JPS597130B2 - 薄膜磁気ヘッド用基板の製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド用基板の製造方法

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JPS597130B2
JPS597130B2 JP8785579A JP8785579A JPS597130B2 JP S597130 B2 JPS597130 B2 JP S597130B2 JP 8785579 A JP8785579 A JP 8785579A JP 8785579 A JP8785579 A JP 8785579A JP S597130 B2 JPS597130 B2 JP S597130B2
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ferrite
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thin film
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film magnetic
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俊明 和田
啓 松本
茂 河原
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 この発明は、IC技術で作製する異方性を有しかつ高密
度な強磁性多結晶フェライトを用いた薄膜磁気ヘッド用
基板の製造方法に関する。
一般に薄膜磁気ヘッドは、非導電性の強磁性体からなる
基板、ギャップ及び書き込み読み取りコイルを形成する
非磁性導電性金属からなる導体部、5102からなる絶
縁層、強磁性体金属あるいは酸化物からなる磁気コア部
のそれぞれから構成され、例えば、基板上に導体部を蒸
着後、フォトエッチング加工により所定形体に導体を形
成し、5102を蒸着又はスパッタリング後フォトエッ
チング加工により形成、さらに蒸着あるいはメッキによ
つて磁気コアを形成するように、IC技術によるフォト
エッチング等のファインパターン作成技術による一連の
物理的化学的手段によつて作製される。
ところでこの薄膜磁気ヘッドのヘッド用基板には、強磁
性フェライトの使用が強く望まれている。なぜなら、強
磁性フェライトは他の材料と比較して、例ぇばメモリー
用磁気ディスクや磁気テープとのなじみが良いばかりで
なく、それ自体、隣接ビットからの信号を遮蔽するシー
ルドとして、また磁気回路の一部として共用することが
可能であるため、従来の基板上に強磁性薄膜形成工程が
省略できる等の利点を有するからである。しかしながら
、薄膜磁気ヘッド用基板は、前述のようにその上に薄膜
を形成させるため、十分な平坦度を必要とし、通常その
表面は鏡面加工される。
この鏡面加工を施す際、上記基板材料内に空孔が多いす
なわち低密度であると、この加工による十分な面粗度を
得ることができず、薄膜磁気ヘッド作製において、著し
い歩留りの低下を来たしている。
これを解決するため、空孔がほとんどない緻密な強磁性
単結晶フェライトを基板として使用する方法(特公昭5
3−26963号)が知られている。
し力化、この大型単結晶フェライトは、多結晶フェライ
トにくらべて量産に欠け、上述のヘッド用基板として高
価であることは不可避な欠点である。また、上述のヘツ
ド用基板に単結晶Mn−Znフエライトを用いた場合、
その低電気絶縁性故に基板上に絶縁層薄膜を形成する必
要があり、他工程に加えこの工程が増える欠点がある。
これに対して、高電気絶縁性を有するNi−Znフエラ
イトを用いた場合には、上記絶縁層薄膜を加える工程を
省略できる長所がある。しかしながら、単結晶Nl−Z
nフエライトは工業的量産が困難であるため用いられて
はいない。
