JPS597880B2 - 温調トラツプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は開閉弁温度を任意に変更できる温調トラップに
関する。

従来、温調トラップは温度変化に伴い膨張収縮作用を行
う感温素子を弁部に用い、該弁部自体を弁口に相対して
変位せしめ開閉弁温度を変更可能にしたもの、あるいは
感温素子の膨張留と対向する弾性付勢手段の弾性付勢力
を調節して開閉弁温度を変更可能にしたもの等が公知で
ある。

ところが、上記の様な温調トラップでは、正確な開閉弁
温度の設定が難しく、且つ弁部構造・温度調節機構の複
雑化をもたらす欠点がある。

詳述すると、従来の温調トラップは、弁口に入口・出口
間の大きな差圧が作用し、感温素子はこの差圧に抗して
弁口を開閉するだけの大きな膨張収縮力が必要となり、
この膨張収縮力を発起する広い温度変化幅を要し、開閉
弁作動は鈍感になる為である。

更に、上記の如く感温素子を用いた弁部を直接的に、又
は弾性付勢手段を介在して間接的に操作する構造では、
弁機構と開閉弁調節機構とを結合せねばならず、構造の
複雑化を避け得なかった為である。

本発明は上記事情に鑑み、開閉弁作用が鋭感で正確な温
度設定を行え、且つ構造を簡単化し得る温調トラップの
提供を目的とする。

上記目的は、温度変化に応じて膨張収縮作用を行う感温
素子を弁部に用いた温調トラップに於いて、弁口に作用
する差圧を調節する圧力調節機構を備えた温調トラップ
より達成できる。

上記感温素子としては、バイメタル等の金属膨張を利用
したもの、内部にワックス、エーテル等の感温流体を封
入し、該感温流体の膨張を利用したべローズ、ピストン
、ダイヤフラム等が使用される。

上記感温素子を用いた弁機構は、入口側、出口側の何れ
に配されてもよい。

上記圧力調節機構は、バネ等の弾性体の弾性力と流体圧
力とを平衡させ、一次側圧力を調節するものが使用され
る。

また、上記圧力調節機構は、トラップ筐体内に内装され
る場合と、トラップ筐体と別に形成され結合される場合
とがある。

以下、第１図の実施例に基づいて詳説する。

１は本体で、下記上下蓋体２・３を螺着してトラップ筐
体を形成する。

４はトラップ筐体内に形成された空室で、入口５側に連
通する。

γは弁口６を通して空室４に連通ずる出口である。

９は複数のバイメタルディスク１０を湾曲方向を交互に
して重置したバイメタルブロックで、先端に弁体１１を
有する弁棒１２に重束される。

１３は弁棒１２の下端を支持する孔で、該弁棒１２の下
端が摺動自在に嵌合する。

１４は弁棒１２に設けられたバネ受け１５と弁口６を形
成する隔壁との間に介在されコイルバネで、自力で弁口
６を開閉する弾性力を有する。

１５は上蓋２内に形成された案内面で、上蓋２を螺貫通
した調節スピンドル１６の鍔部１７が摺動する。

１８は調節スピンドル１６の上端に設けられた面取り部
で、スパナ等の工具により回転操作される。

また、上記案内面１５と鍔１７との間には０ １Ｊング
等の摺動シール材を介在する場合がある。

１８は上記弁口６を出口７側から開塞するようコイルバ
ネ１９により付勢された絞り弁体で、上記コイルバネ１
９、調節スピンドル１６等と共に圧力調節機構を形成す
る。

また、本実施例では弁体ＩＬ１８で区画された弁口６部
に背圧室Ａが形成される。

上記実施例の作用を説明する。

図示の状態は、入口５側の流体温度が高温でバイメタル
ブロック９の総湾曲力がコイルバネ１４の弾性力に勝り
、弁体１１が弁口６を閉じた全閉状態を示す。

この状態に於いて、閉弁力は上記バイメタルブロック９
の総湾曲力とコイルバネ１４の弾性力との差の他、弁口
６に作用する入口５側圧力と弁口６側圧力との差圧力よ
り決まる。

