JPS597890B2 - 燃焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は燃焼装置、特に廃液を燃焼する型の回収ボイラ
等に好適に甲いられる燃焼装置に関する。

従来より各種の燃焼装置が提供されているが、パルプ廃
液等を燃暁する型の回収ボイラに使用されている燃焼装
置は、一般に第１図，第２ａ図，第２ｂ図および第２ｃ
図に示すような型のものであった。

まずこれら図面について従来のこの種燃焼装置をパルプ
廃液燃焼型の回収ボイラ装置と共に説明する。

第１図において０１は燃焼炉、０２および０３は夫々対
流伝熱部に設置された過熱器および蒸発器、０４は燃焼
炉０１の炉底部に設置せられた融灰取出口、０５は燃焼
用空気送風機、０６ぱ送風機０５の出口共通風道、ＯＴ
ぱ共通風道０６より分岐された１次空気風道、０８は共
通風道０６より分岐された２次空気風道、０９ぱ１次空
気風道０７に設置せられた１次空気量調整ダンパ、０１
０は２次空気風道０８ＶＣ設置せられた２次空気量調整
ダンパ、０１１は１次空気共通風道、０１２ぱ２次空気
共通風道、０１３は１次空気ノズルを示す。

この１次空気ノズル０１３は燃焼炉の周壁の下部に設置
せられ、炉底部に堆積した廃液固形物の山に全燃焼空気
量の６０〜７０％の空気量を供給出来る如く設計せられ
ている。

０１４は燃焼炉の周壁の比較的上部に設置せられた２次
空気ノズルで、炉下部より上昇して来た可燃ガス（Ｈ２
，ＣＯ ，ＣｎＨｍ）を完全燃焼するため全燃焼空気
量の４０〜３０％の空気を供給出来るが如く設計せられ
ている。

０１５は廃液噴射ノズルで、５５係〜７０％の濃度の廃
液を燃焼炉内に噴射する。

０１６は廃液噴射ノズル０１５から噴射された廃液が燃
焼ガスに依り乾燥されつ＼落下して、炉底上に出来た廃
液固形物の山（以下チャーベッドと呼ぶ）である。

チャーベットは１次空気ノズルより噴射された空気に依
り燃焼されるが、燃焼に必要な全空気量の６０〜７０多
しか供給されないため、固形物の一部は熱分解され可燃
ガスとなり燃焼ガスと共に炉上方に上昇する。

索焼灰は融解した状態で取出口０４より炉外に排出され
る。

これらの可燃ガスは２次空気ノズルより供給された空気
に依り燃焼される。

従来の２次空気吹込み方式を第２ａ図、第２ｂ図及び第
２ｃ図に示すがいずれも下記の如き欠点があった。

第２ａ図に示す方式では２次空気ノズルは同一高さのレ
ベルで、且つ炉竪中心軸を中心とする水平仮想円に接す
るが如くタンゼンシャルに２次空気を投入するものであ
る。

此の方式は可燃ガスと空気の混合の点では効果的である
が、炉出口以降の対流伝熱部におけるガス流れに炉巾方
向（第１図の紙面に直角な方向）の偏りを生ぜしめる欠
点があった。

炉出口以降すなわち対流伝熱部には過熱器０２、蒸発器
０３が設置せられているため、このガスの偏りは過熱器
蒸気温度の偏りの原因となっていた。

第２ｂ図及び第２ｃ図に示す方式では、それぞれ対応す
る壁面に設置せられた２次空気ノズルより噴射せられた
２次空気は炉中心にて互いに衝突して、２次空気噴流の
有する運動エネルギーの大半は静圧上昇に消費せられ、
下方から上昇して来た可燃ガスとの混合に有効に利用せ
られ得ないものであった。

