JPS599615B2 - 超塑性を有する強靭球状黒鉛鋳鉄及び熱処理方法 - Google Patents

超塑性を有する強靭球状黒鉛鋳鉄及び熱処理方法

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JPS599615B2
JPS599615B2 JP49110160A JP11016074A JPS599615B2 JP S599615 B2 JPS599615 B2 JP S599615B2 JP 49110160 A JP49110160 A JP 49110160A JP 11016074 A JP11016074 A JP 11016074A JP S599615 B2 JPS599615 B2 JP S599615B2
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    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/005Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment of ferrous alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D5/00Heat treatments of cast-iron
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S420/00Alloys or metallic compositions
    • Y10S420/902Superplastic

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は強靭で而も共析温度とそれより50℃高い温
度の範囲で超塑性を有し、塑性加工の容易な球状黒鉛鋳
鉄並びにその熱処理方法に係る。
鋳鉄は球状黒鉛鋳鉄の発明によって強度が飛躍的に増加
したが、常温における伸びや衝撃値等は鋼に及ばないの
で、これを改善するため黒鉛の微細化或いは特殊元素の
添加等が試みられているが充分な成績をあげるに至って
おらず、その上特殊な溶解法を必要としたり、或いは原
材料費の増大を来たす等の欠点を有する。
更に、鋳鉄は塑性加工性にとぼしく、加工用素材として
の用途がきわめて狭い。
したがって鋳鉄の持つ性質をそこなうことな《塑性加工
が可能になればその用途は益々拡大するものと期待され
る。
本発明は従来材質の上記の如き欠点を改良した球状黒鉛
鋳鉄を提供することを目的としており、炭素3〜4係、
珪素1.5〜2.5係、マンガン0.4〜1.5係、燐
0.1φ以下、硫黄0.02係以下、黒鉛化球状化元素
としてマグネシウム、カルシウム,セリウム、イットリ
ウムの1種または2種以上を合計で0.07%以下、残
部実質的に鉄よりなり、フエライト結晶粒中に微細な粒
状セメンタイトが分布している微細組織を有し、強靭で
かつ共析温度とそれより50℃高い温度の範囲で最大ひ
ずみ速度感受性指数が0.3以上の超塑性を有する球状
黒鉛鋳鉄、上記の化学成分組成よりなる球状黒鉛鋳鉄の
うちオーステナイト領域からの空冷によってマルテンサ
イトを生じないものについて、オーステナイト領域まで
急速加熱したのち空冷する操作を繰返すことを特徴とす
る上記の超塑性を有する球状黒鉛鋳鉄を得る熱処理方法
、および前記の化学成分組成よりなる球状黒鉛鋳鉄のう
ちオーステナイト領域からの空冷によってマルテンサイ
トを生ずるものについて、オーステナイト領域に加熱し
て空冷し、これを共析温度区間内に焼戻しだのち冷却す
ることを特徴とする前記の超塑性を有する球状黒鉛鋳鉄
を得る熱処理方法に係り、高価な特殊元素を含有せしめ
ることなく、常温で強力でかつ伸びが大きく、而も共析
温度区間とそれより50℃高い温度の範囲で大きな塑性
を示す球状黒鉛鋳鉄を熱処理によって得ることができ、
鍛造、圧延等による加工が可能になり、従来の鋳造品と
しての用途のほかに、加工用材料としての用途カ大きく
開けることになる。
微細結晶組織をもつ金属材料の変形挙動は通常組織のそ
れに比して種々の点で異なっており、数ミクロンの結晶
粒径をもつZn−Al共折合金或いはkl−Cu共晶合
金では数百ないし数千係以.上の巨大な伸長がくびれを
生ずることなしに、而も低い流動応力で得られることが
知られている。
