JPS599146B2 - 家畜、家禽の成長促進剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は抗生物質やサルファ剤に対して耐性を付与した
ストレプトコツカス・フエカリス（ Ｓ ｔｒｅｐｔｏ
ｃｏｃｃｕｓ ｆａｅｃａｌｉｓ ）を有効成分とす
る家畜、家禽の成長促進剤に関するものである。

最近、家畜、家禽用人工飼料にはその生産性向上を図る
ため抗生物質が飼料添加物として用いられ、それなりの
効果を示しているが、，抗生物質によるマイナス面も問
題にされつつある。

即ち、抗生物の多用により腸内細菌叢に乱れを生じさせ
、腸内細菌叢の本来持っている外来病原菌からの感染防
禦機能の低下と、下痢などの症状にみられる腸機能の異
常をひきおこしている。

この為、従来からある種の乳酸菌製剤が家畜用として用
いられているが、これら乳酸菌製剤はほとんどの抗生物
質に感受性があり、抗生物質との併用により腸管内で増
殖できず、また、使用される乳酸菌種についても色々疑
問視されている。

本発明者らは、この様な欠点を克服すべく種種検討した
結果、多剤耐性化ストレプトコツカス・フエカリスを飼
料添加物としてよく用いられている種々の抗生物質と併
用してもその活性を失わないことを見出し、さらに、こ
の菌を家畜に用いたところ、抗生物質による腸内菌叢の
乱れから生ずる下痢や大腸菌感染による白痢の防止ばか
りか、成長促進に顕著な効果があることを見出し、本発
明を完成するに至った。

本発明の実施例にはストレプトコツカス・フエカリスＢ
ＩＯ−４Ｒ株を有効成分とするコンクエンテロポリアー
ル末（商標；株式会社目黒研究所の製造及び販売）を用
いた。

この多剤耐性菌製剤は１グ中に１０８個以上の生菌を含
有しており、飼料に対し０．０５〜０．１％程度添加し
て用いることができる。

次に、本発明の効果をコンクエンテロポリアール末（以
下、ＣＥＰＲと略す）を用いて説明する。

なお試験実施には、ストレプトコツカス・フエカリスＢ
ＩＯ−４Ｒの耐性付与前の原株（ストレプトコツカス・
フエカリスＢＩＯ株）を１１中に１０８個以上含有する
粉末（ＣＥと略す）の投与群及び菌無添加群を対照とし
た。

実施例 １ 飼料添加物指定抗生物質に対して、ＣＥＰＲの持ってい
る耐性の程度を調べた。

方法は平板希釈法により、抗生物質添加培地の菌の発育
をしらべ、各抗生物質に対する最少発育阻止濃度を求め
た。

その結果は表１の通りである。

表 １ 抗や物質 最少発育阻止濃度（μグ／ｒｒ
ｔｌ） ハイグロマイシン ４４０※亜鉛バラ
トラシン １．３※オレアンドマ
イシン ３００キタサマイシン
６００硫酸カナマイシン ２
００００硫酸フラジオマイシン ２００オ
キシテトラサイクリン 〉８１０硫酸コリスチ
ン ２５０エンラマイシン
３１、２（註） ※印の単位はｕｎｉ
ｔ／１ｒＬｌ実施例 ２ 豚における試験成積 （１）下痢発症の予防 ＣＥＰＲが子豚の白痢の発症の予防に有効かどうかをみ
るため、正常便の子豚に体重１ｋｇ９つ白痢の発症して
いる豚の下痢便を約４０１経口投与した。

投与した下痢便中には、Ｅ．Ｃｏｌｉ （Ｏ型）が約
１×１０８／グ検出されている。

この下痢便の投与の前からＣＥＰＲの投与を続けている
もの（Ａ群）、ＣＥを投与し７ている群（Ｂ群）および
ＣＥＰＲ．ＣＥのどちらも投与せず下痢便だけを投与し
た群（Ｃ群）に分げてこれらの白痢防止効果をみた。

これらの試験に供した子豚は、Ｔ社製の補乳期用人工乳
を飼料として与えていて（不断給与）この人工乳には１
トンあたりコリスチン３０１、エンラマイシン２０グ、
デストマイシン８グ（それぞれ力価）などの抗生物質が
含まれている。

結果は図１の通りである。

（１）試験期間：約７週間 （２）供試豚：生後約１週令の子豚 （３）乳酸菌の投与方法二人工乳に０．０５％、０．１
％の割合で加える。

図１より、ＣＥＰＲ，ＣＥの投与により、白痢の防止効
果のあることがうかがわれる。

特にＣＥＰＲの投与によりその効果は著明であつた。

すなわち、下痢発生率は表２のようになった。

（２）下痢治療効果 ＣＥＰＲが豚の下痢の治療に効果があるかを知るため次
の要領で実験を行なった。

生後６０日目位までの子豚の中から、下痢をおこしてい
るものを対象として、ＣＥＰＲおよびＣＥを与え、便性
状と治癒効果を観察した。

投与量は１頭あたり、ＣＥＰＲおよびＣＥを各各０．３
Ｐ／日とし飼料に混ぜて投与した。

この間、使用した飼料は主にＫ社の配合飼料で、１トン
あたりコリスチン５グ、エンラマイシン２０グ、デスト
マイシン６１（それぞれ力価）などの抗生物質が含まれ
ている。

その結果を表３に示す。

対象とした子豚の下痢便は、黄白色で光沢のある粥伏あ
るいは水様便と、灰白色シツクィ様の粥状のものとが観
察されたが、いずれも乳酸菌投与により便性状の改善効
果がみられ、特にその効果はＣＥＰＲ投与群に顕著であ
った。

なお、本実験では、菌の効果をみるため、通常の下痢治
療の目的に用いる薬剤の投与は全て避けた。

（３）発育成績 約３０日令の子豚を３群（１群６頭）に分け、ＣＥＰＲ
，ＣＥを０．１％添加した飼料および菌無添加飼料でそ
れぞれの群を飼育し、約８０日令までの５０日間の増体
重および飼料要求率をしらべた。

結果を表４に示す。菌の投与により、増体重、飼料要求
量ともに改善効果がみられ、特にＣＥＰＲの投与の効果
が顕著であった。

実施例 ３ 鶏における試験成績 約４週令のブロイラー３０羽を３群に分け、１＜・群（
ＣＥＰＲｏ．１％添加飼料）、■群（ Ｃ Ｅ ０．
１％添加飼料）、■群（菌無添加飼料：対照）のそれぞ
れについて約１０週令まで飼育し、体重増加の効果をし
らべた。

結果を第５表に示す。

菌添加による増体重の効果が認められた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多剤耐性化したストレプトコッカス・フエカリス（
   Ｓｔｒｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓ ｆａｅｃａｌｉｓ
   ）を有効成分とする家畜、家禽の成長促進剤。