そのため、これらの方式では完全な懲焼が充分に行なわ
れがたいものであった。

本発明は、上述のような従来装置の欠点に鑑み、２次空
気と可燃ガスの混合を完全ならしめ、且つ炉巾方向のガ
ス偏流をなくすとともに、可燃ガスを単に蛇行、上昇さ
せるものに比べて炉高さを高くせずとも、可燃ガスを完
全燃焼させることができる燃焼装置を提供しようとする
ものである。

本発明の燃焼装置によると、２次空気ノズルを前壁と後
壁にそれぞれの壁面の後述の高さの位置に炉巾方向全体
にわたって線状に複数個等間隔で配置し、且つ前壁（又
は後壁）に設置せられた２次空気ノズルは後壁（又は前
壁）の２次空気ノズルよりも低い位置（約１．５〜３ｍ
程度の差・・・火炉容量に依って変る）に設置してある
。

低位置に設置せられる２次空気ノズルは深い下向きの傾
斜（前壁面に対し６５°〜７５°程度）を有し、高位置
に設置せられる２次空気ノズルは水平又は浅い下向き傾
斜（後壁面に対し９０°〜８０°程度）を有する。

低位置の２次空気ノズルは深い下向きの傾斜を有してい
るので、この低位置の２次空気ノズルより噴出せられた
下向き噴流は炉底部からの上昇流の上昇力を抑え、上昇
流と合流し、合成流となつて対壁の方に指向する。

該対壁（以下高位置ノズル壁と称す）に設置せられた高
位置の２次空気ノズルより噴出せられた水平（又は若干
下向き）噴流は上述の合成流を巻き込みつつ低位置２次
空気ノズルの設置せられている壁（以後低位置ノズル壁
と称す）に向って進行する。

低位置ノズル壁に達する前にそれら流量の一部は上昇し
、残部は高位置２次空気ノズルの噴流と低位置２次空気
ノズルの噴流との間の炉中央の空間に低位置２次空気ノ
ズルの噴流に引かれて巻き込まれる。

かくて上述の過程が繰返され、前後壁に平行な水平中心
線（前，後壁よりほソ等距離に位置する）を中心軸とす
る仮想円筒に接して旋回する１つの大きな竪形旋回流が
炉巾方向全域にわたって前記炉中央の空間に形成される
。

その結果炉底部からの上昇流は２次空気流に巻き込まれ
炉中央で竪杉旋回するため２次空気と可燃ガスとの接触
時間が長くなり且つ充分な混合が得られ、可燃ガスを単
に蛇行、上昇させるもの（たとえば特許第１２４３５３
号明細書記載のもの）に比べて炉高さを高くせずとも、
可燃ガスを完全燃暁させることができる。

上記竪形旋回は炉巾方向全域にわたって均等に発生する
ため、炉出口以降に於ける炉巾方向のガス偏流は発生し
ない。

なお、高い位置に設けた２次空気ノズルと低＜置に設け
た２次空気ノズルの下向きの傾斜角度を同一とした場合
には、高い位置に設けた２次空気ノズルからの投入空気
によって、竪形旋回が炉中央でなく、高い位置に設けた
２次空気ノズルのある炉壁側へ偏った位置に形成される
ので、炉壁への熱放射にアンバランスが生じる不具合が
あり好ましくない。

本発明による燃焼装置は、ここでは単に例示の意味だけ
で回収ボイラの燃焼装置として説明してあるが、その他
のあらゆる燃焼装置に適用できることは言うまでもない
。

以下本発明を添付図面に例示したその好適な実施例によ
り詳述する。

第３図および第４図において、参照番号１は燃焼炉、２
は過熱器、３は蒸発器、４は燃焼炉１の底部に設置せら
れた融灰取出口、５は燃焼炉１を形成する周壁のひとつ
の壁面を示す。

