JPS598427Y2 - 固定子巻線端部の支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、回転電機の固定子巻線端部を固定する支持
装置に関するものである。

従来この種の支持装置として、第１図及び第２図に示す
ものがあった。

第１図は固定子巻線端部を示す縦断面図で、第２図はそ
の固定子巻線端部を内径側より見た展開図である。

１は固定子鉄心、２は固定子巻線、３ａは上コイルの巻
線端部、３ｂは下コイルの巻線端部、４，６は巻線端部
３ａの内円周に当てられ支持する支え環で、例えば合或
樹脂材よりなる。

５，７は巻線端部３ｂの外円周に当てられ支持する支え
環で、例えば合或樹脂材よりなる。

８は支え環４と５とにまたがり一括して締付け部材、９
は支え環６に巻線端部３ａを、及び支え環７に巻線端部
３ｂをそれぞれ締付け部材である。

これらの締付け部材８，９は例えばガラス繊維ひも、あ
るいは樹脂含浸のガラス繊維帯よりなる。

第３図は上記支え環４，５の締付け部材８による締付け
状態を示す断面正面図である。

このようにして、巻線端部３ａ，３ｂは支え環４，
５， ６及び７に固定支持されている。

１０は支え環５，７を支持する支え板で、固定子鉄心１
の端部側に取付けられている。

上記支持装置において、長期運転により固定子巻線２絶
縁物及び締付け部材８，９が枯れを生じ、締付けが緩ん
できて初期の締付力はしだいに低下してくる。

この場合、従来の支持装着置では巻直す以外に方法がな
く、締付け部材８，９を巻替えねばならず、多大の時間
と労力を要していた。

この考案は、上記のような従来のものの欠点を除去する
ためになされたもので、支え環の巻線端部に接しない側
の円周部と締付け部材の内側との間に当て板を入れ、こ
の当て板と支え環との間にテーパライナを打込み、当て
板とテーパライナとは互いに対応し当接する傾斜面を設
けており、締付け部材の緩みを上記テーパライナの打込
みにより緊張させるようにし、作業が容易で、その時間
を大幅に短縮することを目的としている。

以下、この考案の一実施例を図について説明する。

第４図は巻線端部を内周及び外周の支え環に固定した状
態を示す断面正面図で、第５図はその断面側面図であり
、２， ３ａ， ３ｂ， ４， ５， ８は
上記従来装置と同一である。

１１は支え環４の巻線端部に接しない側の円周部と締付
け部材８の内側に入れられた当て板で、合戊樹脂材など
よりなり、傾斜面１１ ａ及び案内みぞ１１ ｂが設け
られており、外側にはみぞ１１ Ｃが設けられて脱落を
防いでいる。

１２は支え環４と当て板１１との間に入れられたテーパ
ライナで、合或樹脂などよりなり、傾斜面１１ ａに対
応し設けられた同じ傾斜の傾斜面１２ ａで当接してお
り、打込みにより締付け部材８を緊張させる。

１３はテーパライナ１２の抜け止めの巻付け部材で、例
えば絶縁テープよりなり、支え環４に巻付けている。

次に、締付け部材８の巻付け緊張作業を説明する。

まず、当て板１１を支え環４の外方に当て、当て板１１
．コイル支え環４、５を締付け部材８で一括して巻付け
る。

つづいてテーパライナ１２を当て板の案内みぞ１ｌ ｂ
にはめ、打ち込んでいくと、当て板１１が押上げられ、
締付け部材８に緊張力が加えられる。

機械の長期運転により、締付け部材８の締付けが緩んで
くると、テーパライナ１２を打込み、巻付け部材１３を
さらに巻いておけばよく、簡単に緊張作業が行なえる。

なお、上記実施例では、支え環４，５に締付け部材８を
巻付けた場合を示したが、支え環６，７に巻線端部３ａ
，３ｂを締付け部材で締付ける場合にも当て板１１及び
テーパライナ１２を用い緊張させる。

以上のように、この考案によれば、締付け部材を巻付け
た初期に簡単に緊張力を増すことができ、また、回転電
機の長期運転で、締付け部材が緩んでも、巻き直す必要
がなく、テーパライナをさらに深く打込むことにより、
容易に緊張力を加えることができ、作業時間を大幅に短
縮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の固定子巻線端部の支持装置を示す縦断面
図、第２図は第１図の固定子巻線端部を内径側から見た
展開図、第３図は第１図のＩＩＩ−ＩＩＩ線による断面
図、第４図はこの考案の一実施例による巻線端部支持装
置の要部を示す第５図のＩＶ−ＩＶ線による断面図、第
５図は第４図の巻線端部と支持装置の要部を示す断面側
面図である。 ２・・・固定子巻線、３ａ，３ｂ・・・巻線端部、４〜
６・・・支え環、８，９・・・締付け部材、１１・・・
当て板、１１ａ・・・傾斜面、１２・・・テーパライナ
、１２ ａ・・・傾斜面。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）固定子巻線の端部の外円周又は内円周あるいはそ
   の双方にはめられて上記巻線端部を支持する支え環、こ
   の支え環と上記巻線端部側とに巻付けられた締付け部材
   、上記支え環の上記巻線端部に接しない側の円周部と上
   記締付け部材との間に入れられており、内側に傾斜面が
   設けられた当て板、この当て板の傾斜面に対応し当接す
   る傾斜面が設けられ、上記支え環と当て板との間に打込
   まれ、上記傾斜面でしゆう動して当て板を押上げ、上記
   締付け部材の締付けに緊張を加えるテーパライナを備え
   たことを特徴とする固定子巻線端部の支持装置。
2. （２）支え環を巻線端部の外円周と内円周とに対向して
   はめ、この双方の支え環にまたがって締付け部材を巻付
   け、上記双方の支え環のうち一方の支え環の上記巻線端
   部に接しない側の円周部と上記締付け部材との間に当て
   板及びテーパライナをそう人したことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の固定子巻線端部の支持
   装置。