが容
易であるし、経済的なコストで処分できる実用上の効果
か゛ある。

【図面の簡単な説明】

図面は実施例を示す縦断面図である。 １・・・・・・シート状部材、２・・・・・・支持部材
、３・・・・・・沈澱池、４・・・・・・重錘、５・・
・・・・弾性部材、６・・・・・・巻取部、７・・・・
・・スクレーパ、８・・・・・・駆動装置。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）折り曲げ自在なシート状部材を沈澱池内の上下方
   向にジグザグ状に配備し、該シート状部材の下端部に重
   錘又はスプリングを設けるとともに、前記シート状部材
   の上端部を、水面上に備えた駆動機構例えば回転ロール
   に連絡し、該シート状部材を上下方向に周期的に移動せ
   しめるように構戊したことを特徴とする沈澱装置。
2. （２）前記シート状部材が、ジグザグ状に配備するため
   の支持部材を備え、この支持部材を水平方向に移動可能
   に設けてある実用新案登録請求の範囲第１項記載の沈澱
   装置。
3. （３）前記支持部材が、前記シート状部材面の少なくと
   もいずれかの面に擦接して前記シート状部材の移動時に
   シート状部材上の汚泥をかき落とすスクレーパを備えた
   ものである実用新案登録請求の範囲第２項記載の沈澱装
   置。