この壁面５は、この壁面に沿って燃焼ガスを案内し、被
加熱媒体が流通している辺熱器２、蒸発器３等の方に指
し向ける。

以後理解しやすいように壁面５を後壁５と呼ぶ。

６は後壁５に平行的に相対した壁面で後壁と共同して前
述のように燃焼ガスを案内する。

この壁面６ぱ以後前壁６と呼為参照番号７，８は後壁５
と前壁６との間を結び、これらと共に燃焼炉１の周壁を
形成する壁面である。

これらは以後側壁と呼ぶ。

９は燃焼用空気送風機、１０ぱ送風機９の出口共通風道
、１１ぱ共通風道１０より分岐された１次空気風道、１
２は共通風道より分岐された２次空気風道、１３は１次
空気風道１１に設置せられた１欠空気，量調整ダンパ、
１４は２次空気風道１２に設置せられた２次空気量調整
ダンパ、１５は１次空気共通風道、１６ぱ２次空気共通
風道、１７は燃焼炉低部の周壁に設置せられる１次空気
ノズル、１８ぱ後壁５に設置せられた２次空気ノズルで
ある。

この２次空気ノズル１８は燃焼炉の比較的上部の周壁に
設置してある。

参照番号１９ぱ前壁６に設置せらわ−た２次空気ノズル
であり、この２次空気ノズルぱ前壁及後壁の後述の高さ
の位置に複数個、等間隔で炉巾方向全体にわたって線状
に配置してある。

前壁（又ぱ後壁）に設置せしめられた２次空気ノズル１
９は後壁（又は前壁）に設置せられた２次空気ノズル１
８よりも低い位置（一般には約１．５〜３ｍ程度の差で
あるが、火炉容積に依って変る）に設置せられる。

低位置に設置せられた２次空気ノズル１９は前壁面に対
し６５°〜７５°程度の下向傾斜角θ２を有し、高位置
に設置せられた２次空気ノズル１８は後壁面に対し８０
°〜９０°程度の下向傾′斜角θ１を有する。

参照番号２０ぱ廃液噴射ノズル、２１ぱ燃焼炉底部に堆
積した廃液固形物の山（以下チャーベッドと呼ぶ。

）である。次に回収ボイラの作動について説明すると、
廃液は廃液噴射ノズル２０より噴射され炉底に落下する
。

その際、炉底より上昇して来た燃焼ガスにて乾燥され、
炉底に到着した時は平均的には固形物のみとなっている
。

これらの炉底上の固形物はチャーベット２１を形成する
。

一方燃焼用空気は送風機９により送られ、共通風道１０
を経て１次空気風道１１と２次空気風道１２に分岐され
る。

１次空気と２次空気は調整ダンパ１３，１４に依りその
流量を調整される。

全空気量の６０〜７０係の流量の１次空気は一次空気共
通風道１５を経て１次空気ノズル１７より炉底部に噴出
せられ、炉底上の固形物を燃焼する。

残りの４０〜３０％の空気は、２次空気共通風道１６を
経て２次空気ノズル１ ９．１８より炉上部に噴出せら
れ、炉底部より上昇して来た可燃ガスを燃焼する。

低位置の２次空気ノズル１９より噴出せられた噴流口は
炉底部からの上昇流イに向かって下向きに噴出され、上
昇流イの上昇力を抑えつつ上昇流イと合流し、その合成
流ぱ後壁５の方に指し向けられる。

該後壁５に設置せられた高位置の２次空気ノズル１８よ
り噴出せられた噴流ハは上述の合成流（イ＋口）を巻き
込みつ５前壁６に向って進行する。

これらの流れ（イ＋口＋ハ）の一部は上昇流二となり炉
出口の方に進行する。

一方残部ホが低位置の２次空気ノズル１９からの噴流に
引かれて２次空気ノズル１８と１９との間の炉中央の空
間下方に巻き込捷れる。

以降同じ過程が繰返され、前後壁に平行で且つ燃焼炉の
中心線（ガスの平均的流れ方向）に直角な線を中心軸と
する仮想円筒に接して旋回流が炉巾方向全域にわたって
前記炉中央の空間に形成される。

