JPS5953642B2 - 圧電用または焦電用フィルムの延伸分極方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はポリフッ化ビニリデンまたはポリフッ化ビニリ
デンを主体とする共重合物に圧電性または焦電性を付与
するための延伸分極方法に関し、フィルムにシワが発生
せず表面状態が良好で、かつ高い圧電特性、または焦電
特性が得られる延伸分極方法を提供するものである。

現在、圧電用または焦電用高分子材料としてポリフッ化
ビニリデンまたはポリフッ化ビニリデンを主体とする共
重合物が使用されている。

従来、これらのフィルムに圧電特性・焦電特性を付与す
るために溶融押出しで成型したフィルムを約４倍程度延
伸し、さらにフィルム両面に電極として蒸着により金属
膜を付着し、直流で数百ＫＶ／ｃｍの電圧を印加するこ
とにより分極が行なわれていた。

この従来の方法によれば圧電定数２０〜２５ｐＣ／Ｎを
示すフィルムか得られている。更に最近、フィルムの両
面または片面より数ｍｍ〜数ｃｍ離れた所に放電用電極
を配置し、この放電用電極に直流の１０〜２０ＫＶ程度
の高電圧を印加し、フィルムを延伸すると同時にコロナ
放電を行なうことにより分極を行ない、圧電定数約４０
ｐＣ／Ｎを示すフィルムが得られることが報吉されてい
る。しかしながら、このように延伸と分極とを同時に行
なう方法ではフィルムの表面に延伸方向に平行な多くの
シワが生じ、そのままでは実用的な利用価値は少な＜、
又シワを取るために熱などを加えると圧電定数が低下す
る欠点があつた。本発明は上記従来の欠点を除去するも
のであり、以下に本発明の一実施例について説明する。

実施例ポリフッ化ビニリデンフィルム（厚さ１００μｍ
）を延伸機に固定する。

このフィルムの表面・裏面よりそれぞれ約１ｃｍ離れた
所に放電用電極を設置する。この状態で５０〜９０℃の
温度雰囲気中で上記放電電極に約２０ＫＶの直流電圧を
約５分間印加し第１回の分極を行なう。第１回の分極後
、延伸機を働かせてごく少し延伸を行なう （第１回の
延伸）。この第１回の延伸の終了後、５０〜９０℃の温
度雰囲気中で２０ＫＶの直流電圧を約２分印加し、第２
回の分極を行う。同様に分極（分極条件は５０〜９０℃
、約２０ＫＶ、ｌ分〜１分３０秒）と延伸を繰り返し、
フィルムの延伸限界（約４倍）まで合計４〜５回行なう
。最後の延伸終了後、５０〜９０℃の温度雰囲気中で約
２０ＫＶの直流電圧を５分間印加し、更に３０分間直流
電圧を印加したまま室温まで強制冷却を行なう。このよ
うにして、分極、延伸を繰り返して得られたフィルムの
両面に蒸着によりアルミニウム・ニッケルなどの金属を
付着し両面に電極を形成する。

このように分極、延伸を繰り返したフィルムにはシワが
発生せず表面状態が良好であつた。またこのフイルムを
室温で一週間保つた後の圧電率は３６〜４０ｐＣ／Ｎ、
焦電係数は７．５〜８．６ｎＣ／０Ｋ−ｄであつた。対
照例 前記実施例と同様の分極条件（５０〜９０℃、約２０Ｋ
Ｖ）で延伸と同時に分極を行つた場合のフイルムの圧電
率は３８〜４０ｐＣ／Ｎ、焦電係数は８．０〜８．５ｎ
Ｃ／ＣＫ−ｄであつたが、フイルムの表面に延伸方向に
平行な多くのシワが生じていた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ポリフッ化ビニリデンフィルムまたはポリフッ化ビ
   ニリデンを主体とする共重合物のフィルムを、延伸とコ
   ロナ分極とを交互に繰り返すことを特徴とする圧電用ま
   たは焦電用フィルムの延伸分極方法。