JPS597196B2 - 電気溶解炉における電極保持体の開放装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、レバーあるいはリンク機構を介して操作可能
でばね力により電極へ押付けられる締付け爪と押付け力
を相殺する液圧あるいは空気圧手段とを有する電極保持
体の開放装置に関する。

電気溶解炉への電気エネルギーの供給は、大電流ケーブ
ルと垂直面内で移動可能な水冷電極支持腕上に取付けら
れている銅製通電管を介して行なわれ、この通電管ιを
電極支持腕の端面に設けられた水冷電極保持体の固定接
触爪に接続されている。黒鉛電極と接触爪のこれに面し
た接触面との接触抵抗を少なくするために、この接触爪
に対向して締付け爪が電極保持体に設けられて、電極を
しつかり押付け、同時に保持する。押付け力は予荷重の
かかつたばねにより発生され、レバーあるいはリンク機
構を介して電極保持体へ伝達される。黒鉛電極を電極保
持体へ挿入するために、また必要な調節の際、締付け爪
へ作用するばね力が相殺され、電極保持体の内径が黒鉛
電極の直径以上に増大される。押付け力の相殺は空気圧
シリンダあるいは液圧シリンダにより行なわれ、圧力媒
体を加えられるとこのシリンダのピストンがばねを圧縮
して、電極保持体の締付け装置を今や開放方向へ動かす
。電極の挿入あるいは調節後圧力媒体が排出され、ばね
力が再び電極を確実に押付けて電極保持体内に保持する
。公知の電気炉では締付けおよび開放装置は移動可能な
電極支持腕外に設けられている（ドイツ連邦共和国特許
第８４７３１９号明細書）。

締付けばねを電極支持腕内に設けることも既に提案され
ている（ドイツ連邦共和国特許第９４６３０３号明細書
）。液圧で操作される押付け力相殺用圧力シリンダは、
空気圧操作圧力シリンダに比べてその寸法が小さいとい
う利点をもつている。液圧シリンダまたは空気圧シリン
ダへの圧力媒体の供給は、炉作業床上で対応する供給装
置へ接続されている可撓圧力管を介して行なわれる。上
述した装置では、それが炉の上方に存在する高温雰囲気
中に保護されずに設けられていること、炉へのエネルギ
ー供給部の磁界が作用すること、および特に圧力媒体供
給管が電極支持腕の移勤行程に応じて長くかつ機械的に
大きい荷重を受けしたがつて著しく損傷し易く事故の危
険もあることが不利である。

特に圧力液体として圧油を使用する場合、欠陥のある個
所で油の流出があると火災の危険が大きい。したがつて
本発明の課題は、小形構造で個々の構成部分が保護され
て設けられ、給電用可撓ケーブル以外に圧力媒体用可撓
供給管も必要としないように、前述した種類の開放装置
を構成することにある。

この課題の解決策によれば、押付け力を相殺する開放力
を発生して伝達するすべての構成素子が、電極支持腕内
に設けられている。

電極支持腕の内部空間は、その外被が二重壁で冷却媒体
を通され、それにより内部温度がほぼ一定なので、開放
装置全体を収容するのに特に適している。

電極保持体を開放するのに液圧シリンダを使用する場合
、貯蔵容器、電動機、ポンプ、制御装置および接続管か
ら構成されて液圧シリンダの作動用液圧を発生する液圧
発生装置全体も電極支持腕内に設けられている。電極保
持体を開放するために、液圧シリンダの代りに空気圧シ
リンダが使用される場合、電動機、圧縮機、圧力容器、
制御装置および接続管から構成されて必要な圧力を発生
する空気圧発生装置全体が電極支持腕内に設けられてい
る。液圧発生装置または空気圧発生装置は小形単位体と
して組込みおよび取外し可能であるこれにより圧力媒体
用の長い供給管が不要になり、給電ケーブルしか必要で
ないという利点が得られる。

電動機または圧縮機への空気供給は、接続ケーブルをも
収容する適当な寸法の供給管によつて行なわれる。別の
利点は、締付け訃よび開放装置が損傷や熱の作用のよう
な環境の影響に対して完全に保護されていることである
。動き得るように支持された電極支持腕内における望ま
し〈ない振動を回避するために、非磁性で非導電性の材
料により内張りされた室内に液圧または空気圧の発生装
置を設け、それによりエネルギー供給部の磁界の有害な
影響が充分回避されるように考慮してある図面には本発
明の実施例が概略的に示してあり、以下これについて説
明する。

