JPS598655B2 - 燃料制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はエンジンの燃料制御装置に関する。

一般に、エンジンは回転数、吸気温度、吸入圧力、排気
温度等により動作状態が異なるので、この動作状態に応
じて燃料の噴射量を適正に制御するのが好ましい。

このエンジンの燃料の噴射量制御は従来メカニカルな装
置によシ行なわれていた。

例えば、大半の土工機械及び建設機械に用いられている
ボツシュ式ジーゼルエンジ，ンにおいてはエンジンの回
転数に応じた遠心力とばねの所定圧力との平衡を利用す
るいわゆるメカニカルガバナが用いられておシ、このメ
カニカルガバナによりコントロールラックを動かすこと
により、燃料送出のストロークを可変し１回の燃料噴射
量を制御していた。

またカミンズ式エンジンでは燃料噴射ポンプとして、供
給された燃料の圧力に応じて噴射量を制御するインジエ
クタが用いられており、このインジエクタに、メカニカ
ルな構成からなるＰＴポンプを用いて、エンジンの回転
数に応じた所定の圧力の燃料を供給し、１回の燃料の噴
射量を制御するようになっていた。

かかる従来の燃料制御装置は、上記のように、いづれも
メカニカルな機構から構成されているため非常に複雑で
あり、調整要素等が多く煩雑である上、生産コストも高
く、精密な制御を行なおうとすると非常に高価なものに
なった。

また、燃料噴射量の制御はもっぱらエンジンの回転数に
よるもののみで、エンジンの吸気温度、吸入圧力、排気
温度等のエンジンの種々の条件に応じた適正な制御は困
難であった。

本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、簡単な構成
でエンジンの回転数のみならずエンジンの種々の条件に
よる動作状態に応じて適正に燃料噴射量を高精度で制御
することができるようにした燃料制御装置を提供しよう
とするものである。

゛本発明は、供給された燃料圧に応じて噴射量が制御さ
れる例えば上記カミンズ式エンジンに用いられるインジ
エクタのような作用を有する燃料噴射ポンプを用い、こ
の燃料噴射ポンプに供給される燃料の圧力を電気的に制
御することにより構成される。

これにより、メカニカルガバナ、ＰＴポンプ等の複雑な
メカニカルな機構は一切必要なくなり、しかも、電気的
な制御を用いるからエンジンの回転数のみならず種々の
エンジンの条件に応じた精密な燃料制御が容易に実現で
き、更に製造コストも従来のメカニカルな装置と比較し
て非常に安価になる。

本発明では前記燃料噴射ポンプに供給する燃料の圧力を
制御するのに、燃料噴射ポンプへの燃料供給路に電磁弁
を配設し、この電磁弁をエンジンの適宜箇所に配設され
、エンジンの動作状態を検出するセンサの検出出力に応
じて制御することにより行なわれる。

以下、本発明を添付図面の一実施例に関して詳細に説明
する。

第１図は本発明の燃料制御装置をジイゼルエンジンに適
用したー実施例をブロック図で示したものである。

燃料タンク１の燃料（軽油）は燃料ポンプ２により電磁
弁３を介して燃料噴射ポンプ４に供給される。

燃料噴射ポンプ４は、供給される燃料の圧力に応じて燃
料の噴射量を制御するように構成されており例えば、前
述したカミンズ式エンジンのインジエクタを用いること
ができる。

第２図はかかるカミンズ式エンジンで用いられているイ
ンジエクタを示したものである。

このインジエクタはいわゆるユニットインジエクタとい
われておシ、燃料噴射ポンプ部と噴射ノズルとが一体に
構成されている。

すなわち第２図に示す機構は第１図の燃料噴射ポンプ４
とノズル５に対応している。

このインジエクタはプランジャ１１が上っている間に、
燃料人口１２に加えられた燃料をメータリングオリフイ
ス１３を介してカツプ１４の底に流入させ、この流入さ
れた燃料をプランジャ１１を押し下げることによってノ
ズル１８から噴射させるようになっている。

プランジャ１１は・、ロツカアーム１７、プッシュロツ
ド１６、カムフロア２０を介してエンジンの回動に連動
するカムによって動作し、プランジャの押し下げられる
時期、すなわち燃料噴射の時期は、エンジンの所定回動
位置に同期するように構成されている。

このインジエクタ１０による１回の燃料噴射量は、メー
タリングオリフイス１３の口径が一定のため、燃料人口
１２に供給される燃料の圧力とエンジンの回転数に応じ
たプランジャ１１の動作時間によつて決定される。

すなわち、供給される燃料の圧力が高くなると、メータ
リングオリフイスからカツプ１４に流入する燃料の量が
多くなり、逆に供給される燃料の圧力が低くなると、メ
ータリングオリフイスからカツプ１４に流入する燃料の
量は少なくなる。