一方、多結晶Ni−Znフエライトの場合、今日の一般
的な焼結法では、上述した薄膜磁気ヘツドに要求される
高密度あるいは実用上において問題にならない程度の空
孔率を満足したものを得ることができないため実用化さ
れるに至つていない。さらに、表面を平坦にするために
機械研摩を施すことが通常であるが、その際フエライト
に加工変質層が生じる。すなわち、加工変質にともなう
応力層が存在するためその部分の磁気特性が著しく劣化
し、この鏡面機械研摩が磁気ヘツドの性能を低下させる
原因となる。この磁気特件を劣化させる原因となる機械
研摩によつて生ずる加工変質に伴う応力層は、メカノケ
ミカル鏡面研摩を施すことによつて除去することができ
る。
ところが、一般的なスピネル型多結晶フエライトでは、
その結晶面によつて摩耗特性が異なる、すなわち、それ
ぞれのフエライト粒子の結晶方位によりメカノケミカル
研摩を施した鏡面が結晶段差を生じ、薄膜磁気ヘツド用
基板として実用上要求される十分な平坦度を確保するこ
とができなくなる問題点を有していた。従つてこの発明
は、上述した従来の薄膜磁気ヘツド用基板の種々の問題
点に鑑み、素材に異方性を有しかつ高密度なる強磁性多
結晶フエライトを用いることにより上述の欠点を解決し
、薄膜磁気ヘツド作製工程における歩留向上を図り、さ
らにすぐれた書き込み、読み取り特性が得られる薄膜磁
気ヘツド用基板の製造方法を提供することを目的とする
すなわち、この発明は異方性を有しかつ高密度なる強磁
性多結晶フエライトを材料とする薄膜磁気ヘツド用基板
の製造方法であり、この基盤材料は、,鱗片状のα−F
e2O3を主体として混合粉体とした原相を圧力成型し
た後焼結させて異方性を有する強磁性多結晶フエライト
とし、これを熱間静水圧プレス法で空孔率0.1%以下
まで高密度化し、さらに薄膜磁気ヘツド用基板として要
求される平坦度確保のためにフエライト粒子の(1,1
,1)配向面に機械研摩を施し、これによつて生じる加
工変質層はメカノケミカル研摩によつて除去することに
よつて異方性を有しかつ高密度な強磁性多結晶フエライ
トとして得られる。
上記の熱間静水圧プレス法は、周知のように例えば高圧
不活性ガス雰囲気中で周囲より均等にガス圧による高圧
を加え焼成をなすものであり、従来の焼結法を用いる場
合よりも低い温度で高密度化が達せられるので、結晶粒
の粗大化を防止でき緻密な組織が得られるものである。
従つて多結晶フエライトであつても、この熱間静水圧プ
レス法によつて空孔率0.1%以下まで高密度化されて
いるために、前述した鏡面加工における材料の空孔に起
因する平坦度の低下は起こらず、十分な平坦度を確保す
ることができる。
また機械研摩の際に生じた加工変化による磁気特件が劣
化する応力層はメカノケミカル研摩によつて完全に除去
することができる。さらに、このメカノケミカル研摩後
の鏡面は、材料として用いた異方性フエライトは結晶方
位が配向されているため、実用上問題となるような前述
した結晶段差が発生せず十分に平滑な表面が得られる。
そこで、この基板上に作製する薄膜磁気ヘツドにすぐれ
た書き込み、読み取り件能を与えることができる。次に
この発明による実施例を示し、具体的な適用とその効果
を明らかにする。なお実施例1はNi−Znフエライト
の場合、実施例2はMnZnフエライトの場合を示す。
実施例 1 原相粉体に鱗片状α−Fe2O3(49.5モル%)、
NlO(18.5モル%)、ZnO(32モル%)を秤
量し、これにアルコールを分散媒として用いポールミル
で混合し原料混合物とした。
なおα一Fe2O3は平均粒径が10μmで板径と板厚
の比を10対1としたものを用い、NiOおよびZnO
は平均粒径がl!Tm以下の微粒子からなるものを用い
た。この混合物を600kg/dの圧力で一軸性のプレ
ス成形を施し、さらに焼結しNi−Znフエライトとし
た。
さらにこれに熱間静水圧プレス処理を実施した。その条