これらの合金の組織は高い試験温度においても安定して
おり、微細組織が維持されることが特徴である。
このような現象は恒温超塑性或いは微細結晶超塑性と言
われており、多くの非鉄合金や純金属で認められている
鉄鋼材料については低合金鋼、低マンガン鋼を変態温度
区間の上から温度を下げながら加工を続げた場合に変態
温度区間で超塑性が得られることが報告されている。
また発明者等は低炭素球状黒鉛鋳鉄における試験でクリ
ープひずみ速度が共析変態温度区間で極大を示すことを
明らかにし、超塑性の可能性を示唆した(田中、井川:
金属学会誌37(1973)、P321)。
ところで金属材料が引張りを受ける場合の流動dε 応力をσ(kq/yna)、ひずみ速度をーとすればd
t dε σ一k・(一一→m dt なる関係があることが知られている。
ここにk二常数で、mは流動応力のひずみ速度感受性指
数(本明細書ではひずみ速度感受性指数という)と言わ
れ、ひずみ速度や温度等で変って来るが、上記の式から
判るようにmが太き《なれば流動応力dε σはひずみ速度一の減少に伴なってその減少率dt が大きくなる。
また非鉄合金の超塑性材料における研究によれば、高い
ひずみ速度感受性をもつことは大きな伸びを示すことと
同一視される。
本発明者等は種々研究の結果、球状黒鉛鋳鉄においても
セメントタイト安定化元素としてマンガンを含有せしめ
、かつ微細組織とすることによって2xlO ”mi
n ’のひずみ速度において0.3以上の大きなひず
み速度感受性指数mを得ることができた。
即ちその微細組織を熱処理によって得ることができ、か
つマンガンを添加してセメンタイトを安定化させること
によって共析温度区間およびその近労において微細組織
を維持することに成功した。
本発明における球状黒鉛鋳鉄は例えば第1表に示すよう
な通例の化学組成の球状黒鉛鋳鉄に対してセメントタイ
ト安定化元素として比較的その力の弱いマンガンを、最
大ひずみ速度感受性指数mが0.3以上になるように添
加する。
本発明者等の研究結果から得られたひずみ速度2X10
”min−1の場合のマンガン含有量と最大ひずみ速
度感受注指数mとの関係を示す第1図か゛らマンガンを
0.4係ないし1,5係含有するように添加する。
最大ひずみ速度感受性指数mはひずみ速度や温dε 度によって変るが、ひずみ速度一=2X10−3min
’dt において0.3以上あればよく、これが0.3以下にな
ると次第に、引張り試験において試験片にくびれを生じ
、局部的な変形を生じて破断するようになり、また加工
に際してはクラツクを生じ易くなるので望ましくない。
従ってmが0.3以上になるようにマンガン含有量は0
,4係以上とし、またこれが1.5係を越えると組織中
に遊離炭化物が析出するようになるので上限は1.5係
とするのがよい。
マンガン以外の成分元素について言えば周知のとおり、
炭素は3係未満ではチルが入り易く、一方4係を越える
と溶湯に黒鉛球状化処理を施す際にドロスの発生が多量
になり、これが鋳造品の中に混入して欠陥となり易《な
るので、その含有量は3〜4係とする。
珪素は1.5受未満ではチルが入り易く、一方2.5係
を越えると珪素の脆化作用の影響が出て靭性を損なうの
で、その含有量は1.5〜2.5係とする。
燐は通常不純物として含有される元素であるが、材料を
脆くする作用があるからその含有量は0.1鳴以下とす
る、 ** 硫黄は通常
不純物として含有されるが、特に黒鉛球状化阻害作用の
強い有害な元素であるから少ないほど好ましい。
硫黄含有量が0.02%を越えると黒鉛球状化処理に際
し、球状化処理剤を多量に使用しなければならなくなり
、その結果ドロスの発生が多くなって鋳造品の欠陥の原
因となり易い。
また甚しい場合は黒鉛球状化が著しく困難になる。
従って金属溶湯の硫黄含有量が0.02%を超える場合
には黒鉛球状化処理に先立って脱硫処理を施して0.0
2%以下にする必要かある。
黒鉛球状化処理剤としてマグネシウムまたはマグネシウ
ム合金のほかにセリウム、イットリウム或いはカルシウ
ム等の1種または2種以上が使用されるのは周知のとお
りであり、これらのうちマグネシウムまたはその合金が
最も広《使用されている。
黒鉛球状化元素の鋳鉄中に残留する量は通常0.07〜
0.035%の範囲にあることが多い。
従ってこれら元素の含有量は0.07%以下とする。
次に実施例としてマンガン含有量を変化させた場合の試
験について説明する。