またエンジンの回転数が高くなるとプランジャ１１が上
っている時間は短くなるからカツプ１４への燃料の流量
は減少し、逆にエンジンの回転数が低くなるとプランジ
ャ１１が上っている時間が長くなりカツプ１４への燃料
の流量は増加する。

このようにインジエクタ１０による１回の燃料噴射量は
、供給される燃料の圧力とエンジンの回転数によって決
定される。

燃料噴射ポンプ４に供給された燃料は上記のようにして
所定量だけノズル５からエンジン６の気筒内に噴射され
、残りの燃料（燃料戻り口１９から流出する燃料）は戻
しパイプ７を介して燃料タンク１に戻される。

エンジン６の適宜箇所にはエンジンの回転数を検出する
回転センサ及びエンジンの吸気温度、吸入圧力、排気温
度等を検出する各種センサ（いづれも図示せず）が配設
される。

このセンサにより検出されたエンジンの動作状態を示す
信号はライン右〜，５ｎを介して制御回路８に加えられ
る。

制御回路８は上記ライン右〜ｔ２を介して加えられる各
種センサからのエンジンの動作状態を示す信号に基づき
所定信号を発生し、この信号により前記電磁弁３を制御
するものである。

電磁弁３を制御する制御信号としては例えば第３図に示
すようなパルス幅制御可能なパルス信号を用いることが
できる。

この制御可能なパルス幅に応じて電磁弁３をオンオフす
れば電磁弁３を介する燃料の流量を変化させることがで
き、これにより燃料ポンプ４に供給される燃料の圧力を
制御することができる。

次に制御回路８におけるエンジンの回転数に対する制御
特性を第４図のグラフを用いて説明する。

グラフにおいて横軸はエンジンの回転数（ｒｐｍ）を示
し縦軸は燃料噴射ポンプからの燃料流量を示す。

エンジンの始動時は燃料噴射量を最大にしエンジンの回
転数を上昇させる。

このときスロットルを低回転に設定している場合は燃料
流量とエンジンの回転数との関係を示すグラフは点線の
で示すような特性となり、エンジンの回転数がＡ（ｒｐ
ｍ）となった点（燃料と負荷とのバランスがとれた点）
で安定する。

この状態で負荷が大きくなシ回転数がが低下すると、グ
ラフから明らかのように燃料の噴射量は増加し、回転数
を上昇するように働く。

また負荷が小さくなり回転数が上昇すると燃料噴射量は
減少し、回転数を低下するように働き、所定の回転数Ａ
（ｒｐｍ）に保持される。

スロットルを変えると、回転数と燃料流量との関係を示
すグラフは第４図に示すように横軸方向に平行移動し、
それぞれの特性に対応した所定の回転数からづれると上
記と同様の制御が行なわれるので、安定した回転数を自
動的に得ることができる。

また、本発明ではエンジンの回転数以外にエンジンの吸
気温度、吸入圧力、排気温度等によっても燃料の噴射量
を適正に制御するように構成されている。

これは、エンジンの吸気温度、吸入圧力、排気温度等を
検出する各種センサの出力に応じて前記第４図に示した
特性曲線の勾配および特性曲線に対応する回転数を変え
ることにより行なわれ ．る。

第５図は、制御回路８の１例をブロック図で示したもの
である。

なお、第１図で示した電磁弁３は高速電磁弁が用いられ
ているが、電磁弁３の応答時間には限界 ，があるので
、これを改善するために電磁弁３を並列に接続された３
個の高速電磁弁から構成し、夫夫の高速電磁弁を夫々位
相の異なるパルスで制御することにより燃料噴射ポンプ
４に供給される燃料の圧力のリツプルを減少させるよう
にしている。

Ｊ第５図の回路は上記３個の高速電磁弁を制御するもの
である。

エンジン回転センサ３０は例えばエンジンのクランクシ
ャフトに配設され、エンジンの回転数に応じたそれぞれ
位相の異なる第６図に示すような ；パルス信号Ｓｌ，
Ｓ２，Ｓ３を出力する。

パルス信号Ｓｌ ，Ｓ２，Ｓ３は微分回路３１１，３１
２，３１３に加えられ、それぞれパルス信号Ｓ１，Ｓ２
，Ｓ３の立ち上りで微分がとられる。

この微分回路３１１ ，３１２，３１３の出力は第 ・
６図に示す信号ａ，ｂ，ｃのようになり、この信号ａ，
ｂ，ｃは遅延回路３２１ ，３２２，３３３に加えられ
る。

遅延回路３２１ ，３２２，３３３は制御信号によシ可
変可能なスレツシュホールドを有する素子とＣＲ積分回
路を具えており、ＣＲ積分回路（７）コンデンサは前記
微分回路３１Ｌ３１２，３１３の出力がローレベルのと
き放電され、ノ１イレベルになるとＣＲの時定数で充電
していき、スレツシュホールド電圧に達すると前記スレ
ツシュホールドを持つ素子が動作して出力を反転させる
。