件はアルゴンガス圧力1000Kg/Cdl温度120
0〜1250℃でl時間の処理であつた。処理によつて
その空孔率が0.1%以下の高密度かつ異方性を有する
強磁性多結晶NiZnフエライトに仕上げた。次に上記
Ni−Znフエライトより、フエライト粒子(1,1,
I)配向面がウエハ一面となるように、25mm角、厚
さ1mmの大きさのウエハ一素材に切り出し、GC#1
500砥石及び1μm以下のダイヤモンド砥粒で、その
両面ラツピングを行い前述した基板として必要な平坦度
を得た。
さらに最終工程として、粒径70〜200人のSiO2
パウダーを用いてメカノケミカル研摩を約3時間施し、
上記ラツピングによつて発生した加工変質層の除去を行
い、50八以下の表面粗度を有する上記Ni−Znフエ
ライト基板を得た。以上の工程を経て、異方性を有しか
つ高密度な強磁件多結晶Ni−Znフエライトとなつた
薄膜磁気ヘツド用基板は、熱間静水圧プレス後のフエラ
イト粒子(1,1,1)面の配向率がX線解析で約75
%であり、鏡面加後の面粗度が第1図の顕微鏡写真に示
すごとく実用上十分に平滑なものであつた。ちなみに従
来の成形後焼結させる一般的な方法による強磁性多結晶
N1−Znフエライトからなる同基板は、第2図の顕微
鏡写真に示すごとく空孔が非常に多いことがわかる。
それ故に空孔に起因する鏡面加工時の凹凸が多発し、基
板上に薄膜磁気ヘツドを作製する時の歩留りが50〜6
0%でしかないことと対応することがわかる。さらに、
熱間静水圧プレス処理によつて高密度化した強磁性多結
晶Ni−Znフエライトで同粒子の(1,1,1)面が
基板鏡面に配向されていない基板の場合は、第3図の顕
微鏡写真に示すごとく高密度化は達成されているが、前
述したメカノケミカル研摩による鏡面が結晶段差を生じ
ており、同基板として実用上十分な平坦度が確保されて
いないことが分かる。
すなわちこの発明方法によつで得られた基板は、高密度
化されているため前記した空孔に起因する鏡面加工時の
凹凸が少なくなり薄膜磁気ヘツド作製時の歩留りの向上
が著しく88〜96%に改善された。
また作製した同ヘツドは、事前に加工変質層を除去した
ためこれに起因して従来の同ヘツドでみられる性能低下
がなく、その作製工程において、この基板が高電気抵抗
値を有することから、従来の単結晶Mn−Znフエライ
トを用いた場合のように基板上に絶縁層膜を被着する必
要がなく、同被着工程を省略することができた。さて、
一般に磁気ヘツド用スピネル型ソフトフエライトの主要
な結晶面の中で(1,1,1)面が、他の結晶面例えば
(1,1,0)面、(1,0,1面にくらべて、磁気記
録媒体との摺動に対する耐摩耗性が劣り、単位摺動時間
あたりの摩耗量が多いことが知られている。
ところが、この発明方法で得られた基板の鏡面は、その
Ni−Znフエライト粒子の(1,1,1)面がX線解
析で約75C!)の配向率を得ているため、その基板鏡
面に対し垂直なる面を薄膜磁気ヘツドのトラツク面、ス
ライダー面となるように加工することにより、磁気記録
媒体の摺動に対してすぐれた耐摩耗性を得ることができ
る効果がある。
実施例 2実施例1と同一の条件で混合した鱗片状αF
e2O3(51.7モル%)、MnCO3(27.3モ
ル%)、ZnO(22.0モル%)を成分とする混合物
を、圧力600kg/dの一軸性のプレスによる成型体
となし、その後焼結しMn−Znフエライトを作製した
次にやはり実施例同一条件の熱間静水圧プレス処理を施
し、その空孔率が0.101)以下の高密度でかつ異方
性を有する強磁性多結晶Mn−Znフエライトに仕上げ
た。この時点におけるMn−Znフエライト粒子の(1
,1,1)面は、X線による解析で約80%配向されて
いることが確認された。次にこれを材料に実施例1の場
合と同様の切り出し、両面ラツピングおよび最終工程の
メカノケミカル研摩を実施し、ラツピングによつて発生
した加工変質層を除去した表面粗度が50A以下の異方