そして、入口５側の流体温度が低温になり、コイルバネ
１４の弾性力がバイメタルブロック９の総湾曲力より勝
り、且つこの開弁力が弁口６に作用する上記差圧力から
成る閉弁力に勝ると、弁体１１は弁口６を開き、入口５
側の低温流体を出口７側に排出して行く。

ここに於いて、弁口６側の圧力は弁体１８、コイルバネ
１９、調節スピンドル１６等から成る圧力調節機構によ
り設定され、弁口６に作用する差圧力は該圧力調節機構
のスピンドル１６を進退してコイルバネ１９の弾性力を
調節することにより任意に設定できる為、開閉弁温度は
この差圧力の変更により簡単に変更可能となる。

第２図は第１図の実施例の如く圧力調節機構に内装した
ものに比べ、該圧力調節機構を別体に設け結合したもの
である。

２０はトラップ筐体で、入口２１側に連通した空室２２
、および弁口２３を通して空室２２に連通する弁口２４
を有する。

２５は内部にワックス、エーテル等の感温液を封入した
べローズで、保持スピンドル２６により空室２２内に配
設される。

２７はスピンドル２６の上端に設けられた面取り部で、
３０は弁体である。

２８はトラップ筐体２０の出口２４側に固着された調節
弁筐体で、内部に出口２４と連通する略ｙ型の通路２９
を形成する。

３１はバネ３２により上流側に付勢された絞り弁体で、
該バネ３２の弾性力はバネ受け３３、調節スピンドル３
４により調節される。

３５はスピンドル３４の下端に設けられた採作用面取り
部である。

そして、本実施例ではトラップ出口２４側と調設弁側の
絞り弁体３１で区画された上流側との間に背圧室Ａ′が
形成される。

また、開閉弁温度の設定は、調節スピンドル３４を操作
してバネ３２の弾性力を調節し、上記背圧室Ｎの圧力を
制御して弁口２３に作用する差圧力を調節するものであ
る。

そして、本実施例の如く背圧室Ｘの容積を大きくすれば
、圧力調節弁側か作動不良を起し、流体を漏洩した場合
に強い。

以下、第１図の実施例と同様な作用を奏する為、詳細な
説明を省略する。

この様に本発明によれば、上記圧力調節機構により弁口
下流側に出口側配管から区画された背圧室が形成され、
弁体は入口側圧力と該背圧室圧力との小さな差圧力に基
づき弁口を開閉する為、開閉弁操作力は小さくてよく、
バイメタル．ベローズ等は狭い温度変化幅で弁口を開閉
でき、開閉弁作用は鋭感になる。

また、トラップの出口側を復水回収管等に連結し、出口
側圧力が変動する様な場合に於いても、感温素子は入口
側と背圧室との固定された圧力条件に基づき弁口を開閉
し、上記圧力変動の影響を全く受けず、正確な開閉弁温
度で開閉作用を行い得る。

更に、上記実施例め如く感温素子を用いた弁部と、圧力
調節機構とを別々に形成できるので、構造を簡単化し得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の温調トラップの断面図、第２図は他
の実施例の温調トラップの断面図を示す。 １は本体、２は上蓋、３は下蓋、４，２２は空室、５は
入口、６，２３は弁口、７は出口、９はバイメタルブロ
ック、１１．３０はトラップ側弁体、１６．３４は調節
スピンドル、１８．３１は圧力調節弁機構側の弁体、１
９．３２はバネである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 人口、出口、入口又は出口に連通ずる空室、及び空
   室と入口又は出口を連通ずる弁口、空室に配した温度変
   化に応じて膨張収縮する感温素子、並びに感温素子に駆
   動されて弁口を開閉するように配した弁体を有するもの
   において、弁口の下流通路に絞り弁体とそれに弾性力を
   働かせる弾性体を配し、弁口と絞り弁体の間の一次側の
   圧力を設定圧力に維持するようにしたことを特長とする
   温調トラップ。