この遅延回路３２１ ，３２２，３３３の動作を遅延回
路３２１を例にとって波形図で示すと第７図のようにな
る。

第７図においてａは微分回路３１１の出力信号ａを示し
、ｂ・は遅延回路３２１内に設けられたＣＲ積分回路の
出力（実線）およびスレツシュホールド電圧（一点鎖線
）を示し、Ｃけ遅延回路３２１の出力を示す。

このように遅延回路３２１ ，３２２ ，３３３は微分
回路３１Ｌ３１２，３１３の出力パルスに同期するとと
もに加えられたスレツシュホールド電圧に対応してパル
ス幅の制御されたパルス信号を出力する。

各微分回路３１１ ，３１２，３１３に加えられるスレ
ツシュホールド電圧はエンジンの回転数およびスロット
ル、エンジン各部の温度、急加速等のエンジンの動作状
態に応じて次のようにして形成される。

前記微分回路３１Ｌ３１２，３１３の出力ａ，ｂ，ｃは
アンド回路３３に加えられアンド条件がとられたのち平
滑回路３４により積分平滑しエンジンの回転数に対応し
た変換電圧を得る。

第８図はこの動作を示したものである。すなわち第８図
においてａ・はアンド回路３３の出力を示し、ｂは平滑
回路３４における積分出力（実線）とその平滑出力（一
点鎖線）すなわち平滑回路３４の出力を示している。

このようにして平滑回路３４からはエンジンの回転数が
高くなると低くなシ、エンジンの回転数が低くなると高
くなる電圧信号が発生される。

この電圧信号は比較回路３５に加えられる。

比較回路３５にはスロットル位置検出回路３６からのエ
ンジンの指令速度に対応した電圧信号が加えられている
。

比較回路３５はこのエンジンの指令速度に対応した電圧
信号と前記平滑回路３４からのエンジンの回転数に対応
した電圧信号とを比較し、その差電圧を出力する。

また比較回路３５には、エンジン水温、油温等を検出す
る温度回路３７と急加速検出回路３８からの出力も加え
られており、温度回路３７および急加速検出回路３８の
出力に応じて上記比較回路３５の出力を調整する。

比較回路３５の出力ＭＤは前記遅延回路３２１，３２２
，３２３に加えられ、スレツシュホールド電圧を制御す
る。

これによって遅延回路３２１，３２２，３２３の出力パ
ルス幅が制御される。

遅延回路３２１ ，３２２ ，３２３の出力は夫々ドラ
イバ回路３９１ ，３９２ ，３９３に加えられる。

ドライバ回路３９１，３９２，３９３では遅延回路３２
１ ，３２２，３２３の出力を高速電磁弁を駆動するに
十分な電圧に変換する出力変換を行いこれを高速電磁弁
に加え、燃刺噴射ポンプ４への燃料の流量を制御する。

これにより燃料噴射ポンプ４に加わる燃料圧は変化し、
燃料噴射ポンプ４からの燃料噴射量は制御される。

なお、デクセル回路４０はエンジンに異常状態が生じた
時、すみやかに燃料を立ち切るためのものである。

また電磁弁の制御はパルス幅制御に限定されず、電磁弁
もオンオフ制御弁以外の例えばサーボ弁を用いることも
できる。

以上説明したように本発明は上記構成であるから複雑な
メカ＝カルな機構を用いず、簡単な構成で燃料の噴射量
を適正な値に制御することができ、かつ生産価格も非常
に安価であるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の燃料制御装置の一実施例を示すブロッ
ク図、第２図は燃料噴射ポンプの一例を示す断面図、第
３図は同実施例における制御パルスの一例を示すグラフ
、第４図は同実施例における燃料流量の特性を示すグラ
フ、第５図は同実施例における制御回路の一例を示すブ
ロック図、第６図はエンジン回転センサの出力の一例を
示すグラフ、第１図，第８図は第５図に示す実施例の動
作を説明する波形図である。 １・・・燃料タンク、２・・・燃料ポンプ、３・・・電
磁弁、４・・・燃１射ポンプ、５・・・ノズル、６・・
・エンジン、７・・・戻クパイプ、８・・・制御回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 供給された燃料の圧力に対応して噴射量が制御され
   る燃料噴射ポンプと、該燃料噴射ポンプへの燃料供給品
   に並設された複数の電磁弁と、エンジンの動作状態を検
   出する各種センサと、エンジンの回転に対応してそれぞ
   れ位相の異なる複数のパルス信号を発生するエンジン回
   転センサと、前記複数のパルス信号を前記各種センサの
   出力に対正して制御する制御回路と、該制御回路によっ
   て制御された複数のパルス信号に対応して前記電磁弁を
   各別に駆動する駆動回路とを具えた燃料制御装置。