性を有しかつ高密度な強磁性多結晶Mn−Znフエライ
トからなる薄膜磁気ヘツド基板を得た。
以上のように実施例1の場合と同様にこの発明方法によ
つて製造した上記基板は、第4図の顕微鋭写真に示すご
とく、従来の単結晶Mn−Znフエライトからなる同基
板と比較してもそれと同等の空孔率を有し、材料内の空
孔に起因する鏡面加工による凹凸の発生は単結晶の場合
と差異がなく実用上同等である。従つて、この発明によ
る基板は従来の単結晶Mn−Znフエライトにくらべて
量産性にすぐれているため、これを薄膜磁気ヘツド用基
板として安価に提供し得る効果を有する。ちなみに、従
来の普通焼結多結晶Mn−Znフエライトからなる基板
の鏡面加工後の顕微鏡写真を第5図に示すが、やはり空
孔が多く鏡面加工時にこれに起因する凹凸の発生がみら
れ十分な平坦度が得られていない。よつてこの基板上に
目的のヘツドを作製すると歩留りが悪く実用的でない。
これを解決するため熱間静水圧プレスによつて高密度化
した従来の多結晶Mn−Znフエライトからなる基板の
鏡面顕微鏡写真を第6図に示すが、しかしこれは結晶面
の配向がなされていないため、実施例1と同様に、それ
ぞれのフエライト粒子の結晶方位によりメカノケミカル
研摩後の鏡面に結晶段差を生じており、目的基板として
要求される十分な平坦度が確保されていないことがわか
る。従つて、この発明による異方性を有しかつ高密度な
る強磁件多結晶Mn−Znフエライトからなる基板は、
上述の従来例の欠点を解決しており、この基板上に作製
した薄膜磁気ヘツドの性能は、事前に加工変質層が除去
されていることからそれに起因する低下がなくすぐれた
読み取り書き込み性能を示した。さらに、この発明によ
る基板のMn−Znフエライト粒子の(1,1,(1)
面が約80%配向しているため、実施例1で述べた理由
と同様に磁気記録媒体との摺動に対する耐摩耗性にすぐ
れた磁気ヘツドスライダ一となる利点がある。
以上に述べた実施例から明らかなごとく、この発明によ
る異方性を有しかつ高密度である強磁件多結晶フエライ
トからなる薄膜磁気ヘツド用基板は、空孔が少なく材料
フエライト粒子の(1,1,1)面が約75〜80%基
板鏡面に配向されているため、加工及び最終メカノケミ
カル研摩によつて十分に平滑な鏡面が得られ、薄膜磁気
ヘツド作製工程での歩留りが著しく向上し、さらに従来
の単結晶からなる基板にくらべ量産性に富み、同ヘツド
の件能低下に結びつく要因を先に除去しているためすぐ
れた読み取り、書き込み件能を有する薄膜磁気ヘツドを
容易にかつ安価に製造できる工業的にすぐれた発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図と第4図はこの発明による薄膜磁気ヘツド用基板
の顕微鏡写真で、第1図はNl−Znフエライト、第4
図はMn−Znフエライトの場合であり、第2図と第5
図は従来の焼結法で得られた上記基板の顕微鏡写真で、
第2図はNi−Znフエライト、第5図はMn−Znフ
エライトの場合であり、第3図と第6図は高密度化して
あるが結晶面の配向がなされていない同基板の顕微鏡写
真で、第3図はNi−Znフエライト、第6図はMn−
Znフエライトの場合であり、いずれも多結晶フエライ
トの場合である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 異方性を有する強磁性多結晶フェライトを熱間静水
    圧プレス法により空孔率0.1%以下まで高密度化し、
    フェライト粒子の(1、1、1)配向面を機械研摩後、
    機械研摩による加工変質層をメカノケミカル鏡面研摩に
    よつて除去することを特徴とする異方性を有しかつ高密
    度である強磁性多結晶フェライトよりなる薄膜磁気ヘッ
    ド用基板の製造方法。
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