通例の球状黒鉛鋳鉄の化学組成のものについてマンガン
含有量を変化させた第2表に示す試料MO3,MIOお
よびM15を通常の球状黒鉛鋳鉄の製造法に従って溶製
した。
このうち試料M1.0およびM15は本発明に係る球状
黒鉛鋳鉄でマンガンを添加して含有量を高めたもの、M
O3はマンガンを特に添加しなかったマンガン含有量の
少ない対比材である。
これらの化学組成を第2表に示す。
また熱膨脹計法で求めた各試料の共析温度区間も併記し
てある。
これらの試料はいずれも鋳造後900〜950゛℃に7
〜20hr保持して第1段の黒鉛化処理を行ない、更に
700℃で第2段の黒鉛化処理(フエライト化焼鈍)を
行なった。
これらの試料の標準組織を作るため試料MO3およびM
IOについては850℃に2hr.加熱後空冷の焼なら
しを、試料M15については共析温度の700℃におけ
る焼鈍を16時間行なったのち空冷を行なった。
第2〜第4図は各試料についての標準組織を示す顕微鏡
写真で第2図の試料MO3はいわゆるブルスアイ組織、
第3図の試料MIOおよび第4図の試料M15はパーラ
イトの基地組織と球状黒鉛よりなる組織を示している。
次にこれらの試料を微細組織とするため前記黒鉛化焼鈍
を行なった試料から切出した試験片素材(i2X1 2
x75m)のうち試料MO3およびMIOは820℃に
保持したアルミニウム浴に25秒間浸漬攪拌したのち空
冷するサイクルを10回繰返した。
始めの5〜6回の加熱空冷の繰返しではいまだ層状のパ
ーライトが残存していたが、6〜7回以上繰返すと板状
のセメンタイトはこまかに分断されて細粒になった。
この操作を10回繰返して充分にセメンタイトをこまか
に分断粒状化して、基地組織を微細組織とした。
試料M15はオーステナイト領域から空冷するとマルテ
ンサイトを生じたので、850℃に2hr.保持して空
冷し、次゛に共析温度区間内の700℃に2hr.焼戻
しだのち空冷して微細組織とした。
これらの試料の顕微鏡組織を第5〜第7図に示す。
第5図は試料MO3の、第6図は試料MIOの微細組織
を示し、基地はフエライト中にきわめて微細な粒状セメ
ンタイトが分散した組織より成り、第7図は試料M15
の微細組織を示し、空冷でマルテンサイトを生じたもの
を共析温度に焼戻しだのでフエライト中にきわめて微細
な粒伏セメンタイトが分散したこまかなパーライト組織
が麻の葉状を呈して存在しているのが見られる。
これら第5〜7図を夫々第2〜4図に示す標準組織に比
較してみれば、基地組織が微細化し、きわめて微細な粒
状セメンタイトがフエライト中に分布している組織とな
っていることが明らかに認められる。
上記の各試料についての常温における引張り試験成績を
第3表に示す。
本発明に係る試料MIOおよび試料M15の微細組織の
試料は引張り強さが標準組織の試料の127〜139%
の高い値を示し、伸びも微細組織の方が標準組織のもの
より大きくなっており、本発明に係る球状黒鉛鋳鉄は常
温においても強靭であることがわかる。
これらの微細組織の試験片素材から試験片を切出して、
インストロン型引張試験機によりクロスヘッド速度0.
05M/minから5mm/minで、各試料の共析温
度以下、共析温度区間および共析温度以上の温度で定ひ
ずみ速度引張試験を行なった。
その代表的な試験結果を示せば次のとおりである。
第8図〜第10図は各試験温度における定常状dε 態流動応力σとひずみ速度一との関係を試料別dt に示している。
マンガンを添加しなかった試料MO3においては第8図
から判るようにひずみ速度感受性指数mはいずれの温度
においても試験したひずみ速度の範囲では0.3に達せ
ず、゛低い値を示している。
然るにマンガンを0.92%含有させた試料MIOは第
9図に示すように低ひずみ速度領域、特に共析温度区間
内の748℃で高いひずみ速度感受性指数m=0.42
を示しており、またマンガン1.42%の試料M15で
は第10図に示すようにいずれの試験温度においても低
ひずみ速度で、例えばオーステナイト領域の温度748
℃におけるm=0.5の如き高いひずみ速度感受性指数
を示している。
第11図〜第12図は全伸び量と試験温度との関係をひ
ずみ速度別に示しており、第12図には標準組織の試験
片の値を対比させて示している。
試料MO3はいずれの基地組織においても40係以下の
低い伸びを示し、試験温度或いはひずみ速度の影響を殆
んど受けない。
然るに試料M10では共析温度区間の748℃で大きな