その結果炉底部からの上昇流は２次空気流によって生じ
る竪形旋回流に巻き込まれ旋回するため接触時間が長く
なり、且つ充分な混合が得られ、可燃ガスは完全燃焼す
る。

該竪形旋回は炉巾方向全域にわたって均等に発生するた
め、炉出口以降に於ける炉巾方向のガス偏流は発生しな
い。

以上から明らかなように、高位置２次空気ノズルの噴流
と低位置２次空気ノズルの噴流との間の空間に竪形旋回
流が形成され、炉底部からの上昇流が竪形旋回流に巻き
込まれる事に依り、２次空気と可燃ガスの接触が増進さ
れるとともに接触時間が長くなり、完全燈焼が容易に出
来る。

その結果Ｈ２Ｓの発生は他形式のものに比し格段に低レ
ベルに抑制される。

又、炉巾方向のガス偏流がないため、過熱器を流れる蒸
気の炉巾方向に於ける温度分布が均一となり、経済的な
材料選定が出来る（蒸気温度分布が不均一な場合は材料
の選定に余裕を必要として不経済である）。

又蒸発器内ボイラ水への炉巾方向での熱伝達量分布が均
一なため、ボイラ水循環が更に良好になり信頼性が向上
する。

本発明は、以上に詳述したとおりであるが、上述のバル
ブ廃液を燃焼する回収ボイラの例だけに制限されるもの
ではなく、あらゆる燃焼装置に適用することができる。

また本発明の範囲を逸脱することなく幾多の変化変形が
可能であることはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のパルプ廃液を燃焼する回収ボイラの縦断
面図、第２ａ図は第１図の線Ａ−Ａに沿う断面図、第２
ｂ図および第２ｃ図はそれぞれ別の従来例を示す第２ａ
図と同様な部分の断面図、第３図は本発明による燃焼装
置を具備したパルプ廃液を燃焼する回収ボイラの実施例
の縦断面図、第４図は第３図の線Ｂ−Ｂに沿う断面図で
ある。 ０１，１・・・・・・燃焼炉、０２，２・・・・・・過
熱器、０３，３・・・・・・蒸発器、０４，４・・・・
・・融灰取出口、５・・・・・・壁面（後壁）、６・・
−・・・壁面（前壁）、０５，９・・・・・・燃焼用空
気送風機、０６，１０・・・・・・出口共通風道、０７
，１１・・・・・・１次空気風道、０８，１２・・・・
・・２次空気風道、０９，１３・・・・・・１次空気量
調整ダンパ、０１０，１４・・・・・・２次空気量調整
ダンノ＜０１１，１５・・・・・・１次空気共通風道、
０１２，１６・・・・・・２次空気共通風道、０１３，
１７・・・・・・１次空気ノズル、０１４，１８，１９
・・・・・・２次空気ノズル、０１５，２０・・・・・
・廃液噴射ノズル、ｏ’ｉ ６，２１・・・・・・廃液
固形物の山（チャーベッド）、イ，口，ハ，二，ホ・・
・・・・燃焼ガスおよび空気の流れ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃焼炉下部に１次燃焼用空気が、燃焼炉の比較的上
   部に２次燃焼用空気が夫々投入され、燃焼炉上部より対
   流電熱部へ燃焼ガスが導かれる燃焼装置において、２次
   空気ノズルを燃焼炉の相対向する周壁に炉巾方向全体に
   わたって線状に設け、かつ一方の周壁に設けた２次空気
   ノズルが他方の周壁に設けた２次空気ノズルより低い位
   置になるように配置し、燃焼炉下部より上昇する可燃ガ
   スと２次燃焼用空気が混合されて炉中央で１つの大きな
   渦となって竪形旋回するように、高い位置に設けた２次
   空気ノズルは水平もしくは下方に傾斜させ、低い位置に
   設けた２次空気ノズルは高い位置に設けた２次空気ノズ
   ルよりもさらに深く下方に傾斜させて設けたことを特徴
   とする燃焼装置。