第１図において、電気溶解炉の上方において垂直な面内
を移動可能な電極支持腕が符号１をつけられている。

この支持腕１の端面には、エネルギー供給導管３を接続
されて電流を黒鉛電極４へ伝える固定接触爪２が設けら
れている。電極４は移動可能な電極保持体５内に保持さ
れ、その中に設けられる締付け爪６により電極４に面す
る接触爪２の接触面へしつかり押付けられる。電極保持
体５は電極支持腕１内に支持され、押し棒８が係合する
二又頭部７をもつている。押し棒８の端部には予荷重を
かけられたばね９が設けられて、黒鉛電極４への押付け
力を生ずる。電極４を挿入あるいは調節するために、ば
ね９は液圧シリンダ１０のピストンにより開放行程だけ
圧縮される。液圧シリンダ１０の作動用圧力媒体は液圧
発生装置１１により準備される。この液圧発生装置１１
は小形構造に構成され、貯蔵容器１１ａ、電動機１１ｂ
、ポンプ１１ｃ、制御装置および接続管１１ｄを含んで
いる。液圧発生装置１１は構造単位体として電極支持腕
１内において振動を減衰されて弾性部材１２上に支持さ
れている。さらにすべての接続素子の完全な電気絶縁も
行なわれている。液圧発生装置の室は、電極へのエネル
ギー供給部を磁界に対して遮蔽するために、電動機１１
ｂへの空気供給に用いられかつ給電ケーブルを収容する
管１３の断面を除いて全面を閉じられて、非導電性材料
で内張りされている。組込み開口は水冷蓋１６で閉鎖さ
れている。第２図に示す電極支持腕１は、電極保持体５
用の空気圧で操作される開放装置を備えている。

その構造は液圧開放装置に類似している。開放過程では
、ばね９が空気圧シリンダ１４のピストンにより操作さ
れる。空気圧発生装置１５は必要な空気圧の発生に用い
られ、電動機１５ａ，圧縮機１５ｂ、圧力容器１５ｃ、
制御装置｝よび接続管１５ｄから構成されている。支持
も同様に振動を減衰されかつ電気的に絶縁されて空気供
給管１３をもつ遮蔽された室内で行なわれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は液圧で操作される開放装置を組込まれた電極支
持腕の断面図、第２図は空気圧で操作される開放装置を
もつ電極支持腕の断面図である。 １・・・・・・電極支持腕、２・・・・・・接触爪、３
・・・・・・エネルギー供給導線、４・・・・・・電極
、５・・・・・・電極保持体、６・・・・・・締付け爪
、８・・・・・・押し棒、９・・・・・・ばね、１０・
・・・・・液圧シリンダ、１１・・・・・・液圧発生装
置、１４・・・・・・空気圧シリンダ、１５・・・・・
・空気圧発生装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ レバーあるいはリンク機構を介して操作可能な電極
   保持体の開放装置が、ばね力により電極へ押付けられる
   締付け爪と押付け力を相殺する液圧あるいは空気圧手段
   とを有するものにおいて、押付け力を相殺する開放力を
   発生して伝達するすべての構成素子が、電極支持腕１内
   に設けられていることを特徴とする、電気溶解炉におけ
   る電極保持体の開放装置。 ２ 電極保持体を開放する液圧シリンダを有するものに
   おいて、電極支持腕１内に設けられて液圧シリンダ１０
   の作動用液圧を発生する液圧発生装置１１が、貯蔵容器
   １１ａ、電動機１１ｂ、ポンプ１１ｃ、制御装置および
   接続管１１ｄからなる小形単位体として組込みおよび取
   外し可能であることを特徴とする、特許請求の範囲第１
   項に記載の開放装置。 ３ 電極保持体を開放する空気圧シリンダを有するもの
   において、電極支持腕１内に設けられて必要な圧力を発
   生する空気圧発生装置が、電動機１５ａ、圧縮機１５ｂ
   、圧力容器１５ｃ、制御装置および接続管１５ｄからな
   る小形単位体として組込みおよび取外し可能であること
   を特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の開放装置
   。 ４ 液圧発生装置１１または空気圧発生装置１５が、非
   磁性で非導電性の材料により内張りされた電極支持腕１
   の室内において、弾性部材１２上に振動を減衰されかつ
   絶縁されて支持されていることを特徴とする、特許請求
   の範囲第１項あるいは第２項に記載の開放装置。