伸びを示し、特に低ひずみ速度において最高の伸び99
%を示した(第11図)。
また標準組織と微細組織との相違が第12図の700℃
と748℃において見られるように伸びの差として明ら
かに認められ、微細組織試験片の伸びが著しく太きい。
然しなから共析温度区間の748℃を過ぎると微細組織
試験片(△印)の伸びは減少し、820℃(オーステナ
イト領域)では標準組織試験片(▲印)の伸びとほぼ同
じになる。
試料M15については700℃(共析温度区間)以下で
はいずれのひずみ速度においても伸びはほぼ一定である
が、748℃(オーステナイト領域)において急激に大
きい伸びを示し、而も低ひずみ速度で伸び量が太きい。
上記の定ひずみ速度引張試験結果から明らかなようにマ
ンガンを添加しなかった対比材MO3のひずみ速度感受
性指数mはこの試験のいずれのひずみ速度においても0
.3以下であり、伸びも40係以下であったのに、本発
明に係る試料MIOにおいては共析温度区間で平均85
係、最大99係の伸びを示し、また試料M15において
は共析温度区間では十分大きな伸びを示さなかったが、
それより約50℃高い試験温度748℃において大きい
伸びを示した。
各試料の伸びの高温における挙動はそれぞれの顕微鏡組
織から次のように説明できる。
即ち第13〜第15図は各試料の定ひずみ速度引張試験
片の破断部近労の顕微鏡組織を示しており、第13図は
試料MO3を共析温度以下の700℃で引張試験し39
係の伸びを示したものについての組織であるが、基地の
フエライト化が進行しているのが観察される。
第14図は試料MIOにツイて共析温度区間内の748
℃で試験して99係の最大伸びを示したものの組織であ
って、長時間の引張試験のため局部的に基地組織のフエ
ライト結晶粒の成長が見られる。
しかし高温で微細な粒状セメンタイトがフエライトに溶
けこんでオーステナイトとなっていた部分の結晶粒は数
ミクロンの大きさであるから、試験温度に於ても微細な
オーステナイト結晶粒と微細なフエライト結晶粒との混
合組織を呈していたものと推定される。
なお黒鉛粒の両側に引張力向に対して45°の方向に円
錐状の空洞が生じているのが認められ、これが破断の原
因となっているものと考えられる。
従って鋳鉄においては非鉄合金或いは炭素鋼等の超塑性
材料に見られるような数百係というような大きな伸びは
得られないであろう。
第15図は同じく試験温度748℃で81係の伸びを示
した試料M15についての組織である。
この温度は試料M15のオーステナイト領域であるが、
炭化物安定化元素であるマンガンが多量に含有されてい
るためセメンタイトの分解が抑制され、長時間の引張り
試験にもかかわらずオーステナイト化は完了せず、フエ
ライト+オーステナイト+セメンタイトの微細な混合組
織が形成されているのが明瞭である。
即ち試料MIOおよびM15が試験温度において超塑性
を示すのは微細なフエライト結晶粒とオーステナイト結
晶粒とが混在した組織によるものと考えられ、このよう
なフエライトとオーステナイトの微細混合組織は常温に
おける微細な粒状パーライト組織によって生ずるのであ
る。
試料M15の場合にはオーステナイト領域においても微
細混合組織を呈しながら、温度の上昇につれて硬いセメ
ンタイトが次第に分解して行《ため第11〜第12図に
示されるように試験温度が高《なるほど伸びが大きくな
るものと考えられる。
一方、試料MO3が超塑性を示さないのは共析温度以下
の試験温度においてフエライト化が進行し、而も該フエ
ライト中に微細な粒伏セメンタイトが残留していること
、また更に温度を上げればセメンタイトは分解して結晶
粒が粗大化する結果、オーステナイトとフエライトとの
微細混合組織が得られないことによるものと考えられる
なお試料M15について748℃以上の温度での試験は
行なわなかったが、これより更に大きく温度を上げても
微細混合組織の維持が困難になるであろうから伸びが更
に著しく大きくなることは期待できない。
以上説明したように本発明に係る球状黒鉛鋳鉄において
は最大ひずみ速度感受性指数mIJ’0.3以上になる
ように通例の化学組成の球状黒鉛鋳鉄に炭化物を安定化
させるためマンガンを添加しておき、単に熱処理を施す
だけで微細組織にすることができ、その材質は常温にお
いて強力で伸びが大きい上に、共析温度とそれより約5
0℃高い温度の範囲に加熱しても微細なオーステナイト
とフエライトとの混合組織を呈するので超塑性の性質を
示し、塑性加工が可能になる。
また特許請求の範囲2記載の熱処理方法によれば、特許
請求の範囲1記載の球状黒鉛鋳鉄においてオーステナイ
ト領域から空冷することによってマルテンサイトを生じ
ないものについて、オーステナイト領域からの空冷を繰
返し施すことによって微細組織とすることができ、超塑
性を有する球状黒鉛鋳鉄とすることができる。
更に、特許請求の範囲3記載の熱処理方法によれば特許
請求の範囲1記載の球状黒鉛鋳鉄においてオーステナイ
ト領域から空冷することによってマルテンサイトを生ず
るため特許請求の範囲2記載の熱処理方法を適用できな
いものについて、オーステナイト領域から空冷したのち
共析温度区間に焼戻すことによって微細組織とすること
ができ、超塑性を有する球状黒鉛鋳鉄とすることができ
るので、その工業上の効果はきわめて太きい。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係る球状黒鉛鋳鉄のマンガン含有量と
最大ひずみ速度感受性指数との関係の一例を示すグラフ
、第2図は対比材の標準組織、同じく第3図は本発明に
係る球状黒鉛鋳鉄の標準組織、同じく第4図は本発明に
係る他の球状黒鉛鋳鉄の標準組織を示す顕微鏡写真、第
5図、第6図、第7図は夫々第2図、第3図、第4図に
示す材料の微細組織を示す顕微鏡写真、第8図は対比材
の流動応力とひずみ速度との関係を示すグラフ、第9図
は本発明に係る球状黒鉛鋳鉄の第8図と同様なグラフ、
第10図は同じく本発明に係る他の球状黒鉛鋳鉄の第8
図と同様なグラフ、第11図、第12図は延びと試験温
度との関係をそれぞれひずみ速度別に示すグラフ、第1
3図、第14図、第15図は高温における定ひずみ速度
引張試験片の破断部近くの顕微鋭組織を示す写真で、第
13図は対比材の、第14図は本発明に係る球状黒鉛鋳
鉄の、第15図は同じく本発明に係る他の球状黒鉛鋳鉄
の組織を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素3〜4係、珪素1.5〜2.5係、マンガン0
    .4〜1.5係、燐Q.1係以下、硫黄0.02係以下
    、黒鉛球状化元素としてマグネシウム、カルシウム、セ
    リウム、イントリウムの1種または2種以上を合計で0
    .07%以下、残部実質的に鉄よりなり、フエライト結
    晶粒中に微細な粒状セメンタイトが分布している微細組
    織を有し、強靭でかつ共析温度とそれより50℃高い温
    度の範囲で最大ひずみ速度感受性指数がQ.3以上の超
    塑性を有する球状黒鉛鋳鉄。 2 炭素3〜4係、珪素1.5 〜2.5%、マンガン
    0.4〜1.5優、燐0.1チ以下、硫黄0.02係以
    下、黒鉛球状化元素としてマグネシウム、カルシウム、
    セリウム、イントリウムの1種または2種以上を合計で
    0.07%以下、残部実質的に鉄よりなる球状黒鉛鋳鉄
    のうち、オーステナイト領域からの空冷によってマルテ
    ンサイトを生じないものについて、オーステナイト領域
    まで急速加熱したのち空冷する操作を繰返すことを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の超塑性を有する球状
    黒鉛鋳鉄を得る熱処理方法。 3 炭素3〜4係、珪素1.5〜2.5係、マンガン0
    .4〜1.5係、燐0.1係以下、硫黄0.02係以下
    、黒鉛球状化元素としてマグネシウム、カルシウム、セ
    リウム、イットリウムの1種または2種以上を合計で0
    .07%以下、残部実質的に鉄よりなる球状黒鉛鋳鉄の
    うち、オーステナイト領域からの空冷によってマルテン
    サイトを生ずるものについて、オーステナイト領域に加
    熱して空冷し、これを共析温度区間に焼戻しだのち空冷
    することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の超塑
    性を有する球状黒鉛鋳鉄を得る熱処理方法。
JP49110160A 1974-09-25 1974-09-25 超塑性を有する強靭球状黒鉛鋳鉄及び熱処理方法 Expired JPS599615B2 (ja)

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